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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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  とりあえず、昨日は帰宅後にすぐにバタンキュ~して…
そのまま応接間のソファで朝まで眠り続けてしまっていたので
書けませんでした(汗)
 そのおかげで風邪は九割がた治ったけれど、今朝はちょいと
起きた時間の関係上…出て行くまでに一本は厳しそうです。

 ただ、すでに会社の多忙期は過ぎているので…本日は
定時には確実に帰宅出来るので、夜に執筆して姫初めSSを
完結させます。

 …しっかし今年に入ってから、一日10~12時間は寝ている
生活を送っております。
 まあ、全力で風邪を治そうと身体が頑張っているから、こんなに
眠っているというか眠らされているんでしょうが…。
 やっと鼻呼吸をしてても苦しくなくなって来ましたし…セキも
殆どしなくなってきました。
 一週間以上長引いた風邪を引いたのは本当に十数年ぶりです。
 とりあえず、続きは今夜書きますね。では…。
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 姫初めSS、とりあえず二回に分けてアップして…
今晩中に終わらせる予定でしたが、P数がかさみまして…
もう一回分ぐらいやらないと終わりそうにありません。
 本気ですみません。

 …一晩で15P目まで書き上げたんですが、完成まで
やると…流石に仕事に支障出るのでこの辺で今夜は
切り上げさせて頂きます。
 …全部で20Pは余裕で越えそうです。
 …眼鏡、新年早々頑張りすぎだ(汗)
 
 ごめんなさい、今晩はもう寝ることにします。
 おやすみなさいませ~(ペコペコ)
 ※2話で完結させる筈が伸びたー!! 眼鏡がムダに
エロくなりすぎだー! 頑張りすぎだー!
 という訳で三話形式になります。許してください…(ヨヨヨヨ)

 ―その後の克哉を宥めるのは並大抵の苦労ではなかった。
 いかんせん、勝手に克哉の口座から必要経費を引き落としておけと
いう言い方が非常にまずかったらしい。
 Mr.Rが立ち去っていってからも半端じゃないヘソの曲げっぷりで…
眼鏡はいまだかつて、もう一人の自分に対してここまで苦戦を
強いられた事はなかった。

 ベッドの上で膝を抱えて眼鏡に背を向けている克哉からは
何か黒いオーラが大量に滲み出ている。
 ここまで大いに拗ねまくっている克哉に遭遇したのは眼鏡も
初めての経験だけに…どうすれば良いのか判らなくなった。

「…おい、お前。いつまで拗ねているんだ…。新年早々、あまりにその顔は
景気が悪すぎるぞ。もう少しにこやかに笑ったらどうなんだ」

「………」

 しかし、さっきから幾ら声を掛けようと何をしようと、克哉がこちらを振り向く
事すらなかった。
 二人の間にかなり険悪な空気が流れていく。
 眼鏡はその現状に正直、舌打ちをしたくなりながら…どうすればもう一人の
自分が機嫌を直してくれるかを必死になって考えていった。

(考えろ…俺はこいつにこれを贈りたくて…あの男に手配を頼んだ筈だろう…?)

 この状況を打破しよう、という意識が強まった時…男の目には、
さっき黒衣の男から受け取った桐の箱が目に止まっていった。
 それをそっと手に取って開いていくと…其処には実に目にも鮮やかな一枚の
青い振袖の着物だった。
 それは…京友禅、全てが絹糸で仕立てられた見事な一品だった。
 青い生地の上に…赤や桃、紅や白の鮮やかな桜の花が舞い散って
流れている文様は…見ているものの心をくっきりと捉えていく。
 細かい絹糸の一本一本が鮮やかに染められて作られたその着物は…克哉の
肌の色の良く映えた。
 本人は女物など嫌がるかも知れないが…眼鏡はこいつにならきっと
似合うだろうと確信して選んだ品だ。
 この上品な蒼の生地なら、きっと…。

「おい…『オレ』」

 そうして、眼鏡は乱暴に桐の箱から晴れ着を取り出していくと…克哉の
肩にそれをそっと掛けて、彼と合わせていった。

「な、何だよ…!」

「…これが、俺がお前に贈りたかったものだ。…お前に良く映えているだろう…?」

「何を考えているだよ! 男のオレにこんなに贈ったって、何にも…!」

「いいや、お前なら立派に似合う。何故なら…この俺自らが直々に見立てて
選んだ品だからな…これの代金は今はお前に立て替えて貰うがその内、きちんと
俺が責任を持って支払うから…心配するな」

「…本当に、後で払ってくれるのか…?」

「あぁ、俺の能力ならば50万ぐらいはあっという間に稼げる。だから心配せず
これを受け取ってくれ…」

 相手に瞳を覗き込まれながら、きっぱりと言い切られて…思わずドキリ、となった。
 こうやって何かを断言する眼鏡の表情を、不覚にも克哉は格好良いと思った。
 こいつの真剣な顔なんて基本的に滅多に見れないし…自信たっぷりに笑みを
浮かべる姿は妙な色香すら感じてしまう。

(…こんな顔をされながら、断言されるのって反則だよな…)

 苦笑しながら頷いていくと、克哉はようやく…機嫌を直して、もう一人の
自分の手から晴れ着を受け取っていった。

「…これ、どこからどう見ても女の子が着るものだよな…」

「…心配するな。同じ顔でも俺には似合わないが…お前なら絶対に似合う」

「…それ、どんな保証なんだよ…まったく…」

 そう言いながら、もう一人の自分の手がこちらの衣服を脱がしに掛かる。
 眼鏡の手に脱がされるのは正直、恥ずかしかった。

「…お前に、着せてやるよ…俺、手ずからな…」

「うん…」

 そうやって自分の身体に触れる相手の手がとても優しかったものだから
克哉はつい…素直に頷いてしまっていた。
 そうして…さっき、応対する為に身を纏ったシャツとジーンズが遠慮なく
剥ぎ取られていって、ベッドの上で再び全裸にさせられていく。

「立てよ…お前に、これを着せてやる…」

「あっ…」

 耳元で、腰に響きそうなぐらいに低い声音で囁かれていく。
 そのまま…まるで催眠術に掛けられたかのように、克哉は
フラフラとその場に立ち上がり…相手に全身を晒していった。

(死ぬほど…恥ずかしい…!)

