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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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※諸事情により、このバージョンはボツになりました。
 こちらのは…正式アップバージョンとの比較の上でお読み下さい。
 正式アップは25日の14時から18時までの間に掲載予定です。



  バタン!! と大きな扉を開け放つ音が部屋中に響き渡った。
  それにビクっと御堂が身を震わせている内に…いきなり黒い人影が
飛び込んできて、こちらを組み敷いていった。

「なっ…!」

 とっさに反応出来ずに、全力でもがいて逃れようと足掻いていく。
 しかし…影はこちらをがっしりと抑え込んで離そうとしなかった。

「…さ、え…きっ…?」

 最初は…あまりに突然の事過ぎて、状況判断が出来ずにいた。
 しかし、両者ともここ一年くらいは誰とも交流を持たずにこの部屋で
過ごしてきたのだ。他の人間が訪れようもない。

「み、どう…っ!」

 掠れた、切羽詰った声音を零しながら…有無を言わさずに首筋を
吸い上げられていく。
 鋭い痛みが走って、肩を大きく震わせていった。
 その隙に克哉の膝が足の間に差し込まれて…こちらの下肢を
容赦なく擦り上げていく。

「ひっ…ぃ…!」

 先程まで自らの手で慰めて、ビクビクと派手に痙攣を繰り返しているソレを
布地越しとは言え擦り上げられて…御堂は余裕のない声を漏らす。
 パジャマ生地の上から、胸板全体を揉みしだくように愛撫されて…突起が
硬く張り詰めていく。
 敏感な箇所を同時に攻められて、御堂の身体は嫌でも煽られて…欲望の火を
灯されていった。

「御堂…御、堂…!」

 欲望という熱に浮かされて、幾度も余裕のない声で相手の名を呼び続ける。
 興奮して荒い呼吸を繰り返し、瞳を情欲でギラつかせている克哉は…
この一ヶ月間の穏やかさなど微塵もなかった。
 
―それは正気を手放す前に見た、狂気の瞳に似た輝きを帯びていた。

「ひぃぃぃ! や、止めろ…! 止めて、くれ…! さ、えきぃ…!!」

 電撃のように脳裏を駆け抜けていくのは、苛烈な陵辱行為を繰り返していく
佐伯克哉の憤りを帯びたぎらついた瞳だった。
 一年前、最後に見た克哉の眼もこんな飢えた光を称えていた。
 それが恐くて…どうしてそんな眼で自分を見ながら、あんなに酷い行為を
延々と繰り返し続けているのか判らなくて…その混乱と限度を超えた恐怖心が
一度は御堂の正気を破壊し、廃人寸前まで追い込んでいった。
 必死になってその最悪の過去を打ち消そうと…その身体を抱きしめて、気持ちと
体温を伝えていく。

「…っ! 俺は…! お前を求めているだけだ! 御堂!! もう…酷い事は、
絶対にしない! だから! そんなに…怯えない、でくれ…!」

 克哉が哀願にも似た、切羽詰った声で訴え掛けていく。
 しかし今の御堂にはその叫びは正しく届かない。
 一度、深過ぎる傷が開いてしまえば…その胸の痛みに気を取られていて
人は正常な判断能力を失う場合が殆どだからだ。

「嫌だ! もう嫌だ!! …無理やり、は…も、う…嫌だぁ!!」

 御堂の中には、今は確かに克哉に対して好意的な思いが存在している。
 しかし…同時に、己を破壊する程一度は追い詰めた憎い相手である事も確かなのだ。
 一旦、マイナスの方に天秤が傾いてしまえば…ずっと心の底に眠っていた
ネガティブな感情や、恐怖心の類が一気に吹き出していく。
 今の御堂にはどれだけ叫ぼうとも…克哉の訴えは届く事はない。
 何故なら…今の彼が見ているのは、過去の記憶。
 忌まわしく消してしまいたい…御堂への想いを自覚する以前の、あまりに非道な行為を
繰り返していた頃の克哉なのだから―。

「もう! 絶対にしない! だから…正気に戻ってくれ! 御堂、御堂!!」

 相手の瞳を覗き込みながら、噛み付くように口付けていく。
 優しくしたい、という気持ちがあっても…余裕のない状態ではその苛立ちは
行き場を失って、更に克哉の気持ちを追い込んでいた。

「嫌だぁ!! もう…許して! 助けてくれっ…! も、う…わ、たし…はっ…!」

 それは壊れる寸前に見せた、あまりにみじめで弱々しい御堂の姿だった。
 あれだけ誇り高く、どんなに大事なものを奪い続けても屈する事がなかった
気高い男が…こんなみっともない振る舞いをする事をかつての自分は許す
事が出来なかった。
 だから、憤りをそのままぶつけ続けて…彼を、壊したのだ。
 こんなに彼を追い詰めたのは、自分なのだ。
 久しぶりに見た御堂の弱い姿は、克哉に己の罪を突きつけていた。

 ―この男をここまで追い詰めたのは紛れもなく自分自身なのだ。

 そんな自分が許せなかった。
 御堂ではなく、自分自身が堪らなく憎くなって…克哉は憤っていた。
 だから…性欲はコントロールを失い、制御出来なくなっていく。

 性欲と、憤りの感情は実は男性の生理上…実は良く似ている。
 怒張、という言葉があるように…男性器は性的な刺激以外に、強烈な
怒りの感情を抱いていても硬く勃起するのだ。
 怒りが強くなればなるだけ、解放を求めて…性欲が高まる。
 それはオスである以上…避ける事が出来ない本能に近いものがあった。

