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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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※この話は7月いっぱいに連載していた『在りし日の残像』の後日談に当たる話です。
  その為、克克の夏祭りのお話でありますが…その設定が反映された会話内容と
描写になっています。
 それを了承の上でお読みください(ペコリ)



  ―克哉の中に入った時、ジワリと何かが滲んでいった。

(まだだ…)

 眼鏡の心に、何とも形容しがたい焦燥感が広がっていく。
 目の前で克哉はよがっている。
 自分を求めて、余裕なく身体全体を震わせて…求めている。
 それなのに、この飢餓感は消えてくれない。

―あれから三年も経つ。こいつは俺を選択した事も判っている。
なのに…太一への嫉妬心が未だに消えないな…

 克哉の四肢、手首や足首の周辺には…あの頃よりも随分と薄く
なったが…未だに心を闇に落とした頃の太一につけられた陵辱と
監禁の痕跡が残されている。
 どれだけ自分の所有の証を刻もうとも…過去にこいつが他の誰かの
モノになっていた事実だけは変えられない。

 愛しくなればなるだけ。
 想いが強くなればなるだけ…。
 過去にコイツの身体を散々抱いて、求めていた男が他にいたという事実に
胸が焼け焦げそうになる。

 コイツの初めてだって、自分ではない。
 その相手は太一で…数え切れないくらいに抱かれていた事を知っている。
 何故なら…眼鏡は、苛立ちながら克哉の内側でそれを全部、
見ていたのだから―

「…くっ…!」

 だからその激情を全て叩き込んでいくかのように強く激しく、克哉の内部を
擦り上げていく。
 コイツの中には、太一への想いがまだ潜んでいる。
 それは…今、プロになってメジャーデビューしたばかりの太一を…
一ファンとして見守るような行為でも…!

(お前が、他の男にほんの僅かでも…心を向ける事を許せない…)

 だが、それは眼鏡のプライドに掛けても…口に出す事はない真意。
 ギリギリの処で太一を許して、海に落ちた克哉。
 三年間、誰に身を任せることもなく…ただ自分だけを思って真摯に
待っていた克哉。
 同じ人間であるだけに、克哉の記憶や想いもまた…ある程度は眼鏡の
知る事となる。
 仲間を大切に想い、片桐や本多、そして意外にも御堂とも最近は
連絡を取るようになっている。
 今の職場のメンバーとも…克哉は、良好な関係を保って何人か
飲み友達もいるようだった。

―独り占めをしたい想いが、胸の中に湧き上がっていく。

 克哉は、自分の存在のことを誰にも話していない。
 恋人がいる…という事は匂わせているが、眼鏡の事を紹介していないし
はっきりと明言する事もない。
 だから周囲の人間の中には、男女問わず…克哉を狙っている奴がいる事も
眼鏡は知っている。

 周囲に示せない。籍も入れられない。
 身体は二つに分かれていようとも…自分達は同一人物で、戸籍も何も…
眼鏡の方には存在しない。
 その事実に…どれだけ、戻って来た眼鏡が焦れているかなど…恐らく、
克哉はまったく気づいていないだろう…!

(…お前はきっと、俺のこんな気持ちに気づく事はないだろう…)

 克哉の内部をグチョグチョに掻き回しながら、自分の中の激しい
嫉妬心と焦燥に苦笑したくなる。
 他の誰かに何て…渡したくない。
 お前のこんな媚態を知るのも…喉が嗄れるぐらいに啼く姿も…
俺以外の人間に絶対に知らせたく、ない。

 背後に覆い被さりながら…胸の突起を弄り上げて…ただ、衝動の
ままに腰を突き入れ続けていく。
 克哉の内部は激しくうねり…痛いぐらいに眼鏡の性器を締め上げて
快楽を与えてくる。

「んっ…あぁ…はっ…どう、しよ…『俺』…! 凄く、イイ…! あぁ…!」

 もう、克哉は忙しなく呼吸をしながら、喘ぐことしか出来ない。
 目の前の花火もロクすっぽ見えていないだろう。
 眼鏡の方も余りに性急に腰を使い続けたせいか…最初の限界は
すぐに訪れていった。

「くっ…! イクぞ…!」

 ドクン、と荒く内部で脈打ちながら最初の精を解放していく。
 雄々しく起立して、克哉の中で暴れていたモノが勢い良く…その際奥に
熱い滾りを解放していって、ビクビクと克哉は震えていった。

「あっ…はぁ…んんっ…」

 克哉が悩ましげな声を漏らしながら、ズルリと屋形船の窓際、その畳の
上へと崩れ落ちていく。
 克哉の纏っていた浴衣は乱れまくっていて、まだ辛うじてついている帯の
おかげで脱げ切っていない状態だった。
 
「んっ…熱い、まだ…」

 克哉の肌は先程の行為の余韻で、朱へと赤く染まり…まだ艶かしい
雰囲気を漂わせていた。
 その中で、時折…放たれる花火の閃光が船内を照らし出し、眩い
光が…克哉の身体を染め上げていく。

パァン、ドン! ドン、ドォン!

