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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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 ―どうにか、今日一日だけでもやり過ごせて…本当に良かった。

 ボロボロになって軋み続けていた身体を引きずって、どうにか…本日こなさなければ
ならない責務を終えて、帰路についた御堂は…やっとの想いで自宅まで戻ってくると
ベッドの上に盛大に倒れ込んでいった。
 どうにか上着とネクタイを外しただけの格好で、うつ伏せになって横になっていくと
すでに身体は鉛のように重くなってて、自由が効かなかった。

(…今日を無事に終えれば、後…二日は休みになる。その間にコンディションを
整えれば…大丈夫だろう…)

 今日は幸い、午前中を半休にしてもどうにか大丈夫なスケジュールだったから
助かっていた。
 …昨日、例の一件が起こる前にせっせとこなせる限りの仕事を片付けておいたのが
幸いしていた。
 おかげで、取引先との一件が片付けば…今週はゆっくりと休んでいても問題ない…
とまで考えていた時、つい苦笑したくなった。

(…あんな目に遭ったというのに…まったく私は辞めようとか、考えて
いなかったんだな…)

 そういえば昨日、佐伯の部屋から出て行った時も…取引先との一件をすっぽかすとか
そういう考えは一切、浮かんで来なかった。
 どうやったらこの体調で…少しでも支障なく業務を回していけるだろうか。
 そんな事ばかり、シュミレーションしていたような気がした。
 枕に顔を埋めながら、深々と溜息を突いていく。

 …克哉の前から、姿を消そうとか…二度と顔を見たくないとか、そんな事を
まったく考えなかった自分に…つい苦笑したくなった。

―困ったものだ。昨日の振る舞いは本気で怒っているし…憤りを覚えているのに
それでも…君を心底嫌いになり切れないみたいだな…。

 心の中でそう呟きながら、シーツの上でゴロリと転がって…目元を掌で覆っていく。
 瞼の裏に浮かぶのは、傲慢そうに…強気そうに微笑む恋人の顔と、昨日の…瞳に獰猛な
光を浮かべながら好き放題自分を犯し続けた彼の姿だった。
 あの射抜くような眼差しを思い出す度、ジワリ…とかつての恐怖心が…黒い染みのように
己の心の中に広がり続けていく。
 彼のその眼差しを見て、かつて…監禁までされて、延々と嬲られ続けた…あの暗黒の
日々の記憶が蘇ってしまっていた。

(…何を今更…。彼にあのような振る舞いをされても、それでも…受け入れて、この
一年を一緒に過ごしていた筈なのにな…)

 そう、一年の空白の時を経て再会した時に…自分の中では、その過去は水に
流して…許していたつもり、だった。
 だが、実際は無意識の領域で…その記憶は燻り続けていたようだった。
 …だから、それを連想させるようなあの…欲情に滾った双眸を思い出すだけで
かつて心中に鎮めていた憤りや、恐怖心が吹き出てしまっているのだろう。

「克哉…」

 ギュっと己の身体を抱き締めるようにしながら…苦々しげに、相手の顔を
思い浮かべながらも…身の奥に、欲望の火が灯っていく。
 忌々しい。昨日の出来事に自分は本気で憤っている筈なのに…彼の陵辱じみた
行為を許したくないと感じている筈なのに、その意思と裏腹に…身体は熱くなっていく。
 まるで、行き場の無い怒りが…出口を求めて、体中で暴れまわっているかのように…。

「くっ…!」

 顔を赤く染めながら、熱くなった下肢の周辺を弄っていく。
 スーツのズボンのフロントの部分に指を這わせて…そのジッパーを引き下げて
いくと…早くも反応した部分を取り出して、その幹に指を這わせていった。

