鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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※この話は以前に高速シャングリラ様が発行した
「克克アンソロジー1」に寄贈した作品です。
一定期間をすでに経ているのでサイトで再掲載を
させて頂きました。
この点をご了承の上でお読み下さいませ。
慰撫(いぶ) 1 2 3
「克克アンソロジー1」に寄贈した作品です。
一定期間をすでに経ているのでサイトで再掲載を
させて頂きました。
この点をご了承の上でお読み下さいませ。
慰撫(いぶ) 1 2 3
克哉が再び目を覚ました時には、自分の身体は相手の腕の中に
すっぽりと納まっていた。
すっぽりと納まっていた。
すぐ間近に彼の寝顔があったので起きた直後は少し驚いてしまったが…
久しぶりに感じる人の体温に、ホウっと溜息をついていく。
久しぶりに感じる人の体温に、ホウっと溜息をついていく。
(あったかくて…気持ち良い…)
初夏とはいえ、まだ夜は冷える時期だ。だからこそ…触れ合う
肌の暖かさが快い。
肌の暖かさが快い。
腕枕をされた状態で、モゾモゾと軽く身動きしていきながら…そっと
相手の頬を愛しげに撫ぜていった。
相手の頬を愛しげに撫ぜていった。
「今夜は、ありがとうな…」
小さく、今は眠っている相手に向かって告げて…その頬にキスを
落としていった。
落としていった。
強引な所も多かったけれど、暖かい食事と優しく相手に撫ぜ擦られながら
夢中になって抱かれている内に、自分の胸の中にあったモヤモヤは
霧散してしまっていた。
夢中になって抱かれている内に、自分の胸の中にあったモヤモヤは
霧散してしまっていた。
こちらの愚痴や、起こった事の顛末なんて詳しく聞こうともしなかった。
それなのに…こんなにも胸が晴れやかになるなんて、不思議な気がした。
それなのに…こんなにも胸が晴れやかになるなんて、不思議な気がした。
(そういえば…どこかの本に書いてあったな…。手って、凄い癒し効果があるって…)
そう、手当てという言葉の語源になっている通り…人の手には、他者を
癒す力が込められている。落ち込んでいる相手を抱き締めたり、頭を撫ぜ
擦ったり、背中をポンポンと叩いたり…そういった他愛無い動作によって
手を触れさせることによって人の心は大いに癒されるものなのだ。
癒す力が込められている。落ち込んでいる相手を抱き締めたり、頭を撫ぜ
擦ったり、背中をポンポンと叩いたり…そういった他愛無い動作によって
手を触れさせることによって人の心は大いに癒されるものなのだ。
今夜の愛撫は、いつもと若干違っていて…こいつの手は、とても優しかった。
それが心地よくて、胸がポワっと暖かくなって…多分、単純な快楽と違う
領域で自分は感じてしまったし…確かに安らぎを覚えたのだ。
それが心地よくて、胸がポワっと暖かくなって…多分、単純な快楽と違う
領域で自分は感じてしまったし…確かに安らぎを覚えたのだ。
(いつもは…一方的に感じさせられて、意識を失くしているっていう方が
正しいけど…今夜は本当に気持ちよくて、安心出来て…つい、寝ちゃったんだもんな…)
正しいけど…今夜は本当に気持ちよくて、安心出来て…つい、寝ちゃったんだもんな…)
行為の最中に、フっと意識が消えてしまった事を少しだけ申し訳なく
思いながら…克哉は相手の唇にそっと小さくキスを落としていった。
思いながら…克哉は相手の唇にそっと小さくキスを落としていった。
ほんの少し触れ合わせるだけで、ジィンと痺れるような心地良さが走っていく。
それをもっと味わいたくて…つい、唇をこちらから押し付けていくと…。
それをもっと味わいたくて…つい、唇をこちらから押し付けていくと…。
「わっ…!」
ふいに、相手の腕が動いて…いきなり捕獲されてしまった。
吐息が掠めるくらいの至近距離に眼鏡の顔がある。室内の明かりは
豆電球くらいしか灯っていなかったけれど…ボッと再び克哉の顔が
真紅に染まっていった。
吐息が掠めるくらいの至近距離に眼鏡の顔がある。室内の明かりは
豆電球くらいしか灯っていなかったけれど…ボッと再び克哉の顔が
真紅に染まっていった。
「…こっちが寝ている間のオイタはそれくらいにしておけ…。じゃなければ
ゆっくりと眠る所じゃなくなるぞ…?」
ゆっくりと眠る所じゃなくなるぞ…?」
「うっ…それは、ちょっと困るかも…。一応明日も仕事だし…」
「なら、大人しくしておけ…今夜は俺が傍にいてやるから…」
「いて、くれるの…?」
相手の言葉に驚きながら、つい聞き返してしまう。もう一人の自分は
いつだって…ヤルべき事をヤったらさっさと克哉の前からすぐいなくなって
しまうのが基本で…自分が寝て起きてからも姿があった試しがなかった。
いつだって…ヤルべき事をヤったらさっさと克哉の前からすぐいなくなって
しまうのが基本で…自分が寝て起きてからも姿があった試しがなかった。
「あぁ、特別サービスだ。夜明け頃までいてやるさ…だから、安心して眠れ…」
そう言いながら男の方からもこちらの唇を啄ばむように口付けていった。
そのまま…その薄い唇が滑って…額の方にも口付けを落とされていく。
そのまま…その薄い唇が滑って…額の方にも口付けを落とされていく。
それは外国映画とかで良く見る、安眠を願うおまじないだ。それを自覚した途端
…妙に気恥ずかしくなって憮然となりながら克哉は答えた。
…妙に気恥ずかしくなって憮然となりながら克哉は答えた。
「ん、そうだね…。少なくとも朝まではいてくれる…と思うと、ちょっと嬉しいかも。
…あの、今夜は…本当に、ありがとうな…凄い、癒されたから…」
…あの、今夜は…本当に、ありがとうな…凄い、癒されたから…」
再び意識をまどろみの中に落としていきながら、克哉はそっと呟いていく。
こちらが瞼を閉じていくと…相手の空いている手が、こちらの背中全体を
撫ぜていくように幾度も滑り続けていった。
撫ぜていくように幾度も滑り続けていった。
それはこちらの荒んだ心を慰めてくれる、暖かさに満ちた手だった。
まるで大切なものを慈しむかのように、どこまでも優しく撫ぜられて…
胸いっぱいに幸福感が広がっていくようだった。
胸いっぱいに幸福感が広がっていくようだった。
―おやすみ。またな…『俺』
またいつか、こうして会える日を心のどこかで強く願いながら…克哉は
そっと目を閉じて眠りの波に身を委ねていく。
そっと目を閉じて眠りの波に身を委ねていく。
こちらの意識が途切れる寸前まで、眼鏡は優しく背中を擦り続けてくれていた。
その心地良さに身を委ねていきながら…克哉は静かに、落ちていく。
どこまでも深く、そして甘い眠りの中へと―
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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
鬼畜眼鏡にハマり込みました。
当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)
当ブログサイトへのリンク方法
URL=http://yukio0201.blog.shinobi.jp/
リンクは同ジャンルの方はフリーです。気軽に切り貼りどうぞ。
…一言報告して貰えると凄く嬉しいです。
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