 そろそろ…花火も終盤を迎えている頃だった。
 一発一発、上げられていた花火が…次第に数を増して、音にも
迫力が出始めている。
 そんな最中、眼鏡は…そのまま内部からペニスを引き抜かないまま
再び克哉の胸の周辺を弄り上げながら、抽送を開始していく。

「えっ…! ちょっと…! 『俺』…!」

「黙っていろ…まだ、俺は満足して、いない…」

「そ、そんな…むぐっ…!」

 そのまま荒々しく唇を塞ぎながら、眼鏡は容赦なく克哉の体を
再び揺すり上げ始めていく。
 まだ快楽の余韻を色濃く残していた身体は、再び火が灯るのもあっと
いう間であった。
 さっき、眼鏡が達すると同時に放たれて硬度を失っていた克哉の性器も
再び内部を擦り上げられてば瞬く間に張り詰めていく。
 今度は背後から強引に口付けられて苦しい体制を強いられながらの
行為に…ともかく、忙しく克哉は喘ぎ始めていく。

 大声で嬌声を上げたくても、口腔内を激しく舌で犯されている
おかげでくぐもった声しか零れなかった。
 呼吸すら、ままならなくて…苦しかった。
 その癖与えられる快感は半端ではなくて…。
 克哉はただ、それに躍らされるしか術はなくなっていた。

(…他の男が入り込む隙間なんて、お前に二度と与えない…)

 克哉の手を、手首にうっすらと監禁の痕跡の残したその手を
背後から掬い取って口付けていく。
 そして上書きをするように、其処にも吸い付いて…赤い痕を
散らしていった。
 指を、そのまま深く絡め合って…手の甲にもキスを落としていく。

―その仕草に、何よりも眼鏡の真意が現れていた

 胸を焦がす嫉妬も、克哉に対する熱い想いも…全てが。

「はっ…大丈夫、だよ…」

 何かを察して、克哉は…うわ言のように呟いていく。
 背後から貫いているこの体制では、克哉には…相手の顔を伺い見る事は
出来ない。
 けれど慈しみを込められたその仕草から、眼鏡の想いみたいなものは…
確実に伝わって来て、優しい口調で…告げていった。

「…オレは、お前の…傍を、離れないから…。好き、だよ…」

 まるで、眼鏡が不安を感じている事を察しているかのように…欲しかった
言葉を克哉は紡いでいく。
 それを聞いて…最初は、瞠目し。
 その後…確かに優しく微笑んでいた。

 克哉にはその顔を見る事は叶わなかったけれど…フワリ、と…
眼鏡の纏う空気が変わった事に気づいていく。
 背後から覆い被さる肌が、お互いに磁力を帯びてぴったりとくっつき
あっているかのようだ。

 グチャグチャグチャグチュ…グプッ…!

 お互いが繋がり合う音が、部屋の中に響いて淫靡な雰囲気が漂う。
 窓の外に光る花火もクライマックスを迎えているようだ。
 
―沢山の色合いの花火が夜空に百花繚乱を作り上げている

 一瞬だけ輝く儚い花々が、人の心に美しい軌跡を築き上げていく。
 そして…最後の金色の大柳が、夜空いっぱいに広がって…柳のような
儚く、優美な痕跡を描き上げて…スウっと消えていった。

―それと同時に克哉たちは同時に上り詰めていく。

 克哉が、啼いていく。
 眼鏡もまた…強く抱き締めて、その身体を閉じ込めていった。
 お互いに苦しい息を繰り返していきながら…二度目の絶頂を迎えて…
夢心地のまま、克哉がポツリと…呟いていった。

「…凄く、綺麗だな…」

「…あぁ」

 短く相槌を打ちながら、眼鏡は答えていく。
 そして…克哉が柔らかく微笑みながら振り返っていくと…眼鏡は
どこまでも優しいキスを唇に与えてくれたのだった―


 
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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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