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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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 こんにちは、現在、絶賛…原稿執筆中の香坂です。
  本日20時半の時点で、無事に本文の打ち込み&編集が
終わりました。
 …ワード文書の1P40文字×36行の設定で…23P分
ぐらいのボリュームになりました。
 これを二段組で編集して…中身の総P数が20Pの
本となります。はい…。
 タイトルは『聖痕』 眼鏡×御堂もので…鬼畜眼鏡RのEDNO.2
『絶妙のタイミング』のその後を妄想して作ったお話です!

 値段は200円ですので、良ければ当日手に取ってやって
下さると嬉しいです。
 明日、東5ホール…ね58bの処にコソっといますので…。
 足を伸ばして、買いに来てくれる人がいると良いなぁ(超弱気)

 そして表紙ですが、本文が予定よりも若干手間取ったので
ちょいとフルカラーは厳しそうです。
 とりあえず今から色々と頑張りますが、単色刷りのものに
なるかも知れません…。
 とりあえず、コピー機でガシャガシャ本文印刷している間
(2~3時間程度)の間に、足掻いて見ますけどね・・・(汗)

 ただ、相当に進行状況は一杯一杯なんで…本日は
明日発行の眼鏡×御堂本の冒頭部分をサンプルにアップ
させてもらう形にさせて貰います。
 
 とりあえず…冒頭の1~5Pまでの掲載となります。
 タイトルは、現時点では…正式に決定しておりません。
 幾つか候補があるんですが、どれが良いのか決めかねているので
タイトルは未定で。決まったらちょっと手直しして記述しておきます。

 興味ある方だけ、「つづきはこちら」をクリックして
読んでやって下さいませ。では…また修羅場の海を漂って参ります~。
 明日、笑って会場行けるように頑張りま~す!

 

『聖痕』  
                       眼鏡×御堂



―窓に映る、自分の顔を見つめながら…佐伯克哉は、澤村と再会してからの
日々を振り返っていた
 
 浴室の方からは、シャワーの水音が僅かに聞こえて来ている。
 先程、御堂と一緒に簡単に二人で夕食を食べてから…真っ直ぐに
自分のマンションに移動した。
 部屋に入った早々、御堂を抱く気満々だったが…彼は「シャワーぐらいは
浴びさせてくれ!」と少し慌てた感じで自分の腕から逃れて、風呂場の方に逃げていった。
 後から入って、久し振りに風呂場で御堂を抱くのも悪くないと思ったが…
今夜は彼の意思を尊重して、出てくるまで待ってやる事にした。
 ネクタイと上着を取り去って、少し寛いだ服装になって…相手がこの部屋に
戻ってくるのを静かに待ち構える。
 眼下には見事な夜景が広がっている。
 室内の電気を落として見ているせいか、地上の星はまるで浮かび上がって
いるかのように輝きを放っている。
 これと同じ風景を、オフィスにしているアクワイヤ・アソシエーションからも
眺める事が出来るが…基本的にあの部屋にいる間は明かりが灯っている為に、
ここまで迫ってくるような夜景を意識する事はない。
 
(久しぶりにオフィスで御堂と楽しもうと思ったら…思いっきり藤田に
邪魔をされたからな…)
 
 先程、御堂と会話しながら熱い口づけを交わしあった。
 キスだけであれだけ心が熱くなったのは本当に久しぶりで…その場で
御堂を抱いて、その身体を味わいたかった。
 そしてそういう流れになったと思った瞬間に、よりにもよって今夜…
カードキーを忘れて戻ってきた藤田に邪魔をされてしまったのだ。
 
 一瞬で正気に戻って、扉の方に向かっていく御堂の後姿を見て…
「放っておけば良いものを…」と心から恨めしくなった。
 自分がしっかりと鍵を閉めたのは一体何の為だと思っているのか。
 そう感じたのだが…声を出して応えてしまった以上、居留守を使う事も
出来なくなってしまった。
 それから一時間半余り。
 改めてあの人を愛しいと思い、御堂からも愛されていると実感した以上…
一刻も早く身体を繋げたいと思っているのに、思いどおりにならないまま…
時間は過ぎていた。
 
