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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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※この作品は『メッセージ』を共通項目としたCPランダムの
オムニバス作品集です。
 暫くの期間、出てくるCPはネタによって異なります。
 通常のように一つのCPに焦点を当てて掲載する話ではなく
1話完結から2~3話で纏めて、鬼畜眼鏡ゲーム本編に出てくる一通りの
CPを消化するまで続きます。
 期間中、それらを踏まえた上で作品をご覧になって下さい。
 この形での連載期間はタイトルの部分に扱うCPも同時に
表記する形になります。興味ない方はスルーなさって下さい。

眼鏡×秋紀    愛妻弁当        

―社内でどうして、かつての同僚と追走劇などやる羽目になっているんだろうか

 心の底からそうツッコミを入れたくなりながら…克哉は秋紀の
お弁当を持って逃げた本多を全力で追いかけていった。
 しかし何だかんだ言いつつ、毎日トレーニングと走り込みを欠かして
いないというのは伊達ではないらしい。
 最近はひょんなことから再会した松浦とどうにか和解して、同じチームで
バレーボールをすることになり…一層特訓にも身が入るようになったと
言っていた本多の足の速さは並ではなかった。

(俺としたことが…こんなに全力で走らなければ、こいつを見失って
しまいそうになるとは…屈辱だ!)

 確かにそういえば運動らしいことをしていなかったことをこの時、
心底後悔していきながら克哉は屋上に降り立っていった。
 その瞬間、本多は突然足を止めて…爽やかに笑いながらこう
のたまっていった。

「よしっ! 良い天気だし今日はここで一緒に飯を食おうぜ!」

「っ…!」

 どの瞬間、眼鏡は自分の何かがぷっつりと切れていくのを感じ取り…
衝動のままに行動に移していった。

 ドスッ!

 少し鈍い音が辺りに響き渡り、ついでに本多もうめき声を上げていった。

「ぐほっ!」

「貴様は…! 人の大切な弁当をいきなり持って逃走した挙句に…何だその
こちらの神経を逆撫でにするような爽やかな笑顔は。盗人猛々しいとはまさに
今のお前のような人間の事を言うんだな、よ~く判った」

「うぅ…今のパンチはマジで効いたぜ…克哉。けどなぁ、幾らなんでもあの断り方は
ないだろ。仮にも俺達、大学時代からのダチだろ? なのに…あんな冷たい言い方は
酷いと思うぜ…。確かに弁当を盗みだすような真似をしたのは悪かったけど、
勝手に食う気はさらさらなかったし。…だから、飯一緒に食おうぜ。それでチャラに…」

 バシッ!

 だが、本多の言葉が終わるよりも先に…次なる克哉の鉄拳が炸裂していった。

「…どの面を下げて、そんなことが言えるんだ…? 人の大事な弁当を
盗んだ癖に偉そうなことを言うな。とりあえずそれは返して貰うぞ。俺の大事な
愛猫が初めて作ってくれたものなんでな…」

「へっ…? 愛猫って…お前が飼っているって言ってた奴か? 猫がどうやって
弁当なんて作るんだよ…」

「…お前は本当にバカか? 愛猫というのは比喩に決まっているだろう? これは
俺の可愛い恋人が初めて持たせてくれた大切な愛妻弁当だ。それを見られたく
なかったから今日は断っただけだ。照れくさかったんでな…」

「えええええっ…!」

 長年の付き合いである友人に恋人がいたなんて全く知らなかった本多は
大声を挙げていき…同時に自分がしたことを大いに後悔していった。
 事情を聞いてみれば、今日は一緒に昼食を食べる事を断ったのに納得を
していき…猛烈に申し訳ない気持ちになってしまった。

「あ、それは悪かったな。確かに…そりゃ、人に照れくさくて見せたくないって
気持ちは判るかも。けど…それならそうといえよな。それなら俺だって
無理にとは言わなかったのに…」

「…だが、今は気が変わった。大いにお前に見せびらかすことにさせて貰おう。
その代わり一口たりとてお前にくれてやる気はないがな」

「うえっ…! 今日のお前は本当に冷たい奴だな。一口ぐらいくれたって
良いだろ! 代わりに新発売の海鮮カレー丼をお前にも分けて
やるから! 旨そうだろ!」

 そうしていきなり、手に提げていたビニール袋から…何やらビジュアル面
だけでドン引きしてしまいそうな代物を取り出していった。
 どうやらドンブリ物であるらしいことは一目でわかった。
 だが…海鮮丼の上にめいっぱい具が大きくてゴロゴロしているカレーが
乗っかっているだけで一種の視覚の暴力になることを克哉はこの日、
初めて思い知らされたのだった。

バシッ!

 そしてつい、反射的に叩いていってしまう。
 ビニールの袋は綺麗な弧を描いて宙に舞っていき。

「わぁぁぁ! 何するんだよ克哉! これは今日の俺の大事な
昼食なんだぞ! 食べ物を粗末にするんじゃねえよ!」

「うるさい、そんな気持ちが悪い物体は俺は食い物とは認めない。
そんな物を隣で食う気なら、お前と昼食を食うのは却下だ!」

「…ううっ、そこまで言わなくなって良いじゃねえかよ…! 俺は
旨そうだって思ったんだから…!」

 だが、本多のその声は聞き遂げられることはなかった。
 絶対零度とも言えるぐらいに冷たい眼差しが克哉から向けられていく。
 決して逆らうことなど許さないという威圧感に満ちた視線に本多は言葉を
失い…背中に冷や汗が伝っていくのを感じ取っていった。

(これ以上ゴネたら、この視線で殺されかねない…!)

 キクチ社内においてはMr.KY…キング・オブ・空気読めないと評される
本多でも今の克哉をこれ以上怒らせたら命が危ないことを悟っていく。
 海鮮カレー丼は食べたい、だが…このままでは克哉と一緒に昼食を
食べる事は困難であることを察した本多は決断していった。

「…判った!今から別のをここの売店で大急ぎで買ってくる! だから
俺と一緒に飯を食ってくれ!」

 そしてそう叫んでいくと同時に「うぉぉぉぉ!」と叫びながら…本多は売店に
向かって全力で走っていった。
 まさに電光石火と呼ぶにふさわしい速度だったのだが…克哉は呆れた
ように呟いていった。

「…トコトン、邪魔な奴だな。仕方ない…待ってやるか。あんなのでも一応
友人だしな…。せいぜい見せびらかして食うことにしよう…」
 
 そう溜息まじりに呟きながら、克哉は水色の弁当の包みを眺めていって…
今頃、秋紀はどうしているだろうかと考えて…晴れ渡るような青空を
眺めていったのだった―



 
 

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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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