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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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 赤で覆いつくされた歓楽街のホテルの一室。
 朱色のビロードのようなベッドシーツの上に克哉は気づけばうつ伏せの
体制で組み敷かれ、乱暴に脱がされたワイシャツで両手首を拘束された。

「くぅ…!」

 克哉が苦悶の声を漏らしていきながら軽く身を捩ろうとした。
 だが、御堂は後ろからそれを押さえつけて阻んでいく。

「…ほう? 私に好きにしろ…と言った癖に君は抵抗するのか?」

 その一言を聞いて、克哉は弾かれたように顔を上げて…首を振り向かせて
いきながら男の顔を見つめて、首を横に振っていく。

「…いいえ、その言葉に偽りはありません。御堂さんの好きなように
なさって下さい…」

「…ふん。なら、好きにさせて貰おうか…」

「っ…くっ!」

 相手に耳の後ろの付け根の辺りを強く吸い上げられて、つい苦痛を訴える
声が漏れていった。
 そうしている間に乱暴にズボンと下着を一気に引き下ろされて臀部を
露にされていく。
 間髪を入れずに、御堂の優美な指先と…冷たいローションが自分の窄まりの
周辺に落とされて、弾かれたように克哉の肉体は跳ねていった。

「ひゃ…! 冷たっ…!」

「…すぐに熱くしてやる…」

 克哉の耳元で呟いた御堂の声には、欲望の声と…怒気が半々で混ざっていた。
 それを敏感に感じ取って、克哉の身体は軽く竦んでいった。
 一度も男の欲望をこの身で受けた経験がない克哉には、これから御堂に犯されると
いう現実にどうしても身が強張ってしまっていた。
 好きにしろ、と言ったのは自分の方だ。
 なのにこんなに…恐怖と戦慄を覚えてしまっている。
 そんな不甲斐ない自分に唇を噛み締めながら耐えていくと…御堂はそんな
克哉を眺めて、訝しげに瞳を細めていた。

(どうして抵抗しない…?)

 こちらの行為を素直に享受している佐伯克哉に心底、違和感を覚えていった。
 自分が良く知っている彼であるなら、きっと途中で形勢を逆転させて…こちらを
逆に犯し返すだろう。
 事実、彼との関係はそういう形で始まっていた。
 半ば嫌がらせが入っていたプロトファイバーの営業目標の引き上げ。
 本来ならあの時、御堂はそれを口実にあの生意気な眼鏡を掛けた佐伯克哉を
慰み者にして気を晴らすつもりだった。
 だが、逆に逆手に取られてこちらがあの男に陵辱されている場面を撮影
されてしまい…そして、御堂の地獄の日々は幕を開けたのだ。

―お前なら、私を逆に犯し返すだろう…!? そういう男じゃなかったのか…!

 自分の記憶の中に在る佐伯克哉と、今目の前にいる克哉の余りの違いに
御堂は心底、憤りを覚えていた。
 苛立ち混じりに克哉の内部に指を侵入させて、強引に快楽を引き出していく。

 ヌチャ…ネチャ、グチャ…グプッ…!

 相手を辱めてやる為にわざと大きな水音を立てるように内部を掻き回して
いってやる。
 その度に克哉の肉体は耐え切れないとばかりに大きくうねり、苦しげに呼吸を
繰り返しながら喘いでいった。

「はっ…んんっ…! やっ…其処、は…はぁ…んっ!」

 今までの人生の中で、他者にそんな部位を触れられた経験そのものが
なかった克哉はともかく前立腺の部位を弄られて生じる激しい悦楽にただ、
翻弄されていくしか出来なかった。

「…やだ、という割りには顕著な反応をしているじゃないか…?」

 相手の感じる部位を探り当てて其処を執拗に攻め上げていく度に
腕の中の克哉は耐えられないとばかりに艶っぽく身悶え続けていく。
 其れを見ている内に…御堂の中に形容しがたい欲望が生じ始めていく。