 羞恥の余りに、唇をキュっと噛み締める仕草すらもかなりの
色香が漂っていた。
 そのまま…眼鏡は全裸の克哉の前に跪いて、足袋から履かせていく。
 桐の箱の中には晴れ着を着るのに必要な物が一揃い収まっていた。
 自分だけが脱がされている状況なのに…先に足袋だけ身につけさせられるのは
逆に卑猥に感じられた。
 そのまま…肌着をゆっくりと身に纏わされていく。
 足袋、裾よけの順でつけられていくと…ようやく下半身が相手の眼前に
晒されなくなって少しだけホっとしていく。
 そのまま肌襦袢をそっと着付けられていくと…今、自分はこの男の手で
着物を着せられているという事実を嫌でも自覚していった。

(一体どこで…着付けの仕方なんて覚えたんだろう…『俺』…)

 その事に疑問を覚えつつも、克哉は相手の手に素直に身を委ねていった。
 眼鏡は克哉に長襦袢をそっと袖を通させると、両袖の辺りをしっかりと
克哉に持たせて正しい位置へと合わせていく。
 微調整を終えていくと、胸元の辺りをしっかりと右が下になるように
合わせてから後ろから前に紐を通していって縛って止めていった。
 意外に本格的な着付けの仕方をこいつがしている事に驚きつつも
克哉は…相手のされるがままになっていった。
 襟の後ろの部分に拳が一つ入るぐらいの余裕を作るように調整を
していくと…今度は紐の上に…伊達絞め用の帯を、身体の前から
通して背中で交差させていき前で挟んでねじって止めていった。

(何か着物を着せるのって凄く大変なんだな…。見ているだけで
一つ一つが非常に細かいっていうか…良く、『俺』覚えられるよなぁ…)

 まあ、恐らくこの晴れ着も一度着せられたら確実に脱がせられるような
真似をされるのは確実なのだが、こういう事に拘るもう一人の自分に…
ちょっとだけ尊敬も覚えてしまった。
 自分にはそれだけの為にこんな細かい着付けの仕方まで覚えるなど
絶対に無理なことだからだ。
 そして…ようやく青い晴れ着に袖を通されて、ドキドキしてきた。
 長襦袢を乱さないように慎重に羽織わされていく手つきが…妙に
丁寧で優しく感じられた。
 そのまま、腫れ物を触るような繊細さで…着付けは続けられていく。
 きっともう一人の自分にとっても、着物を人に着せることなど初めての
経験なのだろう。
 そのおかげで…滅多に見れない真剣な表情のもう一人の自分の顔を見る
格好となり、克哉の心臓は高鳴り続けていた。

―着付けが終わるまでの間、二人は終始無言のままだった

 口を挟むことなく、いつもは一方的に脱がされるだけの相手に…
こうやって丁寧に晴れ着を纏わされるなど予想外の体験過ぎて。
 全ての着付けが終わって…ようやく、帯板がつけられた頃には…
緊張の余りに、このまま克哉はその場にヘタり込みそうだった。

「…終わったぞ。思った通り…その晴れ着はお前に良く似合っている。
可愛いぞ…『オレ』…」

「…そんな訳、ないだろ…。26歳にもなる大の男が…こんな、晴れ着なんて
着たって…似合う訳…」

「お前は、俺の見立てに文句をつけるつもりか…? その蒼は、お前に合うと
確信して選んだんだ…。だから胸を張っていろ…良いな?」

「えっ…あ、うん…」

 そのまま、晴れ着を纏った克哉を愛でるように…男の手はゆっくりと
克哉の髪先から、項に掛けてを撫ぜ上げていく。
 たったそれだけの動作で…触れた場所から電流が走り抜けていくようだった。

「はっ…ん…」

 どうして、この男にこうやって少し触れられるだけで自分の身体は
こんなに反応をしてしまうのだろうか…?
 そのまま、眼鏡の手はゆっくりと…克哉の首筋のラインを辿っていく。
 克哉の身体は相手の手が蠢く度にビクビクビクと震えていってしまう。
 この着物を着させられている間、熱くて食い入るようなもう一人の自分の
眼差しに貫かれ続けていた。
 そして…この指先が、こちらの肌をくすぐる度に…もっと触れて欲しいと
いう欲望が溢れ出してしまって、堪らなくなってしまっていたのだ。

「…まだ、お前の髪やうなじに触れているだけだろ…? それなのにどうして…
もうそんなに顔を真っ赤に染めているんだ…?」

「…いじ、わる…さっきから、あんな風に…お前に見つめられ、続けていて…
こっちが冷静でなんか、いられると思ったのかよ…?」

「…そんなに、俺に見られて…お前は感じていたのか…?」

「はっ…ん…」

 眼鏡がカプっとこちらを焦らすように…耳朶を甘く食んでいった。
 軽く歯を立てられて痛いぐらいなのに、たったそれだけの刺激でもすでに
欲望が灯ってしまった肉体は過敏に反応していってしまう。

「…見れば、判る…だろ…?」

「いいや、判らないな…。だから俺を求めているのならば…きちんと声に
出して言うことだな…なあ、『オレ』…」

 そのまま、晴れ着の生地の上から…背骨のラインを探し当てられてツウっと
なぞり上げられていく。
 三枚ほど布地が隔てられているにも関わらず、それでもゾクっと肌が
粟立つのを止められなかった。
 そのままベッドの上に腰を掛けさせられると、その上に横たえられていく。
 
「…せっかく、着付けてもらったのに…もう…」

「なあ、『オレ』…知っているか…? 男が恋人に服を贈る時は…どんな意図が
込められているかをな…?」

「な、に…?」

「…それを自分の手で脱がしたいから、贈るんだ…。その為に、着付けの勉強を
今回はしたぐらいだ…。この蒼の着物を身に纏っているお前を…自分の手で
丁寧に解いて、抱きたいと思ったから…今朝も帰らずに残っていた…。
本当に、良く似合うぞ…『オレ』…」

