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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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 バァァァン!!!


 荒々しく克哉が扉を開け放った音が、静寂の中に響き渡った。
 御堂はその音にはっとなって、自慰行為を中断して身を起こしたが
声を出す間もなく組み敷かれ、唇を塞がれていく。

「っ…!!」

 噛み付くような、乱暴なキスだった。
 強く唇を食まれて、何度も痛いぐらいに唇を食まれて…気づけば
血の味が微かに混じり始めていった。
  状況が判断出来ない状態で、強引に身体を弄られて…足を大きく
開かされて、身体を割り込まされていく。
 相手の膝が、寛げて露出していた性器を性急に擦り上げていけば…
たったそれだけの刺激で、溢れんばかりの蜜が相手のズボンを汚し始めて
いった。

「なっ…! や、め…ろっ! ど、うして…!」

 無理やり身体を開かれそうになって、懸命に身を捩って御堂は
抵抗していく。
 しかし…克哉は獰猛な光を瞳に称えたまま…こちらを射抜くように
きつく見据えて…パジャマの襟元の部分に手をかけて…手荒く布地を
引き裂いていった。

「ひっ…! あっ…あぁ!!」

 硬く張り詰めていた胸の突起を両方同時に押し潰されるように愛撫されて
痛みと快楽の入り混じった感覚が全身を走り抜けていく。
  余裕なく零される悲鳴は、相手に貪るように深く口付けられて…
封じ込まれていった。

「御堂…み、どう…っ!!」

 今の克哉はまさにケダモノ、としか形容しようがなかった。
 御堂という美味しそうな香気を放つ獲物を前に理性を失い、それを
貪り尽くしたいという欲だけが彼の心の中を支配している。
 熱い舌先が、御堂の口腔を縦横無尽に舐め尽し…御堂の舌を
容赦なく絡め取って…息苦しくなるぐらいに吸い上げていく。

 御堂の硬く張り詰めている性器に、克哉の欲望が何度もぶつかり
自己主張していく。
 あからさまなソレに、御堂は恐怖心と…言いようのない身体の疼きを
覚えていた。

(ど、うして…こんな酷い事をされて…私、は…感じている、んだ…?)

 相手が己を求めて、昂ぶっていることに悦びを感じている自分がいる。
 それと同じくらいに…今の克哉は、恐かった。
 想いを伝えてくれる言葉の一つも口にせず、ただ…こちらの身体を煽って
高め上げていく。
 …この一ヶ月で克哉の事を好きになりつつあるからこそ…言葉一つなく
無理やり身体を開かされる事に抵抗を覚えて、何度も何度ももがいて
相手の腕の中から抜け出そうと試みていく。

「御堂…俺を、拒むな…っ! そんなに…俺が、嫌、なのか…!」

「違う、佐伯… ち、がう…んだっ! ひゃあ…!」

 今の克哉には、御堂の言葉を詳しく聞いていられる程の余裕はない。
 相手の性器をギュっと強く握りこんでいくと…根元から棹の部分を何度も
扱き上げて…脆弱な鈴口を執拗に攻め上げていく。
 ただでさえさっきまで自らの手で追い上げてビンビンに硬くなっていたのだ。
 他人の手でそんなに強い刺激を加えられたら…ひとたまりもない。
 
「だ、だめっ…や、だ…こんなに、乱暴なのは…っ! 嫌、だぁ…!」

 克哉が、嫌な訳じゃない。
 事実先程まで…自分は彼にどこかでこうして欲しいと思ってペニスを
慰めていたぐらいなのだから…。
 御堂が必死になって訴えているのは、愛情の確認もなく強引に身体を
繋げるのは嫌だ…という事なのだ。
 しかし欲望で頭に血が昇りきっている今の克哉にはその細かいニュアンスを
判断して分析出来るほど、冷静になりきれてなかった。
 ただ…相手からの「嫌」と「だめ」という言葉だけで…己が拒絶されているように
感じられて切なげに瞳を伏せていく。

「俺じゃ…やはり、駄目…なのかっ!? 」

「違…っ…佐伯、お願い、だから…聞い、てっ…くっ…れ…! あぁぁぁ!!」

 いつの間にか性急に下着ごと、パジャマのズボンが剥ぎ取られて
恥ずかしく収縮している蕾まで相手の前に晒されていた。
 其処に無理やり、蜜を塗り込められて…鉤状に曲げた人差し指を
奥深くまで突き入れられたのだから…堪らない。
 前立腺の部位を的確に指の腹で探り、擦り上げていくと…御堂は
全身を大きく痙攣させて、その甘美な攻めに耐えていく。

「………っ!!」

 ふいに、御堂の顔が恐怖心で強張った。
 焦燥に駆られて暗く獰猛な眼でこちらを見つめてくる克哉の眼差しが
こちらが正気を失う寸前の…陵辱行為を繰り広げていた恐ろしい彼の
瞳と被さっていく。
 その瞬間…穏やかな日々で塞がりつつあった筈の心の傷が…パクリと
開いてどっと血が吹き出し始めていった。

