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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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※これは本多の親友ルート前提のお話です。本多×克哉? と表記して
ありますが…御堂さんとか他のキャラとかが絡んでくるノマ相モテ状態の
お話です。本多か、御堂さんか…他の人とくっつくかは現時点では正直
未定なので『?』マークを語尾つけておきます。
 初めての本多主役の話です。序盤は彼の視点がやや多めになります。
(他キャラの視点もチョコチョコ混ざります)
 ちょっとコメディ風というか、ギャグっぽい話です。
 それを承知の上でお読み下され…(ペコリ)

  始業して間もない頃に…まったく想定もしていなかった大食い大会に
参加が決定してしまったので、本多はそれこそ熱く燃え上がっているような
状態で日中の仕事をこなしていた。
  元々、長年バレーをやってきたおかげで生粋の体育会系な男である。
  勝負事といったら基本的に勝つ為に努力するのが当たり前であり…
彼のモットーでもあった。
 自分の机に座りながらバリバリと苦手なディスクワークをこなし、あちこちに
電話を掛けて仕事のやりとりをしている本多の姿は、片桐から見たら
相当に頼もしかったに違いなかった。

新規取引先として見込める企業への電話をどうにかこちらのペースに
引き込んだ状態で終えて、本多が一息を突いていくと…すでに時刻は
昼の休憩時間間際にまで迫っていた。

「ふう…もうこんな時間か。本気で仕事やると、やっぱり時間が過ぎるの
早くなるよな…」

 本多の頭の中に、一瞬だけさっきの克哉の笑顔が浮かんでいく。
 最初は克哉に振られていた大食い大会の参加の話がどうして自分が
出る事になったのかちょっと疑問があったが…惚れている相手からその後に
「本当に助かったよ、ありがとうな」とか一言言われたら漢としては絶対に
断わる事など出来なかった。
 そして…意地でも負ける訳にもいかなかった。

(…ここで大食い大会優勝とかしたら、ちょっとは男らしさを克哉に
アピール出来るかも知れないしな…)

 キクチ本社で毎年開催されるクリスマス会は、結構大きな会場を貸し切って
やる大規模なものである。
 会社側からの社員に対してのサービス…という一面と、社長が会場を提供
してくれるホテルのオーナーと懇意にしているという二点のおかげだった。 
 だからこの不況に傾きつつあるご時勢でも、どうにか毎年中止にされる事なく
続けられている。
 結構豪華な料理の類をタダで食べれる為、参加者の数は結構多く…
社内でも意外に注目されているイベントであった。

(克哉…)
 
 隣の席の仕事をしている克哉の姿を見ながら、本多は一つ…大きな
溜息を突いていった。
 正直、一年前に克哉に「本多はオレの親友だよ」とにっこりと微笑まれながら
宣言されてから、こちらが猛プッシュをしているにも関わらず…その仲は進展
する事はなかった。
  それ以前なら、ベッドに押し倒したりキスしたりぐらいは出来たのだが…
『親友』宣言をされてからは克哉もしっかりと警戒しているのか、まったく仕掛ける
隙も…タイミングも伺えないまま、気づいたら一年近くが経過していた。

 しかもその間、もしかしたら本多の気のせいかも知れないが克哉はどんどん色っぽく
なって綺麗になっていた。
 最近は時々、憂いげな表情を浮かべるようになって…見ていてその色香みたいな
ものに目を奪われることも多くなってきた程だ。
 つい、チャイムが鳴るまでの数分間…仕事を必死にしている克哉を目で追って
しまっていた。

(やっぱり…一年前に比べて、格段に克哉…色っぽくなっているよな。
たまに見てて…凄いドキドキするからな…)

 相手の方から目を逸らせない。つい…食い入るように見てしまっている事で
克哉の方も気づいてしまったらしい。

「…何だよ、本多。人の事をジっと見て…そんなにオレを見てたって…
楽しくないぞ?」

「いや、充分見ていて楽しいぜ。お前が真剣に仕事している姿を見ていると…
俺も頑張らなきゃなって思うし。なあ克哉…今日、良かったら一緒に飯でも
食いに行かないか? こうやって部署内に二人でいるのも…久しぶりな
訳だしな」