「…ほんっとうに…そういう事だけは、労力を惜しまないんだな…お前…」

 と、思いっきり呆れたい気持ちが生じたが…相手がこちらを見る眼差しの
強さに、それ以上の言葉は封じられてしまった。

(着付けの勉強するぐらい…これをオレに贈りたいとか考えていたって聞くと
ちょっとだけ可愛く感じられるな…。それで黙って50万使われるのはちょっと
困ってしまうけれど…)

 けれど、さっき自分は必ずその分は稼いで返して…それをお前に贈る形に
してやるって聞いて、ちょっとだけくすぐったい気持ちになっていった。
 一旦、自分の口座から50万が減るのはちょっと痛いけれど…もう一人の自分なら
きっとその約束は果たしてくれるだろう。

「…本当、お前って物好きだよな…。こんなに労力を払ってまで…オレに晴れ着
なんて贈るんだもんな…」

 そう呟きながらも、克哉はまるで花が綻ぶような笑みを浮かべていった。
 それを見て…眼鏡は本当に、満足そうに微笑んでいく。
 そのままとても甘い空気が二人の間を流れていき…ごく自然に、唇が重なり合った。

「んんっ…」

「はっ…」

 お互いに短く声を零し合いながら夢中で唇を貪り合っていった。
 昨晩もセックスしている間、沢山の口付けを交わした。
 だが、そんなものでは全然足りない。
 
―もっと深く、激しく相手を感じ取りたいと思った

 キスを交わしたら、その想いが一層強まっていくのを克哉は感じていく。
 
(もっと…こいつと、キスしたい…)

 その願いに突き動かされながら、克哉は自ら積極的に舌を絡めていく。
 こんな…自分に晴れ着なんて、茶番以外の何物でもない。
 それでも…何か、不思議と嬉しく感じられた。
 もしかしたら他の人間から見たら、きっともう一人の自分の行動は滑稽に
感じられてしまうかも知れないけれど…それでも…。

 触れられる指先の優しさに、暖かいものを感じられた。
 こちらを時折見つめてくれた眼差しに熱いものを垣間見れた。
 
 晴れ着云々よりも、それを贈られた事でもう一人の自分が想ってくれている
事実を実感する事が出来たから。
 それが克哉の胸の中に確実に喜びをもたらしていたのだ…。

 チュク…チュパ…

 何度も何度も激しく口付けている内に、淫らな水音が二人の脳裏に
響き渡っていく。
 それが克哉の中に興奮を生み出していき…次第に理性も、何もかもが
どうでも良くなっていった。
 そうしてどれくらい永い間…キスを続けていた事だろう。
 ようやく解放されていくと…克哉の目の前で、眼鏡は実に獰猛で魅力的な
笑みを浮かべながら告げていった。

「さて…姫初めでも始めるとしようか…『オレ』…」

 そう告げながら、眼鏡の手はゆっくりと…克哉の晴れ着の帯板を
まずは外しに掛かったのだった―

 昨日の深夜から、ちょいと発熱して…その後延々と
眠り続けて、やっと風邪が治ったみたいです。
 …何か四日は夕方六時までの間に、起きていた時間が
トータルで4~5時間しかありませんでした(苦笑)
 12~3時間ぐらい、寝ていたって事です。
 けど、やっと喉の腫れも鼻づまりもなくなってきた。
 これなら…明日、仕事には問題なく行けそうです。

 さて、熱が出ていたおかげで昨日は保留にした姫初めを
今度こそ書いて来ますです。
 本当にお待たせしてすみませんです。
 もうちょいお待ち下さいませ(ペコリ)
 
 ※これはCDドラマに収録されている克克の「特別な日」の
翌日という設定で書いてある克克の姫初めSSになります。
 それを聴いていない方には不親切な内容になっているので
予め断っておきます。すみません

 ―もう一人の自分に誕生日を祝ってもらった翌日
  克哉が目覚めた頃には初日の出はすっかりと昇り切っていた

 窓の外から、眩しい光が差し込んでくる。
 それでようやく…克哉が目覚めていくと、自分の隣にはとても
暖かい感触を感じた。

「えっ…?」

 一瞬、克哉は我が目を疑った。
 大晦日の日に彼と会えただけでも一種の奇跡だと思っていたのに
何故、自分がこうして起きても彼の姿が存在しているままなのだろうか?

(どうして目覚めても…もう一人の『俺』が隣に…?)

 そのことにびっくりしつつも、初めて相手の無防備な寝顔を目撃して
克哉はフっと瞳を細めていく。
 彼はいつだってヤルことをやったら…幻のように自分の前から消えて
いく癖に…何たって今回に限って、こいつが…。

「んっ…」

(しかも寝言漏らしているよ…案外、こいつ…睫が長くて整った顔をしている…
って、オレと同じ顔の造作している筈なのになんで見とれているんだよ!)

 心の中で大いにツッコミをしつつも、自分も相手もしっかりとベッドの上で
裸の状態で眠っていた事実に気づいて、ボっと顔が赤くなっていく。
 昨晩、どれだけ自分が相手に『愛されたか』を思い出してしまって
克哉は居たたまれない気分に陥っていく。
 もうこいつに好き勝手にされるのも多少は慣れて来たし…何だかんだ
言いつつもセックスをするのは気持ちよくて蕩けそうになる。
 …辛うじて、イク寸前に除夜の鐘を遠くで聞いていたようなそんな
記憶が残っている。
 
(まあ…シャンパンもケーキも美味しかったけど…誕生日プレゼントに
『プレゼントは俺で良いな』って言う奴は初めてだったな…。しかもオレが
食われる側になった訳だし…)

 何というか昨日の誕生日は、色んな意味で思い出に残るというか…奇妙な
一日でもあった。
 不思議な夢のような感覚。だけど…それが現実である事を示しているかのように
自分の傍らには、今も…もう一人の自分が存在していた。
 確認したくて、克哉は無意識の内に…彼の方へと指先を伸ばしていく。
 相手を決して起こさないように、慎重に…静かに触れようとした瞬間、ガシっと
眼鏡の手に手首を掴まれてしまって、克哉はぎょっとなる。

「うわっ…!」

「…俺を起こさないように撫ぜたかったのなら、もう少し気配ぐらい絶て。
…相変わらずお前は愚鈍な奴だな。…まあ、新年明けましておめでとう…
『オレ』 良く眠れたか?」

 手首を捉えられた次の瞬間には、相手が自分の指先をパクっと咥えて甘噛みなんて
したものだから、ついビクっと肩を揺らしてしまった。

「こら…人の指を噛むなよ! ちょっと痛いだろ!」

「…痛いだけか? お前のことだから…俺にこうされたら、指だけでも感じて
しまうんじゃないか…? こんな風に…」

 そういって、今度は掌の中心の辺りをペロリと舐められて、克哉はキュっと唇を
噛み締めてその感覚に耐えていく。
 そうしている間に、眼鏡は克哉の右手を両方の手で覆っていき…指の又や
先っぽの部分を…まるでペニスを口に含んで愛している光景を連想させる
ような淫靡な雰囲気で…舐めたり、擦り上げたりを繰り返している。

(って…何で指先を弄られるだけで、こんなエロい気持ちにさせられないと
いけないんだよ…! 本当にこいつって…!)

