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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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※この話は本編のED№3「嗜虐の果て」にを迎えた後、どうにか立ち直った
御堂と眼鏡が結ばれた後、という設定の上に執筆した眼鏡誕生日ものです。
ミドたんが佐伯の嫁状態になっています。(当サイトの作品『白銀の輪舞』の後です)
それを了承の上でお読みくださいv

 御堂からの思いも寄らぬ言葉と口付けを受けて、とっさに眼鏡は
反応出来ないでいた。
 一瞬、何を言われたのか理解出来なかったという方が正しいだろうか。
 それでも相手の唇と舌先の熱さに…次第にこちらも酔いしれていく。
 こちらからも相手の身体をしっかりと抱きすくめていき…背骨のラインを
優しく指先で辿ってけば…御堂の身体が、ピクリと震えていく。
 克哉の方からもたっぷりと御堂の唇を貪っていくと…珍しく、不服そうな
表情で…囁きを落としていった。

「…あんたの誕生日に、俺の方からプロポーズする予定でいたんだがな…
先を越されたか…」

「…ふふ、それは嬉しいけどな。しかし…今から私の誕生日まで、九ヶ月も
先じゃないか? それまで…お預けにするつもりだったのか…?」

 御堂が挑発的に笑いながら、ゆったりとこちらの膝先に腰掛けていく。
 身長180を超える男同士がこうやって密着しあう様はかなりの迫力だが…
こちらとて、相手の体重が少し掛かったくらいで崩れる程、柔ではない。

「いや…そういう訳ではない。しかし…あんたは、本当にそれで良いのか…?」

「…今更、何を。確かに…一時はあんなに酷い真似をした君を憎んだ。だが…
私が壊れてからも君はずっと私の傍にいて面倒見てくれていたんだし…今は
心から想ってくれているのを実感している。
 それとも、私の人生全てを押し付けられるのが重いというのか? それなら
撤回させてもらうけどな…」

「冗談じゃない。むしろ…大歓迎だ。だが…一度受け取ったら、絶対に俺の方からは
あんたを手放してやったりはしないぞ? それでも…?」

「…むしろ手放したりしたら、盛大に君を恨ませて貰うぞ。私にここまで言わせて
受け取らない…何て事はないよな? 佐伯…?」

 クスクスクス、と楽しげに笑いながら…御堂はこちらの唇を、ゆっくりと舌先で
舐め上げていく。
 そのまま御堂の方から唇を重ねて、やんわりと吸い上げていくと…今度は
克哉の背中がピクリ、と震えていく。
 お互いの吐息が、体温が徐々に熱を帯びてくるのが伝わってくる。
 御堂の手が愛しげに克哉の頬に、首筋に触れ…カリ、と唇を甘噛みなんて
されたらもう駄目だ。
 降参だ、と訴えんばかりに…克哉は御堂の肩を掴んで、軽く唇を引き離しながら
余裕のない顔で告げていった。

「…御堂っ! もうこれ以上されたら…あんたをこの場で押し倒し兼ねない。
続きは、寝室で…」

「…私は、ここでしても…一向に構わないぞ…? 佐伯…?」

 瞳を蟲惑的に細めながら、御堂が艶やかな声音で告げていく。
 最上のシャンパンを唇移しで与えられて、それだけで酩酊しそうなのに…
更に御堂孝典という魅力的な存在まで、与えられたら…こちらは正気でなど
いられる訳がない。
 そうしている間に、御堂の手がゆっくりと克哉のボタンを一つ一つ…丁寧に
外し始めていく。
 整った指先が、克哉の露になった首筋から胸元までゆっくりと撫ぜ擦って…
興奮して堅くなり始めた胸の突起を掠めていく。

「くっ…! 御堂…せめて、ソファー…に…」

「あぁ…私も、同じ事を…思って、いた…。最早…ベッドに移動する…時間すらも、
惜しい、からな…あっ!」

 御堂の腰を抱きながら、どうにか食卓の椅子から立ち上がっていくと…互いの
身体を支えあうような形で性急にリビングの方へと身体を移動させていって、御堂を
黒革のソファの上に組み敷いていく。
 御堂の頭の位置に、クッションが来るように身体の位置を整えていってやると…
ふと、初めて御堂を抱いた時の記憶が脳裏を過ぎった。

(そういえば…御堂を初めて『接待』したのは、このソファの上でだったな…)

 あの時の自分と御堂の関係は、お世辞にも友好的とは言えなかった。
 殆ど嫌がらせに近い感じでプロトファイバーの売り上げ目標値をメチャクチャな
数字に引き上げられて…それの抗議に行ったら、私を接待しろと言ってきたのだ。
 当然、御堂はその接待をキッカケに優位に立つつもりだったのだろうが…その件に
関しては克哉の方が一枚上手で、薬で一服を持って身体の自由を奪い…近くに
あったビデオで陵辱場面を録画した。

 その事を思い出して、ふと…克哉の中に引け目が蘇っていく。
 エリートコースを邁進して、誇らしげに生きていたこの人を…自分のエゴで追い詰め
そして、一度は廃人にまで追い込んでしまった。
 そんな自分が今でもこうして御堂の傍にいる事が許されて、相手はこれから先の
人生まで与えてくれようとしている。
 それはまるで…夢のようで、逆にあまりに現実感がないように思えた。

