鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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夜空に真白い月が輝いていた。
空を仰げば、自分と同じ顔をした眼鏡の青年が白いヒラヒラしたドレスを纏い
ゆっくりと月からその幻影が舞い降りてくる。
あまりに非現実な光景に、克哉は凍りついたが…眼鏡の人物は勢いを止める
様子はなかった。
そして…こちらの胸を射抜くように、その幻影が…こちらの身体に重なった瞬間
声が聞こえ始めた。
『やっと繋がったか…今生では初めまして、だな…<オレ>』
「…って、何を言っているんだ? 一体…お前は…?」
事態についていけず、克哉はただひたすら混乱するしかない。しかし幻聴を
齎す相手の方は良い言い方をすれば落ち着いていて…悪い言い方をすれば
やる気のカケラも見えない様子で答えてくる。
『…お前の疑問に答えてやる時間は、今はない。とりあえずあの小物を
どうにかしたいんだろ? なら…俺が言う通りに叫ぶんだ。
ムーンプリズムパワーメイクアップ!! とな…』
「…正気、か…?」
良く子供番組の変身物とかで、主人公が敵が現れると何か決めセリフを
言いながら変身するシーンとかがあるが…まさにそんな感じである。
十代の時ならともかく、25歳の立派な大人になってからそんな事態が
舞い込んで来るなんて何の冗談かとも思った。
そう迷った瞬間、木々が薙ぎ倒される轟音が辺りにもう一度響き渡る。
―誰か、助けてくれ~~!!!
遠くの方から、先程の若い男の声がもう一度聞こえてくる。
それを聞いて克哉は覚悟を決める。
目の前の黒衣の人物も、突然聞こえる幻聴も胡散臭い事、この上ない。
しかし…このままの自分では助ける事など到底無理なのだ。
それなら試すだけ試してみよう…そう思い、銀縁眼鏡をつけたまま
克哉は盛大に叫んでいく。
「ムーンプリズムパワー…! メイクアップ!!」
やけくそになりながら、右腕を天にかざして叫んでいく。
その瞬間、克哉のスーツが光に包まれて霧のように消えていく。
何とも心地よい感覚に包み込まれながら…メイクアップ、そう…戦う為の
装いへと変化していった。
額にV字型のティアラが、胸に大きなリボンが、腰の辺りにはヒラヒラした
スカートが、そして二の腕まで伸びる白い手袋に、赤のロングブーツ。
25歳の成人男子が纏うにはあんまりにもあんまりな装いではあるが…
眼を開いたその時、変身は終了した!
(ツッコんではダメだ…! ツッコんではダメだ…!)
ものすっごい嫌な予感がしたので、敢えて今の自分の格好に関して
意識しないように努める、がそんな克哉の努力を黒衣の男はたった一言で
あっさり無駄にしてくれた。
「あぁ…その装いを身に纏った貴方は本当に美しい…! さあ、私の目の前で
是非見せて下さい。貴方が敵を前にして舞い、乱れる様を…!」
「オレのどこか美しいんですか! それに何ですか! 舞い、乱れる様をって!!」
顔を真っ赤にしながら反論していくが、長い金髪をおさげに結っている謎の男は
うっとりと酔いしれて自己陶酔に陥っていた。
『…無駄な時間を費やすのは、それくらいにしたらどうだ…? お前が
そんな真似をしている内に…襲われている男は死んでしまうかも知れないぞ…?』
「うっ…ん、そうだな。敢えて…これ以上は考えないようにする。で…オレは
どうしたら、良いんだ?」
頭の中で、自分と同じ顔をした人物の声が響き渡るなどどんなファンタジーだろうかと
思ったが、今は敢えてこれも追及しない。
どうやら事態が自分よりも見えているらしい相手に向かって質問を投げかけていく。
『…面倒だが、今回は俺が指示を出してやる。その通りに動けば…お前の
勝利は間違いなしだ。良かったな…<オレ>』
「判った! じゃあ…黒い影に向かうぞ!!」
闇の中…克哉は黒い巨大な植物の影の方へと向かっていく。
戦うと心に決めて―
そうして、戦いの火蓋は切って落とされた―
空を仰げば、自分と同じ顔をした眼鏡の青年が白いヒラヒラしたドレスを纏い
ゆっくりと月からその幻影が舞い降りてくる。
あまりに非現実な光景に、克哉は凍りついたが…眼鏡の人物は勢いを止める
様子はなかった。
そして…こちらの胸を射抜くように、その幻影が…こちらの身体に重なった瞬間
声が聞こえ始めた。
『やっと繋がったか…今生では初めまして、だな…<オレ>』
「…って、何を言っているんだ? 一体…お前は…?」
