鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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―奇妙なバランスで成り立っている貴方たちの…苦しみ、もがき、悩み続けている
姿を傍観者として眺めさせて頂きますね。
さて、その中で…皆様はどのような答えを導き出すのでしょうか…?
もう一人の自分を追い出してから、一夜が明けた。
すでに時刻は正午近くを迎えているのにも関わらず、眼鏡は…自宅のソファの
上で指先一本動かせない状態に陥っていた。
(くそ…頭が、朦朧と…する…)
あれから正体不明の疼きと熱が、彼を苛み続けて…その衝動をどうにか抑え込む為に
冷たい水を30分以上浴びながら自らを宥め続けた。
この熱を逃す為にそんな行為を続けた結果…どうにか服を変えて、ベッドに転がって
眠りについた頃にはすでに熱っぽくなっていた。
冬の初めとは言え、この時期に冷水を30分も浴び続けたりすれば身体が悲鳴を
上げるに決まっている。
(それなのに、これは一体、何なんだ…?」
部屋の中の空気が、凄く濃密になり…噎せ返るような匂いが充満していた。
頭の芯が、ボウっとしてまともに働いてくれなかった。
何故、こんな事になっているのか…判らない。
まるで、二日前から大きく歯車が狂ってしまったみたいに…。
「み、どう…」
小さく、自分の恋人の名前を呟いていた。
今も愛して止まない人。
かつては無自覚のまま強く想い、一度は酷く追い詰めるような真似をしてしまった存在。
頭の中に浮かぶのは、その人の事ばかりで。
今は高熱に侵されて、身体が参っているせいか…普段だったら寄り付きもしない
弱気な考えばかりが脳裏を支配していく。
(俺の存在は、あんたを傷つけてばかり…だな…)
二ヶ月前。
二日前のあの一件が起こる以前に、最後に肌を重ねた日の翌日。
つい…興じ過ぎてしまって、夢中で御堂を犯し続けた。
彼が感じて、泣き叫ぶ姿に歯止めが利かなくなり。
久しぶりに…嗜虐的な部分が覗き始めた日でもあった。
―克哉、もう…嫌だ! 止めて、くれ…!
途中で何度も、どこか強張ったような顔を浮かべながら御堂は懇願していた。
だが…今思えば、あの日から自分は思い出してしまったのかも知れない。
執着している人間を追い詰め、懇願させて自分に縋りつかせる暗い欲望を―
そして、その翌週から…御堂は、週末に克哉の部屋で待っている事は無くなり
気づけばお互い、仕事で気を紛らわすようになって…自分の我慢の限界に
達して、それで…。
相手を苛め抜きたい。
愛すれば愛しているだけ。
執着すれば執着しているだけ、暗い衝動が自分の中に満ちていく。
あの人を二度と追い詰めたくなどないのに…本能の部分では、その理性と
真っ向から反発していて。
その事実に引け目を持っている自分が、いた。
「み、どう…」
ただ、その人の名を呼び続ける。
届かない事を承知の上で、うわごとのように。
身体は鉛のように重くて、自由が効かない状態でも…ただ、求めるように
小さく唇は愛しい人の名を呟き続けた。
意識が混濁している中、何か微かに物音が響き続けていたが…今はそれを
確認する気力と余裕すらない。
ガラリ、と窓ガラスが開いたような音がしたかと思えば…何かを探るように
ゴソゴソと小さな音が聞こえ続けて、そして…カシャン、とガラスが割れるような
高い音が聞こえていった。
(なん、だ…?)
ようやく…誰かの気配が室内にあると。
その事実に気づいた瞬間、誰かに声を掛けられた。
もうすでにその段階では、高熱のせいでそれが誰だかを判断する能力すら…眼鏡には
失われている状態だった。
視界が霞み、すでにはっきりと物の輪郭を据える事すら出来なくなっていた。
「大丈夫か…?」
ぼんやりとした頭と意識は、それが誰だかをはっきりと認識出来なかった。
ただ…頭の中に御堂の面影を、言動の数々を再生していたせいか…そのはっきりと
しない視界の向こうに、一瞬だけその人の顔が浮かび上がっていく。
それは、儚い幻に過ぎなかったもの。
だが…眼鏡は、その幻を逃したくなくて…軋むような重い身体を必死に動かして
相手を引き寄せ、そして…静かに口付けたのだった―
姿を傍観者として眺めさせて頂きますね。
さて、その中で…皆様はどのような答えを導き出すのでしょうか…?
