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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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※この話は記憶を一部欠落した状態で生活している設定の
ノマと、真実を隠している眼鏡と閉ざされた空間で生きると
いう内容のものです。
 一部ダークな展開や描写を含むのでご了承下さいませ。

―ある日、目覚めた時には見知らぬ部屋で…記憶を失った
状態だった

 自分の名前が佐伯克哉である事は覚えている。
 キクチ・コーポレーションに数年勤務して…あまり仕事の出来ない
パッとした平凡な人間。
 大学時代はバレーボールをやっていたが、イマイチ部の空気に馴染む事が
出来ず途中で退部。
 誰も傷つけないように、ひっそりと生き続けていた。
 大まかな自分の経歴、体験した出来事は覚えている筈なのに…ごく
最近起こっていた事というか、そういうものが一切欠落していた。

「あれ…何でだろう? 何も思い出せないん…だけど…」

 白が基調の、シンプルな内装の部屋の中で克哉は心底困惑したような
声を漏らしていく。
 一体どれくらい前からの事が思い出せなくなっているのか判らないと
いう違和感。
 どうしてこの部屋にいて目覚めているのか、その過程すら思い出せず
克哉はただ困惑していた。

「ええっと…うん、一時的に記憶が混乱しているだけだよな。えっと…
ここは何処、かな…?」

 少しでも情報を得たくて身体を起こし、窓の外を眺めていく。
 その途端、克哉は言葉を失っていた。

「うわっ…何だこれ! どうして空がこんな色に…?」

 窓の外に広がっている光景は、大きな草原が広がっていた。
 だが問題はそれではなかった。
 本来抜けるような青い空が広がっているべき空間には、様々な
オーロラのような不安定な色を讃えていたのだ。
 確かに夕暮れ時ならば空はそういった多数の色を讃えて美しい様相を
見せる事はある。
 だが今は恐らく朝か昼の時間帯の筈だ。
 それなのに…空がこんな色をしているのは明らかに異常過ぎた。

「一体ここは何処なんだ…!」

 初めて、その疑問を痛烈に感じて違和感を覚えていく。
 白い部屋、閉ざされた空間。
 そして大草原らしき場所に存在しているこの小屋。
 どうして自分がこんな処にいるのか、過程を全く思い出せない事に
強烈に疑問を覚えた次の瞬間…部屋の奥の扉がいきなり開いていった。

「ああ、やっと目覚めたのか…待ちわびたぞ」

「えっ…?」

 その男を見た時、何故な見覚えがあった。
 けれどそれが誰なのか…克哉には判らなかった。
 眼鏡を掛けた冷たい眼差しを浮かべた男。
 見覚えは確かにある顔なのに、それが誰なのか判らずに克哉は首を
傾げるしかなかった。

「あの…貴方は、誰ですか…?」

 克哉は困惑した表情のまま…自分と全く同じ顔の造作をした
男に向かって、そんな間の抜けた質問をしていったのだった―
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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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