鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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―結局、夜明け近くまで克哉は御堂に激しく抱かれ
続けていた。
続けていた。
何度も、何度も背後から顔を見ない状態で際奥を貫かれ続けて…
体中には彼が残した赤い痕と情事の名残が刻み込まれている。
空が暁に染まり始める頃、ようやく行為の途中で意識を失った克哉が
目覚めていくと…そのすぐ隣には、御堂がどこか苦しそうな表情を
浮かべながら眠っていた。
赤い内装で纏められたホテルの一室。
周りには大量の大人の玩具やSM道具が並んでいるような異様な
室内で…こうして、二人で連れ添って眠っていたのが何か可笑しかった。
目覚めて少ししてから、身体の奥にはまだ残滓が残されたままであったが
肌が案外さっぽりとしている事に気づいていく。
確かめるように自分の腕を軽く撫ぜていくと、サラリとした感覚だった。
行為の最中、あれだけ汗を掻いていたのなら普通ならベタついている筈だ。
ふと気づいた事があって、克哉は力なく呟いていく。
目覚めていくと…そのすぐ隣には、御堂がどこか苦しそうな表情を
浮かべながら眠っていた。
赤い内装で纏められたホテルの一室。
周りには大量の大人の玩具やSM道具が並んでいるような異様な
室内で…こうして、二人で連れ添って眠っていたのが何か可笑しかった。
目覚めて少ししてから、身体の奥にはまだ残滓が残されたままであったが
肌が案外さっぽりとしている事に気づいていく。
確かめるように自分の腕を軽く撫ぜていくと、サラリとした感覚だった。
行為の最中、あれだけ汗を掻いていたのなら普通ならベタついている筈だ。
ふと気づいた事があって、克哉は力なく呟いていく。
「…思ったより、身体がさっぱりしている…。もしかして、御堂さんが…?」
昨晩の自分達の狂乱ぶりを思い出し、頬を朱に染めていく。
結局御堂は、自分を背後から朝まで穿ち続けた。
顔を合わせて抱き合う事も、口付けもせず…その癖、時折自分の肌の上に
涙を何度も落としていきながら…御堂は、克哉を抱いていた。
その記憶を思い出し、克哉はキュっと唇を引き絞っていく。
「御堂さん…貴方は、本当は…『俺』に会いたかったのに…」
隣で眠る御堂は、疲れているのか深い眠りに入っていた。
だから少しぐらい克哉が身じろぎをしたり、手を伸ばしてもまったく
目覚める気配はなかった。
その頬を、髪を確認するように辿りながら…克哉自身も気づかない内に
そっと涙を零していた。
―どうして、二人は両想いなのに…抱き合ったのはあいつではなくて、
オレの方だったのだろう…。
行為の最中に何度も、何度も自分の肌の上に涙を感じた。
首筋から肩口に掛けて痛いぐらいに吸い付かれたのは、もう一人の自分に
対してどれだけ強く御堂が執着をしているかの証のようなものだった。
同じ肉体を自分達は共有している。
けれど…それは自分が受けて良いものじゃなかった筈なのに…どうして。
―ここにいるのが、オレなのだろう…。
半分だけベッドの上で身体を起こしていきながら、飽く事なく御堂の
髪を梳き続けていく。
普段は一部の隙もなく整えられた髪型は、今は少しだけ乱れていた。
あれだけ激しいセックスをしたら当然の結果なのだが…何故かそれが
少しだけ愛しく感じられた。
その感情に気づいて、克哉はハっとなっていく。
―愛しい? オレはこの人が…?
唇を震わせながら、たった今気づいた己の気持ちに…愕然となっていく。
最初は自分でもびっくりした。
しかしすぐに…納得していった。
―あぁ、そうか。オレ達は同じ人間だから…同じ身体を共有している
存在だから、影響を受けても仕方ないんだ…。
自分は、彼が消える直前までどれだけ強くもう一人の自分が
御堂を想っていたを知っている。
この人の強靭な精神力、誇りの高さ、凛とした処…『俺』の方は
御堂という存在に強く心惹かれ、焦がれていた。
そして自分は…それを間近で見ていたから。
その熱い心に触れて、影響を受けてしまっていたから。
―だから気づかない内に、自分もこの人に惹かれてしまっていたのだ…。
己のその感情に気づいて、静かに頬に涙を伝らせながら…
克哉は力なく呟いていった。
指先は、小さく震え続けていた。
「…オレ、バカみたいだな…。あいつがあれだけ、この人の事を好きだって…
想っているって知っているのに…同じ人を、好きになってしまうなんて…。
そんなの、許される訳がないのに…」
両想いの二人の間に、自分はいわば割り込んでいるような存在。
それが…この人を想うなんて許される訳がないのに。
どうして、たった一度抱かれただけでこんなに…痛いぐらいの気持ちが
湧いて来るのだろう。
どう、して…。
「御堂さん…御免、なさい…。けど、今だけでも良いんです…。オレの方が、
傍にいる事を…許して、下さい…」
か細く、消え入りそうな声音で克哉は小さく呟いていく。
諦めるから…必ず、貴方に求めている方の自分を帰すから。
たった今、この時だけでも…『オレ』がここにいる事を許して下さい。
そう想いながら…そっと、顔を寄せて眠っている御堂の唇に、小さくキスを
落としていく。
彼の唇は少し乾いていて、暖かくて柔らかかった。
「御堂、さん…」
心からの愛しさと、切なさを込めながら小さく告げていく。
御堂が眠ったままでいてくれた事が救いだった。
小さな波紋が、克哉の中に生まれ始めていく。
それはいつしか…積み重なることによって大きな波動へと徐々に
変化していくだろう想い。
―誰かを好きになるという事はどれだけの痛みが伴うのだろう。
想う事は喜びを生むと同時に、叶わぬ時は人に果てしない痛みを
齎していく。
それでも…気づかない間に人は誰かに惹かれ、恋をしていく。
そして愚かしいまでに、その想いに翻弄され突き動かされていく。
