鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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※2012年9月6日より開始した眼鏡×御堂に克哉が絡んでくる
形式の話になります。
三角関係や恋愛主体ではなく、眼鏡や克哉の心理や葛藤に
焦点を当てた話になりますので了承した方のみ目を通して
下さいませ。
今の自分は、順風満帆な筈だ。
決して叶うはずがないと諦めていた恋が成就して、自分の右腕として
側にいてくれている。
二人で興した会社も順調で、徐々に軌道に乗り始めている。当初からに比べれば、
従業員の数も増えたしMGNから引き抜いて来た元部下の藤田も想像以上に
役に立ってくれている。
(何も憂うべき事はない筈なのに…どうして、俺の心はこんなに晴れないんだ…?)
愛する人間と抱き合って、頂点に達して心地よい疲労感に満たされているのに…
それでも、黒い染みのようなものは心の中から消えてくれなかった。
「はぁ…はぁ…」
心が荒れているのを相手に気づかれたくなくて…荒い呼吸を無理に整えなかった。
触れ合っている肌がじんわりと湿っているのが伝わっていく。
セックスによって、お互いの体熱が上がっていたせいだろう。
ぼんやりとそんな事を考えながら、相手の肩に顔を埋めていくと…御堂の腕がそっと、
こちらの後頭部に伸ばされて優しく撫でられていった。
「克哉…」
「孝典…」
「ふふ、何となくくすぐったい気分だな…。君とこういう関係になるなんて…少し前だったら、
考えた事もなかったのに不思議なものだな…」
「………そう、だな…」
御堂は何気なく言ったつもりだったのだろう。
だが、その一言がどうしてか…酷く克哉の胸に突き刺さっていった。
そう、克哉は罪を犯している。
御堂に対して、拭い切れない罪の意識を決して消えない程の…重すぎるくらいの。
「…どうして、顔を見せないんだ…? ずっと顔を埋めているだけなんて…君らしくないだろう?
其処まで体力がない訳じゃないだろう…?」
「…久しぶりにあんたと抱き合ったんでね。運動不足だったせいで少し疲れただけです。
やはり人間、定期的に適度な運動をするのは必要みたいですね。どれだけ
忙しくても…あんたを抱く時間は週に一回は捻出しないと、どんどん体力が
衰えていきそうだ…」
御堂の声に怪訝そうな色が滲んでいるのに気づいた途端、克哉は顔を上げて…
いつもの調子で憎まれ口を叩いていった。
「わ、悪いが…週末に休みが取れないぐらいに多忙な時期は、ちゃんと自重してもらうぞ。
私だって、出来るなら…その、君としたいって気持ちはあるが…翌日に支障が確実に
出ると判っているからな…」
「判っていますよ…あんたが翌日使いものにならなくなったら、俺たちの会社の
運営に支障が出ますからね…」
「そ、そうだ。あれは私と君の…二人で作った会社だ。一応トップの一人として、
いい加減な真似はしたくない…」
「判っているさ…お前のそういう生真面目な所はな…」
御堂は、そういう男だ。
自分が背負った責任を、決して自分の身勝手な理由で放り投げたりしない。
そういう責任感の強さがあるからこそ、三十代前半という若さであっても、かつては
大企業の部長職になんて就けたのだろう。
そんな御堂だからこそ、焦がれた。
間違った方法を用いても、屈服させたかった。憎ませて自分の事で相手の頭を
いっぱいにしたかった。
ふと過去の罪がまた頭の中をよぎって、息が詰まりそうになる。
(…俺は一体、どうしてしまったんだ…? 最近、どうしてこんなにも過去の過ちばかりが
頭の中に浮かんでくるんだ? こうしてせっかく、御堂と甘い時間を過ごしているのに…)
苦い顔を、恋人の前で浮かべたくなくて必死に表情を繕っていく。
それが無言を生み出す間に繋がり、再び相手を怪訝そうにさせる要因に繋がった。
「…今日は一体、どうしたんだ…? 何か様子がおかしいように感じるんだが…」
「…心配するな、少し疲れてボーとしてしまっているだけだ…」
「…それなら良いんだが…」
納得しきってないが、疲労している時にボーとしたり注意力が散漫になる事は誰にだってある。
有能である御堂や克哉だって、それは例外ではない。