もう一人の自分を追い出してから、一夜が明けた。
すでに時刻は正午近くを迎えているのにも関わらず、眼鏡は…自宅のソファの
上で指先一本動かせない状態に陥っていた。
(くそ…頭が、朦朧と…する…)
あれから正体不明の疼きと熱が、彼を苛み続けて…その衝動をどうにか抑え込む為に
冷たい水を30分以上浴びながら自らを宥め続けた。
この熱を逃す為にそんな行為を続けた結果…どうにか服を変えて、ベッドに転がって
眠りについた頃にはすでに熱っぽくなっていた。
冬の初めとは言え、この時期に冷水を30分も浴び続けたりすれば身体が悲鳴を
上げるに決まっている。
(それなのに、これは一体、何なんだ…?」
部屋の中の空気が、凄く濃密になり…噎せ返るような匂いが充満していた。
頭の芯が、ボウっとしてまともに働いてくれなかった。
何故、こんな事になっているのか…判らない。
まるで、二日前から大きく歯車が狂ってしまったみたいに…。
「み、どう…」
小さく、自分の恋人の名前を呟いていた。
今も愛して止まない人。
かつては無自覚のまま強く想い、一度は酷く追い詰めるような真似をしてしまった存在。
頭の中に浮かぶのは、その人の事ばかりで。
今は高熱に侵されて、身体が参っているせいか…普段だったら寄り付きもしない
弱気な考えばかりが脳裏を支配していく。
(俺の存在は、あんたを傷つけてばかり…だな…)
二ヶ月前。
二日前のあの一件が起こる以前に、最後に肌を重ねた日の翌日。
つい…興じ過ぎてしまって、夢中で御堂を犯し続けた。
彼が感じて、泣き叫ぶ姿に歯止めが利かなくなり。
久しぶりに…嗜虐的な部分が覗き始めた日でもあった。
―克哉、もう…嫌だ! 止めて、くれ…!
途中で何度も、どこか強張ったような顔を浮かべながら御堂は懇願していた。
だが…今思えば、あの日から自分は思い出してしまったのかも知れない。
執着している人間を追い詰め、懇願させて自分に縋りつかせる暗い欲望を―
そして、その翌週から…御堂は、週末に克哉の部屋で待っている事は無くなり
気づけばお互い、仕事で気を紛らわすようになって…自分の我慢の限界に
達して、それで…。
相手を苛め抜きたい。
愛すれば愛しているだけ。
執着すれば執着しているだけ、暗い衝動が自分の中に満ちていく。
あの人を二度と追い詰めたくなどないのに…本能の部分では、その理性と
真っ向から反発していて。
その事実に引け目を持っている自分が、いた。
「み、どう…」
ただ、その人の名を呼び続ける。
届かない事を承知の上で、うわごとのように。
身体は鉛のように重くて、自由が効かない状態でも…ただ、求めるように
小さく唇は愛しい人の名を呟き続けた。
意識が混濁している中、何か微かに物音が響き続けていたが…今はそれを
確認する気力と余裕すらない。
ガラリ、と窓ガラスが開いたような音がしたかと思えば…何かを探るように
ゴソゴソと小さな音が聞こえ続けて、そして…カシャン、とガラスが割れるような
高い音が聞こえていった。
(なん、だ…?)
ようやく…誰かの気配が室内にあると。
その事実に気づいた瞬間、誰かに声を掛けられた。
もうすでにその段階では、高熱のせいでそれが誰だかを判断する能力すら…眼鏡には
失われている状態だった。
視界が霞み、すでにはっきりと物の輪郭を据える事すら出来なくなっていた。
「大丈夫か…?」
ぼんやりとした頭と意識は、それが誰だかをはっきりと認識出来なかった。
ただ…頭の中に御堂の面影を、言動の数々を再生していたせいか…そのはっきりと
しない視界の向こうに、一瞬だけその人の顔が浮かび上がっていく。
それは、儚い幻に過ぎなかったもの。
だが…眼鏡は、その幻を逃したくなくて…軋むような重い身体を必死に動かして
相手を引き寄せ、そして…静かに口付けたのだった―
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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
鬼畜眼鏡にハマり込みました。
当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)
当ブログサイトへのリンク方法
URL=http://yukio0201.blog.shinobi.jp/
リンクは同ジャンルの方はフリーです。気軽に切り貼りどうぞ。
…一言報告して貰えると凄く嬉しいです。
当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
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励みに頑張っていきますので宜しくです。
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