鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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再び、大きな過ちを犯してしまったその翌朝。
眼鏡は…リビングのソファの上に横たわり、何度も寝返りを打っていた。
(やはり…寝心地が悪いな…)
すでに窓の外は日が昇り、夜の帳がゆっくりと消えていこうとしている頃だ。
カーテンの隙間から差し込む朝日に、眩しさを感じながら…彼はゆっくりと
瞼を開いて、身体を起こしていった。
「朝、か…」
やはり、ベッドで眠らないと…身体の節々が痛む感じがした。
だが、昨日…御堂を陵辱した現場である自分の寝室は、酷い状態だった
ので到底…眠れる状態ではなかったのだ。
部屋に連れてくると同時に、その部屋を片付けておく事だけ命じておいて…
彼は結局、リビングで夜を明かす事にした。
身体の奥には未だに欲望の火が燻っている状態で、もう一人の自分と一緒に
なんて過ごしたらどうなるか判らなかったし、恋人を無理矢理抱いたその夜に…
というのは自分のプライドが許せなかったからだ。
結果、一人で眠っていた訳だが…やはり、少々夢見が悪かったようだ。
身体のどこかに疲労感が残っていて、鉛のように重く感じられる。
「御堂…」
それでも、この部屋の至る所には…恋人の残り香が微かに残されている。
眼鏡は…ほんの少し、その香りが鼻につくだけで…胸が引き絞られるような
想いがした。
思い描くのは、ただ一人…御堂の面影だけだ。
昨晩、あのような事が起こって…彼は果たして出社出来るのだろうか。
部屋に戻って来た時、何の書置きもなく…恋人の姿もすでになかった事から
御堂は心底怒っている事は容易に推測出来る。
(…もしかしたら、午前中は動けないかも知れないな…)
もし、御堂の姿が自分が出社した時になかったら…それだけ、昨晩の
後遺症が酷いという事だろう。
そこら辺を藤田とか、他の従業員に察せられないで一日を過ごせる
だろうか。そんな不安がふと…脳裏を過ぎっていく。
胸に広がるのは、ジワリとした不安と後悔。
そんなネガティブな感情に引きずられたくなくて…頭を振りながら、眼鏡は
ソファから立ち上がっていった。
(あれこれ…悩んでいても仕方ないな。起こってしまった事はなかった
事には出来ない…。あるとすれば、これからをどうしていくか…だ…)
そう思考を切り替えて、サイドテーブルに置いてあった銀縁眼鏡を
装着していくと…キッチンに立っているもう一人の自分の姿が視界に
入っていった。
昨日はピチっとスーツを着ていたのに対し…今は、上着と赤い
ネクタイは外したラフな格好をしていた。
「あ、おはよう…『俺』。もうすぐ…朝食が出来るから、ちょっと待ってて?」
「朝食…?」
「もう、昨日お前が言ったんだろ…? とりあえずハウスキーパー代わりで
なら置いてやるって。だから…ちゃんと昨晩もお前の部屋の後片付けと
ベッドメイキングはしておいたし…ちょっと早起きして、朝ごはんも用意
しておいたよ。それなら…置いてくれるんだろう?」
そういって、ニコリと人懐こく笑いながら…テキパキと焼きあがったトーストを
皿の上に乗せて…フライパンの上の透明なガラス蓋を開けて、フライ返しで
器用にソーセージと半熟に仕上げられた目玉焼きを乗せていく。
後は、細かくしたベーコン、タマネギ、ニンジン、ネギなどを入れてざっと
煮て…コンソメの素を落とした簡単なスープだ。
これは深皿に中身を注ぎ込んで、大き目のスプーンを用意していった。
「…お前も、トースト派で良かったんだよな。ちょっと…和食風にしようか
迷ったんだけど…オレと同一人物なら、好みは一緒かな…と思って
こういう感じにしたんだけど、大丈夫だったかな?」
「あぁ…トーストで構わない。旅館とかそういう場所に泊まったのなら
和食の朝食が出ても素直に受け入れるが…やはり朝は、カリっと
焼きあがったトーストに、コーヒーが良い…」
「ん、良かった。その辺はオレと一緒で…。ほら、コーヒーの準備も出来たよ。
すぐに食べるだろ?」
そういって完成した料理を盛り付けて、四角いお盆の上に並べていくと…
大きなテーブルの上にそれを運んでいく。
素直に眼鏡がその席に腰をかけていくと…鼻に、コーヒー特有の香ばしい芳香が
感じられていった。
「…ふん、なかなか悪くないみたいだな…」
「…一応、オレに出来る精一杯のものは作ったけれどね。及第点かどうかは…
お前の舌で判断してくれるかな?」
「あぁ…お前を置いてやっても良いかどうかは…実際に食べてみなければ
判らないがな。判断、してやるよ…」
「うわっ…本当にお前って偉そうだよな。…まあ、とりあえずは食べてみてよ。
それなりの味に仕上がっていると思うから…さ?」
相変わらず、こちらがこんな態度をしていても…口元に微かな笑みを浮かべて
いるコイツの考えがまったく読めないままだった。
(…何でコイツは、そんなに俺の傍にいようとするんだ…?)
