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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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※7月25日からの新連載です。
今回は「恋人関係」について掘り下げた内容になっております。
眼鏡が意地悪で、ノマは不安定で弱々しい場面も途中出てくる
可能性が大です。
 それを承知の上で目を通して下さるよう、お願い申し上げます。

 恋人の条件  

 恋人関係って、良く考えたら何なんだろう?
 相手に好きって告白して、受け入れたらそうなるのかな?
 気が付いたら、そうなっているものかな?
 愛しているって思って胸に秘めて言わないでいても…自分が相手を
そうと認識すれば良いのかな?
 今まで何人かと、相手に求められたから付き合って来た。
 けれど…今までの人生の中で、克哉の方から誰かを好きになってそういう風に
求めた事がないから、判らなかった。
 人の愛し方も、愛され方も知らないのだと…そんな事すら気付かずに
今まで生きて来た。

―オレ、あいつが好きなのかな…?

 ふと、ある晩気付いた感情は…それまでのもう一人の自分との関係を
揺るがす大きな波紋となってしまう事に…まだ克哉は気づいて
いなかった。

『好き』

 恐らく、もう少し前の自分だったら決して認めたくない事実。
 克哉は…傍らに始めてもう一人の自分が残ってくれた晩、その寝顔を見て
気持ちを自覚していった。
 意識した途端…こうしてひっついて相手と一緒に寝ている事が非常に
恥ずかしくなっていく。
 それはもう一人の自分との関係において、初めての経験だったから。
 いつもは抱き合えば、途中で自分が意識を手放して…目覚める頃には
身体にはセックスした痕跡だけは残されていたけれど…もう一人の自分の
姿は煙のように消えてしまっていたから。

(…何でオレ、こんな奴を好きになってしまったんだろう…? 今までだって
ロクな事をされていないのに…なのに、どうして…好きになって
しまったんだろう…)

 克哉は、静かに寝入っているもう一人の自分の顔を見ながら自問自答を
繰り返していった。
 けれど、一旦自覚してしまった思いは…もう、目を逸らしてなかった事に
しようとも…消し去ることは出来ない。

 ドクンドクン…ドックン…。

 相手の鼓動を聞くと、それに連動するようにこちらの心臓の音まで
大きくなっていく。
 相手の吐息が、肌の温もりが…血流が流れる音までも酷く鮮明に
感じられてしまった。
 それらの一つ一つが、酷く愛おしいものに思えてくる。

(…どうしよう。起しちゃうかも知れないけれど…もっと、コイツにオレから
触れてみたい…)

 今まで、良く考えてみればもう一人の自分に煽られるように触れられたり
刺激を与えられるばかりで…克哉の方から、彼に触れた事は殆どなかった
事に気づいていく。
 間近で見ると相手の睫毛は長く、整った顔をしている事に気づいていった。

(…同じ顔をしている筈なのに、こいつの方が格好良く見えてしまうのは
何故なんだろう…?)

 自分はここまでナルシストだったのかな? と少し疑問に思いつつも
克哉はそっと相手の顔に掌を這わして、静かに撫ぜていった。
 少し触れたぐらいでは相手は目覚める事はなかった。
 そして…初めて、克哉の方から相手に手を伸ばしていった事で…
また暖かいものが胸の奥から、込み上げていった。

「あっ…」

 其れはとても暖かくて、優しい気持ちになれそうな感じだった。
 その時、克哉は先程感じた「好き」という気持ちが…錯覚でも何でもなく
自分の中では本当のものである事を自覚していった。

「…オレ、こいつが…好き、なんだ…」

 そして、思わず力なく呟いていってしまう。
 瞬間…ピクリ、と相手の睫毛が…肩が揺れていった。

「えっ…?」

 相手の目が、ゆっくりと開かれていくと…克哉は突然の事態に
目を見開いていく。
 だが、静かに…しっかりと閉じられていた相手の瞼が開かれて、
酷薄ささえ感じる、アイスブルーの瞳が現れていった。

「……お前、今…何て言った?」

「えっ…な、何でもない…! 空耳じゃ、ないのか…?」

 相手が寝入っていると思ったからこそ、思わず漏れてしまった一言を
彼に聞かれてしまって、克哉はかなり動揺し…咄嗟にそれを否定して
しまった。
 だが、相手の追撃は…そんな曖昧な態度で止む事はなかった。

「嘘をつくな。俺はしっかりと聞こえたぞ。『オレ、こいつが…
好きなんだ』って言葉をな…」

「…だから、空耳だって言っているだろう…!」

 相手の目が、克哉には怒っているように見えてしまった。
 だから相手の逆鱗に触れないように…たった今、自覚したばかりの
感情を必死に、全力で否定していく。
 しかし…克哉が打ち消そうとすればするだけ、相手の目は冷たさを増し…
見ているだけで冷や汗が伝い始めるぐらいに冷酷なものに変わっていく。

「…そうか、お前は戯れで言ったに過ぎない訳か…」

「だから、そんな事は言っていないってば…!」

 相手の怒りを収めようと、さらに強く否定していく。
 だが…克哉の思惑と裏腹に、其れは…ただ眼鏡を掛けた方の自分を
怒らして、刺激するだけの結果しか生み出さなかった。

「…うるさい! 黙れ…!」

「っ…!」

 そして今まで見た事がないぐらいに、もう一人の自分が怒り狂い…
鋭い声を漏らしていった。
 鼓膜が大きく揺さぶられ、脳がグラグラとしてしまいそうだった。
 弾かれるように相手に再び、圧し掛かられると同時に…両手を頭上で
纏めあげられて片手で押さえつけられ、大きく足を開かされて…
相手の身体が割り込んできた。

「ちょ…待って! やっ…あっ…!」

 相手の性器がいつの間にか硬度を取り戻しているのを自覚するのと
同時に、再び挿入されてしまった。
 さっきまで二回、相手の精を放たれた内部はあっさりと相手の熱を
飲みこんで奥まで再び貫かれていってしまう。

「うるさい、余計な事を言うだけの口だったら…ただ、喘いでいれば良い。
…その方がまだ、可愛げがある…」

「あっ…うっ…ごめん、ごめん…怒らせたなら…ごめんね、俺…ああっ!」

 克哉は必死になって謝っていく。
 しかしその謝罪の言葉はより、もう一人の自分を怒らせるだけの結果に
なった事に克哉はまだ気づいていない。

「黙れ、と言っているだろう…!」

 怒りながら感情に任せて眼鏡は激しく…さっきよりも容赦ない律動で
克哉を犯していった。
 そして…行為が終わる頃には、窓の外には陽が昇り始めて…いつものように
克哉は泥のように眠って、意識を手放してしまい。

―もう一人の自分の姿もまた、彼が覚醒する頃には煙のように消えて
しまっていたのだった―
 



 
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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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