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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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 克哉がキクチ・マーケティングを退社して…太一の実家で生活をするようになってから
すでに一月が経過していた。
  その間、毎晩のように克哉は太一に抱かれていた。
  繰り返し、限界まで高められて追い詰められて…辱められる毎日。
  許してくれるまで、と必死に言い聞かせてそれを受け入れる自分。
  そんな日々が…彼を壊してしまった日からずっと続けられていた。
 
  今晩は祖父の用事で呼ばれたらしく、珍しく夜九時になっても…太一に
触れられてない。
 余程急用だったらしく、留守の時は必ずつけられているローターや貞操帯の類も
今夜はつけられていない。
 その為、久しぶりに克哉は…まともな思考を取り戻し、グルグルと考えていた。
 
「どうして…こんな事になってしまったんだろ…」
 
 夜風に、克哉が纏っている上質な布地の黒い着物が靡いていく。
 この屋敷に着てから、克哉は浴衣や薄手の着物を身につけている事が多くなった。
 理由は太一の見立てだ。
 彼の実家は古めかしい立派な和風の屋敷で…確かに洋服よりも和服の方がマッチするよね~
と軽く言いながら、何着が渡されたのだ。
 おかげで今では…着物がすっかり肌に馴染みつつあった。
 
 彼の部屋の窓の縁側に立ち、ガラス越しに立派な庭園を眺めていく。
 どうして自分はここにいるのだろうか? 
 いつまでこんな日々が続くのだろうか?
 あれだけ明るく人懐っこそうな太一をここまで変えてしまった自分の行動を酷く
悔やみながら…空に輝く月を眺めていく。
 
「太一…」
 
 あの日、眼鏡を掛けた自分をした事をぼんやりと思い出して…克哉は涙を浮かべていく。
 それが一粒、一粒…頬を伝い…月の光を受けて真珠の涙のように煌いて、畳の上に
そっと落ちていった。
 触れたガラスはゾクっとするぐらいに冷たく…どこまでも怜悧に、思いつめた顔をした
自分の顔を闇の中に浮かび上がらせていた。
 そんな時…ふいに、背後から抱きすくめられ、ガラス窓に両手をつくような格好にさせられた。
 
「ただいま…克哉さん。今日は…留守番中に克哉さんに何にも仕掛けないで出かけて
しまったけど…良い子にしてた…?」
 
 クスクスと笑いながら、熱い吐息混じりに囁きを落とされる。
 克哉の方が太一よりも身長が高いが、この体制なら…太一でも克哉の耳元に囁きを
落とす事が出来る。
 黒いスーツに身を包んだ太一はいつもよりも大人びた印象になっていたが…克哉には
彼の服装に気づく余裕などすでになかった。
 淫らに着物の胸元の隙間に手を差し入れられて、やんわりと胸の周辺を辿られていく。
 振り返らずとも、判る。
 この熱さも…手の形も、低く掠れた熱っぽい声も…あの日からずっと馴染みになって
しまっているから。
 
「…ん、良い子にしていた…だから…」
 
「…だから、何? 克哉さんはどうして…欲しいの? あぁ…今日は大人しく寝る方が良い? 
俺もじいさんに色々申し付けられて、今日は疲れて…ね。
今夜ぐらいは…普通に過ごそうか…?」
 
 と、口では優しい事を言いながらも…グイ、と硬くなったモノを克哉の臀部に押し付けて
その谷間の奥を刺激していく。
 こんな挑発行為をしておいて、大人しく寝る方が…なんて意地悪以外の何物でもない。
 
「やっ…あっ…!」
 
 ふいに、右の胸の突起が強く抓られていく。
 本来なら痛みを感じるそれも…彼にすみずみまで開拓された身体にとっては、
快楽へと変わる。
もう一方の突起を優しく摘まれたりしたら、もう駄目だ。
 肉体の奥に欲望の火が灯り…すぐに何も考えられなくなっていく。
 
「あ~あ、克哉さん…俺にちょっと弄られただけでこんなにやらしく腰をくねらせて…さ。
本当にエロい身体だよね…胸なんて、もうこんなに硬くなっているし…」
 
「やっ…言う、なよ…恥ずか…し、から…っ!」
 
「…これだけ俺に毎日毎日、いやらしい事をされている癖に…まだ恥ずかしがれるんだ…。
ある意味、尊敬しちゃうね…」
 
「ひっ…いっ…!」
 
 ふいに着物の裾の部分を捲くられて、直接ペニスを握りこまれていく。
 胸の刺激を受けた時点で、硬くなり始めたそれが…太一の掌の中ではち切れんばかりに
膨張して蜜を零し始めている。
 
