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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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  己の腕の中で意識を失ったもう一人の自分を、壁に凭れさせていくと…行為で
汚れた全ての衣類を脱ぎ捨て、代わりに…先に相手に脱がせて、被害を免れていた
服一式を眼鏡は身に纏っていった。
 自分達の服のサイズは何もかもが一致している。
 汚れた衣類をそこら辺にあった大きめのビニール袋の中に押し込んでいくと
部屋の隅にいるMr.Rに向かって声を掛けていく。

「…朝までにこいつの分のこれと同じスーツを…用意しておけ。俺はとりあえず
約束した対価の分働いてくる。出来るな…?」

『えぇ…貴方の為ならば、それくらいお安い御用です。貴方の作業が終わる頃
までには必ずご用意してご覧に入れましょう…』

「…後、こいつの後始末も一応しておけ。このまま暫く目を覚まさなかったら
必要以上に痕跡が残る恐れがあるからな…」

『おやおや…随分とお優しい事を。何度か抱いて…佐伯様に情でも
移られたんですか? 貴方ほどのお方が…?』

 Mr.Rの物言いに、明らかに眼鏡は不愉快そうな表情を浮かべる。
 しかし金色の髪の男は動じる様子もない。
 いつもの余裕そうな笑顔を浮かべるのみだ。

「…それが、お前たちの世界のルールではなかったのか? 必要以上に
関係ない人間たちに痕跡を晒すことがなく…闇にひっそりと紛れて存在する。
…お前はそういう人種であったと記憶していたが…違ったのか?」

『いいえ、貴方の仰る通りですよ。私たちは…私たちを愉しませて下さる
素質のある人間以外の前に現れる事も、必要以上に関わることは望ましい
事ではありませんから。貴方の望む通り、佐伯様の介抱は私めがやって
おきます―。貴方はどうぞ、ご自分の事に専念なさって下さい―』

 闇の中、男が歌うようによどみなく言葉を紡いでいく。
 それはまるで…完成されたシナリオの台詞を一言一句違わずに
朗読するかのように滑らかな口調だ。

「任せたぞ…」

 傲慢な笑みを刻みながら、閉ざされていた扉を開いて眼鏡は資料室から
そっと退散していく。
 あぁ言っておけば…胡散臭い男ではあるが、やるべき事はやっておいて
くれるだろう。
 一応そう信じる事にして…眼鏡は第八課のオフィスの方へと足を向けていく。

「克哉! お前今まで一体何をしていたんだ…! ずっと探していたんだぜ!」

 室内に入った瞬間、本多に声を掛けられていく。
 その異常な状態につい眼鏡は冷静に突っ込みを入れていった。

「…お前は一体、何をしているんだ。ふざけているのなら…それは笑えんぞ」

「ふざけてなんかない! 俺はどうにか…課の備品を守ろうと必死だったんだぞ!」

 そう、本多はMr.Rが先程起こした策略の為に一時間以上、ずっと…身を挺して
パソコンを守り続けていた。
 片桐の机の上に5台以上のパソコンが不安定な状態で重ねられていて…すでに
足元には二台が無残にも散らばって…モニターにヒビが入った状態で打ち捨てられている。
 タワー状態になったパソコンは微妙なバランスで成り立っていて…本多が支えていなければ
残り何台かも落下や転倒を免れなかっただろう。
 …結果的に邪魔者を足止めするには最適な状況を作り出した訳なのだが…この分では
自分達が愉しんでいた間、本多はまったく作業を進める事など出来なかっただろう。

(まったく…こちらの仕事を増やしてくれるとは…イイ根性だな、あいつは…)

「克哉! お前が来てくれたならこの状況を打破出来る! 頼むから手伝ってくれ!」

「…不本意だが仕方がないな。…今、俺が代わりに支えているから…代わりにお前が
一番上のから順にパソコンをどけていけ」

「あぁ…頼んだぞ!」

 そういって、眼鏡が支えている間に…彼が指示した通りに本多はパソコンをどけて
タワーを解除していった。
 それでどうにか危機を乗り越えていくと、克哉は空かさずに…一台、一台のパソコンの
配線や電源コードの類を元通りに繋げて、復旧を始めていく。
 モニターが壊れてしまった二台は仕方ないが…それ以外の無事な機体はどうにか
元通りに稼動できる環境へと戻っていった。
 その動作はあまりにスムーズかつ優雅で、本多はただ口も挟めずに見守る事しか
出来ずに立ち尽くしていた。

「…出来たぞ。後は打ち込み作業を続ける。ロスタイムが多いが…これから俺が全力で
やればどうにかなる範囲だ。お前にも手伝ってもらうぞ…」

「あぁ…任せておけ! 俺たちのチームワークで絶対に打ち込みを間に合わせような!」

 眼鏡を押し上げる仕草をしながら、言い放てば…本多はまた耳にタコが出来ている
発言をのたまっていく。
 それで明らかに不愉快になって不遜な表情を浮かべていた。

(また…この男はこれか…。少し身体で判らせて、黙らせておくか…?)

 そんな苛立ちが胸の奥に湧き上がったが…今は残念ながら時間がない。
 ついでに言えば…すでにもう一人の自分から対価は貰い受けている。
 …眼鏡のプライドに掛けて、間に合わせなければならないのだ。
 だから、そんな真似をする時間すら今は惜しいのだ。

(ま…約束は果たそう。俺の全力を持って…仕事は片付けておいてやるさ。
…なあ、<オレ>)

 今は意識を失っている相手に向かって、不敵に笑みながら…心の中でそっと
語りかけていくと、眼鏡は…全力を持って仕事に当たり始めた。
 対価―報酬をすでに貰い受けた以上は全力でやるのは自分の義務だ。
 そうして、驚異的なスピードで完璧な資料の数々を打ち込んで作成し続けていく。
 間に合わないと思った仕事はこうして、彼の協力によって…完成へと
導かれていったのだった―。

 
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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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