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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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  顔を真っ赤にしながら、克哉は丁寧にチョコの包装を
剥がしていく。
 寝室のベッドシーツの上にこちらを組み敷いて覆い被さっている
もう一人の自分は…腰にタオルを一枚巻いただけの格好なので、
見ているとどうしても意識をしてしまう。
 それでも、今日は相手にやられっぱなしだったので…一回ぐらいは
相手の意表を突かないと、流石に気が済みそうになかった。
 頬を紅潮させながら挑発的な笑みを浮かべている克哉の表情には
どこか艶があり…眼鏡の心を強く煽っていく。

「…何のつもりだ? それはこれから…俺に贈ってくれる筈の
物なのだろう…?」

「…立った今、お前が包装よりも中身が重要だって言ったばかりだろう?
それなら…中身で勝負させてもらう事にしただけだよ?」

 それは他愛無い、恋人同士の睦言だった。
 ゆったりとした手つきで克哉が箱を開いていくと…そこには三種類の味の
生チョコレートが三つずつ、計九個程収められていた。
 手が汚れるのも構わず、箱にしっかりと収められていた一個を克哉は
手に取って行くと…そのままゆっくりと相手の口元に寄せていった。
 専用のプラスチック製の楊枝ではなく、指で取った物だから…洋酒が
練りこまれた深いブラウン色の生チョコは変形してしまっている。
 それでも、克哉は気にせずにこう口にしていった。

「…せっかくだから、オレが直接食べさせてやるよ…。ほら、口を
あ~んと広げて…?」
 
 瞳を半分伏せて、艶かしい顔を浮かべていきながら…眼鏡の唇に
チョコを押し当てていく。

「…ほう? 随分と今夜はサービスが良いな…? それなら遠慮なく
食べさせて貰うぞ…?」

 そういって、眼鏡は熱い舌先を…克哉の指先にねっとりと絡めていきながら
それを舐め取っていく。

「んんっ…!」

 日常生活ではあまり意識しないが、指先や指の間というのはかなり
敏感な性感帯だ。
 特に今みたいに相手と密着しながら見下ろされているような…そんな
体制でこんな真似をされたら、必要以上に感じてしまう。
 眼鏡もそれを判った上で、相手を挑発するように…丁寧に親指と
人差し指を舐め上げて、その指ごとチョコを頬張っていく。
 相手の舌先が、唾液を指先に感じて…その濡れた生暖かい感触に
ブルリ…と克哉は肩を震わせていった。
 
 チュパ…チュパ…

 指先を吸われたり、舐めあげられたりする音が軽く響き渡っていく。

「…うむ、悪くないな…だが、俺の好みとしては…指で掴まれて渡すよりも
こっちの方が好みだ…」

「えっ…?」

 克哉が一瞬、呆けた表情を浮かべていくと…空かさず、次のオレンジリキュールが
練りこまれた別の列の生チョコレートが唇に宛がわれていく。

「…次は口移しで…お前から貰いたい。良いか…?」

(…何でこいつは、こっちが憤死したくなるような提案とかを平然として
くるんだよ~!)

 心の中でそんな事を叫んでいったが、生チョコを唇の上に乗せられた状態では
単語になっていない振動が軽くするだけだった。
 どうしようか、と迷った瞬間…相手の掌がそっとこちらの頬に宛がわれていく。
 男性的な骨ばった手でありながら…その手は暖かくて、その温もりを感じた
瞬間に…優しく撫ぜられていく。
 まるで促されているような、そんな手つきに…克哉の抵抗の意思はゆっくりと
殺がれ始めて…。

(本当に、こいつって…ズルイよな…。こんな風に優しくされてしまったら…
これ以上、抵抗なんて出来ないよ…)

 瞳を熱っぽく潤ませて、羞恥を堪えていきながら…克哉の方から
そっと相手の首元に両腕を回していく。
 そうして…自ら唇を重ねて、舌先で相手の口内に…オレンジの香りがほんのりと
する橙色の生チョコレートを送り込んでいった。

