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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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 ※2011年度のエイプリールフール企画。
 御堂に対して、克哉がちょっとした嘘をついた事をキッカケに
 起こった…という設定です。

エイプリル・ライアー(タイトル後で修正しました)

 

  他愛無い嘘になる筈だった発言で、完全に頭に血が昇っている御堂を見て…
克哉は不謹慎ながら、ドキドキしてしまっていた。
 良く考えてみれば、最初の頃は時々酷い一面を垣間見せていたけれど…
関係が安定してからは、こんな風に御堂が怒っているのを二人きりになって
いる時には殆ど見れなくなっていたから。

(…孝典さんが、嫉妬してくれている…オレに、対して…)

 本当なら、ごめんなさいと謝らなければならないのは判っていた。
 けれど吸いつく力の強さから、幾つも首筋から鎖骨という危うい場所に
御堂の刻印が刻まれている事に喜びを感じている自分もいた。
 嫉妬というのは、相手を好きでなければ…関心がなければ抱かない
感情だからだ。

「あっ…う…!」

「君は、私だけのものだ…。誰にも、渡さない…!」

 怒気すら孕んだ声で、御堂が訴えかけていく。
 その声に、ゾクゾクと背筋が震えていくのを感じていった。

(早く、言わなきゃ…これはエイプリルフールの嘘だって…)

 相手の声に怒りが含まれているのを強く感じ取って、克哉が
口を開こうとした次の瞬間…。

 ツゥルルルル…ツゥルルルル…

 ソファの前の机に置いてあった、克哉の携帯が着信音を鳴らしていた。
 其れに二人は慌てて視線を向けていく。
 そしてディスプレイには『本多 憲二』と出ているのを見て、反射的に
御堂は其れを手に取って、感情的に床に叩きつけようとしてしまい…
其れを察して、克哉もとっさに止めていく。

「わあ! 孝典さん! ストップストップ! 携帯に罪はないですから!」

「…す、すまん…! 腹が立っている時に本多君の名前を見ると…つい…」

「本多がウザイ! っていうのは気持ちはよくわかりますけど…落ち着いて
下さい! オレの携帯がそれやったら壊れるか、故障するだけですから!」

 必死になって御堂の手首を押さえて、自分の携帯を叩きつけられないように
守っていく。
 暫し至近距離でお互い睨みあいが続いていく。
 そんな最中、御堂がとんでもない発言をボソリと呟いていった。

「…ま、まさか…さっき君が言った好きな男とは本多君の事なのか…?」

「違います。それだけは何があっても絶対に有り得ません!」

 即答だった。
 克哉は聞かれた瞬間、全力で持ってその可能性を否定した。
 自分はもう、御堂しか見えないし…御堂以外の相手を恋愛対象にしたいとか
微塵も考えた事はない。
 確かに学生時代とか、今までにも何人かの女性とは付き合ってきた。
 けどその相手に対しても本気になどなった事なかったし…こうやって一緒に
暮らす段階まで達した事も、ここまで愛しく感じる事もなかった。
 
(オレには、孝典さんだけだ…。そう思っているから、今日ならその嘘も笑い話に
なると思ったのに…。けど、これ以上誤解されたままじゃ嫌だ。オレにとって
この人は唯一無二の…大切な人なんだから…)

 克哉が即答した事で、御堂の顔に迷いが生じる。
 さっきまで頭に昇っていた血の気が…少し下がったのを感じて、
克哉はようやく否定の言葉を口にしていった。

「…さっき言ったのは、嘘ですよ。今日はエイプリルフール…4月1日でしょう?
嘘をついて良いってルールがある日だから、すぐに貴方が否定して笑い飛ばして
くれると思って言っただけの話です。オレには貴方しかいませんから…
これ以上、真に受けないで下さい…」

「えっ…? エイプリルフール…?」

 その言葉にすっかり毒気が抜かれたのか、御堂は呆けた顔を
浮かべていった。
 全く予想もしていなかったらしい。
 日にちを自覚していたら、直ぐに気づいたかも知れない事でも…
興奮してしまった状態ではなかなか気づけないものだ。
 
(…この反応、もしかして…孝典さんってあまりこの日に縁が
なかったのかな…。嗚呼、良く考えたら無理もないか…。
親しくなった今なら、オレも冗談の一つも言おうって気になるけど…
部下とか、周りの友人の人達も…迂闊にこの人に対して、4月1日でも
冗談とかそういうの…言えなかったんだろうな…)

 御堂が、エイプリルフールを知らない…という事はないだろうが、
縁があまりなかった可能性はあるので、少し申し訳ない気持ちになった。

「ええ、四月バカ…。嘘を言っても良い日ですよ…。だから、さっきの
発言は気にしなくて良いです。オレには…貴方しかいませんから…」

「むっ…」

 そういって、克哉の方から御堂の首元に腕を回してギュっとしがみついていく。
 唇を重ねて、機嫌を直してもらうように祈りながら口づけていった。 
 この体制では相手の顔は見れなくて少し不安だったけれど…少し経って、
御堂の方からこちらの身体を抱きしめ返してくれたのを感じて、克哉は
ほっと安堵の息を吐いていったのだった―

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香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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