 イライラして、ムカムカする。

 何とも表現し難い、すっきりとしない感情が噴き出してきて…御堂を問答無用で
翻弄されていく。
 これは、欲情しての反応ではない。
 怒張という言葉があるように…雄は、強い衝動や怒りの感情を抱くことで下半身が
反応する事がある。
 全てを吐き出して、少しでも頭に昇った血を下げたかった。
 ただその一心で…硬くなったペニスに指を這わせて…夢中で扱き上げていく。
 
「…ふっ…!」

 声を殺しながら、指を弾き返さんばかりに硬くなっている性器の余った皮の
部分を上下させるように指を動かしていく。
 裏筋の部分を他の四本の指で…先端の鈴口の部分を親指を濃厚に這わせる
ような形で刺激していく事で瞬く間に限界寸前まで張り詰めて、先端部分に
透明な先走りが滲み始めていった。

―ほう、もう反応しているのか…。相変わらずあんたのいやらしい処は…
感じやすくて、反応が早いな…

 ふいに、幻聴が聞こえる。
 思い出したくないのに、ふとした瞬間に…彼と肌を重ねた時の記憶が
脳裏に思い浮かんで、歯噛みしたくなった。
 本気で憤怒している。それなのに…ふとした瞬間に、奴の仕草が…他愛無い
一言が思い出されて、殺意にも似た衝動が競り上がってくる。

(…くっ…君という存在は、どこまで…私を踏み躙れば気が済むんだ…!)

 悔しかった。
 あれだけの事をされて、逃げ出そうと考えない自分が。
 これだけ屈辱的な事をされながら、彼を愛してしまった自分に…これだけ
呆れていながらも、克哉が興したあの会社を辞めようという想いは…どうしても
浮かばなかった。

「んっ…くっ…!」

 背筋に、ゾクゾクした衝動が這い上がってくる。
 けれど、こんな感覚じゃあ…足りないと心の奥で訴えかけていく。
 再会してから一年、そんなに頻繁でこそなかったが…何十回もすでに克哉と
身体を重ねている。
 だから、どうしても…自慰をしている最中に、彼の息遣いを…指の感触を…
そういうのを思い出してしまうのだ。
 それはまるで、消したくても消せない…深く染み込んでしまったシミのようだ。
 どれだけ自分の中から失くしてしまいたいと望んでも、もう決して消えないものと
なってしまったかのようで…そんな事実に、苦笑したくなった。

―どれだけ、君という存在は私を侵せば…気が済むんだ…!

 強すぎる自尊心が、許せないと叫ぶのも本当ならば…あんな目に遭わされても
離れる事をまったく考えなかったのも、確かな本心だった。
 そんな己に…どこかで屈辱さえも覚えながら、自らを鎮めようと…夢中で手を
動かし続けて、高みを目指していく。
 手の中の性器から、しとどに蜜を溢れさせて…手を蠢かす度にグチャヌチャと
粘質の水音が室内中に響き渡っていった。

「ふっ…ぅ…!」

 顔中を赤く染めながら、息を詰めて…その強い快楽に身を委ねていく。
 すぐに訪れる、頭が真っ白になるような…キーンと遠い場所で耳鳴りが
しているような感覚を覚えながら…頂点に達して、自分の掌を大量の
白濁で汚していった。

「はぁ…はぁ…」

 すぐに訪れる、快楽の余韻とあっという間に…頭の芯が冷めていくような感覚。
 ガク、と身体中の力を抜いていきながら…御堂は、溜息を突いた。
 無理矢理貫かれた場所はまだ引き攣れていて、ズキズキと痛む癖に…
身体がそれでも、彼の事を思い出して昂ぶってしまった事が悔しかった。
 だが…今はそれを頭の隅に追いやって、疲労の波に…一時、彼は身を
委ねる事にした。

―私は、それでも…君を想っているんだろうな…。酷く悔しい事だが…。

 ふとした瞬間に、そんな本心に気づかされながら…御堂は一時、意識を
手放していく。
 その眠りは、泥のように…深く、彼に一時の安息を齎していた―
 
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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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