「はっ…」

 克哉の舌が相手の口腔に忍び込んでいくと同時に、相手に強く背中を掻き抱かれて
引き寄せられていく。
 熱い口付けと…洋酒の香りに、酔いしれてしまいそうだ。
 クチャグチャ…とお互いの唾液と舌先が絡まりあう淫靡な水音が頭の中で
響き渡って、意識が飛びそうになる。
 お互いにあまり甘い味は好きではない性分の筈だった。
 しかし…こうやって味わうチョコの味は悪くなく、味覚とは別の領域を刺激されるので
双方とも夢中になって…相手の唇の味と一緒にそれを堪能していく。
 ようやく生チョコの塊が完全に溶け切った頃には…克哉はぐったりとなって
シーツの上に腕を投げ出していった。

「…お前、あんなキス…反則だ…」

「…ククッ、お前からのチョコも…キスもとても旨かったぞ…?」

 克哉の眼前には、心から愉快そうな笑みを浮かべたもう一人の自分の
顔が存在していた。
 それに少しムッっとなっていきながらも…相手の掌が今度はこちらの
項や肩口の辺りを撫ぜていくと…反発心もゆっくりと失せて…。

「…もう、本当にお前って…。けど、喜んで貰えたなら良かったよ…。
買って来たは良いけれど…お前が気に入らなかったらどうしようかって
思っていたから…」

「…まあ、悪くない味だった。お前が手ずから食べさせてくれたからな…」

 不意に耳元に唇を寄せられて、そんな事を囁かれたものだから…
克哉は再び顔をカッと熱く火照らせていく。
 まったく…今夜は何回、こんな風に相手に羞恥心を煽られているのだろう。
 挙式をした日から一ヵ月半。
 毎晩のように抱かれているのに、未だに相手の言動に、肌に…触れられる指先に
そして…低い声に慣れない。
 自分と同じ声と顔をしている筈なのに…どうしてこんなにドキドキするのか
克哉にも不思議で仕方なかったが…。

―その瞬間、相手の澄んだアイスブルーの双眸が宝石のように輝く

 まるでその瞳を、アクアマリンやブルートパーズのようだ…と一瞬、見蕩れた。
 宝石のように綺麗な瞳に、克哉の意識は釘付けになる。
 同じ瞳なのに、その瞳の色は…それぞれの心の在り方を良く示している。
 克哉の方の瞳が、同じ色合いの筈なのに…空や海を連想させる柔らかさが
あるなら、眼鏡の方は…やや硬質で、鉱石を思わせる色をしていた。
 宝石には魔力がある。
 見る者の心を容赦なく惹き付けて、狂わせる程の魅力が…。

―その瞳の持つ輝きに、今夜も克哉は惑わされていく

 抗えないまま…今夜も流されていく。
 小さなプライドも、意地も何もかもが…その視線の前では無になっていく。
 残るのはただ、相手を欲しいという剥き出しの強い欲望だけ。
 いつしか克哉の方も…蕩けたような、艶っぽい笑みを浮かべて…相手の
背中にそっと両腕を回していった。

「…なら、もっと食べる? …今夜は、初めてのバレンタインだしな…
サービス…しても、良いよ…?」

 そういって、三つ目の…抹茶味の生チョコレートを指先に取って、己の
口腔に含んでいく。
 そのままごく自然に…唇は重なり合い、自然と眼鏡の手つきもまた…
克哉を愛撫するような動きになっていった。
 その手に、克哉は翻弄されて甘い声を漏らしていく。

「んあっ…!」

 熱い口付けと、愛撫に…克哉の意識は早くも蕩けかけて…強請るように
腰を蠢かしていく。
 そうして…彼らの夜は、更けていく。

―来年もこうして二人で共に、この日を過ごせることを心から願いながら―
 
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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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