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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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―今、佐伯克哉は例えようのない憤怒に突き動かされていた。

(胸が焼け焦げそうだ…!)

 あの残酷な子供の自分を押さえ込む為に、自らごと封じ込めたと
いうのに…もう一人の自分が必死に訴え、こちらの痛い所を突いて
いったのがキッカケで少しずつあの厚い氷はひび割れていった。
 だが、眼鏡にとって決定打は…たった今、二人がした口付けだった。

 心の伴わないセックスをする所までは、耐えられた。
 けれど…あの瞬間、御堂は心からもう一人の自分を愛しいと
想いながらキスをしているのが伝わって来てしまった。

―それがどうしても、眼鏡には許すことが出来なかった…!

 あの瞬間に、思い知った。
 自分は絶対に、御堂がもう一人の自分を愛して末永く添い遂げる所を
内側で見守る事なんて出来ないのだと!

「み、どう…」

 喉の奥から引き絞るような切迫した声で、その名前を呼んでいく。
 灼けるように熱い舌先で相手の口腔を掻き回し…歯列から、内側の
柔らかい肉を丹念に辿っていく。
 その口付けの余りの熱さと、濃厚さに…御堂は酸欠しかける。
 だが、それでも決して容赦などしてやらない。
 弱い方の自分に対しての嫉妬が、消えない。
 どれだけ貪っても、足りないと飢える心がある。
 その衝動のままに相手をがむしゃらに抱きしめて…その火照った肌を
弄り始めていった。

「さ、えき…! どうして、そんな…!」

「黙っていて、くれ…。今は、あんたが欲しくて、堪らないんだ…!」

「そ、んな事…言われて、も…はっ…んんっ…!」

 ボタンを飛ばしそうな勢いで乱暴にワイシャツを剥いていくと、キスだけで
すでに硬く張り詰めていた胸の突起をしつこいぐらいに摘み上げていく。
 相手の指先がそれを挟み込み、クニクニと刺激されるだけで何故…
こんなにも電流のような強烈な快楽が走るのか。
 御堂の意思と関係なく、唇からは甘ったるい嬌声が零れていく。

「やっ…さ、えき…佐伯ぃ…んっ…!」

「御堂、やっと…あんたに、触れられた…」

 情熱的な瞳を称えながら、眼鏡は…やっと愛しい人にこうして
触れることが出来た喜びを噛み締めていく。
 胸を焦がす嫉妬の感情は相変わらず胸の奥に滾っていたが…
それを上回るぐらいの喜びが、彼の中に広がっていく。
 
―残酷な少年は、眠っている。だから愛しいという想いだけで…
この人に触れる事が出来る…!

 それがどれだけ、喜ばしい事か…思わず涙ぐみそうになる。
 御堂が、この腕の中にいる。
 胸いっぱいに広がっていく多幸感に…眩暈すらしそうだった。

―それで、良い。今は…オレが、抑えているから…

 もう一人の自分の声がか細い様子で、頭の中に響いていく。

―だから、今は…御堂さんと、過ごしていてくれ…後で…

 その言葉が頭に響いて、眼鏡ははっきりと…克哉に告げていく。

―あぁ、必ず行く。だから今は…黙っていろ…

―…うん

 どこか切なそうに、もう一人の自分の頷く声が聞こえて…そして
完全に今は気配が途絶えていった。
 恐らく、もう一人の自分は…さっき、自分があの二人がキスをしていた
時に感じたショックと嘆きの感情を何倍もの規模で味わっているのだろう。
 だが、それでも…眼鏡は御堂へと触れる事に躊躇いを見せなかった。

(お前の痛みは判るが…それでも、俺は決して…御堂を誰にも渡す
つもりはない…!)