その事に疑問を覚えながらも素直に眼鏡はスプーンを手に取って…
スープを一口、啜っていく。
「…旨い、な…」
その声は、自然と漏れてしまっていた。
暖かいスープを飲んだ瞬間、ホロリと…強張っていた身体の力が抜けるような
想いがした。
それで実感する。どれだけ…昨日の夜から、自分の身体が強張り続けていたのかを。
緊張で…冷え切ってしまったのかを…。
他愛無い事であったのかも知れない。
けれど…今朝、こうして…コイツが傍にいてくれて良かった、などと殊勝な事を
思い始めた。
(癪だから…口に出して言うつもりはないがな…)
だが、その代わりに…眼鏡は無言でそのスープも、用意されたトーストや
目玉焼きの全てを平らげて…一言、告げていった。
「それなりに旨かった。一応…及第点、だな…」
「本当、良かった…!」
眼鏡が食べている間、克哉も緊張していたらしい。
その一言を貰って、心から安堵したような顔を浮かべていた。
(何故、こいつは…俺の傍にいたいと望んでいるんだ…?)
その理由が、本当に昨晩言った通りの…お人よし過ぎる内容なのか…
訝しげに思いながらも、一先ず今朝だけは…例の寝室での痕跡を片付けて
くれた事と…この朝食を用意してくれた事を、ひっそりと…感謝していったのだった―
眼鏡は…リビングのソファの上に横たわり、何度も寝返りを打っていた。
(やはり…寝心地が悪いな…)
すでに窓の外は日が昇り、夜の帳がゆっくりと消えていこうとしている頃だ。
カーテンの隙間から差し込む朝日に、眩しさを感じながら…彼はゆっくりと
瞼を開いて、身体を起こしていった。
「朝、か…」
やはり、ベッドで眠らないと…身体の節々が痛む感じがした。
だが、昨日…御堂を陵辱した現場である自分の寝室は、酷い状態だった
ので到底…眠れる状態ではなかったのだ。
部屋に連れてくると同時に、その部屋を片付けておく事だけ命じておいて…
彼は結局、リビングで夜を明かす事にした。
身体の奥には未だに欲望の火が燻っている状態で、もう一人の自分と一緒に
なんて過ごしたらどうなるか判らなかったし、恋人を無理矢理抱いたその夜に…
というのは自分のプライドが許せなかったからだ。
結果、一人で眠っていた訳だが…やはり、少々夢見が悪かったようだ。
身体のどこかに疲労感が残っていて、鉛のように重く感じられる。
「御堂…」
それでも、この部屋の至る所には…恋人の残り香が微かに残されている。
眼鏡は…ほんの少し、その香りが鼻につくだけで…胸が引き絞られるような
想いがした。
思い描くのは、ただ一人…御堂の面影だけだ。
昨晩、あのような事が起こって…彼は果たして出社出来るのだろうか。
部屋に戻って来た時、何の書置きもなく…恋人の姿もすでになかった事から
御堂は心底怒っている事は容易に推測出来る。
(…もしかしたら、午前中は動けないかも知れないな…)
もし、御堂の姿が自分が出社した時になかったら…それだけ、昨晩の
後遺症が酷いという事だろう。
そこら辺を藤田とか、他の従業員に察せられないで一日を過ごせる
だろうか。そんな不安がふと…脳裏を過ぎっていく。
胸に広がるのは、ジワリとした不安と後悔。
そんなネガティブな感情に引きずられたくなくて…頭を振りながら、眼鏡は
ソファから立ち上がっていった。
(あれこれ…悩んでいても仕方ないな。起こってしまった事はなかった
事には出来ない…。あるとすれば、これからをどうしていくか…だ…)
そう思考を切り替えて、サイドテーブルに置いてあった銀縁眼鏡を
装着していくと…キッチンに立っているもう一人の自分の姿が視界に
入っていった。
昨日はピチっとスーツを着ていたのに対し…今は、上着と赤い
ネクタイは外したラフな格好をしていた。
「あ、おはよう…『俺』。もうすぐ…朝食が出来るから、ちょっと待ってて?」
「朝食…?」
「もう、昨日お前が言ったんだろ…? とりあえずハウスキーパー代わりで
なら置いてやるって。だから…ちゃんと昨晩もお前の部屋の後片付けと
ベッドメイキングはしておいたし…ちょっと早起きして、朝ごはんも用意
しておいたよ。それなら…置いてくれるんだろう?」
