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仕事を終えた週末の夜。
克哉に誘われるままに、彼の部屋に足を踏み入れて…御堂の方から先にシャワーを
浴びていた。
再会してから、数ヶ月。
一緒に仕事をするようになってからはまだ一ヶ月程度しか経過していないせいか…まだ、
彼の自宅に慣れる事は出来ない。
ドックンドックンドックンドックン…。
シャワーを浴びて身を清めている間も忙しなく鼓動が高鳴り、このまま心臓が動作不良を
起こしてしまうのではないかと不安に陥るくらいだった。
(落ち着け…克哉の部屋で、もう何度か過ごしているんだ…今更、不安になる必要なんか…)
そう自分に言い聞かせているにも関わらず、胸のざわめきは収まる気配は一向にない。
心が荒くざわめいたまま…目の前のコックをヒネってシャワーの湯を止めていく。
バスタオルで身体を拭って、バスローブを羽織ると…そのまま真っ直ぐ、彼の寝室へと
向かっていった。
「克哉…今、上がった。君も入るのか…?」
ドアノックをしながら、室内にいるであろう…恋人に向かって声を掛けていく。
だが、返答はないままだった。
「…? もしかして部屋にいないのか?」
何度も、トントンとノックをしていくが…やはり反応がないままだった。
訝しげに思って少し扉を開けて部屋の中を覗いていくと…室内は真っ暗で、中の様子は
伺い知れなかった。
「…暗い。もしかして…いないのか?」
怪訝に想い、入り口の辺りを探って電灯をつけて…ゆっくりと慎重に部屋の中に足を
踏み入れていく。
ベッドに真っ先に視線を向けるが、やはり彼の姿はない。
「克哉…どこにいるんだ…?」
少し不安そうに窓際に歩み寄り、彼を必死になって探そうと試みていた瞬間。
カーテンの影から克哉の姿が躍り出て…フローリングの床の上に、半ば強引に
組み敷かれていく。
「なっ…! 克哉っ?」
突然の事に御堂は驚愕していくが…克哉の方はおかまいなしだ。
彼の方は先程見た通り、青いYシャツにダークのスーツズボンを纏っていた。
だが…相手に背後から抱きすくめられて引き倒されている間に…紐の部分に
手を掛けられて、瞬く間にバスローブは剥ぎ取られて…こちらは全裸にされてしまう。
「ちょっと…待てっ! いきなり…!」
「あんたが一刻も早く欲しいんだ…大人しくしていろ…」
ふいに剥き出しの尻を掴まれて、狭間に…布地越しとは言え熱い欲望を押し当てられると…
それだけでゴクリ、と喉を鳴らしてしまう自分が信じられなかった。
「あっ…やだ、止めろ…」
「…ほう? 早くもこんなに自分からヒクつかせている癖に…口では、止めろか?
トコトン…あんたは正直じゃないんだな…」
クスクスクスと笑いながら、いきなり背後から覆い被されて…胸の突起を
両手で刺激されていく。
プクン、と張り詰めた胸の突起が…相手に弄られるだけで強烈な快感が走り抜けていった。
「ひぃ…ぁ…! ダメだ、克哉…こんな、処…では…明かり、だって…」
「明かりをつけたのは…あんた、だろ…」
「それは君の姿が、見えなかった…から…! ベッドに座っていたのなら…わざ、わざ…」
「あぁ…だから、俺は隠れていたんだよ。今夜は…あんたを明るい中で犯したかった、からな…」
「犯すって…ぁ…!」
その一言に羞恥を覚えて、僅かながらの抵抗とばかりに…窓際の、少しでも
蛍光灯の明かりが及ばない位置に身体を逃がしていく。
逃げる御堂を、すかさず窓際に追い詰める。
冬の冷たい露が伝うガラスの向こうには、漆黒の闇と真円の月が浮かぶ。
―月明かりに透けた御堂の髪を一瞬綺麗だ、と思いながら…その身体を
自分の方へと引き寄せて、背後から抱きすくめていく。
「あっ…熱い…」
今度は直接、相手の情熱を尻の狭間に感じて…それだけで身体が竦んでいく。
だが克哉はそんな事でまったく怯む様子も見せず…アヌスの縁の浅い処に、己の先端を
何度も含ませて焦らしていく。
克哉の先走りが先端から溢れているせいだろうか。彼の腰が蠢く度に…ネチネチと
淫靡な音が響き渡って、御堂の神経を焦がしていった。
「あっ…あっ…待て。こんな、いきなり…!」
「いきなり、じゃない…あんたの傍にいて…俺はずっと…仕事中は犯して、グチャグチャに
したい欲求を抑えて働いているんだ…。これ以上は、待ってなんて…やれない…」
「そ、んな…ひぅっ…!」
克哉の両手が臀部に添えられて、浅く受け入れている箇所を間接的に刺激するように…
強弱をつけて捏ねるように揉まれていく。
たったそれだけの刺激で前ははち切れんばかりに膨張し…しとどに蜜を零していく。
「ダメ、だ…克哉…! ダメ…っ!」
せめて、ベッドで…と続けようとしたが、呼吸が乱れてそれ以上は言葉にならない。
克哉の手が…ペニスに添えられて、浅い場所での抽送と同時に強い快楽を与えられて
しまったらもう抗う事など不可能に近かった。
「何がダメなんだ…孝典。こんなに俺の手をグチョグチャに濡らしている癖に…」