 チュポン…!

 わざと大きな音を立てるように指先を吸い上げられていく。

「こらっ!そんなに新年早々、いたずらするなよ…! もう、
やめろって…! あっ!」

 克哉がついにこらえ切れずに相手の口元から指を引き抜いた瞬間、まるで
見事な技の連携が決まった時のように鮮やかに…相手の腕の中に自分は
引き込まれてしまっていた。
 さっきまでちょっと距離があったのに…あっという間に詰められていく。
 トクントクン、と相手の鼓動をごく身近に感じてみるみる内に克哉の耳元まで
真っ赤に染まっていく。
 相手の顔が至近距離に寄せられて、克哉はどうすれば良いのか判らなくなって
つい眼鏡の顔を凝視してしまった。

「…くくっ、新年早々…俺の顔に見蕩れたか? お前は本当に…ナルシストなんだな。
俺とお前の顔は、基本的に一緒だろう?」

「…そんな事言ったら、新年早々…自分と同じ顔の奴にこんなエッチな
ちょっかいを掛けてくるお前は何なんだよ…。オレをそんな風に扱って、お前は
楽しいのかよ…」

「あぁ、楽しいが悪いか?」

「…即答なんだ」

 眼鏡の答えが一瞬も迷いも見せずに、即効で返って来たので…逆に克哉は
毒気が抜かれてそれ以上、何も言えなくなってしまった。
 相手の顔をチラチラと見ながら、軽く頬を染めていく克哉の姿は…本人にその
自覚はないが本当に可愛らしくて…眼鏡の嗜虐心を大きく煽っていった。

「…あの、悪いけど…そろそろ、離して。オレ…このままお前の腕の中にいたら、
何か、ちょっと落ち着かない気分になってきたから…」

 こうやって裸の状態で相手と抱き合っているだけでザワザワザワ…と
自分の中で何かがざわめき始めているのを自覚していった。
 このまま寄り添っていたら確実に自分はヤバイ事になってしまう。
 その本能的な危険を察して、俯きながらもう一人の自分に頼み込んでいったのだが
そんなのはこの男に限って言えば逆効果以外の何物でもない。

「…お前は、俺とこうしてベッドで裸で抱き合っていて…何もないままで
いられると思っていたのか? 随分と俺に関しての認識は甘いものだったんだな…」

「えっ…だって、昨日…あんなに、されたのに…今日までされたら、オレ…
本当に、その…死んじゃうよ…」

「まあ、新年早々…腹上死するぐらいに激しくヤルのも悪くはないかもな…」

「うわうわっ! だから抱き合った状態のまま…そんないやらしい手つきで
オレの身体を、あっ…! 弄るなってばー! やっ…あっ!」

 克哉は必死になって眼鏡の腕の中で暴れまくるが…相手はただ愉しそうな顔を
浮かべるばかりでまったく容赦するつもりなどなかった。
 赤く色づき始めている胸の突起や、脇腹の敏感な部分を遠慮なく攻め立てて
克哉の性感帯を攻めていく。

「くくっ…口では嫌がっている割には、お前はこんなに反応しまくっているじゃないか…。
胸がこんなに赤く色づいて、硬く尖っているぞ…?」

「やっ…バカ、其処を舐めない、で…んんっ!」

 唇でもその赤く染まった箇所を攻められて、軽く歯を立てられていくと耐えられないと
ばかりに鋭い声を克哉は漏らしていった。
 このままでは確実にセックスに雪崩れ込まれてしまう…とその危機感を抱いた瞬間、
部屋中にチャイムが響き渡っていった。

 ピンポ~ン!

 その音を聞いた瞬間、克哉は思いっきり眼鏡に頭突きを食らわせる勢いで
身体を起こして、一気に正気に戻っていった。

「ぐおっ!」

 その瞬間、眼鏡の顎に克哉の頭がクリーンヒットしていった。
 顎を押さえて相手が怯んでいる一瞬の隙を突いて…克哉は慌ててベッドの周辺に
大雑把にたたんで置かれていた自分のシャツとジーンズを引っ下げて、それに
袖を通し始めていった。

(確か…昨晩、オレは鍵を掛けた記憶がない…! もし、本多とかが新年の挨拶に
顔を出したのなら…出ないと、中に黙って入られる可能性がある…!)

 長年の付き合いである本多のみ、もし家の鍵が掛かっていなくて自分が
応対しない場合は…中に入って様子を確認するぐらいはされる可能性があった。
 克哉が一人暮らしと判っているから、風邪とかで倒れているということも
ありうるから仕方ないと判っているが…今朝に限ってはそれをやられたら
もう一人の自分を目撃されてしまう訳で。
 その危機を回避する為に克哉は高速で着替えを終えて、そのまま玄関へと
駆けていった。

「はい! どなたですか…?」

 先程の情事の匂いなど、絶対に表に出さないように気をつけながら…
克哉は慌てて玄関の扉を開けて応対していく。
 普段の克哉なら、もう少し用心して対応するのだが…今は動揺しているので
少し大胆な出方になってしまっていた。

