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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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 体中が、痺れている上に…頭がボウっとなって自由が利かなくなっていた。
 洗面所に凭れかかる格好から、どうにか立て直そうと…腕と足に力を込めていくが
まったく動けない状態になっていた。

(なんだよ、これ…金縛りにあったみたいに、動けない…!)

 その現実に愕然となりながらも、相手の姿はゆっくりとこちらの方に歩み寄り…背後から
覆い被さっていく。
 首筋に…鋭い痛みを感じて、ギュっと目を瞑った。

「やめっ…!」

「…あれだけ強く、俺を呼んでいた癖に…随分と連れない態度だな…<オレ>…?」

 そうしている間に、ふいに胸の辺りを弄られて…Yシャツのボタンを外されながら
胸の突起を弄られて…全身に鋭い快感が走っていく。
 優しく其処を摘まれて、捏ねられていきながら…ふいに強く押し潰されるように
刺激を与えられて、克哉は思わず身体を跳ねさせてしまった。

「んぅ…バカ、止めろってば…! こんな事を、したくて…オレは、お前を…呼んだ訳…
じゃない…!」

「…そうか? お前は今…柘榴を齧って、以前に俺とどんな時間を過ごした事があるのか
思い出したんじゃないのか…?」

 耳元で、そんな言葉を囁かれながら…胸板全体を揉みしだかれるように愛撫を
施されていく。
 気づけば相手に抱き起こされる格好になり…自分の脇の下に、相手の両腕が通されて
鏡の中にお互いの顔が映っていた。
 上気して、真っ赤になっている自分の顔と…楽しげに口元を歪ませている相手の顔が
同時に映されていて…余計に羞恥が強まっていく。
 身体は、何かの呪縛に遭ってしまったかのように…まったく自由が効かなかった。
 だから今の克哉は…相手の成すがままになるしかない。
 必死になって身体の自由を取り戻そうと…試みていく。
 そうしている間に、眼鏡の手は…克哉のズボンのフロント部分を彷徨い…ジッパーを
引き下ろして…克哉の性器を其処から取り出していった。

「っ…!」

「…ほら、な…。身体は…正直だ…。俺とどれだけ気持ち良い時間を過ごした事が
あるのかを思い出して、思いっきり…勃っているぞ…?」

 相手の言う通り、鏡の中には…しっかりと勃ち上がった己の性器と…握り込まれて
先端の割れ目を執拗に弄られて…蜜を溢れさせている様が如実に映し出されていく。
 こんな光景…目を逸らしたいのに、まったく逸らせない。 
 逆に何かに魅入られたかのように…相手の手が、ネチャネチャと糸を引かせて…
己の性器と胸の突起を鏡の前で弄る様から、目を離せなくなってしまった。

「やだ…止めろ、ってば…! あぁ…!」

 だんだんと追い上げられて、呼吸が荒くなっていく。
 それでも反射で身体が震えるだけで…克哉の意思では、指一本動かす事も抵抗
する事も出来ない状況が続いていた。
 相手の手が…早くなり、克哉の全身がビクビクビク…と絶え間なく震える。
 鏡の中の自分の感じる部位と、相手の弄られる場所から…視線を逸らすことすら
出来ずに…克哉の意思とは関係なく、身体は追い詰められていく。

「ひゃあ…!」

 布地越しに、ダイレクトに相手の昂ぶりを蕾に感じて…ゾクリ、と背筋に
悪寒に似た感覚が走り抜けていく。
 それが…合図となって、ついに堪えきれずに…宙に綺麗な放物線を描いていきながら
鏡に目掛けて…熱い精が解き放たれていく!

「…ほう。随分と勢い良く放ったじゃないか…? そんなに、悦かったのか…?」

 自分の背後から、凶悪な微笑を浮かべながら…もう一人の自分が羞恥を煽る
言葉を告げていく。
 克哉は答えられずに…ただ俯いて、この現状に愕然とするしかなかった。
 鏡の中に映る相手の冷たく怜悧な瞳に…こちらは縛り付けられているような、そんな
感覚だった。

(オレ…このまま、もしかして…コイツに、犯されてしまうのか…?)