「バカ、そういう事は…言うなってば…あっ…はぁあ!!」
泣きそうに切ない表情を浮かべながら反論していくが…相手の顔には自信満々そうな
表情が張り付いているだけだった。
「あんたのここは…早くもいやらしく、俺のモノに吸い付いて離そうとしないぞ…?」
「ん、はっ…耳元で、言うな…! もう…おかしく、なる…だろ…」
「そんなのは…とっくの昔に、だろ…素直に認めろよ…そんなに感じ捲くっている癖に…!」
「ひぃっ…!」
ふいに根深くペニスが入り込んできて…御堂は驚愕の声を漏らしていく。
だが克哉は一切容赦などしない。
彼の身体をどこまでも深く割り裂き…熱い塊で蹂躙をしていくだけだ。
「んあっ…待て…っ! 私だけ…裸、なんて…っ!」
「その方が…『犯されている』感じがして…ゾクゾクするんじゃないのか? あんたは…?」
「んはっ…ダメ、耳まで…は…!」
克哉の舌が執拗に耳の奥まで犯し…熱い舌先が鼓膜の傍で蠢く度に全身から力が
抜けそうになって…支えている腕まで崩れ落ちてしまいそうだった。
そうしている間に胸と尻に克哉の手が伸ばされて、其処を重点的に愛撫されていく。
その度に御堂の身体はビクビクビク…と淫らに震えて、強烈な感覚に耐えていくしかなかった。
「うぅ…はぁ…! か、つや…やぁ…」
もう、喘ぎ声に言葉が掻き消されて…すでに意味の無い言葉しか紡げない。
相手の熱いペニスが、御堂のもっとも感じる部位を執拗攻め上げ…快楽を
引きずり出していく。
フローリングの床と触れ合っている部位が痛くて仕方なかったが、今はそんな感覚も
気にならないくらいに…強烈な快感に御堂は支配されていく。
相手の手の中で蜜を溢れさせながら…どこまでも激しく身体を揺さぶられて…後孔の
内部を克哉自身で満たされていっぱいにされていく。
ドクン、と内部で相手が脈動すればもう駄目だった。
「あっ…あぁ!」
快楽の波が押し寄せてくるのが判った。
克哉が刻んだ律動のリズムに合わせて腰を動かして行く度に強烈な悦楽が脊髄を
走り抜けていって…御堂の身体は弓なりに反りあがっていく。
「ん…はっ…!」
精一杯顎を逸らしていきながら、ビクビクビクと全身を小刻みに震わせて…御堂が
達すると同時に、克哉の熱い精も…際奥を目掛けて勢い良く注ぎ込まれていった。
「んっ…あんたの中、相変わらず…イイ、味だ…」
「…ど、うして…君は、こういう時すらも…そういう…物言い、しか言えないんだ…バ、カ…」
快楽の涙を瞳にうっすらと浮かべていきながら…拗ねた顔をして、こちらを振り返り…
御堂が反論してくる。
(今夜は言葉で虐めすぎたか…?)
御堂の瞳が少し恨めしそうになっていたのでやりすぎたか…と思う事があっても、
結局は反省して改める事まではする気はなかった。
「…悪かった。あんたが可愛すぎた…からな…」
「…また、お前は私を可愛い…という。これでもこちらは君より年上なんだぞ?
いい加減…そうこちらを評するのは止めて、もらいたいんだがな…」
「無理、だな。あんたを可愛いと思うのは俺の紛れも無い本心だからな…」
そういって、不貞腐れる恋人に背後からそっと優しく口付けて機嫌を取っていってやる。
「…困った男だな…君は…」
「悪いな…これが、俺なんだ…」
そうして…恋人の身体が冷えないようにしっかりと背後から抱きすくめて…髪や生え際にも
小さいキスを落としていってやる。
振り向いてくれないと…相手の顔までは見えないので表情までは伺い知れなかったが…。
(耳まで赤くなっているな…照れているんだな…)
真紅に染まっている耳だけは、隠しようがなく…それが如実に、御堂の心情を表してくれていた。
「どうして、そんなに…意地悪なんだろうな…」
御堂が苦し紛れにそう悪態を突いていく。
そんな彼も、胸が引き絞られそうに愛しくて仕方が無かったので…。
「あぁ…でも、そんな意地悪な俺を受け止めてくれているあんたを…俺は心から愛しているぞ…」
と言い返したら、月光が静かに降り注ぐ窓際の近くで…哉にとって心から愛しい麗人は…
フルフルと全身を震わせてから深い溜息を突いていく。
白い張りのある肌が…淡い光を受けてとても綺麗に見える。
ただ、目の前の…御堂の顔に克哉は釘付けになってしまっていた。
「本当に…君は仕方の無い男だな…そんなのに惚れたのが私の運の尽きという訳か…」
と、精一杯の憎まれ口を叩いて。
克哉の腕の中に…身を委ねて、苦笑しながら…こちらを振り向いて、どこまでも
優しいキスを俺に与えてくれたのだった―
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当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)
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…一言報告して貰えると凄く嬉しいです。