「…新年明けましておめでとうございま~す。清々しい新年の朝ですね。
そんな貴方がたを祝うべく…お祝いの品をご持参させて頂きました~」

 歌うようなしゃべり方に、新年の爽やかな朝の全てをぶち壊しにしかねないぐらいに
胡散臭い格好をした男が其処には立っていた。

「み、Mr.R!?  ど、どうして貴方がここに…?」

「嫌ですねぇ。たった今…申し上げたばかりですよ。佐伯克哉さん…貴方と
我が最愛の鬼畜王となられる資質がある御方の為に、ささやかながら…新年の
お祝いの品をご持参させて頂きましたと…」

「えっ…? 我が最愛の…何て、言ったんですか…?」

 あまりも聞き慣れない単語がスラスラと黒衣の男の口から紡がれていった為に
とっさに聞き取れなくて、克哉は問い返していく。

「…別にこの男が俺をどう呼ぼうとどうでも良いだろう。…で、お前は一体…俺に
大してどのような貢の品を持って来たというんだ…?」

「お、『俺』…!  そんな風に出て来て…誰かに見られたらどうするんだよ!」

「…心配するな。この場にはこの男しかいない筈だ。こいつが…自分が目の前に
いる時に他の人間と俺たち二人が出くわすようなそんなミスを犯す訳がないからな…」

「あぁ、流石に我が王は…私のことを良く理解して下さっているようですね。
それでは…貴方様が佐伯様に対して、贈りたいと願っていたものをここに…。
これで宜しいでしょうか…?」

 そうして克哉のマンションの玄関先にて、男は恭しい仕草でもう一人の自分へと
立派な桐の箱を一つ…手渡していった。

(どうして桐の箱なんて…? 普通それって…着物とか、高い生地とかで出来た
ものを入れるものだよな…。どうしてあいつがそんな物を所望したんだ…?)

 ついでに言えば、もう一人の自分が好むのは外国のセンスが良いブランド物の
スーツやコートの類だ。
 それらの物を収めるには桐製の箱は若干、合わないというか不釣合いだ。
 その事で疑問を覚えていると…眼鏡は満足そうに微笑み、それを受け取ってから
黒衣の男に対して労いの一言を掛けていく。

「…ご苦労だったな。確かに…良い物を選んでくれたようだ。購入に掛かった
費用は適当にこいつの口座から引き落としておけ」

「了解しました」

 眼鏡の言葉に、Mr.Rは快く頷いていったが…その言葉の意味を少し遅れて
理解した克哉は、思いっきり叫んでいった。

「ちょっと待て! 今…オレの方を指差して言わなかったか? それ…一体
幾らぐらいするもんなんだよ!」

「50万ぐらいでございますよ」

 そして恐ろしい金額を、Mr.Rはサラリと口にしていった。
 瞬間、克哉は頭が真っ白になりかけていき…。

「そんな大金をオレに一言も断りもなく平気で引き落とそうとするなー!」

 という、安月給でこき使われる克哉としては至極まっとうな心の叫びが
その場に広がっていったのだった―

 お昼ごろから自宅にへそまる嬢が訪ねて来て、
午後三時頃から、彼女が春コミで発行する本の漫画の
ネームに詰まっているとの事なので、香坂が色々と
漫画に関してのアドバイスや、メス入れをしつつ…二人で
ネーム作業を4~5時間やっている状況なんで、
ちょいと更新時間は遅くなりそうです。
  とりあえず折り返しの36P目までは二人で頑張って
ネーム完成させました。
 そのおかげで三日分はちょい遅れます。
 すみません、それで頑張りすぎたらちょいと体力気力が
結構消費されました(ゲフゲフ)
 
 昨日から言っていた姫初めSSは3日分と4日分の
二回に分けてのアップになりそうです。
 ただ四日中には終わらせるぐらいのつもりで頑張ります。
 ご了承下さい。

 …けど香坂、へそがエロシーン苦手だから描いて~と
言ったので18禁なシーンのみ香坂が頑張って全ての
エロネームを描いたよ。
 …自分が漫画描いていた時代ですら、やおいなものは
描いた事なかったのに何故人のネームで嬉々として
やっているのか相変わらず謎な奴でございます(ごふっ)
 という訳でそろそろへそさん送って来ます。
 執筆はそれからになるのでご了承下さい。
 ではでは~(ペコリ)


-最近は二人で立ち上げた新会社が軌道に乗って、多忙を極めて
いたのでこうして際奥に感じるのは一ヶ月ぶりだった。
 だからこそ、ゴンドラの中という異常なシチュエーションでも…御堂は
歓喜を持って相手の熱を受け入れていく。
 公私とものパートナーと言っても就業時間中は…新しく雇った人間の
数も増えて来ただけに、初めの頃のようにアクワイヤ・アソシエーションの
オフィス内で…という事もなくなってきた。
 あまり頻繁に、週末に会社の上に住居を構えている克哉の部屋を訪ねれば
余計な疑惑を生むかも知れないと…最近は気を遣って理性が邪魔するように
なっていただけに、ただ欲しいという欲望だけで相手を素直に求めるのは
御堂にとって久しぶりだった。

「はぁ…んっ…!」

「はぁ…あ…やっぱり、あんたの中は…蕩けるぐらいに、熱いな…。
こうやって挿れているだけで…イケそうだ…」

「そ、んな事は…うあっ!」

 グリっと相手の性器が抉るように突き上げてくると…御堂は耐え切れないと
ばかりに声を漏らしていく。
 その衝撃に耐えようと…御堂は必死になって克哉の背中に縋り付いていく。
 相手が腰を動かし、こちらの脆弱な部位を執拗に攻め上げてくれば
次第に呼吸は乱れて、忙しいものへと代わっていく。
 空調など殆ど効いていない…寒いゴンドラの中に置いても、最早そんなのは
すでに関係なく感じられるぐらいに、二人は熱くなっていった。
 
 ―窓の向こうには、目にも鮮やかな遊園地のイルミネーションが
広がっていた

 自分たちだけしか存在しない遊技場で、こんな風にお互いを求めて
貪り尽くすなんて…想像した事もなかっただけに、本当に全身の神経か
何かが焼き切れてしまいそうだった。
 身体の上に御堂を乗せて、密着をさせた体制で…克哉は執拗に
はち切れんばかりに硬くなっている相手のペニスを執拗に弄り上げる。
 もう、衣服やゴンドラ内を汚してしまうだなんて…そんな懸念が入り込む
余裕すらなかった。
 ツルリとした鈴口の周辺を、克哉の指先が的確に攻め上げて
更に大量の先走りを滲ませようと、快楽を掘り当てていく。

