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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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-最近は二人で立ち上げた新会社が軌道に乗って、多忙を極めて
いたのでこうして際奥に感じるのは一ヶ月ぶりだった。
 だからこそ、ゴンドラの中という異常なシチュエーションでも…御堂は
歓喜を持って相手の熱を受け入れていく。
 公私とものパートナーと言っても就業時間中は…新しく雇った人間の
数も増えて来ただけに、初めの頃のようにアクワイヤ・アソシエーションの
オフィス内で…という事もなくなってきた。
 あまり頻繁に、週末に会社の上に住居を構えている克哉の部屋を訪ねれば
余計な疑惑を生むかも知れないと…最近は気を遣って理性が邪魔するように
なっていただけに、ただ欲しいという欲望だけで相手を素直に求めるのは
御堂にとって久しぶりだった。

「はぁ…んっ…!」

「はぁ…あ…やっぱり、あんたの中は…蕩けるぐらいに、熱いな…。
こうやって挿れているだけで…イケそうだ…」

「そ、んな事は…うあっ!」

 グリっと相手の性器が抉るように突き上げてくると…御堂は耐え切れないと
ばかりに声を漏らしていく。
 その衝撃に耐えようと…御堂は必死になって克哉の背中に縋り付いていく。
 相手が腰を動かし、こちらの脆弱な部位を執拗に攻め上げてくれば
次第に呼吸は乱れて、忙しいものへと代わっていく。
 空調など殆ど効いていない…寒いゴンドラの中に置いても、最早そんなのは
すでに関係なく感じられるぐらいに、二人は熱くなっていった。
 
 ―窓の向こうには、目にも鮮やかな遊園地のイルミネーションが
広がっていた

 自分たちだけしか存在しない遊技場で、こんな風にお互いを求めて
貪り尽くすなんて…想像した事もなかっただけに、本当に全身の神経か
何かが焼き切れてしまいそうだった。
 身体の上に御堂を乗せて、密着をさせた体制で…克哉は執拗に
はち切れんばかりに硬くなっている相手のペニスを執拗に弄り上げる。
 もう、衣服やゴンドラ内を汚してしまうだなんて…そんな懸念が入り込む
余裕すらなかった。
 ツルリとした鈴口の周辺を、克哉の指先が的確に攻め上げて
更に大量の先走りを滲ませようと、快楽を掘り当てていく。

「んっ…あぁ!  や、だ…克哉! もう…おかしくっ…!」

「はっ…孝典。もっと…俺の、腕の中で…乱れろ、よ…。あんたが
俺の手で感じて、見せろよ…」

 眼鏡の置くで克哉が熱っぽく恋人を見つめながら、囁いていく。
 彼のアイスブルーの瞳が、まるで宝石のように艶っぽくキラキラと
濡れて輝き始める。
 欲情に濡れた、獰猛なその双眸に…御堂の意識は全てを捕らえ
られていく。
 その目を、もっと見ていたかった。もっと相手の魂に近づいて…寄りよって
一つに限りなく重なるぐらいに…!
 そんな欲望が互いの中に宿り、二人の腰の動きが一層早まっていく。

「あぁ…うっ…! 克哉、克哉…!」

 熱に浮かされたかのように、うわ言のように御堂の唇から克哉の
名前が零れていく。
 恋人が自分の腕の中で余裕を失くし、必死になって縋り付いてくるのを
見て…御堂の内部で、克哉の欲望は一層質感を増していった。
 苦しいぐらいに、克哉でいっぱいになっているのを自覚して…御堂は
蕩けたような紫紺の眼差しを真っ直ぐに彼だけに注いでいく。
 二人の唇は再び深く重なり、上も下も…相手の存在だけで
いっぱいになっていった。
 瞬間、克哉が限界まで膨張して…大きく脈動をしているのを
自覚していった。
 御堂もまた、受け入れている箇所を激しく蠕動させながら
それを全て享受しようと…相手の背に回している腕に、
更に力を込めていった。

「孝典、もうっ…!」

 そうして、余裕のない声で克哉がこちらの名を呼んでいきながら
頂点に達して、熱い精を御堂の中に注ぎ込んでいった。
 己の内部で、克哉が爆ぜていく熱い感覚を感じ取って…御堂は
息を詰めながらそれを受け入れていく。
 ドクドクドク…とお互いに心臓を荒く脈動をさせながら、一息を
ついて…暫く対面座位の格好のまま抱き合いながら呼吸を
整えていった。

―その後、ゴンドラの中に静寂と沈黙がそっと満ちていく

 半ばぐったりとなりながら…御堂は暫く、克哉の身体の上に
覆い被さっていった。
 お互いの息遣いと鼓動だけしか、今は耳に入らない。
 それ以外の音は、今の彼には感じられなかった。
 意識が、ただ…こうして自分を腕の中に抱きしめてくれている
佐伯克哉という存在にだけに向けられていく。
 それ以外の存在も、外部の音も…この瞬間、彼にとっては
何もないのと同じだった。

―サイレント・ナイト

 その瞬間だけは、御堂にとって…世界は、愛しい恋人の事だけで
占められていく。
 うっとおしい人間関係も、雑事も…この余りに非日常な空間に
身を置く事で吹っ飛んでいってしまう。
 ゴンドラの外には、眩いばかりの…まるで宝石箱をひっくり返した
かのような遊園地の美しいネオン達が瞬いている。
 御堂自身はむしろ現実主義者で…決して夢見がちな方ではない。
 けれど…この光景と、お膳立てをするのは並大抵の事ではないという
事だけは良く判っていた。

