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※この作品は『メッセージ』を共通項目としたCPランダムの
オムニバス作品集です。
暫くの期間、出てくるCPはネタによって異なります。
通常のように一つのCPに焦点を当てて掲載する話ではなく
1話完結から2~3話で纏めて、鬼畜眼鏡ゲーム本編に出てくる一通りの
CPを消化するまで続きます。
期間中、それらを踏まえた上で作品をご覧になって下さい。
この形での連載期間はタイトルの部分に扱うCPも同時に
表記する形になります。興味ない方はスルーなさって下さい。
太一×克哉 二人の記念日 1
さっきまで泣きそうな顔をしてこちらの事を責めていた筈なのに、強引な力で
克哉を引き寄せた太一の顔は『男』の表情になっていた。
お互いの吐息すら掛かりそうな位置で、それを目の当たりにして克哉は
つい言葉を失ってしまう。
「…克哉さんが俺たちの記念日をちゃんと正しく覚えていてくれて良かった。むしろ、
今日だねってカマを掛けて頷かれてしまったら、俺…悲しかったから」
「…やっぱり、そうだったんだ。もう…太一、人が悪いよ。あんまり何回も聞いて
くるから少し不安に思ってしまっただろ…」
「ごめんごめん、けど克哉さんって凄く控えめな性格しているからさ。たまには
愛されているんだって確認、どうしてもしたくなってしまうんだよ。だから
怒らないで欲しい…ごめんね」
「もう…そんな顔されたら、怒れないだろ…ズルいよ、太一…」
そうして二人はマンションの玄関先で抱きあいながら…戯れるような
キスを交わしあっていく。
太一が本当にすまなそうな顔をしているせいで、克哉も相手の試すような
行為を咎める事が出来なくなってしまった。
それに軽く苦笑していきながら…啄むようなキスをして、機嫌を直さざる
得なくなってしまう。
「…あれから、もう四年か。何か太一と出会ってから…時間が物凄く
早く過ぎているように感じられてしまう。最初に太一と会話した頃には…
こんな風な関係になるなんてまったく予想していなかったな…」
「そう? 俺は克哉さんが食パンを咥えてロイドの前を全力疾走している姿を
見た時から何か運命感じたけど。何というか、俺からしたら克哉さんの
印象って…半端なく凄かったから」
「っ…! もう、またそれを言う! 恥ずかしいからそのことを何度も
言うの止めろよ。恥ずかしくなるだろ…!」
二人の馴れ初め、というか太一が克哉を初めて見た日のことは駆け落ちした
四年間に何度も話題に上がって来た。
その度に克哉は顔を赤くして恥ずかしがり、太一はその反応を可愛いと思いつつ
からかうような笑みを浮かべて楽しんでいく。
それは二人の間で何度も繰り返されてお馴染みのやりとりだった。
「ううん、一生忘れない。その出来ごとがあったから…俺は克哉さんの事を
強烈に覚えていて…今、こうして一緒にいられるようになったんだと思うから…」
「もう…太一ってば…んっ…」
そして、少しだけ深い口づけを交わし…その感触と相手の温もりをしっかりと
感じ取っていく。
キスを解いた頃、リビングに掛けてある時計をチラリと眺めていく。
今日が、後40分程度で終わろうとしている。
そのことを自覚した途端、克哉はしみじみと呟いていった。
「明日で…オレ達が駆け落ちした日から、四年か。何かアメリカに
渡ってから日本でおじいさんと和解するまでの期間って…必死になってて
あっという間に過ぎてしまった気がする…」
「ん、そうだね…。あのジジイの手から逃れる為に、五十嵐の屋敷を
脱出してから速攻でアメリカ行きを決めたもんね。あの時は無我夢中だったし…
余裕なんてまったくなかったから。けど、俺…その時からずっと克哉さんが
傍にいてくれることを感謝していた。克哉さんが俺を追いかけてくれなかったら、
何もかも捨ててでも夢を追いかけるって、その道を選びとれなかった気が
するからさ…」
「…それは、オレも一緒だよ。太一がいてくれたから…今の未来があると
思っているから。ま…太一は大学中退になっちゃったし、オレもキクチを
中途半端な形で辞める事になったから、それだけは心残りだけど…
あの時は振り返っている余裕なかったもんね。モタモタしていたら、また
引き離されるだけだったから…」
そうして二人は4年前の出来事を思い出して、クスクス笑っていく。
一連の流れを思い出して、克哉がふと…愉快そうに笑っていった。
「あ…でも、今日も良く考えたら、オレ達の記念日だよ…?」
「えっ…どういう意味、克哉さん?」
「ん…駆け落ちしたのは確かに明日だったけど。その前夜にオレ達…
初めて結ばれたじゃん。それを入れたら…今日だって、充分にオレ達の
記念日だろ?」
「っ…! 克哉さん、それ言うの反則。そんなことを言われたら、
贈り物をするよりも克哉さんを欲しくなっちゃうよ…」
「えっ…贈り物って、太一…んんっ!」
そうしている合間に太一からの抱擁と口づけが熱を孕んだものに変わっていく。
それに反応して克哉も余裕を失っていく。
何もかもを奪いつくされそうな情熱的なキスに意識が遠くなり、何も
考えられなくなっていった。
「太一…!」
そして、克哉が応えるように甘い声で名前を呼んでいくと…太一は
玄関先で克哉を求め始めて、二人はその熱を貪るのに無我夢中に
なっていったのだった―
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当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)
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