「んっ…あぁ!  や、だ…克哉! もう…おかしくっ…!」

「はっ…孝典。もっと…俺の、腕の中で…乱れろ、よ…。あんたが
俺の手で感じて、見せろよ…」

 眼鏡の置くで克哉が熱っぽく恋人を見つめながら、囁いていく。
 彼のアイスブルーの瞳が、まるで宝石のように艶っぽくキラキラと
濡れて輝き始める。
 欲情に濡れた、獰猛なその双眸に…御堂の意識は全てを捕らえ
られていく。
 その目を、もっと見ていたかった。もっと相手の魂に近づいて…寄りよって
一つに限りなく重なるぐらいに…!
 そんな欲望が互いの中に宿り、二人の腰の動きが一層早まっていく。

「あぁ…うっ…! 克哉、克哉…!」

 熱に浮かされたかのように、うわ言のように御堂の唇から克哉の
名前が零れていく。
 恋人が自分の腕の中で余裕を失くし、必死になって縋り付いてくるのを
見て…御堂の内部で、克哉の欲望は一層質感を増していった。
 苦しいぐらいに、克哉でいっぱいになっているのを自覚して…御堂は
蕩けたような紫紺の眼差しを真っ直ぐに彼だけに注いでいく。
 二人の唇は再び深く重なり、上も下も…相手の存在だけで
いっぱいになっていった。
 瞬間、克哉が限界まで膨張して…大きく脈動をしているのを
自覚していった。
 御堂もまた、受け入れている箇所を激しく蠕動させながら
それを全て享受しようと…相手の背に回している腕に、
更に力を込めていった。

「孝典、もうっ…!」

 そうして、余裕のない声で克哉がこちらの名を呼んでいきながら
頂点に達して、熱い精を御堂の中に注ぎ込んでいった。
 己の内部で、克哉が爆ぜていく熱い感覚を感じ取って…御堂は
息を詰めながらそれを受け入れていく。
 ドクドクドク…とお互いに心臓を荒く脈動をさせながら、一息を
ついて…暫く対面座位の格好のまま抱き合いながら呼吸を
整えていった。

―その後、ゴンドラの中に静寂と沈黙がそっと満ちていく

 半ばぐったりとなりながら…御堂は暫く、克哉の身体の上に
覆い被さっていった。
 お互いの息遣いと鼓動だけしか、今は耳に入らない。
 それ以外の音は、今の彼には感じられなかった。
 意識が、ただ…こうして自分を腕の中に抱きしめてくれている
佐伯克哉という存在にだけに向けられていく。
 それ以外の存在も、外部の音も…この瞬間、彼にとっては
何もないのと同じだった。

―サイレント・ナイト

 その瞬間だけは、御堂にとって…世界は、愛しい恋人の事だけで
占められていく。
 うっとおしい人間関係も、雑事も…この余りに非日常な空間に
身を置く事で吹っ飛んでいってしまう。
 ゴンドラの外には、眩いばかりの…まるで宝石箱をひっくり返した
かのような遊園地の美しいネオン達が瞬いている。
 御堂自身はむしろ現実主義者で…決して夢見がちな方ではない。
 けれど…この光景と、お膳立てをするのは並大抵の事ではないという
事だけは良く判っていた。

(まったく君は…私以上に多忙で、寝る間を惜しんで全力で仕事に
当たっている癖に…その合間に、こんな手配をしているんだから…
本当に恐れ入るな…)

 こんなの、余程こちらを想ってくれていなければ…まあ、ゴンドラの中で
セックスするという事さえ除けばの話だが、実行に移す筈のない事だった。
 御堂は無言のまま、ただ…強く克哉の身体を抱きしめていく。
 克哉もまた、それに応えるように愛しい人間を抱く腕に力を込めていった。
 そうしている内に…その段階になってようやく気づいたが、克哉が座っていた
座席の方には毛布が敷かれていたので…そっと御堂は、彼の隣に
座るように促されていった。
 そのまま、凭れるような格好で二人で寄り添い…日常から切り離された
時間がゆっくりと訪れていった。
 …どれぐらいの時間、そうやって…二人で言葉もなく余韻に浸り続けて
いたのだろうか。
 だが、そんな時間ですら…今夜は、特別なものにすら感じられた。

 沢山の華美に装飾された愛の言葉を囁かれるよりも…こうやって彼の
気持ちが感じられる行動と、態度を取ってもらう方が…あまり恋愛に関しては
器用な方でない御堂にとっては好ましく感じられる。
 それでも、行為が終わってゆっくりとゴンドラが一巡を繰り返していって…
再び一番高い頂上の部位に上り詰めた瞬間、克哉は沈黙を破って
真摯な眼差しを向けながら…御堂に、こう告げていった。

「メリークリスマス…孝典。今夜をあんたと共に過ごせて…本当に良かった…」

 長らくの沈黙の後に、それだけ男は告げていく。
 愛しているとか、好きだとか…そういう甘い言葉はこの男は滅多に言わない。
 けれどその口調と…表情に、確かに想いが込められているのが感じられた。
 だから御堂は口元を綻ばせながら、その一言を受け止めていく。
 
(本当に君という男の愛情表現は…遠まわしで、判り難いな…)

 と心の中で突っ込んでいきながらも、敢えてそれを口には上らせず
代わりに相手の頬に片手を添える形で応えていった。

「…あぁ、私も同じ想いだ。メリークリスマス…克哉。けれど…こんな心臓に
悪いクリスマスの夜のサプライズは、今夜だけにして貰えないと、私の身が
これから先は持たなくなるかもな…」


 こんな心臓に悪いぐらいドキドキハラハラするような一夜を、これからも
用意されたら本気で心臓麻痺ぐらいしてしまうかも知れない。
 そんな危惧すら込めながら、ちょっと素直ではない言葉を返していく。
 だが、お互いに相手の身体に何気なく手を這わせている内にだんだんと
二人の間に流れる空気は甘いものになっていく。