(まったく君は…私以上に多忙で、寝る間を惜しんで全力で仕事に
当たっている癖に…その合間に、こんな手配をしているんだから…
本当に恐れ入るな…)

 こんなの、余程こちらを想ってくれていなければ…まあ、ゴンドラの中で
セックスするという事さえ除けばの話だが、実行に移す筈のない事だった。
 御堂は無言のまま、ただ…強く克哉の身体を抱きしめていく。
 克哉もまた、それに応えるように愛しい人間を抱く腕に力を込めていった。
 そうしている内に…その段階になってようやく気づいたが、克哉が座っていた
座席の方には毛布が敷かれていたので…そっと御堂は、彼の隣に
座るように促されていった。
 そのまま、凭れるような格好で二人で寄り添い…日常から切り離された
時間がゆっくりと訪れていった。
 …どれぐらいの時間、そうやって…二人で言葉もなく余韻に浸り続けて
いたのだろうか。
 だが、そんな時間ですら…今夜は、特別なものにすら感じられた。

 沢山の華美に装飾された愛の言葉を囁かれるよりも…こうやって彼の
気持ちが感じられる行動と、態度を取ってもらう方が…あまり恋愛に関しては
器用な方でない御堂にとっては好ましく感じられる。
 それでも、行為が終わってゆっくりとゴンドラが一巡を繰り返していって…
再び一番高い頂上の部位に上り詰めた瞬間、克哉は沈黙を破って
真摯な眼差しを向けながら…御堂に、こう告げていった。

「メリークリスマス…孝典。今夜をあんたと共に過ごせて…本当に良かった…」

 長らくの沈黙の後に、それだけ男は告げていく。
 愛しているとか、好きだとか…そういう甘い言葉はこの男は滅多に言わない。
 けれどその口調と…表情に、確かに想いが込められているのが感じられた。
 だから御堂は口元を綻ばせながら、その一言を受け止めていく。
 
(本当に君という男の愛情表現は…遠まわしで、判り難いな…)

 と心の中で突っ込んでいきながらも、敢えてそれを口には上らせず
代わりに相手の頬に片手を添える形で応えていった。

「…あぁ、私も同じ想いだ。メリークリスマス…克哉。けれど…こんな心臓に
悪いクリスマスの夜のサプライズは、今夜だけにして貰えないと、私の身が
これから先は持たなくなるかもな…」


 こんな心臓に悪いぐらいドキドキハラハラするような一夜を、これからも
用意されたら本気で心臓麻痺ぐらいしてしまうかも知れない。
 そんな危惧すら込めながら、ちょっと素直ではない言葉を返していく。
 だが、お互いに相手の身体に何気なく手を這わせている内にだんだんと
二人の間に流れる空気は甘いものになっていく。

「…まったく、判った…一応は考慮しておこう。あまりに刺激的なものを用意して
あんたに万が一の事があったら俺も困るからな。あんたは…俺の恋人であり、
大切な共同経営者でもある。この二つを兼ね備えれられる存在は俺にとっては
この世界であんた一人だけだからな…」

「っ…!」


 その瞬間、あまりに真っ向から見つめられた状態で褒め言葉を向けられて
しまった為に、ボっと御堂の顔が真っ赤に染まっていく。
 この男から意地の悪い言い回しや皮肉や、もったいぶった口調はすでに
免疫がついて慣れてしまっていたが…こんな風に顔を見つめられながら
こちらを肯定してくれるような、そんな嬉しい言葉を吐いてくれること自体が
滅多にない為に…見る見る内に御堂は耳まで赤くなってしまった。
 それを見て…克哉は不敵に、満足そうに笑っていく。

(本当に…あんたのそういう顔は、可愛すぎてしょうがないな…)

 その瞬間、克哉は愉快な気持ちになりながら…そっと御堂の耳元に
唇を寄せて囁きを落としていった。

―愛しているぞ、孝典

 そして、自分が滅多に口にしない極上に甘い一言を告げていってやる。
 瞬間、御堂が肩を大きく揺らして動揺していくのが判った。
 克哉はその隙を逃さず、強引に御堂の唇を奪い…そして、深く口付けていった。
 …そうして、二人の間に恋人同士特有の、沈黙の夜が訪れる。

 それ以上は、言葉などいらなかった。
 もう一度、飽くことなく互いを求め…想いを交し合っていく。
 今夜は、どれだけ遅くなっても朝が来るまでは問題がなかった。
 そして事後処理はすでにMr.Rに依頼してあるので…どれだけこの内部で
睦み合おうとも、外部の人間に自分たちの関係が決して漏れる事もない。
 それだけの下準備を終えた上で、克哉は…今夜、御堂を誘ったのだ。
 この一夜を、忘れ得ない特別な日とする為に。
 金銭も労力も、全てを惜しまない形で。

―この夜の思い出を、あんたの中にくっきりと刻み込めるぐらいなら
多少の金ぐらい惜しむつもりなど克哉にはまったくなかったから…

 それはクリスマスの夜の、あまりに幻想的で…現実から切り離された
一夜の物語。
 日付が変わり、この聖夜が終わるまでの間だけでも…ただ正直な思いだけを
相手にぶつけて、確かめ合おう。
 
―貴方を心から愛してる、と真摯に相手に伝える為に…

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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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