そういって、ニコリと人懐こく笑いながら…テキパキと焼きあがったトーストを
皿の上に乗せて…フライパンの上の透明なガラス蓋を開けて、フライ返しで
器用にソーセージと半熟に仕上げられた目玉焼きを乗せていく。
後は、細かくしたベーコン、タマネギ、ニンジン、ネギなどを入れてざっと
煮て…コンソメの素を落とした簡単なスープだ。
これは深皿に中身を注ぎ込んで、大き目のスプーンを用意していった。
「…お前も、トースト派で良かったんだよな。ちょっと…和食風にしようか
迷ったんだけど…オレと同一人物なら、好みは一緒かな…と思って
こういう感じにしたんだけど、大丈夫だったかな?」
「あぁ…トーストで構わない。旅館とかそういう場所に泊まったのなら
和食の朝食が出ても素直に受け入れるが…やはり朝は、カリっと
焼きあがったトーストに、コーヒーが良い…」
「ん、良かった。その辺はオレと一緒で…。ほら、コーヒーの準備も出来たよ。
すぐに食べるだろ?」
そういって完成した料理を盛り付けて、四角いお盆の上に並べていくと…
大きなテーブルの上にそれを運んでいく。
素直に眼鏡がその席に腰をかけていくと…鼻に、コーヒー特有の香ばしい芳香が
感じられていった。
「…ふん、なかなか悪くないみたいだな…」
「…一応、オレに出来る精一杯のものは作ったけれどね。及第点かどうかは…
お前の舌で判断してくれるかな?」
「あぁ…お前を置いてやっても良いかどうかは…実際に食べてみなければ
判らないがな。判断、してやるよ…」
「うわっ…本当にお前って偉そうだよな。…まあ、とりあえずは食べてみてよ。
それなりの味に仕上がっていると思うから…さ?」
相変わらず、こちらがこんな態度をしていても…口元に微かな笑みを浮かべて
いるコイツの考えがまったく読めないままだった。
(…何でコイツは、そんなに俺の傍にいようとするんだ…?)
その事に疑問を覚えながらも素直に眼鏡はスプーンを手に取って…
スープを一口、啜っていく。
「…旨い、な…」
その声は、自然と漏れてしまっていた。
暖かいスープを飲んだ瞬間、ホロリと…強張っていた身体の力が抜けるような
想いがした。
それで実感する。どれだけ…昨日の夜から、自分の身体が強張り続けていたのかを。
緊張で…冷え切ってしまったのかを…。
他愛無い事であったのかも知れない。
けれど…今朝、こうして…コイツが傍にいてくれて良かった、などと殊勝な事を
思い始めた。
(癪だから…口に出して言うつもりはないがな…)
だが、その代わりに…眼鏡は無言でそのスープも、用意されたトーストや
目玉焼きの全てを平らげて…一言、告げていった。
「それなりに旨かった。一応…及第点、だな…」
「本当、良かった…!」
眼鏡が食べている間、克哉も緊張していたらしい。
その一言を貰って、心から安堵したような顔を浮かべていた。
(何故、こいつは…俺の傍にいたいと望んでいるんだ…?)
その理由が、本当に昨晩言った通りの…お人よし過ぎる内容なのか…
訝しげに思いながらも、一先ず今朝だけは…例の寝室での痕跡を片付けて
くれた事と…この朝食を用意してくれた事を、ひっそりと…感謝していったのだった―
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HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
鬼畜眼鏡にハマり込みました。
当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)
当ブログサイトへのリンク方法
URL=http://yukio0201.blog.shinobi.jp/
リンクは同ジャンルの方はフリーです。気軽に切り貼りどうぞ。
…一言報告して貰えると凄く嬉しいです。
当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)
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