だからこそ…そういわれてしまった側は引き下がるしかない。
「疲れているなら…名残惜しいが、そろそろ寝た方が良いだろうか…?」
「そう、だな。あんたをトコトン味わうのは一旦、寝て体力を取り戻してからの方は良いな。
明日は久しぶりの二人揃っての休日だから、今から楽しみだ」
「…せめて明後日に腰が立たなくなるような事だけはするなよ?」
「ああ、判っているよ。あんたは俺の大切なパートナーだからな。右腕がそんな理由で
働けなくなってしまったら、俺達が作った会社にとってとんでもない損失だからな…」
「ふふ、今の君は…そういう事をちゃんと配慮してくれるようになったからな。
それだけでも…有り難いな…」
「…昔の俺は、そんな当たり前の事すら配慮しないで…あんたを好き勝手
していた、からな…」
「えっ…?」
御堂が何気なく言った言葉に、つい反応して後悔めいた発言が口をついていった。
その途端、御堂の顔がまた訝しげな色を滲ませていく。
「…もう、間違いたくない…。あんたに、あんな酷い事は…二度と…」
「…判っている。だからもう言うな…。そんなに辛そうな顔を…しないでくれ…克哉…」
一気に二人の間に流れる空気が甘いものから、重苦しいものへと変わっていく。
そんな雰囲気を長く引きずりたくなくて、御堂は会話を打ち切るように告げていく。
だから、克哉は胸の内をどうしても御堂に告げられない。せっかくの二人の時間を、
過去の罪によって苦いものにしたくないという理性が働くからだ。
「…私はもう、君を許している。だからこうして側にいるんだ。それを…判ってくれ…」
「…ああ、判っているさ…」
けれど、克哉の表情は晴れない。
この重苦しい空気を引きずりたくなくて…克哉は枕に顔を埋めてつぶやいていく。
「…もう、そろそろ寝よう。お互い疲れているからな…」
「…ああ、そうだな。それが良いかもな…」
そうして、お互いに複雑な思いを秘めながら就寝する為の準備を始めていく。
お互いの体温と息づかいを感じて、確かに幸福感を覚えているのに…どこか、
張りつめたものを漂わせていた。
「おやすみ、孝典…」
「ああ、おやすみ…克哉…」
そうしておやすみのキスを交わして、そっと唇をついばみあう。
そしてお互いの体温を感じあいながら…緩やかにまどろみの中に落ちていく。
ーだが、彼は知らなかった
この夜をキッカケに、突然今までの世界がひっくり返ってしまう事を予測しないまま…
彼は、深い精神の淵へと意識を落としていったのだった…
形式の話になります。
三角関係や恋愛主体ではなく、眼鏡や克哉の心理や葛藤に
焦点を当てた話になりますので了承した方のみ目を通して
下さいませ。
今の自分は、順風満帆な筈だ。
決して叶うはずがないと諦めていた恋が成就して、自分の右腕として
側にいてくれている。
二人で興した会社も順調で、徐々に軌道に乗り始めている。当初からに比べれば、
従業員の数も増えたしMGNから引き抜いて来た元部下の藤田も想像以上に
役に立ってくれている。
(何も憂うべき事はない筈なのに…どうして、俺の心はこんなに晴れないんだ…?)
愛する人間と抱き合って、頂点に達して心地よい疲労感に満たされているのに…
それでも、黒い染みのようなものは心の中から消えてくれなかった。
「はぁ…はぁ…」
心が荒れているのを相手に気づかれたくなくて…荒い呼吸を無理に整えなかった。
触れ合っている肌がじんわりと湿っているのが伝わっていく。
セックスによって、お互いの体熱が上がっていたせいだろう。
ぼんやりとそんな事を考えながら、相手の肩に顔を埋めていくと…御堂の腕がそっと、
こちらの後頭部に伸ばされて優しく撫でられていった。
「克哉…」
「孝典…」
「ふふ、何となくくすぐったい気分だな…。君とこういう関係になるなんて…少し前だったら、
考えた事もなかったのに不思議なものだな…」
「………そう、だな…」
御堂は何気なく言ったつもりだったのだろう。
だが、その一言がどうしてか…酷く克哉の胸に突き刺さっていった。
そう、克哉は罪を犯している。
御堂に対して、拭い切れない罪の意識を決して消えない程の…重すぎるくらいの。
「…どうして、顔を見せないんだ…? ずっと顔を埋めているだけなんて…君らしくないだろう?