 こんなに愛しい人間をどうして、手放せるというのか。
 御堂の敏感な場所に触れ、愛撫を施していく度に…愛しさと喜びが
溢れて、息が詰まりそうなぐらいだ。
 深いキスと胸への愛撫を執拗なぐらい続けていくと…御堂の身体が
もっと深い刺激を求めて、小刻みに腰をくねらせ続けていく。

「御堂…ここに、いい加減触れて欲しくて…堪らないのか…?」

「あっ…判っている、のなら…焦らす、な…」

 胸に添えていた手の片方を下肢へと伸ばし…相手のズボンのフロント部分を
寛げさせて性器をそっと握りこんでいくと…すでに其処は熱く張り詰めて、
ドクンドクンと荒く脈動していた。
 先端からうっすらと先走りが溢れている姿は、相手が自分の手で感じてくれて
いた何よりの証で…克哉の男としての征服欲を満たしていく。

「…やっぱり、あんたは…相変わらず、いやらしい身体だな…。ちょっと触れた
だけで、もうこんなに…濡れてる…」

「だから! そういう事を…イチイチ、口にするなと…! どうして、君はいつだって…
そんなに、意地が悪い…んだ…」

 目元を真紅に染めながら必死に訴えていくと…克哉は相手の耳元に唇を
寄せて、殺し文句をささやいていった。

―あんたが可愛くて愛しくて仕方ないからな。つい…虐めたくなる…

 それを聞いた瞬間、ゾクンとした快感が背筋を走り抜けていく。

「っ…!」

 恥ずかしくて嬉しくて、ついまともな言葉を発せられなくなる。
 そうしている間に…御堂の性器を扱き上げる男の手は一層熱の篭ったものとなり
容赦なくこちらを煽り上げていく。
 グチャグチュ…と淫らな粘質の水音が、手が動く度に響き渡り…聴覚さえも
犯されているような錯覚を覚えていく。

(体中の…全てが、熱い…!)

 先週、自分が克哉を抱く側に回った時も相当に身体を熱く感じたものだが…
今、御堂が感じている熱はその比ではなかった。
 血液が沸騰してしまいそうな…という形容詞が一番相応しい。
 自分がこんなに熱くなれるとは…今まで知らなかった。
 ペニスを弄られる度に、自分の蕾もまたヒクヒクと卑猥に蠕動を繰り返して
浅ましく蠢いていた。
 限界近くまで追い上げられて、頭が真っ白になるような感覚を覚えていく。

「はぁ…あっ…! 佐伯、もう…!」

「あぁ、イケよ。あんたのとびっきりの顔を…見せて、くれ…」

「はぁぁー!」

 一際大きな声を発しながらそして…ビックン、と大きく全身を跳ねさせていくと…
御堂は眼鏡の掌の中に熱く吐精していった。
 忙しない呼吸を繰り返して、心臓が破裂しような感覚を味わっていくと同時に…
いきなり両足を掲げられて大きく、足を開かせていく。

「はっ…佐伯、何を…っ? はっ…あぁー!」

「すまない…だが、もう…我慢、出来そうに…ない…」

 足を大きく割り開かせたと同時に、眼鏡は御堂の蕾に性器の先端を宛がい、
そのまま一気に貫いていく。
 一応、ローションだけは己の性器にたっぷりとつけてくれていたおかげで…
一年ぶりの割りにはすんなりと入ったが…久しぶりの性交に、御堂は快楽
混じりの苦痛も同時に感じてしまっていた。

(苦、しい…が…だが、満たされる気持ちも…あるな…)

 本来、男の身体は同性を受け入れるようには作られていない。
 だから…性急な性器の挿入は、正直苦しくて辛い部分があった。
 だが…焦がれた男の熱を身の奥でようやく感じられて…満たされて
いたのもまた事実だった。

―克哉が、自分の中で確かに息づいていた

 それだけで、おかしくなりそうだった。
 御堂の方から男の背中に腕を回して必死になってすがり付いていく。
 克哉もまた…それに応えるように、強くその身体を掻き抱いていった。
 お互いの気持ちが確かに重なり合う。

