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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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 御堂と克哉が晴れて恋人同士になってから半年近くが経過した…
天気が良い、日曜日の朝の事だった。
 肌触りの良い布団に包まって、二人で一緒にまどろんでいた時…ふいに
電話の音が鳴り響いていた。

 ツルルルルル…ツルルルルル…。

 発生源は自分の携帯からのようだ。
 佐伯克哉は寝ぼけながらも、どうにか腕を伸ばして携帯を取っていく。
 ディスプレイに表示されている相手の名は「本多憲二」とあった。

「……本多からだ…。朝っぱらなんて、珍しいな…」

 本多、と呟いた瞬間…隣で寝ていた人物の肩がピクリと震えていたのだが、当の克哉
本人は電話に意識を取られてその事に気づいていなかった。
 通話ボタンを押して、携帯を耳元に宛がっていく。

「もしもし…」

『おう、克哉か。出てくれてほっとしたぜ。もしかしたらまだ寝ている頃かも…と少し不安
だったんだぜ』

「…そう思うなら、もう少し遅い時間にしておけよな…。まだ朝七時だよ。
それに起きていたんじゃなくて、お前の電話に起こされた形だし…」

『うわっ! それは悪い事したな。どうしても気が逸ってしまってな…』

「…どうしたんだよ。凄いウキウキしているっていうか…本多の声、弾んでいるけど。
何か良い事あったのか?」

 実際に、今朝の本多はかなりハイテンションのようだった。
 声の調子を聞くだけで嬉しいことがあったと一発で伝わってくる感じだ。

『あぁ…! 今日はな。俺が所属しているバレーチームに、飛び入りで…大学時代の
後輩が顔出してくれる事になったんだ。それが嬉しくてな…ついお前に報告したくなった』

「へえ、それは良かったな。…本多、大学時代での出来事…引きずっていたからな。
そうやって一緒にバレー出来るってだけでもお前にとっては嬉しい事だろうからな…」

 克哉が御堂と結ばれて、MGNに引き抜かれてから…声を掛けられて本多とは何度か
飲みにいった事があった。
 特に営業の最中に、以前の仲間であった松浦と再会した辺りは頻繁に呼び出されて
大学時代の…かつての仲間たちとの確執の話を相談されたりした事があった。
 …その時期、毎週のように金曜日に本多の話を聞きに伺っていた為に…御堂に
ヤキモチを焼かれたりした事もあったが…こんな報告を聞ければ、その当時の
苦労など一気に吹き飛んで、こちらまで嬉しくなってくるくらいだ。

『あぁ…仲間は本当に大事だからな。一人でも…こうして、俺に会いたいと
連絡してくれる奴がいるだけでも…例の件を責めないでいてくれるだけでも
本当に嬉しいと思っている。で…克哉、お前も良かったら来ないか?』

「…えっ? 何で俺まで…?」

『…お前だって途中で辞めたけど、同じチームの仲間だっただろ? それなら
本日のバレーに参加する資格は十分だと思うけどな』

「…そんな事、ないよ。俺は…レギュラーメンバーでも、大した実力も持っていない
幽霊部員に近い奴だっただろ?」

『…昔から俺にとって克哉は大事な仲間だ。大学も卒業して…今は八課からも
いなくなったけど…俺は一生、その気持ちは変わらないと誓えるぜ』

 あまりに率直かつ、熱い言葉に…逆に恥ずかしくて顔が真っ赤に染まっていく。
 
「ば、バカ…そんな事、真っ直ぐに言うなよ! 言われたこっちが恥ずかしくなるだろ…!」

 克哉が動揺した声を漏らせば、傍らの御堂から殺気にも似た濃密なオーラが立ち上り
始めていく。しかしそれでも…今の克哉には気づく余裕がなかった。

「ん…でも、本多がそう言ってくれる事は…うん。嬉しいかな…俺にとっても、本多は…」

 それ以上の言葉は、紡げなかった。
 咄嗟に唇を噛んで、声が漏れるのを防いだからだ。

「っ…!」

 気づけば、隣に寝ていた御堂はいつの間にか移動して…自分の足の間から、顔を
覗かせていた。
 大きな掌に下着を纏っていない状態の自分の太股から鼠経部に掛けてを
やんわりと…撫ぜ擦られていく。

「…み、どぅ…」

 咄嗟に相手の名を呼んで、止めさせようとしてはっとなった。
 今は本多と電話中で…「御堂さん」と口に出せば、絶対に聞かれてしまう。
 日曜日に朝七時という早い時間に、御堂と一緒にいる事を詮索されたら…
自分は上手く誤魔化せる自信はない。だから口に出せる訳がなかった。
 どうにか声を抑えるのには成功したが…耐えたのも束の間、今度はやんわりと
まだ柔らかいままの性器を掌で握り込まれていく。

 な、ん、で、こ、ん、な、こ、と

 声に出せない代わりに口パクでそう呟き、哀願するような切ない表情を浮かべて…克哉は
足の間の御堂を見つめていく。
 御堂は、傲慢に笑っていた。
 ―恋人関係になってからの彼は非常に穏やかで、ここ暫くは優しい眼差ししか見る事は
なかった。
 しかし今の御堂からは…最初に無理やり身体の関係を持たされた頃のような酷薄な
眼差しを浮かべている。

 そう、御堂は憤っていた。
 心から執着し、愛しいと思っている相手が…自分のベッドの上で、他の男と
楽しそうに電話し続けていた事を。
 これが服を纏い、ベッドの上での事でなければ…許せただろう。
 しかし本気で想っている相手が己の領域内で、他の男の言葉で顔を赤らめて
動揺しているような姿を見せられて…冷静でなどいられる訳がないのだ。

「君が悪いんだ…克哉…」

 剣呑な表情を浮かべながら御堂は…克哉の性器の先端を緩やかに舐め上げて刺激した
後に、そっと口に含み始めたのだった―。

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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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