 その現実に、一瞬心が挫けそうになった。
 相手の手が…ゆっくりと自分の下肢の衣類を外しに掛かっているのに気づいて
ぎょっとなった。
 瞬間…脳裏に描かれたのは…数日前に見た、恋人の御堂の本気で
怒った顔だった。

(ダメだっ! このまま流されたら…この間の二の舞じゃないかっ! これ以上は…
あの人を裏切るような真似…出来る訳が、ないっ!)

 その瞬間、口の端から血が滲み出るくらいに激しく己の唇を噛み締めていく。
 鋭い痛みが…一瞬だけ、ずっと立ちこめていた頭の中の白いモヤを吹き飛ばしてくれた。
 強い意志によって…僅かな時間だけ、克哉の呪縛は解けて…弾かれたように、その身を
翻して、相手の身体を思いっきり突き飛ばして自分の部屋の方へと駆け込んでいく。

「くっ…!」

 克哉の突然の反撃が意外だったのか…眼鏡は短く呻きながら壁に激突していった。
 窓からは煌々とした月光が静かに指し込み、暗い室内を淡い光が照らし出していた。
 ベッドに飛び乗って、その上に身体を転がり込ませていく。
 スプリングが軋む音が部屋中に響き、ゴロゴロと転がっていきながら…どうにか、その身を
起こして…荒い息を突いていった。

 はあ…はあ…はあ…はあ…!

 肩で呼吸をしていきながら、静寂を讃えた室内に…克哉の乱れた呼吸の音だけが
響き渡っていく。
 その中で…相手の黒いシルエットが…ゆっくりと闇の中に浮かび上がり…輪郭を
形作っていく。
 急ぐ事なく、一歩一歩…確実にこちらに歩み寄ってくるもう一人の自分の姿に
克哉の胸は…ドックン、ドックンと…乱れていくのを感じていた。

(…思い出すんだ! あの時…オレはあいつの本当の姿を見た筈だ…! それを
キチンと信じるんだ…!)

 奈落に相手を落とす瞬間に一瞬だけ見た「あいつの姿」
 それが…恐らく、相手の本質を現していた筈だ。
 必死になってその事実を思い出し…己の心臓の音を鎮めていく。
 今、犯されそうになった現実は…克哉に恐怖の感情を与えていたが…それでも
勇気を奮い立たせて、キっと相手の顔を藍色の闇の中で…見据えた。

「ほう…? まだ…そんな顔をする気力があるとは…な…。今夜のお前は
随分と骨がありそうだ…。こちらも楽しめそうだ…」

 ククっと喉の奥で笑いながら、ベッドの手前で…相手がこちらを見下ろしてくる。
 その目の光が…恐かったし、身が竦む想いがした。
 二人の強い視線が、空中で交差して…緊張した空気が室内に充満していく。
 ギシリ、と音を立てて…眼鏡がベッドの上に乗り上げていく。
 その瞬間、克哉は…覚悟を決めた。

(ここで勇気を出さないでこいつのペースに流されたままじゃあ…オレはあの人に
一生顔向け出来なくなる…!)

 ずっと、こいつに逢えたら絶対に伝えよう。
 そう決めていた言葉を何度も何度も復唱して…決意していく。
 これ以上、快楽に流されない為に。
 こいつを暴走させない為に。
 今、この瞬間に…自分が対峙して「実際のコイツの姿」を受け入れてやらなければ
何も解決しないのだから…!

「おい、<俺>!」

「…なっ?」

 強い口調で、相手を睨んで…克哉は呼びかけていく。
 それに一瞬だけ相手は虚を突かれて、呆けた顔を浮かべていった。
 その瞬間を見計らい―克哉は、自ら…相手の胸の中に飛び込み、
眼鏡の身体を強く強く…痛い位の力を込めて抱きしめていった―
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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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