「やっと…あんたを、抱けた…」

 心から嬉しそうに、眼鏡が告げていく。
 御堂も…その顔を見て、綻ぶように微笑んでみせた。

「…私、もだ…。やっと、私を好きだと言った君に…触れられた…」

 双方とも、とても幸せそうな顔を浮かべていく。
 それは…これから起こる大きな運命の前の一時の幸福な時間。
 そのまま二人は唇を深く重ねあい…お互いにその顔を見つめあう
正常位の体制で交歓を続けていく。
 繋がった部位から淫らな音が響き続ける。
 相手が動く度にその腹部に御堂の性器はこすられ続けて…耐え難い
までの強烈な快楽が走り抜けていった。

「あっ…ひっ…! やだ…そんな、に激しく…されたら、もう…!」

「どこまでも…乱れろよ。…あんたが、俺の腕の中で…感じて悶えて
くれるのは、凄く…そそる、からな…」

「そんな、のって…! も、や…駄目だ…もう、ダメ…!」

 眼鏡が御堂の内部の脆弱な場所を丹念に攻め上げていくと…それだけで
堪え切れないとばかりに、その引き締まった肉体が跳ねていく。
 感じて必死に喘いでいる御堂の姿は、ハっと息を呑むぐらいに
艶があった。
 双方が絡み合う音が脳裏に響き、荒く刻まれたそのリズムが確かに
重なり合う。
 それは一つに束の間だけでも溶けてしまえそうなぐらいの強烈な
感覚と快感。
 余裕のない表情を浮かべながら、それを感じ取っていくと…二人は
ほぼ同じタイミングで限界を迎えようとしていた。

「もう…イク、ぞ…! 孝典…!」

「ん、はぁぁ…っ…!」

 競り上がってくる熱い衝動。
 それを叩きつけるように眼鏡は…御堂の内部で熱い精を解放して注ぎ込んでいく。
 お互いにビクンビクン、と身体を小刻みに痙攣させていきながら…ほぼ同じ
タイミングで達していって…ベッドシーツの上に折り重なっていった。

―同時に眼鏡は、心地よいまどろみへと意識が浚われそうになった

(もう…リミット、か…)

 本当はもう少し、愛しい人間の感触と体温を…感じていたかった。
 だが…これから、自分は心の世界に戻らないといけなかった。
 あの残虐な子供の自分を、どうにかしなければ…きっと、いつか自分は
この人を傷つけてしまうから…。

(必ず…戻ってくる、からな…)

 もう、満足にこの人に説明している時間の余裕はなかった。
 だから…心の中でそう呟きながら、とても優しいキスを御堂の唇に
落としていった。

「愛して、る…」

 最後に、どうにかその気持ちだけを告げて…彼の意識もまた、
深い闇の中へと落ちていく。
 どうか、どうか…必ずこの人の下へと帰れるように…心から祈りながら、
眼鏡はそっと意識を手放していった。

「…佐伯、眠ったのか…?」

 少し経ってから、自分の上に思いっきり体重を掛けて眠り込んでいった眼鏡に
大して…御堂は、苦笑がちに尋ねていく。
 最初は少しだけ眉を顰めていったが…フウ、とため息を吐いていくと…そっと布団を
手探りで掛けていきながら…お互いに楽な体制へと変えていった。

「…本当に、君は…手間が掛かるし、こちらを驚かせる事ばかりするな…」

 そう、呟きながら…御堂からも、相手の唇にキスを落としていく。
 そして…その傍らに横たわりながら、瞼を閉じていった。
 今でも困惑はある。
 事態についていけなくて…訝しがる気持ちも広がっていた。
 だがそれら全てをグっと飲み込んで、ただ御堂は一つの事を祈っていた。

―自分が目覚めた時に、どうか…君の姿が消えていないようにと…

 やっと、この時…御堂は、『佐伯克哉』という存在をしっかりと掴めたような
実感を感じることが出来たのだ。
 どちらの彼でも、自分を愛してくれていると。
 そう感じることが出来たからこそ…彼はただ、祈る。

 せめて夜明けまで…消えないで自分の傍らにいて欲しいと…強く願いながら
少し遅れて…御堂も、深い眠りへと落ちていったのだった―

 

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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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