「…どうした? 佐伯…? せっかくのお前の誕生日で…私がここまでしているのに
酷く浮かない顔をしている…じゃないか?」

「いや…少し思い出した、だけだ…。そういえばあんたを初めて抱いたのも…
このソファの上、だったな…って思って…」

 こちらが少し戸惑いを感じてしまっている事など、御堂にはお見通しだろう。
 その言葉を聞いて…少しだけ御堂の眉間に皺が寄っていく。
 確かに…克哉と初めて関係を持った時は、合意ではなく半ば騙されて強姦された
ようなものだ。
 あの時は克哉の事はむしろ嫌っていたし、あんな真似をしでかしたこの男を
絶対に許すものか…と憎んでさえいた。

「…そうか、君がさっきから非常にノリが悪いのも…心を通わせてから、なかなか
私を抱かないのも…罪悪感って奴が邪魔しているから…何だな…」

 深く溜息を突きながら、御堂が身体を起こしていく。
 その顔を見て…克哉の方は居たたまれないような顔をしていく。
 そう、両思いになってから早二週間が経過しているが…その期間中に、二人が
セックスした回数はたったの二回だった。
 あの雪が鮮やかに舞っている中にキスした日と…十日ほど前の休日の前夜。
 それ以外は仕事が忙しいを理由に、なかなか触れようとしなかったのだ。

「いや…そうだな。確かに…あんたに、俺は…罪悪感を抱いているな…」

 だからこそ…先程の御堂の言葉を心から嬉しいと思う反面、本当に自分がこの人の
手を取って良いのだろうかという迷いが克哉の中に生まれていた。
 こんなに及び腰になっているのなんてみっともないし、自分らしくないと思う。
 しかし…今の克哉にとって、御堂はとても大切な存在だった。
 もう二度と失いたくないし、あんな人形のような状態に戻したくないのだ…。
 己の御堂に対する執着心やエゴが、また暴走する日が来るのではないか。
 その恐怖心が…克哉を未だに竦ませていたのだ。

「…ったく! いい加減にしたまえ! いつまでそうやって…私の前で怯え
竦んでいるつもりだ!」
 
 克哉の想いは、御堂にだって充分にわかっている。
 その罪悪感があるからこそ、自分が壊れてもこの男は一年も自分の面倒を
見て決して離れなかった事ぐらい判っている。
 しかしもう自分はとっくの昔に…二週間前に許したし、もう気にしていないと
その間に何回も伝えて来ているのだ。
 それでも…伝わりきっていない事に…御堂は焦れて、怒りすら覚えていた。

「私は…君にこれからの人生全てを捧げても構わないと考える程に…
君を想い、愛しているんだ! だからいつまでも…過去の罪に君も囚われるな!
 そんな事、私は一切望んでなんか…いないんだ!」

 感情が昂ぶりすぎて、瞳にうっすらと涙すら浮かべながら…相手の襟元を
引っつかんで御堂は訴えていく。
 相手の誕生日だからこそ、抑えようと少しは思ったが…一度、堰を切った
気持ちは留まらず、溢れてくるばかりだ。

「み、どう…」

 克哉は、相手の真っ直ぐすぎる怒りと…想いを前にして、唇を震わせていく。 
 しかしその瞳の奥に宿る光は真剣そのものだ。

「私は…佐伯克哉を愛している。君をこれからの…生涯の伴侶として、
一生を歩んでいけたら…! それくらいの覚悟で私は先程…君に気持ちを
伝えた。…それは、佐伯。君にとって…単なる重荷でしか、ないのか?
 それとも…嬉しい事なのか、キチンと答えて欲しい…」

 自然と、御堂の方から…今度は克哉の身体の上に乗り上げる形となった。
 相手の腰に、己の身体を重ねて…お互いに吐息が伝わるくらいの近さで
見つめあう。
 
「…嬉しいに、決まっているだろ。…俺にとって、人生を賭けてまで
欲しい相手なんて…御堂孝典、あんた以外には存在しないんだ。
…最高の誕生日プレゼントだよ。だから…」

 相手の目をまっすぐ見つめながら、御堂自身が己の薬指に嵌めた
銀色のリングをそっと口付けていく。
 自分の指にも…同じ証が、今は輝いている。
 結婚指輪というのは元々…継ぎ目のない円を心臓に一番近いとされる
薬指に嵌めることで、永遠不滅の愛を願うという処から生じている風習だ。
 それをどんな想いで、御堂は贈ってくれたのか。
 どれだけ強い気持ちで、今気持ちを伝えてくれているのか。
 …克哉はしっかりとその想いを受け止めて…今度こそ迷いない声で
告げていく。
 
「あんたを心行くまで…今夜は貪らせてもらう。あんたは、今夜から…
これから先、ずっと…俺に人生を…捧げて、くれるんだろ…?」

「…あぁ、もう…私は、君のものだ。…だから、好きに…すれば良い。
…何をされても、今夜は…受け入れる、から…」

 そんな甘い言葉を、愛しい人間に耳元で囁かれて…こちらも冷静でなど
いられる訳がない。

「…くっ! 今夜のあんた、本当に…反則、過ぎるぞ…っ!」

 そうして、自分の腰の上に乗り上げている御堂の身体をこちらからも
引き寄せて、荒々しくキスを施していく。
 お互いに身体は燃えるように熱くなっていた。
 もう、止められない。
 そう確信しながら…二人は、噛み付くように…唇を重ねあっていった―
 
 

 
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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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