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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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※2012年9月6日より開始した眼鏡×御堂に克哉が絡んでくる
形式の話になります。
  三角関係や恋愛主体ではなく、眼鏡や克哉の心理や葛藤に
焦点を当てた話になりますので了承した方のみ目を通して
下さいませ。

「第一話」
 
―愛する人と共に何かを成す事がこんなにも自分を満たし、幸福に
してくれるとは思ってなかった
 
 御堂孝典と二人で興した会社が軌道に乗ってから、多忙極める日々の中で
佐伯克哉はその幸せを噛み締めていた。
 本日も一日、非常に忙しかった。
 夜の21時を回ってようやく、こちらのこなしていた仕事は一段落がついたので
一足先にエレベーターで自分の部屋があるフロアまで移動して、
玄関に足を踏み入れた時…強い充足感が彼の胸の中にあった。
 
(公私ともに充実しているとは正に今のような状態のことを言うんだろうな…)
 
 ネクタイを緩めていきながら、ソファに腰を掛けて深く息をついていく。
 御堂の方の仕事は、後もう少し掛かると言っていた。
 週末の夜、明日の日曜日は久しぶりに御堂と共に一日休みを取れる日だ。
 ここ一ヶ月ぐらい忙しくて、二人一緒の休みなど取れる処ではなかった。
 別々に休みを取ることもなかなか厳しく、二週間前に午後からの半休を一緒に
取ったきり…本当に働きづくめだった。
 
(だが、それだけ物事が上手く行き始めた証でもあるな…。正直、こんな短期間で
ここまで上手くいくとは想定外だったがな…)
 
 彼が思っていた以上に、今は物事は上手く進み始めていた。
 元々御堂と再会をした辺りは…MGNの部長としての立場では満足出来ずに、
独立を考えてその準備をしていたが…それでも、一年に満たない段階でここまで
成果を上げられるとは思っていなかった。
 
「…本当に、御堂という右腕を得ることが出来たことが…俺の人生の中で
一番の幸運だったな」
 
 その事を自覚した途端、幸福感の中に…僅かに苦い思いがジワリと
広がっていくのを感じていく。
 御堂孝典という掛け替えのない存在が、今…自分の傍らにいてくれる喜び。
 それが強ければ強いだけ、かつて自分の犯した過ちが…ふとした瞬間に
過ぎって彼の心に深い影を落としていく。
 
(もうじき御堂が来る…そうしたらまず何をしようか。順当に行けば夕食を
食べるだろうが…気持ち的には食事よりも、御堂自身を味わいたいな…)
 
 男同士のセックスは、特に受身の方に掛かる負担が甚大になる。
 その為、この二週間まともに御堂に触れられなくて、彼の心は大きく飢えていた。
 本音を言えば毎日だって抱き合いたいのに…それをすればきっと御堂は
立てなくなってしまうのが分かっているから。
 そう思った瞬間、チクリと胸に痛みを感じていく。
 
(以前の俺なら、あいつの都合などお構いなしに容赦なく犯していたな…)
 
 御堂を、強引に監禁してその地位すら奪ってしまった時期の事が蘇る。
 そう、その過ちの記憶があるからこそ…彼は御堂に対して無理強いを出来なくなった。
 御堂が大切な人であればあるだけ、その想いが日々積み重なっていけばいくだけ…
罪の意識が彼の中で強まっていく。
 もう、二度とあんな酷い事などしない。
 彼を大切にしたいと、愛しているのだと今の彼には間違いなく言い切れるのに…
何故、こんなにも苦い思いは消えてくれないのだろうか?
 ソファでくつろいでいる筈なのに、胸の中にドロドロしたものが渦巻いているせいで
…あまり精神的に休めないまま、時間だけがすぎていく。
 そうしている間に、玄関の方から気配を感じて…慌てて立ち上がっていく。
 大急ぎで出迎えに走り、玄関で靴を脱いで内側から鍵を掛けて室内に足を
踏み入れようとしている御堂を、問答無用で抱きしめていく。
 
「克哉…?」
 
「…孝典…」
 
 お互いに名を呼びあってから、強引に唇を重ねて貪るようなキスを交わしていく。
 熱い舌先が絡み合い、脳髄に響くような快感が全身を駆け巡っていくのを感じていった。
 
「…はっ…ぅ…」
 
「ふっ…ぅ…」
 
 お互いに息継ぎの合間に、悩ましい声を漏らしていく。
 暫く触れあうだけの軽いキス程度しかしていなかったせいでこれだけでも
下半身がズックンと脈動し、息づいていくのを感じた。
 
「…克哉、玄関先で…こんなキスをするな…困る、だろう…」
 
「へえ? 今夜はこれから俺と抱き合うつもりでこの部屋に来たんだろう…?
 何を困る事があるんだ…?」
 
「…今日はベッドでなければ嫌だぞ? お前は気を抜くと何処でも盛って
好きなようにしてくれるからな…」
 
「…それはあんたが、魅力的だからだ。だからこれでも…この二週間、
頑張って抑えていたんだぞ…?」
 
「…それは、私だって同じだ。我慢していたのは…」
 
 御堂が本当に悔しそうな顔をしながら…こちらの袖をギュッと握りしめてくる。
 どこまでもプライドが高く、高慢だった御堂が…こんな
顔を浮かべるようになるなど、出会った頃には想像もつかなかっただろう。
 頬を上気させながら、絞り出すように本音を漏らす御堂の表情には
何とも言えない艶があった。
 
「…そうか、なら…明日は丸一日休んでいられる貴重な日だ。今夜はあんたを
一晩中でも抱いて過ごしたい気分だ…」
 
「いくら明日が休みでも、一晩中は困る…。明後日に出勤出来なくなったらどうするんだ!」
 
「その時は俺があんたをお姫様抱っこをして、会社まで運んでやるさ…」
 
「そ、そんなのは絶対に御免だからな!」
 
 こちらの言葉にイチイチ、ムキになって反論してくる御堂は克哉にはとても可愛らしく映る。
 
「…分かった、少しは睡眠を取れるようにはするさ…。そろそろベッドに行こう、
孝典。お前が早く…欲しい」
 
「…私、もだ。早く行こうか…」
 
「ああ…」
 
 そうして、愛しい相手と連れだって寝室の方へと向かっていく。
 愛しくて堪らない恋人と、久しぶりに熱い時間を過ごせる事に心は喜びで満ちていた。
 
ーだが、そんな時にすら一瞬だけ胸の内によぎる闇が確かに存在していた
 
 彼はそれから目を逸らす為に、寝室に辿りついた瞬間…強引に御堂をベッドの上に
組み敷いて、乱暴なくらいに性急に服を脱がし始めていった―
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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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URL=http://yukio0201.blog.shinobi.jp/

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