「…あ、うん…一緒にご飯食べるのは良いんだけど、今日はその…先約が
あるんだ。お店の方は…指定しちゃって良いかな…?」

 克哉がこちらの提案に言いよどむのを見た時、本多はすぐにピンと来た。
 しかも悪い意味の方でだ。
 相手がこんなに歯切れの悪い言い回しをするという事は…該当する店は
たった一件しか存在しない。
 
「…もしかして、あの…喫茶店ロイドとか言う処か? お前の自宅の傍に
あるっていう…昼休みの間に出て戻ってくるにはちょっと厳しい処だろうに…」

「あ、うん。そうだけど…今日はたまたま、午後からその付近にある取引先に
足を運ぶ予定だからね。だからオレはそのままご飯を食べたら…その会社に
直接向かう予定だから良いんだけど…本多はそうでもないだろ? だから
今日は、その…」

「…あの店、お前の自宅の周辺にあったよな。ちょっと待ってろよ…」

 本多は若干、嫉妬の炎をメラメラと燃えさせながらスケジュール表と
携帯のアドレス表を睨めっこしながら午後からの予定を即効で立てていく。
 今日はアポを取れた企業へ直接向かうのは午後4時前後になる為…
昼から三時ぐらいまでは本多の自由裁量で融通が利く状態だった。
 
(えっとその周辺だと…幾つか下調べを済ませていた新規取引先が
あった筈だよな。其処に電話でアポを取ってから飛び入りで参加するって
形にすれば…成果さえ取れれば無駄にはならないな…)

 運よく、スケジュール表のメモ欄にはその周辺で交渉が望めそうな
企業の名前と住所、電話番号等が何件か並んでいる。
 これなら…本多も午後から無駄に過ごしたりはしないで済みそうだった。

「あぁ…確認終わったぜ。俺もお前の自宅周辺の駅で幾つかの目星は
つけてあるから…そっちに付き合っても大丈夫だ。という訳で一緒に
食べようぜ…克哉」

「あ、そ…そうなんだ。判った。じゃあちょっと机の上を片付けたら一緒に
向かおう。少し待ってて貰えるかな?」

「あぁ、気長に待っている。だから焦らなくて良いぜ…」

「ん、ありがとう…本多もその間、ちゃんと準備をしていてな…」

 と快く言ったが言ったのだが…克哉の顔は若干引きつり気味に
返答していった。それから机の上の整理を始めていった。
 無理もない。何度かついていった事があるが…喫茶店ロイドのあの茶髪の
バイト、太一とかいう青年と本多は若干…犬猿の仲に等しいものがあったのだ。
 本多もまた、克哉に恋しているから判る。
 あのバイトもきっと…同じような意味で克哉を見ていると、初めて連れていって
貰った時に察してしまったので…本多は太一に非常に敵意を覚えていた。
 無意識の内にこいつは「恋敵」だ! と悟ってしまったのかも知れない。
 それから何度かこんな風に強引についていったのだが…行けば必ず本多は
太一と言い争いというか、口喧嘩みたいなのを繰り広げるので克哉は
積極的に連れていこうとはしなかった。
 だが、本多からしたら…恋敵と克哉が一緒の時間を過ごすという事が
すでに見過ごせない。

(あいつが…克哉が急激に色っぽくなった理由だなんて絶対に考えたく
なんかないけどな…)

 恋する男としては、見過ごすことなど出来なかった。
 克哉に迷惑をまた掛けてしまうと判っていても…こちらの我侭だと
承知の上でも、どうしても黙っていられなかったのだ。
 克哉が綺麗になった原因。せめてそれだけでも判明しない限りは
とても本多の気持ちとて収まりそうになかった。

 待っている間、こちらも簡単にディスクの上を整理していく。
 性格が出てしまっているのか…本多の片付け方は克哉のやり方に
比べて極めて大雑把で乱雑に近い。
 必要書類の細かいファイリングや整理などまではしないから…たまに
効率が悪くなってしまう時もあるが、この辺は性格だからある意味
仕方ないだろう。

「はい…整理終わったよ。それじゃ一緒に行こうか?」

「おう! じゃあ行くか!」

 躊躇いがちな克哉に対して、本多は元気一杯に答えて、こちらの
ペースへと引き込んでいく。
 その際、克哉の手を軽く掴んでいったが…ちょっとだけ困ったような
笑みを浮かべながら、とりあえず振りほどくような真似はしないでくれた。
 そのまま本多は克哉と一緒に、喫茶店ロイドへと向かい始めていく。

―お互いに一抹の不安を覚えつつ…

 

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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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