「…まったく、判った…一応は考慮しておこう。あまりに刺激的なものを用意して
あんたに万が一の事があったら俺も困るからな。あんたは…俺の恋人であり、
大切な共同経営者でもある。この二つを兼ね備えれられる存在は俺にとっては
この世界であんた一人だけだからな…」

「っ…!」


 その瞬間、あまりに真っ向から見つめられた状態で褒め言葉を向けられて
しまった為に、ボっと御堂の顔が真っ赤に染まっていく。
 この男から意地の悪い言い回しや皮肉や、もったいぶった口調はすでに
免疫がついて慣れてしまっていたが…こんな風に顔を見つめられながら
こちらを肯定してくれるような、そんな嬉しい言葉を吐いてくれること自体が
滅多にない為に…見る見る内に御堂は耳まで赤くなってしまった。
 それを見て…克哉は不敵に、満足そうに笑っていく。

(本当に…あんたのそういう顔は、可愛すぎてしょうがないな…)

 その瞬間、克哉は愉快な気持ちになりながら…そっと御堂の耳元に
唇を寄せて囁きを落としていった。

―愛しているぞ、孝典

 そして、自分が滅多に口にしない極上に甘い一言を告げていってやる。
 瞬間、御堂が肩を大きく揺らして動揺していくのが判った。
 克哉はその隙を逃さず、強引に御堂の唇を奪い…そして、深く口付けていった。
 …そうして、二人の間に恋人同士特有の、沈黙の夜が訪れる。

 それ以上は、言葉などいらなかった。
 もう一度、飽くことなく互いを求め…想いを交し合っていく。
 今夜は、どれだけ遅くなっても朝が来るまでは問題がなかった。
 そして事後処理はすでにMr.Rに依頼してあるので…どれだけこの内部で
睦み合おうとも、外部の人間に自分たちの関係が決して漏れる事もない。
 それだけの下準備を終えた上で、克哉は…今夜、御堂を誘ったのだ。
 この一夜を、忘れ得ない特別な日とする為に。
 金銭も労力も、全てを惜しまない形で。

―この夜の思い出を、あんたの中にくっきりと刻み込めるぐらいなら
多少の金ぐらい惜しむつもりなど克哉にはまったくなかったから…

 それはクリスマスの夜の、あまりに幻想的で…現実から切り離された
一夜の物語。
 日付が変わり、この聖夜が終わるまでの間だけでも…ただ正直な思いだけを
相手にぶつけて、確かめ合おう。
 
―貴方を心から愛してる、と真摯に相手に伝える為に…

 こんにちは、改めて新年あけましておめでとうございます。
 …年始早々、思いっきり風邪でぶっ倒れております管理人で
ございますが、本年も宜しくお願いします。
 本当は一日中に挨拶したかったですが…本気で頭がプー状態だったので
普段の倍以上の時間掛かってSS一本書くのが精一杯でした。
 まあ…二日間、たっぷりと睡眠とって静養したら幾分か回復
しましたけどね。やっと喉の腫れとか引いてきました…(ほっ)

 とりあえず本日はこれから、新年にちなんだ…克克の「姫初めSS」を
一本書いて参ります。
 克哉誕生日は…え~とおしげさん宅に30日~31日はお泊りしてて…
気有さんとおしげさんがあまりに「不憫澤村」と「可哀想な子な澤村」の話題で
盛り上がっているのを脇で聞いていたら、徐々に洗脳されていき…。
 そしておしげさんが気有さんに一枚、素敵な澤村&ノマ絵をプレゼントを
しておりまして…それを見せて貰った時に鮮烈に話が湧き上がってしまったので…。

 克哉誕生日に澤村不憫話(ギャグ)を書いてしまいました…。

 …という不思議な顛末になった為にございません。
 この話は気有さんのサイトでアップされたの確認してから…うちのサイトでも
文章のみ、その内掲載させて頂くという形を取らせて頂きます。
 あ…でも、『幻花繚乱』での切なくて格好良い澤村が好きでイメージを
崩されたくない! という方はくれぐれも読まないで下さい。
 澤村=ネギ の公式が許容出来る方だけで宜しくです(シュタ)

 それで滞在中に、勢いで克克の姫初めも書くという流れになってしまったので
とりあえずこの約束を果たしますね。
 出来れば三箇日中に時期物なので上げたいので。
 色々と去年末から滞っていた事をこの正月休み中に少しでも片付けて
いきたいと思っております。
 こんな管理人ですが、本年も良ければお付き合い下さいませ。
 それでは…(ペコリ)
   恥ずかしくてつい、相手から目をそらしていたがチラリと横を見ると
克哉が柔らかく微笑む様子が目に入ってゆっくりと相手の方へと
顔を戻していく。
 
ふん」

 そんな一言を発していきながら、今度は御堂の方からそっと克哉の
頬へと手を伸ばしていく。
 自分よりも七歳も年下の恋人の肌は、男性の割には凄く滑らかな
感触をしていて心地好かった。
 そして意趣返しとばかりにこちらの方から噛み付くようなキスを
落としていった。
 クニュと相手の弾力ある唇を歯で軽く噛むと、なかなか面白い
感触がしてつい夢中になっていく。
 恋人同士らしい戯れの時間。
 そうしている間に克哉の指先が御堂の髪や項に触れて、愛しげに
撫ぜ擦っていく。

こら、克哉あんまり触れると少しくすぐったい」

くすぐったいだけか? これだけ愛情を込めてあんたに触れて
いるというのに

「あ、こら耳元で何か、んんっ囁くな

 克哉は片手で相手の背中をやんわりと撫ぜ上げていくと
そのまま御堂の耳元に口元を寄せて、腰に響くような低い声音で
囁きを落としていった。
 熱っぽい吐息が同時に送り込まれて、それだけで肌が粟立つような
感覚が襲い掛かってくる。
 そして気づけば克哉はゴンドラの座席に腰を掛けて、御堂が
正面で向かい合う形で彼の身体の上に乗り上げる体制になっていた。

さっきまで激しいキスをされてつい失念していたがこのまま彼と
ここでこうやって触れ合っていたら危ない気がする

 この男とこんな近くで密着し合っていたら絶対に穏やかでは
ない展開になりそうな気がして、本能的に後ずさろうとした。
 だが身を引こうとする御堂の肩をしっかりと掴んで、克哉は
決してそれを許そうとしなかった。

