鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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外から帰って来ると、とりあえず暖かい飲み物を用意してやる事にした。
もう一人の自分と十日間を過ごさないといけないのは…もう変えられない事なので、
少しでも快適に過ごす為に…多少は気遣ってやる事にしたのだ。
室内には暖炉とフカフカのクリーム色の絨毯が敷き詰められているせいか、
かなり暖かかった。
克哉をリビングルームにあるソファの上に座らせると、キッチンから二人分の紅茶を
運んで一先ず手渡してやった。
窓の外には相変わらず、ヒラヒラヒラと粉雪が舞っていた。
「ほら…紅茶だ。熱いから気をつけろよ…」
「ん、ありがとう…兄さん」
…相変わらず、警戒心のカケラもない笑顔でこちらを「兄さん」と呼ぶ克哉に
眼鏡はチリ、とまた苛立ちを覚える。
(…こいつの平和そうな顔を見ているとどうしてもイラつくな…)
今までにこいつを二回ぐらい抱いた事があったが…どちらの時も、こちらが
仕掛けると混乱して、イヤイヤしながら快楽に浸る…というパターンばかり
だったので…こんな風に警戒心もまったくなく、屈託ない笑顔を向けられるのは
初めての経験で…正直、どうすれば良いのか判らない。
同じ、細長いソファの上に腰掛けているが…その距離は若干、遠い。
少し腕を伸ばして引き寄せる事は充分可能な距離だったが…イマイチ、そんな
気になれなかった。
(むしろ…警戒したり、嫌だ嫌だと言ってくれていた方が…よっぽど、抱く気が
起こるな…)
Mr.Rは無視をするのも、優しく扱って大事にするのも…欲望のままに陵辱するのも
自分の自由、と言っていたが…無視はし辛いし、優しく扱うとこちらが非常に居たたまれない
気分になるし…ついでに言うと欲望のままに陵辱するのもイマイチ乗り切れない。
眼鏡の方は正直…二日目で、この状況を持て余し気味だった。
熱い紅茶を火傷しないように飲み進めながら…何度目になるか判らない、深い溜息を
漏らしていく。
少し離れた位置で克哉は…兄と信じ込んでいる相手が入れた紅茶を
大事そうに喉に流し込んでいた。
「…兄さん。凄く浮かない顔をしているけど…平気?」
(…お前のせいなんだが、な…思いっきり…)
よっぽど、直接言ってやろうかと思ったが…寸でのところで飲み込んでいく。
こちらが浮かない顔をしていると…ようやく、犬コロのような人懐こい笑みが消えて
少し困ったような表情に変わっていく。
それでやっと…本来のペースを眼鏡は取り戻せた気がした。
「…この部屋が寒いから、な。それで不機嫌になっているだけだ…気にするな…」
そういって、紅茶を飲み干して…とっとと別の部屋にでも移動しようと思った矢先に
克哉に手首を掴まれた。
唐突な行動に、つい…訝しげな顔になってしまっていた。
「…何だ?」
「兄さん…寒いんだよね?」
「…見れば判るだろう。お前の為に…外まで迎えにいったばかりだしな…」
「…御免。どうしても朝日を見たいって思ってしまったから…迷惑、掛けて御免なさい…」
シュンとうな垂れながらそう言うと同時に、ふいに…克哉は眼鏡の掌をマッサージ始めた。
まさかそんな行動に出るとはまったく予想もしていなかっただけに…眼鏡は
ぎょっとして目を見開いていく。
しかし克哉の動作はまったく止まる様子がない。
はぁ~と熱い吐息を掛けて、こちらの指先を暖め始めていた。
「…っ! ってお前! 何をやっているんだ…!」
「えっ…だって、兄さん…寒いって言っていたし…」
まさか、こんな気恥ずかしい真似をしでかすとは予想もしていなかっただけに
完全に眼鏡はペースを乱されていた。
「…もしかして、嫌だった?」
「…もういい。されているだけで恥ずかしくなるから…止めろ」
ぶっきらぼうにそう言うと…眼鏡は克哉から、少し乱暴に手を離して
今度こそソファから立ち上がって踵を返していく。
決して相手の方を振り返らなかったので…バレる事はなかっただろうが…
眼鏡の耳はほんのりと赤く染まっていた。
(…たかがこれしきの事で、どうしてこの俺が動揺しなければいけないんだ…?)