―はっ…はっ…。

 知らず、御堂の呼吸も荒いものへと変わっていく。
 紛れもなく今、目の前で感じて啼いている克哉の姿を目の当たりにして…
彼は興奮していた。
 恋焦がれて、逢いたいと願っていた男だった。
 あんな酷いことをされていたにも関わらず、どれだけ痕跡を消し去ろうとしても
頭の中からあの男の残影を追い払えなかった。
 自分の知っている彼と、今…腕の中に納まっている彼はあまりに違い過ぎて
別人と言えるぐらいのレベルであったけれど、だが…容姿だけは、紛れもなく
逢いたいと願う男とまったく同じものだった。

―だから、気づけば御堂は欲情して相手が欲しくて仕方なくなっていた。

 胸を穿たれるような悲しみと怒り。
 それを…一時だけでも忘れ去りたかった。
 自分は、この男に抱かれる事を望んでいた。
 だが…今は、どちらでも構わなくなっていた。
 ふいに…見知らぬ男と連れ立って歩いていた先程の彼の姿が脳裏を
過ぎっていく。

―他の誰かと肌を重ねられるぐらいなら…!

 それは猛烈な独占欲。
 この男が、他の誰かを抱いたり…自分以外の男に抱かれる事など許す
事が出来なかった。
 だから御堂は執拗に責め立てていく。
 今は自分以外の人間のことなど、一切考えられないように…!

「克哉…」

「はっ…あ…!」

 初めて、この男の下の名前を呼んだような気がした。
 相手の脆弱な場所をともかくしつこいぐらいに指の腹で擦り上げていけば
その内部は怪しく蠕動を繰り返し、こちらの指を食いちぎらんばかりだった。
 まだ、指を二本含ませただけだというのに…この蠢きぶりは何だと
いうのか。
 とても…男を知らない人間の中とは思えないぐらいだ。

「…君の中は…随分といやらしいな。これなら…充分そうだな…」

「えっ…! 御堂、さ…ん、待って…あ、あぁぁぁっ…!」

 いきなり指を引き抜かれていったかと思うと同時に、蕾の入り口に熱い
塊を押し当てられていって克哉はつい身構えてしまっていた。
 だが男は一切容赦しようとしなかった。
 ドクンドクンと脈打つ己の性器で、克哉の際奥まで一気に貫いていった。

「う…あっ…!!」

 その衝撃に、唇を強く噛み締めながら克哉は耐えていく。
 挿入してすぐに御堂の激しい律動は開始していった。

「…今は、私を感じろ…!」

 私以外の人間の事など、一切考えられないように!
 今…この瞬間だけでも、私だけを見ろ!
 お前が、他の人間と肌を重ねることなど許せない。
 こんなに…自分の中に深くその存在を刻み付けておきながら…
そんな真似をしていたというのなら…!

―お前にその罪を贖って貰おう…!

 そんな残虐な考えと衝動に支配されながら、御堂はとにかく感情のままに
乱暴に克哉を突き上げていった。
 首筋を何度も、何度も痛いぐらい吸い上げられながら、刻印のように赤い痕が
無数に刻まれ続けていく。
 
 ギシギシギシギシッ!
 
 ベッドが大きく軋み音を上げるくらいに激しく、克哉の内部を犯し続ける。
 怒りの余り、感情が昂ぶりすぎたせいか…御堂の双眸からは知らぬ間に
涙が伝い始めていた。
 それは、深い失望と悲しみを感じた為に流れた、御堂の感情の発露でもあった。

―ポタリ…

 それを背中に感じて、克哉は切なくなった。
 御堂が、泣いている。
 その濡れた感触を僅かに感じるだけでも…四つんばいにさせられて相手の
顔が見えなくても、充分にそれを察してしまったから。
 だから克哉は、悲しげに目を伏せながらも…一切抵抗せず、この人の
好きなようにさせていった。

(…やはり、貴方は…泣いているんです、ね…)

 そのまま御堂の激しい抽送は続けられていく。
 克哉は、腰を高くせり上げながら…必死になって受け入れる以外の
事は何も出来なかった―


  
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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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