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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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この話は御堂×克哉のクリスマスネタです。
切なさとほんのりとした甘さが信条の話と
なっておりますので了承の上でお読みください。

貴方と一緒に過ごすようになってすでに二年余りが
あっという間に過ぎました
 けれど毎年、クリスマスが来る度に思い出すんです
 最初の頃の、あのぎこちなかった頃のオレ達の
ささやかなクリスマスを

 御堂と付き合い始めて現在では同棲するようになって
克哉は幸せの絶頂を迎えていた。
 本日は残業も程々に切り上げて現在では自分達の正式な
自宅となっている御堂のマンションで二人きりでクリスマスを
祝っていた。
 部屋の中心には30センチ程度の大きさの光ファイバーで様々な
色合いに輝くクリスマスツリーを飾り、食卓には買って来た
ローストチキンや2人で食べるのに丁度良い小さめのケーキや、
ワインに合う何種類かのチーズを用いたオードブルやサラダの類が
並べられていた。
 今夜食べる予定の料理はすでに出揃っている。
 御堂は現在、今夜飲むワインを何にしようかミニガーヴの中の
コレクションと向き合って選んでいる事だろう。

(今夜は一体、どんなワインが飲めるのかな

 密かに、其れを楽しみにしていきながら克哉はふと、ツリーを
眺めていった。
 毎年、これを見る度に思い出す。
 自宅で祝う用に自分達が付き合い始めて間もない頃に買った
ささやかなクリスマス飾りを見る度、不器用ですれ違ってばかりだった
頃の記憶が蘇ってくる。

今年も、この飾りを見れて良かったな。こうして、このツリーを
眺めて孝典さんと一緒に祝うようになってから三度目のクリスマスが
無事に訪れてくれたって事だもんな

 ふと克哉は懐かしげに瞳を細めながら、ツリーの近くまで歩み寄って
青、緑、紫、赤、白、黄色と点滅しながら色合いが変わっていく様子を
眺めていった。
 
(あの頃のオレ達は本当に不器用で、どうして良いのか判らないで
手探りで歩み寄ろうとしていましたよね

 自分と御堂との付き合いは、最初はあまり良い形で始まっていなかった。
 強引にプロトファイバーの営業権を得て、共に仕事をするようになったばかりの
頃は散々イヤミめいた事や嫌がらせもされていた。
 御堂と肉体関係を持つに至った経緯も、到底達成出来るとは思えない
とんでもない目標数を設定されて、それに異を唱えた事から始まっている。
 結局、振り返ってみればその数字は期間内に達成する事が出来たから
あの当時、克哉が身体を張って止めなくても良かった訳なのだが。
 あの時、御堂に接待をするように強要されていなかったら自分が応えて
なかったら、こうして恋人関係になる事もなかったと思うとあれも今の
幸福を得る為に必要なプロセスだったのだと、しみじみ実感した。

ふふ、本当に今、思い返してみると微笑ましいものすら感じますよね
あの頃のオレ達の不器用さって

 二年前、恋人同士になった頃のぎこちなかった頃の御堂を
思い出して自然と笑みが漏れていった。
 ビクビクとあの頃の自分も御堂の前では緊張してしまってガチガチに
硬くなってしまっていた。
 今では空気のように、一緒にいるのが当たり前になっている。
 だからこそかつての自分達のそんな不器用さが今では愛おしくすら
感じられた。
 いつかのメリークリスマス。
 それは最初に共に過ごした、イブの夜の記憶。
 
(孝典さんきっと、今夜飲むワインを必死に吟味しているみたいだから
もう少し時間が掛かりそうだな。それなら、ちょっと昔の事を思い出して
みるのも悪くないかも知れない

 すでに5分程度、御堂が来るのを待っているがまだ暫くこちらの
部屋に顔を出す気配はなかった。
 きっとワインにうるさい御堂の事だ。
 選んだら選んだで、そのワインが最良の状態になるように温度とかを
調整したり古い年代物の品を選んだりしたら、デキャンタなどをして
澱を取り除いたり、そういう作業をしているに違いない。
 その辺は御堂と二年余り付き合っているのですぐに来ないという
事実からすぐに察していった。

(それに気持ち的には手伝いたいけどきっと、こういう日は孝典さんは
オレを喜ばせる為に全身全霊を注いでくれているのを知っているからな
下手に手を出さない方が良いし。それにあの人との思い出を振り返る方が
今日という一日と特別なワインをより有り難く感じられるだろうから

 だから、克哉は一旦席に着いて気長に待つ事にしていった。
 そうして淡い光を放つツリーを穏やかな眼差しで見つめていきながら
御堂とまだぎこちなかった頃の自分達の思い出をゆっくりと振りかえって
いったのだった
 
                     
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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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