 ―御堂の心は、一瞬にして過去の記憶に囚われていった。

「あっ…あっ…あぁぁぁぁっ!!!!」

 忘れていた筈の恐怖心がどっと吹き出して、涙が零れ始めていく。
 御堂の瞳は瞬く間に虚ろになり、ガラス玉のように力ない…無機質な
ものへと変わり果てていく。
 その変貌に、克哉は焦燥感を覚える。

 こんなに愛しいと思っているのに!
 これだけ欲しいと言う気持ちでいっぱいだというのに!!
 御堂自身にそれが届く事も、受け入れられる事もなく。
 行き場のない強い想いは逃げ場を失い、強烈な奔流となって
克哉を突き動かす衝動へと変換されていく。

「御堂っ! 俺を拒むな! 受け入れて、くれっ…!」

 まだ慣らしてもいない場所に、ペニスを強引に宛がって
先端を挿入しようと試みていく。
 その行動によって、御堂の身体は一層強く強張っていく。
 御堂の拒絶するような反応が、克哉の心を余計に焦らせて
彼から冷静な判断力を奪い去っていた。

「嫌だっ…お願い、待って…くれっ! さ、えきぃ…!」

 快楽に抗うように必死に喘ぎながら、体制を立て直す為の
時間を御堂は求めていく。
 多分、恐怖の感情が呼び起こされている状態では…せっかく身体を
繋げても悲しい結末を招くだけだ。
 好きだから、そうなりたくない。その一心で叫んでいるのに
今の克哉にはその言外の気持ちが正しく伝わる事はない。
 
「そんな、に…あんたは…っ! 俺が、嫌いなのか…!!」

 引き絞るように克哉が叫んでいく。
 あの傲慢で冷たかった男が涙を瞳に滲ませながら、こんな事を
口にするなど…以前は考えられなかった。
 同時に、信じられなかった。

(違う! 佐伯…違う、んだ…っ!)

 必死に頭を振りながら、否定の意思を示していく。
 けれど…トラウマが目覚めている状態では、舌がもつれて…言葉が
上手く紡ぐ事が出来なくなっていた。
 喉の奥から、くぐもった呻き声しか漏れず…虚ろな眼差しだけしか
返せない自分が恨めしかった。

 この一ヶ月の日々でようやく取り戻した己のコントロール権が…
一気に奪われていく。
 恐らく、このまま…無理やり抱かれれば、恐怖の感情が再び
御堂の心を壊して、外界への扉は閉ざされて暫く帰って来る事が出来なく
なってしまうだろう。
 かつて、克哉が御堂に与えた仕打ちは…それだけ陰惨で
酷かったのだから…。

「助けっ…!!」

「御堂っ!」

 やっと出てくれた言葉が、それだった。
 克哉は必死になってその身体を掻き抱いて…泣きそうな顔を
浮かべている。
 指を引き抜いて、熱く滾ったペニスが宛がわれた。
 少ししか解されていない其処を割り開くように腰を進め始めていく。
 御堂は必死に括約筋に力を込めて、克哉の侵入を拒んだ。

「今は…ダメ…だ…止め…!!」

 力なく涙を零しながら…消え入るような声で訴えていく。
 けれど暴走している克哉は…もう止めれない。
 好きだから御堂が欲しいだけなのだ。
 なのに、相手に拒絶されてしまっている。
 その悲しみと憤りが…悲しいすれ違いを生んでいく。

 紛れもなく今は両思いな筈なのに…僅かな気持ちの行き違いが
悲しい結末を呼び起こそうとしていた―。

『そんなのはダメだ…!!』

 ふいに、頭の中から声が聞こえた。
 最初は幻聴かと、思った。
 しかしその一言ははっきりと克哉の脳裏に響き渡り
次の瞬間、更に大きな音が響き渡った。

 パリィィィィィィン!!!!

 それは大きなガラスが盛大に砕け散る音に良く似ていた。
 まるでタマゴから雛が孵り、もがいて内側からその殻を突き破るような
―そんな感覚だった。

 白いイメージが、一気に克哉の意識を駆け巡って…光輝く
何かに…自分の意思が覆われて、包み込まれていく。

「お前、は…っ!」

 克哉の瞳が驚愕で見開かれていく。
 次の瞬間、ブレーカーが落ちるように…いきなり身体から力が抜けて
御堂の身体の上に倒れこんだ―。

「…さ、えき…?」

 暫くして…御堂が力なく問いかけるが…克哉の身体はいきなり
活動を止めて…彼の身体の上でぐったりとなっていた。

「おい! 佐、伯…一体…どうした、んだっ!」

 必死になって御堂が呼びかけるが、克哉の身体はピクリともしない。
 その身体からは…今は完全に、意識は失われてしまっていたのだった―。
 
 
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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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