(まったく…一体いつまで、御堂は焦らすつもりなんだろうな…)
 
 今夜の御堂の言葉を頭の中で反芻すればするだけ、心の中が大きく揺れていく。
 
―だからもっと話してくれ。君と恋人である以上、私は君のことを、もっと知りたい
君にはもっと私に甘えてほしと思っているし、頼りにだってしてもらいたいと思って
いるんだ。そのための労苦なら、どんなことでも厭わないつもりだ
 
 あまりに真っ直ぐなその一言に、自分は驚きもしたが…心から嬉しく
思ったのも事実だった。
 元々、自分と御堂の関係は…歪んだ処から始まってしまっている。
 御堂がMGNで長い時間を掛けて築き上げた地位を…自分は全て奪い、
監禁までして追い詰めてしまった。
 後もう少しで廃人寸前にする処だった。寸での処で思い止まって…そして
解放して袂を別ったつもりだったが…去年の暮れに偶然再会した時に、想いを
確認しあって…それからようやくあの人と恋人関係になったのだ。
 克哉の方からはその一件で、御堂に対して強い引け目を持っていた。
 それに元々、自分の心中をあまり人に語らないし…他人に頼ったり甘えたり
した事も殆どなかった。
 
(冷静に考えてみれば…俺はどこかで、御堂に対して遠慮していたのかも知れないな…)
 
 あの人にあぁ言われるまで、気づかなかった。
 自分の中には初めから、他人に対して自分を判って貰おうという気持ちが
まったく存在していなかった事を。
 思い返してみれば家族以外で本当に心から信じた人間…親友と思いこんでいた
澤村に、あのような仕打ちをされた日から…もう一人の自分が表に出ていた間すらも…
佐伯克哉という人間は、誰とも深く関わる事を拒否していたのかも知れない。
 
(…あいつの事を思い出すのも、久し振りだな…)
 
 ふと、例の眼鏡を手にする前まで…自分の代わりに生きていたもう一人の
佐伯克哉の事を思い出した。
 自分が主導権を取り戻した日から…あいつの意識は自分の中に統合されて、
殆ど表に出ることはなかった。
 だが…彼もまた、人に頼らず…理解して貰おうと最初から思っていなかった。
 
―たとえどうであれ、君は君で変わらない。それは、私が保証する
 
 自分と正反対の、まったく違う心の事を思い出した瞬間…御堂が先程、
こちらに対して言ってくれたその一言を思い出す。
 それだけで…弱くて情けないと見下していた、あいつの方の心が自分の中に
存在している事が許せそうだった。
 
「どんな俺でも、俺である事は変わらないか…」
 
 あの人以外の存在に言われたら反発を覚えてしまいそうだったが、
何よりも愛しく大切な存在である御堂にそう言われたのならば、素直に
受け止める事が出来そうだった。
 窓に映る自分の顔を見つめながら、苦い思いと…嬉しい気持ちが入り混じった
複雑な思いを覚えていく。
 澤村に、何よりも大切であるあの人が良いようにされた事は本気で腹立たしかった。
 けれどあの男が色々と引っ掻き回してくれたおかげで…以前よりも少しだけ、
御堂と自分との距離が縮まったような気がしたのも事実だった。
 少し離れた位置から、水音が止まっていった。
 克哉が考え込んでいた時間は時間にして十分程度の事だ。
 
(そろそろ上がっても良さそうなものだがな…)
 
 少しぐらい待たされるのも、風情があるものだが本当に相手が欲しいと
思っている時にあまり長く焦らされるのは少し考えてしまう。
 自分も彼も、あまり長風呂の方ではない。睡眠時間も4~5時間取れば
十分という処も共通している筈だ。
 水音が止んだ以上、もうじき御堂が現れてもおかしくないだろう。
 奇妙な高揚感を覚えていきながら、その瞬間を待ち構えていく。
 そして…ゆっくりとこちらの方に近づいてくるスリッパの音が耳に届いて、
この部屋の中に人の気配を感じていった。
 
