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お互いに達して、力が抜けた身体を清めると…身を寄せ合いながら浴槽に
浸かっていった。
充満する芳醇な香りは、どこか…以前に御堂が克哉の誕生日に
用意してくれた克哉のヴァンテージ(生まれ年)のワインと似ていて。
御堂が手ずからデキャンタしてくれたそれは…最初は、少し異臭がして
まずかったのに…室温で少し置いておいたら、まるで別物のように
力強い美味しさと芳醇な香りを漂わせていて、美味しかった。
幸せな記憶と、今こうして…大事な人と一緒にいる時間が重なり
克哉はかなり幸福な気持ちになっていた。
(…気持ちいい…)
瞳を細めながら、赤い湯に浸かって…御堂の身体に何度も頬ずりしていた。
欲望を一旦沈めた後だから…こうして、密着して穏やかな時間が流れていく。
御堂が入れた薄められ、人の手で弄られたワインが、暖かいお湯の中で…
ゆっくりと香りだけでも本来の芳醇さを取り戻していた。
それが作り物だったワイン風の入浴剤の匂いに奥行きを与えて…芳しさを
生み出していた。
「…身体は、大丈夫か…?」
「…はい、平気です。こうして少し休んでいれば…」
「そうか…」
そうして、唇が重なり合う。
何度も熱い吐息を交換し合い、ぎゅっと強い力で相手を抱きしめあう。
御堂の熱い舌がこちらの口腔を蹂躙していきながら、克哉の胸の突起を弄り
…もう一度、身体の芯に熱を灯していく。
その度にチャプチャプと浴槽の湯が揺れ…赤い波紋状の光が、二人の身体や
バスルームの壁にゆっくりと掛かって…輝いていた。
「…君は、赤が良く似合う…」
「…そ、んな事は…あっ……!」
克哉の白い肌が、赤い水の中にぼんやりと浮かび上がり…何とも艶かしい
様子になっていた。
そのまま…真正面から抱き合う形になって…もう一度…克哉の蕾に
己の欲望を宛がっていく。
すでに一度受け入れて綻んでいる其処は…あっさりと御堂を飲み込んで
最奥まで誘導していた。
「…御堂、さん…また、熱くなって…オレの中で…ドクドク、言ってる…」
「あぁ…それは君がとてもいやらしい…からな…。こちらも煽られて、どうしようも
なく君の中で…大きくなっているんだ。…判るか…?」
「…っ! 意地が、悪い…ですよ…ひゃあ!!」
深い処を容赦なく抉られて…湯の中で克哉が跳ねていく。
その感覚に耐えようと、必死になって御堂の身体に縋りついた。
背中に爪を立てるぐらいに強く、その逞しくジムで鍛えられた背中にしがみついて
与えられる感覚に耐えていく。
けれどそんな甘い攻めさえも…今は幸せで仕方なかった。
「あっ…!た、かのり…さん…好き、です…! 本当に…オレ…!」
「…私、もだ…。だが、こういう時に言うのは…反則、だな…」
互いの胸板がぶつかりあい、胸の突起が擦れ合う。
克哉の欲望もまた…彼の腹部に何度も擦り上げられて、どうしようもなく
はち切れて脈動している。
先端からいやらしく蜜が零れて、浴槽の中に滲んでいる。
激しいキスに、情熱的な交歓を…真紅の液体の中で続けてお互いに
限界近くまで情欲を高めていった。
「はっ…ぁ…!!」
克哉が身を捩らせて浴槽の縁に手をついていくと…ふいに御堂は
ワインボトルの形をした入浴剤に手を伸ばしていく。
その液体を…ふいに克哉の胸元に足らすと…それはまるで鮮やかな赤い血の
ように腹部の方へと伝い…赤い水の中に溶けていった。
「…あぁ、思った通りだ…。君には…鮮血も、良く似合いそうだ…。
君の肌にとても…鮮やかな紅は映えるな…」
そうして、更に深い処まで己を穿ち込んでいく。
「ひぃ…あっ!!」
克哉の肩口に顔を埋めて、何度も何度も強く吸い付いて…己の所有している
証である赤い痕を散らしていく。
そう、この肌に赤は良く似合う。
この赤は…己が所有している証であり…自分の痕跡が彼に刻まれている証だ。
週末の度に繰り返し刻み込み、今では薄くなる事があっても決して消える事はない。
「…た、かのり…さ、ん…た、か…のり…さっ…!」
克哉はうわ言のように御堂の下の名を呼び続けて…こちらに抱きついてくる。
その様が可愛くてしょうがなくて…御堂は何度も何度も、その唇を啄ばんで
甘く吸い上げてやる。
その度に克哉自身が湯の中で大きく跳ねて、揺れる様が…御堂の
嗜虐心を大きく満足させていた。
(綺麗だ…)
赤いワイン色の液体の中で、快楽に身を委ねて…踊るように身をくねらせている
克哉の身体は…酔いしれたくなるくらいに妖艶で綺麗で。
赤い湯から生まれる波紋は…まるで舞台を照らすスポットライトのように、
彼の身体をいやらしく浮かび上がらせていた。
「克哉…もう、一度…君、の中で…っ」
「はい、何度…でも、オレに…貴方を、下さい…!!」
「っ…!」
そんな殺し文句を言われながら、御堂もまた極まって…限界近くまで
克哉の中で膨張していく。
それはあまりに情熱的で、狂わしいまでの時間。
獣のようにお互いの身体を貪りあい、求め合っている。
「ん…ぁ…! はぁぁぁぁ!!!」
ついに感極まって、必死に眉を潜めながら克哉が御堂の腕の中で
高く啼いていく。
その絶頂に達した顔を眺めながら…彼もまた、熱い精液を克哉の
中に勢い良く注ぎ込んでいく。
ドクンドクンドクンドクン…。
お互いの荒い息遣いと、早く忙しない鼓動が浴槽内に響き渡る。
じんわりと広がるのは心地よい疲労感と、ワインに酔いしれた時のような
程よい酩酊感だった。
「…克哉。君自身が…私にとっての、最上のワインなのかも知れないな…?」
ワインは、聖書の中では…キリスト自身の血に例えられる記述がある。
身体だけではない。
彼の中に流れる血潮すらも、今は愛おしい。
もし先程…彼の肌を伝った朱が…入浴剤などではなく、本物の彼の血で
あったなら…それも恋の熱に浮かされた今なら…自分にとっては
極上の美酒になる。そんな幻想が…ふと、御堂の脳裏に過ぎる。
「…えぇ、それで…貴方を酔わせる事が出来るなら…オレは幾らでも
貴方にとっての美酒に…なります、よ…たかのり、さん…」
瞳を細めながら、とびっきりの幸せそうな笑みを浮かべて…腕の中の
克哉が微笑みかける。
御堂もまた、嬉しげに口元に笑みを刻んでいた。
それは幸福な恋人達の間にしか流れない、甘い空気だった。
どこまでも芳醇な香りに包み込まれながら―
二人は暫し、浴槽の中でぴったりと身を寄せ合わせていた―
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当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)
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