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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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※7月25日からの新連載です。
今回は「恋人関係」について掘り下げた内容になっております。
眼鏡が意地悪で、ノマは不安定で弱々しい場面も途中出てくる
可能性が大です。
 それを承知の上で目を通して下さるよう、お願い申し上げます。

―ねえ、教えてよ…。お前にとって『オレ』の存在って何なのかな…?

 ある夜、克哉は心の底からそう疑問に思いながら…自室のベッドの上で
意識を覚醒させて、深い溜息を突いていった。
 時刻は夜中の三時に差し掛かろうとしている頃。
 藍色の闇の中、辺りは静寂に包まれていて…耳に入るのは時計の
秒針が進む音と、穏やかな寝息ぐらいだった。

「えっ…?」

 克哉は、寝息が聞こえた事に驚きを覚えていく。
 少し動揺しながら反対方向に向き直っていくと…信じられない事に
今夜は、もう一人の自分がまだ自分の傍にとどまっていた。
 その事実に克哉は心底…驚愕していった。

「嘘だろ…。俺が起きても、まだ…こいつが傍にいるなんて…」

 自分の傍らには一人の男がぐっすりと眠っている。
 その顔の造作は、克哉と酷似している。
 否…まったく同じと言って過言ではなかった。
 Mr.Rという謎めいた男が渡した眼鏡を掛けた事によって
その存在を自覚した…もう一人の佐伯克哉。
 眼鏡を掛けて性格が真逆である存在は…いつもなら克哉を好き勝手に
して気を失うまで犯した後、こっちが目覚めた頃には跡形もなく姿を
消している…という存在だった。

 
(こうして…『俺』の寝顔を見るのって初めてかも知れないな…)

 彼との関係は、一年近く前から始まった。
 かなり唐突に、恋愛感情の類など一切抱くことなく始まり、
其れがズルズルと続いてしまっていた。
 いつも彼に抱かれれば、途中で気を失ってしまい…そして目覚めた時には
一度だってその姿が残っている事はなかった。
 だから今夜はかなり珍しい出来事と言えた。
 常に自分は気を失う形で彼に寝顔を晒していたのに…今までに一度も
こうしてもう一人の自分の無防備な姿を見た事はなかったのだから。
 いつだって現れる時に予告や連絡の類は一切なく。
 そして顔を合わせれば問答無用に犯されて、流されるようにセックスをして
いつの間にか意識を失い…目覚めた時には相手の姿は完全に消えている。
 そんな逢瀬を、どれくらいの回数重ねて来たのだろうか。
 だからこそ、克哉は…目の前に相手の寝顔が存在している事が
信じられなかった。
 それこそ、何かの夢だろうかととっさに思ってしまったぐらいだ。 
 だからこれが現実か確かめる為に…身体を相手の方に向かせてから
そっとその頬に指を伸ばしていった。

「…夢、じゃない。確かに今…『俺』が、存在している…」

 一度だって、セックスが終わった後に残る事はなかった相手が…
傍らで静かな寝息をしながら寝入っている様子を見て…ようやく
これが現実である事を理解していった。
 そうしてマジマジと相手の顔を見つめていくと…先程の激しい行為の
最中の記憶が鮮明に蘇ってくる。


―あっ…うぁ…! や、そんなに掻き回さない、でぇ…! やっ…んんっ…
もう、イク、イッちゃうから…!

―何を言う…お前の中は、俺が欲しくて堪らないって必死になって
喰い締めている癖に…少しぐらい己の欲望に、正直になったらどうだ…?
 
―ふっ…あっ…やっ、だから…ヤメ、て…おかしく、なる…から…!
あ、ああああっ…!

―イケよ。俺がお前のその顔、見ていてやるから…

―あああああっ…! ん、ふっ…!

 先程、彼に抱かれている時の自分の乱れた姿を思い出して…カァと
顔が赤くなっていく。
 居たたまれないぐらいに、今夜は感じてしまった。
 手首にはタオルで縛られて、もがいたせいで擦れた痕がくっきりと
残されている。
 手首を拘束されて四つん這いにされて…バックから激しく獣のように犯されて、
あんなにも感じてしまった自分の浅ましさに、余計恥ずかしさを覚えていく。

(…けど、コイツに抱かれると…メチャクチャ気持ち良いんだもんな…。
大学時代とか何人か彼女とか作ったけど、どの相手としたセックスよりも…
こいつと抱きあう方が気持ち良いし…)

 そう、その強烈な快楽を覚えるからこそ…自分は彼との関係を
心の底から拒む事が出来ない。
 そうして何度も一方的に抱かれて、好き放題された。
 けれど今夜は初めて克哉の方が途中で意識を覚醒して…もう一人の自分の
寝顔を目撃する結果となった。
 だからこそ…今まで、考える余地がなかった疑問を抱いていく。

(そういえば…オレ達の関係って、一体何なのかな…?)

 もう一人の自分。
 佐伯克哉という人間の、ドッペルゲンガーとも呼べる存在。
 そんな奴に定期的に顔を合わせて、一方的に抱かれる関係が
いつの間にか築かれてしまっていた事に克哉は愕然となっていく。

―オレはこいつに、何を求めているんだろう…?

 相手の寝顔を見て、克哉の中に今までとは違う感情が芽生えていくのを
感じていった。
 其れはくすぐったいような、甘ったるいような奇妙な感情だった。
 優しく眠る相手の頬を撫ぜて…克哉は己の胸に問いかけていく。

―お前の気持ちを、知りたい…

 其れは初めて感じた、欲求だった。
 相手の柔らかそうな茶色の髪を撫ぜ、その疑問を抱いていった。
 その願いが…彼らの関係を変える、起爆剤になってしまう事など今は
気づく事なく…眠る相手の髪を優しく撫ぜて、暫しその寝顔を眺めて
いったのだった―
 


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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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