胸の中に言いようのない苛立ちが更に広がり、憤りへと変わっていく。
自分がペースを握って相手を翻弄するのなら大歓迎だが、相手にこちらのペースを
乱され巻くって動揺させられるなど冗談ではない。
それは断じて、眼鏡にとっては許せない事実だった。
「ほんっきで恨むぞ…あの男…っ!」
こんな状況で、後…九日も過ごす羽目になるなど冗談ではない。
どうにかしてそれを縮められないだろうか真剣に眼鏡は考え始めた。
スリッパを履いてバタバタと音を立てていきながら、一先ず二階の寝室になっている
部屋の方に逃げ込んでいく。
―今は、何も考えずに一人になりたい。
そう思いながら、リビングから躍起になって離れようとしている眼鏡の後を…
極力、足音と気配をさせないように気をつけながら…克哉が追いかけていった―
もう一人の自分と十日間を過ごさないといけないのは…もう変えられない事なので、
少しでも快適に過ごす為に…多少は気遣ってやる事にしたのだ。
室内には暖炉とフカフカのクリーム色の絨毯が敷き詰められているせいか、
かなり暖かかった。
克哉をリビングルームにあるソファの上に座らせると、キッチンから二人分の紅茶を
運んで一先ず手渡してやった。
窓の外には相変わらず、ヒラヒラヒラと粉雪が舞っていた。
「ほら…紅茶だ。熱いから気をつけろよ…」
「ん、ありがとう…兄さん」
…相変わらず、警戒心のカケラもない笑顔でこちらを「兄さん」と呼ぶ克哉に
眼鏡はチリ、とまた苛立ちを覚える。
(…こいつの平和そうな顔を見ているとどうしてもイラつくな…)
今までにこいつを二回ぐらい抱いた事があったが…どちらの時も、こちらが
仕掛けると混乱して、イヤイヤしながら快楽に浸る…というパターンばかり
だったので…こんな風に警戒心もまったくなく、屈託ない笑顔を向けられるのは
初めての経験で…正直、どうすれば良いのか判らない。
同じ、細長いソファの上に腰掛けているが…その距離は若干、遠い。
少し腕を伸ばして引き寄せる事は充分可能な距離だったが…イマイチ、そんな
気になれなかった。
(むしろ…警戒したり、嫌だ嫌だと言ってくれていた方が…よっぽど、抱く気が
起こるな…)
Mr.Rは無視をするのも、優しく扱って大事にするのも…欲望のままに陵辱するのも
自分の自由、と言っていたが…無視はし辛いし、優しく扱うとこちらが非常に居たたまれない
気分になるし…ついでに言うと欲望のままに陵辱するのもイマイチ乗り切れない。
眼鏡の方は正直…二日目で、この状況を持て余し気味だった。
熱い紅茶を火傷しないように飲み進めながら…何度目になるか判らない、深い溜息を
漏らしていく。
少し離れた位置で克哉は…兄と信じ込んでいる相手が入れた紅茶を
大事そうに喉に流し込んでいた。
「…兄さん。凄く浮かない顔をしているけど…平気?」
(…お前のせいなんだが、な…思いっきり…)
よっぽど、直接言ってやろうかと思ったが…寸でのところで飲み込んでいく。
こちらが浮かない顔をしていると…ようやく、犬コロのような人懐こい笑みが消えて
少し困ったような表情に変わっていく。
それでやっと…本来のペースを眼鏡は取り戻せた気がした。
「…この部屋が寒いから、な。それで不機嫌になっているだけだ…気にするな…」
そういって、紅茶を飲み干して…とっとと別の部屋にでも移動しようと思った矢先に
克哉に手首を掴まれた。
唐突な行動に、つい…訝しげな顔になってしまっていた。
「…何だ?」
「兄さん…寒いんだよね?」
「…見れば判るだろう。お前の為に…外まで迎えにいったばかりだしな…」
「…御免。どうしても朝日を見たいって思ってしまったから…迷惑、掛けて御免なさい…」
シュンとうな垂れながらそう言うと同時に、ふいに…克哉は眼鏡の掌をマッサージ始めた。
まさかそんな行動に出るとはまったく予想もしていなかっただけに…眼鏡は
ぎょっとして目を見開いていく。
しかし克哉の動作はまったく止まる様子がない。
はぁ~と熱い吐息を掛けて、こちらの指先を暖め始めていた。
「…っ! ってお前! 何をやっているんだ…!」
「えっ…だって、兄さん…寒いって言っていたし…」
まさか、こんな気恥ずかしい真似をしでかすとは予想もしていなかっただけに
完全に眼鏡はペースを乱されていた。
「…もしかして、嫌だった?」
「…もういい。されているだけで恥ずかしくなるから…止めろ」
ぶっきらぼうにそう言うと…眼鏡は克哉から、少し乱暴に手を離して
今度こそソファから立ち上がって踵を返していく。
決して相手の方を振り返らなかったので…バレる事はなかっただろうが…
眼鏡の耳はほんのりと赤く染まっていた。
(…たかがこれしきの事で、どうしてこの俺が動揺しなければいけないんだ…?)
胸の中に言いようのない苛立ちが更に広がり、憤りへと変わっていく。
自分がペースを握って相手を翻弄するのなら大歓迎だが、相手にこちらのペースを
乱され巻くって動揺させられるなど冗談ではない。
それは断じて、眼鏡にとっては許せない事実だった。
「ほんっきで恨むぞ…あの男…っ!」
こんな状況で、後…九日も過ごす羽目になるなど冗談ではない。
どうにかしてそれを縮められないだろうか真剣に眼鏡は考え始めた。
スリッパを履いてバタバタと音を立てていきながら、一先ず二階の寝室になっている
部屋の方に逃げ込んでいく。
―今は、何も考えずに一人になりたい。
そう思いながら、リビングから躍起になって離れようとしている眼鏡の後を…
極力、足音と気配をさせないように気をつけながら…克哉が追いかけていった―
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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
鬼畜眼鏡にハマり込みました。
当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)
当ブログサイトへのリンク方法
URL=http://yukio0201.blog.shinobi.jp/
リンクは同ジャンルの方はフリーです。気軽に切り貼りどうぞ。
…一言報告して貰えると凄く嬉しいです。
当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)
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…一言報告して貰えると凄く嬉しいです。
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