其処まで体力がない訳じゃないだろう…?」
「…久しぶりにあんたと抱き合ったんでね。運動不足だったせいで少し疲れただけです。
やはり人間、定期的に適度な運動をするのは必要みたいですね。どれだけ
忙しくても…あんたを抱く時間は週に一回は捻出しないと、どんどん体力が
衰えていきそうだ…」
御堂の声に怪訝そうな色が滲んでいるのに気づいた途端、克哉は顔を上げて…
いつもの調子で憎まれ口を叩いていった。
「わ、悪いが…週末に休みが取れないぐらいに多忙な時期は、ちゃんと自重してもらうぞ。
私だって、出来るなら…その、君としたいって気持ちはあるが…翌日に支障が確実に
出ると判っているからな…」
「判っていますよ…あんたが翌日使いものにならなくなったら、俺たちの会社の
運営に支障が出ますからね…」
「そ、そうだ。あれは私と君の…二人で作った会社だ。一応トップの一人として、
いい加減な真似はしたくない…」
「判っているさ…お前のそういう生真面目な所はな…」
御堂は、そういう男だ。
自分が背負った責任を、決して自分の身勝手な理由で放り投げたりしない。
そういう責任感の強さがあるからこそ、三十代前半という若さであっても、かつては
大企業の部長職になんて就けたのだろう。
そんな御堂だからこそ、焦がれた。
間違った方法を用いても、屈服させたかった。憎ませて自分の事で相手の頭を
いっぱいにしたかった。
ふと過去の罪がまた頭の中をよぎって、息が詰まりそうになる。
(…俺は一体、どうしてしまったんだ…? 最近、どうしてこんなにも過去の過ちばかりが
頭の中に浮かんでくるんだ? こうしてせっかく、御堂と甘い時間を過ごしているのに…)
苦い顔を、恋人の前で浮かべたくなくて必死に表情を繕っていく。
それが無言を生み出す間に繋がり、再び相手を怪訝そうにさせる要因に繋がった。
「…今日は一体、どうしたんだ…? 何か様子がおかしいように感じるんだが…」
「…心配するな、少し疲れてボーとしてしまっているだけだ…」
「…それなら良いんだが…」
納得しきってないが、疲労している時にボーとしたり注意力が散漫になる事は誰にだってある。
有能である御堂や克哉だって、それは例外ではない。
だからこそ…そういわれてしまった側は引き下がるしかない。
「疲れているなら…名残惜しいが、そろそろ寝た方が良いだろうか…?」
「そう、だな。あんたをトコトン味わうのは一旦、寝て体力を取り戻してからの方は良いな。
明日は久しぶりの二人揃っての休日だから、今から楽しみだ」
「…せめて明後日に腰が立たなくなるような事だけはするなよ?」
「ああ、判っているよ。あんたは俺の大切なパートナーだからな。右腕がそんな理由で
働けなくなってしまったら、俺達が作った会社にとってとんでもない損失だからな…」
「ふふ、今の君は…そういう事をちゃんと配慮してくれるようになったからな。
それだけでも…有り難いな…」
「…昔の俺は、そんな当たり前の事すら配慮しないで…あんたを好き勝手
していた、からな…」
「えっ…?」
御堂が何気なく言った言葉に、つい反応して後悔めいた発言が口をついていった。
その途端、御堂の顔がまた訝しげな色を滲ませていく。
「…もう、間違いたくない…。あんたに、あんな酷い事は…二度と…」
「…判っている。だからもう言うな…。そんなに辛そうな顔を…しないでくれ…克哉…」
一気に二人の間に流れる空気が甘いものから、重苦しいものへと変わっていく。
そんな雰囲気を長く引きずりたくなくて、御堂は会話を打ち切るように告げていく。
だから、克哉は胸の内をどうしても御堂に告げられない。せっかくの二人の時間を、
過去の罪によって苦いものにしたくないという理性が働くからだ。
「…私はもう、君を許している。だからこうして側にいるんだ。それを…判ってくれ…」
「…ああ、判っているさ…」
けれど、克哉の表情は晴れない。
この重苦しい空気を引きずりたくなくて…克哉は枕に顔を埋めてつぶやいていく。
「…もう、そろそろ寝よう。お互い疲れているからな…」
「…ああ、そうだな。それが良いかもな…」
そうして、お互いに複雑な思いを秘めながら就寝する為の準備を始めていく。
お互いの体温と息づかいを感じて、確かに幸福感を覚えているのに…どこか、
張りつめたものを漂わせていた。
「おやすみ、孝典…」
「ああ、おやすみ…克哉…」
そうしておやすみのキスを交わして、そっと唇をついばみあう。
そしてお互いの体温を感じあいながら…緩やかにまどろみの中に落ちていく。
ーだが、彼は知らなかった
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香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
鬼畜眼鏡にハマり込みました。
当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)
当ブログサイトへのリンク方法
URL=http://yukio0201.blog.shinobi.jp/
リンクは同ジャンルの方はフリーです。気軽に切り貼りどうぞ。
…一言報告して貰えると凄く嬉しいです。
当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)
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