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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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 本日はバレンタインです。
 そして現在連載中のが眼鏡×太一と、眼鏡×片桐なんで
正直に言います。

 克克に飢えた!!!!

 あたいはやっぱり、他のカップリングを書きたいって欲求あっても
克克を定期的に書かないといられない子なんだよ!
 という訳でバレンタインにちなんだ克克ネタをひょこっと。
 今回は連載、というより突発的な2~3話程度に纏めたテーマ性が
うっすい、緩い感じのお話です。
 あくまでシーズン物なので、フレッシュな感じだけを楽しんで
下さいませ~(ペコリ)
 
 ちなみに元ネタは兄貴が「ゴディバに最近行ったんだけどこの時期は
男はチョコレート専門店に入りづらくて、結局中に入れなかった」という
一言から生まれました。
 それと私の妄想が絡んだ内容です。了承の上でお読み下され~!

 ※この話はCDドラマ 眼鏡非装着版の「特別な日」を経た設定で
書いているので予めご了承下さい~。

『チョコレート・キッス』

 本日はセントバレンタイン。
 その始まりとなった一件を皆様は果たしてご存知ですか?
 嗚呼、その様子では知らないようですね。
 それならば僭越ながら、私からお話して差し上げましょう…。
 昔々、ある国でこれから戦争に向かう者は未亡人を作らない為に
結婚するなというお触れが出されたことが始まりでした。
 戦争は激しさを増し、若い命が沢山失われてしまっていたから
でしょうね。それによって未亡人や子供への保証だの、そんなものを
考えたくない…人の気持ちや想いなどまったく考えない統治者が
出した、身勝手な命令でもありました。

 だが、ある若者がどうしても愛している女性と挙式をしてから戦場に
向かいたいと願い…ある司教がその情熱に打たれて、国の通達を
破って結婚式を挙げたことが由来となったのです。
 その司教―バレンタイン氏はその事によって処刑されて残念ながら
命を落とされてしまいましたが…多くの人間がその勇気ある行動を称えて、
その司教を称える意味でバレンタインデーは生まれたと言われています。

 この日は女性から男性にチョコレートを贈る日ではなく、想う人間に
気持ちを伝える日だというのをご存知ですか?
 外国では恋人同士がお互いにプレゼントを贈る日として定着
しているんですよ。何とも幸せそうな様子が想像出来ますね。
 しかしその風習は…起源となったバレンタイン司教が亡くなった後に
後世の人間が勝手に作り出したものでもあります。
 
―命を賭しても、本気で愛し合っている二人に祝福を与えた

 その行為の尊さが…今でもその名を残して語り継がれている
最大の理由かも知れませんがね。
 嗚呼、でも…人というのは長い年月が過ぎればそのように崇高な想いで
殉死した人の意思や存在を忘れて、ただチョコが貰える、貰えないと
騒ぐだけになっているような気がします。
 まあ、私はそんな人間の愚かしさが愛おしく思えますけどね…。

 さて、ここに…チョコレートを抱えて頭を悩ませている一人の男性がいます。
 …なら、ほんの気まぐれに私からちょっとしたサプライズを用意させて
頂くとしましょうか…。

―私なら、その方が望むものを与えて差し上げるのはたやすい事
なのですから…

                       *

 その夜、自分の住んでいるマンションに戻ると同時に佐伯克哉は真剣に
頭を抱えることになった。

(オ、オレってば…一体何を考えているんだろう…)

 自室に戻り、机の上に綺麗にラッピングされた箱を眺めていきながら
つくづくとツッコミたくなる。
 ついに当日の…しかも夜遅くを迎えてしまっていたのに、結局どうしようも
なかった事に本気で溜息を突きたくなる。
 
(幾ら先月の時点だったとはいえ…何でオレ、チョコレートなんて
この時期に購入してしまったんだろう…はあ…)

 一月の終わりからずっと克哉のベッドの傍にある透明な机の上に置かれ
続けていた箱を眺める度に、つくづく自分はバカな真似をしてしまった
ものだと自己嫌悪に陥っていく。
 
(誕生日に一応…オレの処に来てくれたお礼のつもりだったけど…
冷静に考えてみたら、あいつへの連絡手段とか一切オレは持って
いない訳だし…。嗚呼、このままじゃバレンタインが終わってしまうよな…)

 先月末、あの除夜の夜から一ヶ月が過ぎようとした頃。
 克哉は街の至る処でバレンタインのキャンペーンや特集をやって
いるのを見かけて、つい…もう一人の自分用にチョコレートを購入を
してしまったのだ。
 動機としては至極単純に、大晦日の夜に何だかんだ言いつつも
自分を祝いに来てくれた彼にお礼をしたいだけだったのだが…買った後に
一切彼に対しての連絡手段を何も持っていないことに気づいて
結局この二週間を悶々と過ごすことになってしまったのだ。

「はあ…このチョコレート。本当にどうしよう…。オレ、甘いものとか
そんなに好きじゃ…あああ、良く考えたらあいつもオレと同じ好みかも。
なら、贈っても迷惑がられるだけだったかも…」

 自分の心情を口に出せば出すだけ、次第に何でそんな基本的な
ことにさえ気づかなかったのか余計にヘコんで来ていた。
 ブランデーやウイスキーなどの辛口や、アルコール度数の高い酒を
自分が好むように…どれだけ性格が違って見えても、自分達はあくまで
同一人物な訳だから…好みだけ見れば、相手にチョコレートを贈った
処で喜んで貰える訳がない。
 そんな当然の事に気づかなかった自分のマヌケさ具合に本気で
克哉は項垂れていった。

(…本当、何か空回りばっかしている気がする…。男なのに、バレンタイン
チョコをあいつに買おうなんてつい考えてしまったり…。一体オレ、何を
やっているんだろ…バカみたいだ…)

 そうして、克哉は再び机の上へと視線を向けていく。
 会いたい、と思ったから購入した。
 そうすれば渡す時ぐらいまた会えると思ったから。
 最後に会ってから一ヶ月以上が経過しているからこそ…次第に克哉の
中の寂しさもピークを迎えて、そんな馬鹿なことを考えてしまったのだろう。
 
「会いたい…」

 自嘲するついでに、その行動の奥に隠された自分の本心に気づいて…
克哉はつい、呟いてしまっていた。

―なら、会わせて差し上げましょうか…?

「っ…!」

 いきなり鮮明にMr.Rの声が響き渡って、克哉は言葉を失いかける。
 周囲を慌てて見渡していくが…やはり誰もいる気配がない。
 何故、それなのにこんなにも鮮明にあの謎の男性の声が頭の
中に響いたのか判らなくて…克哉が首をかしげていると。

―貴方が望むなら、私からのささやかな贈り物として…あの方に
会わせて差し上げても構いませんよ…?

 それはまさに、克哉が望んでいる内容をピタリと言い当てていた。
 だが、とっさに頷くことが出来ずにその場に固まっている。
 まるでこちらをずっと影から監視でもしていたのかというぐらいに…
タイミング良く声が聞こえて、こちらの望みを叶えようとするものだから
嬉しさよりも先に警戒心の方が強く現れてしまう。
 だから克哉が無言のままでいると…。

―ふふ、素直に答えられませんか。ですが…私は貴方の望みを良く
知っています。だから…叶えてあげますよ。この二週間、貴方が望み
続けていた方を…ここにね…!

「わぁっ…!」

 相手の声が大音量で頭の中で響き渡ったものだから克哉が
驚いて声を挙げていくと同時に、いきなり勢い良く玄関の方から
扉が開く音が聞こえて、克哉は大声を挙げていったのだった―
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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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