3、不安定な数字。
4、安定はしているが…纏まりがない数字。
応対しているのは二人。
だけどこの身には三つの感情がせめぎ合い、衝突し合っている。
この中で最終的に残り…御堂の元に残るのは誰か。
今の時点では克哉自身にも判らない。
けれど…強く、願っていた。
―どうか最後に残るのは、この人がもっとも激しく求めている
眼鏡の心である事を…。
昨晩の自分達の狂乱ぶりを思い出し、頬を朱に染めていく。
結局御堂は、自分を背後から朝まで穿ち続けた。
顔を合わせて抱き合う事も、口付けもせず…その癖、時折自分の肌の上に
涙を何度も落としていきながら…御堂は、克哉を抱いていた。
その記憶を思い出し、克哉はキュっと唇を引き絞っていく。
「御堂さん…貴方は、本当は…『俺』に会いたかったのに…」
隣で眠る御堂は、疲れているのか深い眠りに入っていた。
だから少しぐらい克哉が身じろぎをしたり、手を伸ばしてもまったく
目覚める気配はなかった。
その頬を、髪を確認するように辿りながら…克哉自身も気づかない内に
そっと涙を零していた。
―どうして、二人は両想いなのに…抱き合ったのはあいつではなくて、
オレの方だったのだろう…。
行為の最中に何度も、何度も自分の肌の上に涙を感じた。
首筋から肩口に掛けて痛いぐらいに吸い付かれたのは、もう一人の自分に
対してどれだけ強く御堂が執着をしているかの証のようなものだった。
同じ肉体を自分達は共有している。
けれど…それは自分が受けて良いものじゃなかった筈なのに…どうして。
―ここにいるのが、オレなのだろう…。
半分だけベッドの上で身体を起こしていきながら、飽く事なく御堂の
髪を梳き続けていく。
普段は一部の隙もなく整えられた髪型は、今は少しだけ乱れていた。
あれだけ激しいセックスをしたら当然の結果なのだが…何故かそれが
少しだけ愛しく感じられた。
その感情に気づいて、克哉はハっとなっていく。
―愛しい? オレはこの人が…?
唇を震わせながら、たった今気づいた己の気持ちに…愕然となっていく。
最初は自分でもびっくりした。
しかしすぐに…納得していった。
―あぁ、そうか。オレ達は同じ人間だから…同じ身体を共有している
存在だから、影響を受けても仕方ないんだ…。
自分は、彼が消える直前までどれだけ強くもう一人の自分が
御堂を想っていたを知っている。
この人の強靭な精神力、誇りの高さ、凛とした処…『俺』の方は
御堂という存在に強く心惹かれ、焦がれていた。
そして自分は…それを間近で見ていたから。
その熱い心に触れて、影響を受けてしまっていたから。
―だから気づかない内に、自分もこの人に惹かれてしまっていたのだ…。
己のその感情に気づいて、静かに頬に涙を伝らせながら…
克哉は力なく呟いていった。
指先は、小さく震え続けていた。
「…オレ、バカみたいだな…。あいつがあれだけ、この人の事を好きだって…
想っているって知っているのに…同じ人を、好きになってしまうなんて…。
そんなの、許される訳がないのに…」
両想いの二人の間に、自分はいわば割り込んでいるような存在。
それが…この人を想うなんて許される訳がないのに。
どうして、たった一度抱かれただけでこんなに…痛いぐらいの気持ちが
湧いて来るのだろう。
どう、して…。
「御堂さん…御免、なさい…。けど、今だけでも良いんです…。オレの方が、
傍にいる事を…許して、下さい…」
か細く、消え入りそうな声音で克哉は小さく呟いていく。
諦めるから…必ず、貴方に求めている方の自分を帰すから。
たった今、この時だけでも…『オレ』がここにいる事を許して下さい。
そう想いながら…そっと、顔を寄せて眠っている御堂の唇に、小さくキスを
落としていく。
彼の唇は少し乾いていて、暖かくて柔らかかった。
「御堂、さん…」
心からの愛しさと、切なさを込めながら小さく告げていく。
御堂が眠ったままでいてくれた事が救いだった。
小さな波紋が、克哉の中に生まれ始めていく。
それはいつしか…積み重なることによって大きな波動へと徐々に
変化していくだろう想い。
―誰かを好きになるという事はどれだけの痛みが伴うのだろう。
想う事は喜びを生むと同時に、叶わぬ時は人に果てしない痛みを
齎していく。
それでも…気づかない間に人は誰かに惹かれ、恋をしていく。
そして愚かしいまでに、その想いに翻弄され突き動かされていく。
3、不安定な数字。
4、安定はしているが…纏まりがない数字。
応対しているのは二人。
だけどこの身には三つの感情がせめぎ合い、衝突し合っている。
この中で最終的に残り…御堂の元に残るのは誰か。
今の時点では克哉自身にも判らない。
けれど…強く、願っていた。
―どうか最後に残るのは、この人がもっとも激しく求めている
眼鏡の心である事を…。
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HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
鬼畜眼鏡にハマり込みました。
当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)
当ブログサイトへのリンク方法
URL=http://yukio0201.blog.shinobi.jp/
リンクは同ジャンルの方はフリーです。気軽に切り貼りどうぞ。
…一言報告して貰えると凄く嬉しいです。
当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)
当ブログサイトへのリンク方法
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…一言報告して貰えると凄く嬉しいです。
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