事態についていけず、克哉はただひたすら混乱するしかない。しかし幻聴を
齎す相手の方は良い言い方をすれば落ち着いていて…悪い言い方をすれば
やる気のカケラも見えない様子で答えてくる。
『…お前の疑問に答えてやる時間は、今はない。とりあえずあの小物を
どうにかしたいんだろ? なら…俺が言う通りに叫ぶんだ。
ムーンプリズムパワーメイクアップ!! とな…』
「…正気、か…?」
良く子供番組の変身物とかで、主人公が敵が現れると何か決めセリフを
言いながら変身するシーンとかがあるが…まさにそんな感じである。
十代の時ならともかく、25歳の立派な大人になってからそんな事態が
舞い込んで来るなんて何の冗談かとも思った。
そう迷った瞬間、木々が薙ぎ倒される轟音が辺りにもう一度響き渡る。
―誰か、助けてくれ~~!!!
遠くの方から、先程の若い男の声がもう一度聞こえてくる。
それを聞いて克哉は覚悟を決める。
目の前の黒衣の人物も、突然聞こえる幻聴も胡散臭い事、この上ない。
しかし…このままの自分では助ける事など到底無理なのだ。
それなら試すだけ試してみよう…そう思い、銀縁眼鏡をつけたまま
克哉は盛大に叫んでいく。
「ムーンプリズムパワー…! メイクアップ!!」
やけくそになりながら、右腕を天にかざして叫んでいく。
その瞬間、克哉のスーツが光に包まれて霧のように消えていく。
何とも心地よい感覚に包み込まれながら…メイクアップ、そう…戦う為の
装いへと変化していった。
額にV字型のティアラが、胸に大きなリボンが、腰の辺りにはヒラヒラした
スカートが、そして二の腕まで伸びる白い手袋に、赤のロングブーツ。
25歳の成人男子が纏うにはあんまりにもあんまりな装いではあるが…
眼を開いたその時、変身は終了した!
(ツッコんではダメだ…! ツッコんではダメだ…!)
ものすっごい嫌な予感がしたので、敢えて今の自分の格好に関して
意識しないように努める、がそんな克哉の努力を黒衣の男はたった一言で
あっさり無駄にしてくれた。
「あぁ…その装いを身に纏った貴方は本当に美しい…! さあ、私の目の前で
是非見せて下さい。貴方が敵を前にして舞い、乱れる様を…!」
「オレのどこか美しいんですか! それに何ですか! 舞い、乱れる様をって!!」
顔を真っ赤にしながら反論していくが、長い金髪をおさげに結っている謎の男は
うっとりと酔いしれて自己陶酔に陥っていた。
『…無駄な時間を費やすのは、それくらいにしたらどうだ…? お前が
そんな真似をしている内に…襲われている男は死んでしまうかも知れないぞ…?』
「うっ…ん、そうだな。敢えて…これ以上は考えないようにする。で…オレは
どうしたら、良いんだ?」
頭の中で、自分と同じ顔をした人物の声が響き渡るなどどんなファンタジーだろうかと
思ったが、今は敢えてこれも追及しない。
どうやら事態が自分よりも見えているらしい相手に向かって質問を投げかけていく。
『…面倒だが、今回は俺が指示を出してやる。その通りに動けば…お前の
勝利は間違いなしだ。良かったな…<オレ>』
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戦うと心に決めて―
そうして、戦いの火蓋は切って落とされた―
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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
鬼畜眼鏡にハマり込みました。
当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)
当ブログサイトへのリンク方法
URL=http://yukio0201.blog.shinobi.jp/
リンクは同ジャンルの方はフリーです。気軽に切り貼りどうぞ。
…一言報告して貰えると凄く嬉しいです。
当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
とりあえず読んでくれる人がいるのを
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一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)
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