克哉、あんまり触れるな。ここでそんなに君に触られまくったら
私とて冷静ではいられなくなってしまうから

「・・・あんたは俺と一緒に二人きりでいて、冷静でなんかいられると
思っているのか? しかもこんな特別に夜に?」

「だ、だがここはゴンドラの中だぞ! こんな所でするなど、
君は正気か!?」

問題はない。今夜、この園内にいる人間は皆俺の息が掛かっている
人間ばかりだからな。ゴンドラ内でどれだけイカれたセックスを俺たちが
ヤろうとも外部にそれが漏れるような事はないさ。
 その点はちゃんと考慮してある

「だ、だがそれ、でも

 相手があまりに自信たっぷりに言い切るので、常識とかモラルとかが
瓦解してつい、欲望のままに相手を求めたい衝動に御堂は駆られていった。
 いくら廃園になっているとは言え、観覧車の中でセックスをするなど
彼の今までの常識では考えられない。
 そんな事を要求されてすぐに素直に頷ける訳がない。

君という男は! どうして、こんな時でも私をおかしくさせるような
そんな触り方ばかり、するんだ!)

 興奮と憤りで、耳たぶまで真っ赤に染めている御堂の全身に厭らしく
克哉の掌が這いずり回っている。
 彼の手が、こちらの衣類をゆっくりと剥ぎ取りに掛かっていく。
 火照った身体が徐々に外気に晒されていく。
 一瞬肌寒くてブルっと震えたが、胸の突起を執拗に弄られている内に
空気の冷たさなど気にならなくなっていく。
 
「やっめろ、克哉! 本当に、これ以上は!」

俺を求めて、腕の中でよがり狂えよ孝典

 そうしてついに眼鏡の手が御堂の下肢の衣類へと伸びていく。
 流石に観覧車の中で膝の上に乗せられた体制で、そこまでやられると
ぎょっとなってしまう。
 だが男の手はまったく躊躇いを見せずにそれを引きずり落として
あっという間にこちらを全裸に近い格好へと変えていった。
 自分ばかりが脱がされて、肌を晒される現状に身体全体が
紅潮していく。
 自分の下半身に、熱く猛った性器が息づいている。
 先端からは先走りが淫らなくらいに濡れそぼって陰毛が
茂っている箇所を汚していく。

「はっやっ其処を、弄るな克哉ぁ

 克哉の手がこちらの硬く張り詰めたペニスへと伸びていく。
 丸みを帯びた鈴口を執拗に弄られるだけで、あまりに強烈な感覚が
走って呼吸が上がっていく。
 たったそれだけの刺激で奥まった箇所が淫らに蠢いて浅ましく
息づいているのが自分でも判る。

こんなに濡らしている癖に、口でいつまでイヤと言い続けている
つもりなんだ。今更、あんたもコレを止める事など出来ないだろう?」
 
「そ、んな事、はぁはっんんっ!」

 尿道の付近を爪で抉られ、痛み混じりの快感が電撃のように
走り抜けていく。
 その瞬間、ドバっと蜜が一層大量に溢れてペニスを弄る克哉の
手を一気に濡らしていく。

ほら、口で拒んでいてもあんたの身体はこんなに正直に
気持ちいいって訴えているぞ

 そうして、暫く其処を執拗に扱きあげた後、イク寸前間際に唐突に
愛撫を止められてその先走りでグショグショになった指先を
ついに後蕾へと延ばされていく。
 散々焦らされて、煽られた身体は瞬く間にその指先を飲み込んで
深々と受け入れていく。
 相変わらず克哉の手は、的確だった。
 こちらの快感ポイントを正確に突いて、追い上げてくる。
 首筋から鎖骨に掛けて大量の赤い痕を刻み込まれていきながら
前立腺をねちっこいぐらいに責められ続けている間御堂は本気で
気が狂うかと思った。

「はぁ、あぁ! もう、ダメだ早く、君を!」

 ついに耐え切れずに御堂が、彼の身体の上で艶やかに腰をくねらせながら
懇願の声を漏らしていった。
 もう、ここがどこなのかすらもどうでも良くなっていった。
 求めて、相手が欲しくて仕方なくてもうその欲望以外、思考回路の中に
存在しなくなっている。
 御堂が切羽詰った様子で顔を歪めてくる。
 克哉はその表情を見て実に満足そうに微笑んでいく。

「あぁ、俺ももう、あんたを感じ取りたくて仕方なくなっている
抱くぞ、孝典

「あっはぁ

 悩ましい声を思わず御堂が漏らした次の瞬間、自分の狭間に克哉の
熱い滾りが押し当てられているのが判った。
 その瞬間、ゆっくりと熱い塊が御堂の内部へと押し入って行ったのだったー

  こんにちは、香坂です。
  本来なら現在やっている連載年内中には仕上げたかったですが
ちょいと…喉風邪が若干悪化して声も出ないぐらいになっているので
31日分は遅れるか、潔く休むかのどっちかにします。

 まあ…某Oさんの家を出た当初よりも、暖かい湯船に
浸かったおかげで回復はしていますが…これからSSを
一本書くのは正直厳しそうです(汗)
 ん~とりあえず一旦今夜は寝まして、体調整ったら1月
2~3日までの間に眼鏡×御堂のクリスマスネタと
克克の姫はじめネタを書き上げる形にしようかと。

 一週間ぶりぐらいに体重計に乗ったらこの一ヶ月間で
トータル…五キロ程、体重が減っておりました。
 …まあ、元々太り気味だから少し痩せるぐらいで丁度良いんですが…
まあ、それだけムチャクチャなスケジュールをこなしていたんだな~と
思い知りました(苦笑)

 とりあえず私の体調不良の報告はさておき…皆様、新年明けまして
おめでとうございます!
 今年も自分なりのペースでこのサイトを更新していくと思いますので
良ければ付き合ってやって下さいませ。
 一先ず…今夜は一度眠らせて頂きます。
 体調を徐々に整えていってから…元の速度に少しずつ直して
いけたらと思っております。
 皆様にとって、本年がどうか良いお年でありますように…(ペコリ)
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HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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 …一言報告して貰えると凄く嬉しいです。
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