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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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この話は本編のED№3「嗜虐の果て」にを迎えた後、どうにか立ち直った
御堂と眼鏡が結ばれた後、という設定の上に執筆した眼鏡誕生日ものです。
ミドたんが佐伯の嫁状態になっています。(当サイトの作品『白銀の輪舞』の後です)
それを了承の上でお読みくださいv


 御堂が用意したご馳走の全てを平らげていくと…克哉は満足げな笑みを
浮かべながら、讃える言葉を継げていった。

「今日の夕食は…本当に美味かった。お前がこれほどまでの味を作り出せる
腕前の持ち主とは知らなかったな…」

「…まあな。満足出来たか?」

「あぁ…大満足だ。お前の愛情がたっぷりと詰まっていたからな…」

「なっ…バカ、真顔でそういう事を言われると…どう反応すれば良いのか、
判らなくなる…だろ…」

 御堂が赤くなりながら、拗ねた顔を浮かべていくと…克哉はククっと
喉の奥で笑っていく。
 本当にこういう意地の悪い処は、困ったものだと思った。

「…素直に受けておけ。俺は…本当に思った事しか、言わないからな…」

「っ!!」

 途端に、自分の耳まで赤く染まっていくのが判って、机をバンッ! と
叩きながら勢い良く椅子から立ち上がっていく。

「…どこに行くんだ?」

「…今日の為に用意しておいた、極上のシャンパンを…取ってくる。君の
ような男に振舞うのが勿体無いくらいの一品だがな…」

 御堂が本日用意したシャンパンの銘柄はクリュグ=「グランド・キュヴェ」
 シャンパンの中のシャンパンとも言われている極上品である。
 一本18000円から、20000円はする代物なので…一般のサラリーマンでは
なかなか飲めない高級品だ。
 御堂が優美な動作で…ソムリエナイフを使い、コルクを抜いていくと早くも
部屋中にシャンパンの芳醇な香りが広がっていく。
 細長いフリュート型のシャンパン用のグラスに…程よく冷えた液体を注げば
綺麗な琥珀色の底の方から…細かい綺麗な泡が水面に向かって緩やかに
立ち昇っていく。

「…俺は基本的にビールや蒸留酒の類ばかり飲むのでシャンパンは初めてだが…
綺麗なものだな…」

「あぁ、この泡一つ一つが…芸術品みたいなものだ。味わって飲むと良い…」

 二つのグラスに、慎重に液体を注ぎ終わると…相手の顔を深く覗きこむように
しながら、手渡していく。
 お互いの視線が、絡み合えば…御堂は相手の手に…己の手を重ね、先に
相手のグラスの液体を口に含んでいく。
 克哉の目が柔らかく細められると同時に…唇を重ねて、相手の口内に
極上のシャンパンを送り込んでいった。

「ん…ふっ…」

 甘い声を漏らしながら、相手の口腔に舌を忍び込ませて…やんわりと
熱い舌を絡ませあっていく。
 鼻腔を突く、シャンパンの心地よい香りと…相手の唇の甘さに、それだけで
酔いしれてしまいそうだ。

「…美味いな。お前が用意してくれたシャンパンも…お前の唇の味も…」

「…だろう? 気に入ったか…?」

「あぁ、当然だ。これ以上の贈り物は…そうあるものじゃないからな…」

 強気に微笑んだ克哉の腕が、御堂の腰に絡まっていくと…こちらからも
相手の首筋にぎゅっとしがみ付いていった。
 眼鏡の視線がグラスの方に注がれているのに気づくと…強気な笑みを
浮かべながら、御堂がもう一度液体を口に含んで…相手の口腔に
注ぎ込んでいく。
 そのまま…お互いの情熱に火が突いて、次第に抱きしめあう腕の力も
強まり、絡めあう舌の動きも性急なものへと変わっていった。

「さ、えき…今夜は、もう一つ…贈り物があるんだが、受け取って貰える、か…?」

 声の振動が伝わるくらいの至近距離で、御堂が囁いていく。

「…これだけでも、充分だがな。…それで、何をくれるんだ…?」

 お互いの熱に浮かされた眼差しが、ぶつかり合う。
 相手の真意を読み取ろうと…ジっと克哉の怜悧で鋭い眼差しが
御堂の瞳の奥に注がれていった。
 それだけで…御堂の背中には甘い痺れが走り、ゾクゾクと悪寒めいたものを
感じながら…甘い吐息と共に言葉を紡いでいった。

「…これを…」

 ふっと瞳を細めて、克哉の左手を掬い取っていくと…その指先に口付けた。
 丹念にその指先を唇で愛でて…チュっと小さくキスを落としていくと…己の
スーツズボンのポケットに忍ばせていた銀色のリングを、そっと相手の指先に
つけていく。
 …そして、眼鏡が言葉を失っている間に…フッと不敵に微笑みながら
自分の指先にも同じようにシルバーリングをつけていった。

 その間、克哉は何も言わない。
 御堂からどんな言葉が紡がれるのか…真摯な表情を浮かべながら、
見つめていく。
 そんな彼の表情が酷く愛しくて…ふっと、穏やかな笑みを浮かべながら
御堂は高らかに告げていく。

「…私のこれからの人生全てを、君に…」

 そう告げながら、相手の唇に…深く深く口付けていった―

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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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