「待たせたな…佐伯」
 
「あぁ、あんたを待っていたよ…孝典…」
 
「う、む…」
 
 そうして、御堂は一歩一歩…こちらの方に歩み寄ってくる。
 克哉は敢えて、彼の方を振り向かなかった。
 それは一週間ほど前の、この部屋での出来事をなぞるような形だった。
 控え目な足音を立てながら、御堂の気配が近づいてくる。
その息使いが、体温が自分の方に迫ってきているを感じて…心拍数が
上がるのと同時に、喜びと興奮も確かに感じていた。
 
「…そういえば一週間も、この部屋でこうして…君を抱きしめたな…」
 
「そう、だな…」
 
自分も同じ事を思い出していただけに、御堂のその呟きは妙に嬉しく感じられた。
この人と考えや体験を共有し、心が通じ合っていると実感出来ることは
克哉にとってはささやかな幸せな瞬間だ。
御堂の両腕が、自分の両脇を通してしっかりと後ろから回されていく。
その体制が、一週間前と本当に似通っていたから…まるでその日を
再現しているようなそんな錯覚に襲われていく。
違いは、こうやってこちらを抱きすくめている御堂から淡い石鹸の匂いを
感じることとスーツではなく、バスローブを纏っていることぐらいだった。
 
「…あの日のように、俺は…貴方の前から消えてしまいそうに感じますか…?」
 
以前に御堂がこの部屋に足を向けた時、そう言いながら…珍しく
この人の方からしっかりと自分を抱きしめてくれた。
 
―また君が、いなくなりそうな気がしたからだ
 
 御堂はそう言いながら、こちらを繋ぎ止めるように力を込めて抱きしめていた。
 だが…今、こうしてこちらを抱きしめる御堂は頭を振ってその言葉を否定していく。

「いいや…今夜の君は、あの夜のように儚い印象はまったくない。
…だから特に不安を覚えていないな…」
 
「…そんなに、あの夜の俺は…本当に消えそうに見えていたんですか…?」
 
「ああ、君のような傲慢で自分勝手な男にこんな事を言うのもどうかって思うが…
澤村が現れてからの君は本当に、どこかおかしかった。手を離したら…まるで
桜のように、目の前で散り去って…消え去ってしまうような。…私の感じ方が
おかしいのかも知れないが、あの夜…君を抱きしめて、キチンと言葉を伝えないと…
この手から、君という存在が零れ落ちてしまうような…そんな気持ちになっていた…」
 
「…………」
 
 その言葉を聞いた途端に、克哉は口を閉ざすしかなかった。
 この人に自分のあの時の心境を、全て見透かされてしまっているような…
そんな気分になってしまったからだ。
 
(…この人の発言に、俺は何も言い返せないな…事実、俺らしくもない弱気な
気持ちになってしまっていたのは確かだからな…)
 
「佐伯…?」
 
 何も言葉を返さない克哉に、違和感を覚えたのだろう。
 抱きしめる腕に力を込めて…御堂がこちらに呼びかけてくる。
 だが、克哉からは暫く…何の返答もないままだった。
 
(…何と言えば良いのか、判らないな…)
 
 胸が詰まって言葉が出ない、というのはこんな状況の事を言うのだろうか。
 あの夜…この人がしっかりと想いを告げてくれたから…今、こうして自分の
ままでこの世界に存在出来ているような…そんな心境になった。
 克哉はあの時、確かに弱気になっていた。ひどく迷ってしまっていた。
 だからこそ…この人が心から自分を必要としてくれているのが嬉しくて…それが、
あの我を忘れそうに澤村に怒りを覚えた瞬間も間違わなくて済んだ、
最大の理由のように思えた。
 
―御堂という存在が、自分を正の世界に繋ぎ止めてくれたから
 
 この人の存在がなかったら、自分は心のままに澤村に報復行為をして…
この手を汚してしまっていたかも知れなかった―
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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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