「ダメ、だってば…! こんな処で、されたら…窓ガラス、が…汚れる…っ」
 
「…今更、何言っているの? 汚れたら…後で拭けば良いだけじゃん? あぁ…それとも克哉さんに
舐めて綺麗にしてもらうのも良いかもね…想像したら、すっごい楽しそうだ…」
 
「っ…! そんな、の…!」
 
 涙ぐみながら、頭を振っていやいやするような仕草をするが…太一は止める気など
さらさらないようだった。
 更に太一の手に熱が篭り、指の腹で鈴口を執拗なくらいに擦り上げて…
快楽を引きずり出される。
 手が蠢く度に背筋が痺れるくらいの強烈な快感が走り抜けて…耐え切れずに克哉は
必死になって喘ぎ続けた。
 
「…今夜も、克哉さんのぼうやは…淫らみたいだね。俺の手の中ですっごい暴れて、気持ち良いって
訴えているよ…?」
 
「た、いち…だか、ら…お願い、だから…言わない、で…っ!! やぁっ!!」
 
 ふいに耳朶を強く噛まれながら、ペニスを痛いぐらいに握りこまれていくと…その刺激だけで
克哉は達して…相手の手を白濁でべったりと汚していく。
 絶頂に達して…克哉の身体が弛緩していく。
 その隙を狙って、太一のローションをたっぷりと塗りたくった剛直が…克哉の蕾に宛がわれ
一気に最奥まで貫いていった。
 
「ぅ…あぁ…!」
 
 休む間もなく、再び強い快楽を与えられて克哉が余裕ない様子で甲高く啼いた。
 揺さぶられる度にガタガタとガラスが軋んで、音を立てていく。
 容赦なく胸の突起を弄られながら…内部の鋭敏な箇所を容赦なく擦り上げられれば
こちらは堪ったものではない。
 ガラスに必死に爪を立てながら、克哉は必死になってその悦楽に耐えるしかない。
 
「…今夜の克哉さん、凄く綺麗だよ…。俺が見立てた黒い着物も良いけど…月の光に
照らされて…すっごい美人度が増してる…。
さすが、俺の克哉さんだよなぁ…うっとりする…」
 
「ん…た、いち…っ!」
 
 『俺の克哉さん』
 
 その一言を聞いて、酷い意地悪をされているにも関わらず…克哉の背中はゾクっと
甘い痺れが走っていく。
 腰を掻き回すように使いながら、先程精を放ったばかりの克哉の性器を再び…抽送の
リズムに合わせるように扱き始めた。
 接合部と握られた場所から、グチャネチャ…といやらしい水音が響き渡る。
 静謐を称えた夜の部屋の中で…互いが交じり合う音と荒い吐息だけが
聞こえてくるのは酷く淫猥だ。
 
「ずっと…ずっと…俺だけの、克哉さんで…いてよね。この屋敷で…俺の傍で…ね…?」
 
 そういって、着物を肌蹴られて…露になった肩口から首筋に掛けて…今夜も色濃く、
彼の所有の証を刻み込まれていく。
 身体の関係を結んだ日から、この赤い痕が克哉の肌の上から消える事はない。
 繰り返し、繰り返し…全てが消える間もなく刻み込まれていく。
 それはあまりに艶やかで…淫らな、所有の証であった。
 
「んっ…はぁ…た、いち…!」
 
 その痛みに耐えかねて、克哉は喉を逸らして…窓の外の月を仰ぐ。
 白く煌々と輝く月だけは、いつまでも変わらない。
 古来より月は人を狂わせるとも、真実の心を映す鏡とも言われている。
 
(あぁ…オレは、それでも…)
 
 己の中で、太一の熱が一際大きく膨張し…脈動しているのが判った。
 それを感じて…克哉の身体もまた、熱を帯びて悦びを訴えていく。
 こちらが登り詰めるのと同時に、どっと勢い良く熱い精を最奥に浴びせられて…
克哉の意識は急速に失われ始めていた―。
 
(…それで、も…オレは…太一を、愛して…いる、んだな…)
 
 月を眺めている内に、その本心に嫌でも気づかされた。
 今夜なんて、逃げ出す絶好の機会だったのに…それでも太一の帰りを
彼の部屋の中で静かに待っていた。
 その行動こそが、その証。
 
 だから…克哉は太一の全てを受け入れる。
 彼の狂気も、独占欲も…執拗なまでのこちらへの愛情も、全て。
 いつか元の彼に戻ってくれる事を強く祈りながら…。
 克哉は彼の腕の中で、一時のまどろみの中に落ちていった―。
 
 
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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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