「…いい加減に、したらどうだ…?」

 怒りが、性欲が…先程まで抱いていた克哉の理性を完全に打ち壊して
かつての酷い行為を繰り返していた頃の彼を誘発していく。
 そこにいたのはここ一ヶ月の、穏やかな克哉の顔ではない。
 御堂のトラウマとして刻み込まれている冷たく…怜悧な表情だった。

「…や、だ…助け…!!」

 怯える御堂を無理やり押さえつけると…今度は強引に相手の足から
下着とパジャマのズボンを剥ぎ取って、外気に晒していく。
 恐ろしいのに…すっかりと反応して、硬く張り詰めている性器と…ヒクついている
自分の蕾が恨めしかった。
 其処を慣らしもせずに、いきなり…克哉のドクドクと脈動している熱いペニスを
宛がわれてぎょっとなっていく。

「そ、それは…や、やめて…く、れ…! 佐、伯…!」

 やっとこの一ヶ月で、最悪の記憶から…相手の姿を上書き出来たと
思っていたのだ。
  許せないけれど、夕食前にキスされた時…憎い筈だった男を
愛しいと感じていた。
 夕食と入浴を終えても火照りは収まらずに…身体が疼いて、先程まで
自らの手で宥めざるを得ないほど…確かに欲しがっていた。
 しかし、こんな乱暴に求められるのはやはり…まだ、恐かった。
 克哉がこちらを労わり、気遣うような言動をしながら抱いてくれたのならば…
御堂はここまで怯えることも、恐がることもなく素直に克哉を受け入れていただろう。
 しかし…こんな乱暴な手段では、駄目だった。
 
「…あんたのココは…俺を求めて、こんなに激しく…収縮を繰り返して
吸い付いてきているぞ…? 少しぐらいは自分の欲望に…正直になっても
良いんじゃないのか…? 御堂…」

 先端から蜜が滲んでいるペニスを何度も、何度もじれったくなるぐらいに入念に
相手のアヌスの縁に擦り付けて…ごく浅い抽送を繰り返していく。
 それだけで…御堂の身体はかつて克哉から与えられた強烈な快感を思い出して
意思と裏腹に蠢いて、相手を求めているように収縮し続けている。

「そ、んな…事は、なっ…い…! デタラメ、を…」

「随分と…意地を貼るな…御堂…? お前の口は…本当に…嘘つきだ…」

 克哉が腰を揺らす度に、グチャネチャと…いやらしい水音が
部屋中に響き渡っていく。
 お互いの荒い呼吸と鼓動も…耳を突く。
 ほんの少し克哉が腰を突き入れれば…御堂の最奥を深く抉る事だろう。
 しかし…克哉は、部屋の電灯が消えているせいで…気づいてなかった。

 御堂の瞳が…再び虚ろになりつつある事を…。

「さ、えき…本当に、やめ…て、くれ…!」

 御堂はあの暗く閉ざされた世界に戻りたくなくて、必死になって
克哉に懇願していく。
 多分、今ここで無理やり身体を貫かれれば…恐怖心が御堂の正気を
再び覆い尽くして…やっと開いた心の扉は無理やり閉ざされることだろう。
 それを避けたくて、御堂は懸命に頭を振って…訴えていく。
 しかし…憤りによって、かつての姿を取り戻している克哉には…その声は
正しく届く事はない。

 お互いに好意がある事は確かなのに…二人の心はすれ違い続けて
最悪の展開へと突き進もうとしていた。

「こ、んな…のは…嫌だぁぁぁ!!」

 御堂が、悲鳴を上げていく。
 やっと…この男を好きだと、自覚したばかりだというのに。
 それなのに…こんなに悲しい形で、また身体を繋げるという事実が
あまりに悲しくて…涙が、とめどなく溢れ続けていた。
 けれど、暴走してしまった克哉には…すでに相手の懇願や涙程度では
ブレーキを掛けることは出来ない。

 克哉もまた…根っこの部分では、御堂が愛しいと想う気持ちが
存在していた。
 だから欲しい。深く感じ取りたい。心行くまで御堂を感じて貪りたい。
 それと憤りの感情が絡まりあって…凶暴な性欲となり、克哉を突き
動かしているのだから…。

「御堂、俺を…拒むなっ! 受け入れて、くれ…っ!」

 必死の形相で、相手の硬く慣らしてもいない内部に…ペニスを
ググっと押し込もうとしていく。
 その瞬間、御堂の身体が恐怖に強張って、克哉の侵入を
拒んでいった。

「いた、痛いっ…さ、えき…! 止め、ろぉ…!!」

 御堂もまた、心から克哉を拒んでいる訳ではない。
 こんなレイプみたいな形で、身体を繋げるのが嫌なだけなのだ。
 ほんの少しでも克哉の優しさや気遣いが感じられる形での
行為であったのなら…ここまで強固に克哉を拒絶する事はなかった。
 しかし今の克哉には…そこまで察する余裕はない。
 ただ…自分が相手にまた、拒まれてしまっている。
 その事実が胸を切り裂き、どうしようもない痛みを齎していた。

「また…俺を、拒むのか…?」

 泣きそうな顔をしながら、克哉は力なく呟いていく。
 その瞬間…脳裏に音が鳴り響いた。

 パリィィィィン!!!
 

 それはガラスが盛大に割れる音にも、タマゴから雛が孵って
突き破って生まれてくる音の両方に似ていた。
 その音が響き渡った瞬間、強烈な意思が克哉の意思を抑え込み
無理やり闇へと押し込んでいった。

(お前、は…!)

 そう、心の中で叫んだが…遅かった。
 次の瞬間…克哉の意識は、深い深い闇の中へと沈み、そのままベッドの上に
力なく身体を投げ出して、倒れこんでいったのだった―。
 
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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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