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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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 ※ちょっと最近プレイしたゲームの中に
白と黒のサンタという話題が出たのでつい
克克に当てはめて思いついた話です。
 やっぱり白と黒! と言ったらコントラストも
あるし…この二人だろ! という感じのクリスマスネタです。
 たまには克克書かんと調子が狂うので始めます。
 そんな感じですが、宜しく!!

―なあ、知っているか? サンタクロースに纏わる話の中には
とても悲しいものがあるって…例えば…

 クリスマスを前日に控えたある夜、克哉はトボトボと一人…
帰路についていた。

(あ~あ、明日にはクリスマスか…。今年ももうじき終わりだよな…。
今年も一人で過ごすのかな…オレって…)

 大学時代に最後の彼女と別れてから、一人ぼっちでクリスマスと
大晦日を過ごすことなんて慣れっこになっていた筈なのに
今年に関しては若干の寂しさを覚えてしまっていた。
 当然、そんなのは感傷であるという事は自分でも判っているが…
人肌に何度か久しぶりに触れてしまったことで、侘しさはひとしおだった。

(今年は本当に…色々あったよなぁ…)

 先月末には無事にプロトファイバーの営業が終わって、状況も
落ち着いているから…振り返る余裕もあるが、今年の秋の初めから
つい最近まではそれこそ克哉にとって天地がひっくり返るような
出来事が目白押しだった。
 Mr.Rと出会い奇妙な眼鏡を渡されてからの数ヶ月間は
本当に色々なことがあった。
 秋紀という少年と目覚めたら一夜を過ごした形跡があったり…
長年親友だと思っていた本多に迫られたり、太一に思いがけず告白
じみた発言を言われたり、片桐に妙に意識されてるっぽい態度を取られたり、
御堂に執着されている? と思われるような発言をされたりと…
どうして今まで色事に殆ど縁がなかったのに同性の相手とばかり
微妙なことになっていた。

(まあ…その原因の殆どはあいつのせいなんだけどな…)

 つい、もう一人の自分の顔が不意に浮かんで…克哉は軽い苛立ちと
羞恥を覚えていった。
 この微妙な状況は、もう一人の自分が周囲にいる人間にチョッカイを
掛けたからというのは判っているのだが…やはり、ちょっと腹立たしかった。
 本気でどうしようと思うのは…何故か克哉自身も相手の毒牙に
掛かって…同一人物同士であるにも関わらず、抱かれてしまったのだ。
 しかも二度もだ。
 だから相手の顔を思い浮かぶとどうしても克哉は羞恥を覚えてしまうのだ。
 あの生々しく、おかしくなりそうなセックスを思い出すだけで…頬が
火照って心臓が壊れてしまいそうだった。
 思い出した瞬間、閑散としている住宅街を歩いているにも関わらず
カッカっとなるようだった。

(あいつの事なんて考えたって仕方ないのに…。そもそもまともな
関係じゃないし…クリスマスにわざわざあいつが来てくれるなんて…)

 そんな事、ある訳がない。
 あいつにそんな甘ったるい行動は似合わないと心から思った。
 歩きながら色んなことを逡巡している内に…いつの間にか克哉は
自宅のマンションの前に辿り着いていた。
 そして自分の部屋を、半分諦めモードで眺めていくと…。

「っ…?」

 その瞬間、克哉は信じられないものを見た。
 自分の部屋に明かりが灯り、しかも…人影らしきものがフっと
横切っていくのを確かに目撃してしまったのだ。
 克哉はパニックになりかけていく。
 確かにオートロック式のマンションのようにセキュリティが
万全な処に住んでいる訳ではない。
 だが克哉は今朝は間違いなく電気を消して、鍵をキチンと掛けて
家を出ていった筈だ。
 その記憶に間違いはない。
 それなのにこうして…誰かが部屋に入り込んでいる事実に
驚愕を覚えていた。

「だ、誰が勝手に上がりこんでいるんだよ…!もしかして、空き巣か
何かかな…! それだったら携帯電話を取り出さないと…!」

 もし空き巣だった場合は克哉一人で手が負えない可能性がある。
 万が一の事を考えて警察に一声掛けておいた方が良いだろうと
判断して慌てて携帯を手に取ろうとした瞬間、着信音が聞こえた。

「どわわわっ!」

 タイミングがタイミングなだけに克哉は素っ頓狂な声を出していく。
 だが、自分の部屋から着信がある事実に気づいていくと、恐怖すら
覚えていきながら…克哉は暫く悩んでいった。

(一体オレの部屋から誰から…電話が掛かっているんだ…?)

 その事に暫く悩み、十回程度コール音が夜の住宅街に響き渡っていく。
 正直、出るのが怖いという想いがあったが…このままでは埒が明かない。

「いいや! とりあえず出よう。まずどうするか考えるのはそれからだ…!」

 そうして克哉は勇気を振り絞って…通話ボタンにそっと押して、
電話に応対していったのだった―
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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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