鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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※2009度のクリスマス小説。
克克ものです。ちょっとサンタクロースの逸話を
ネタに使っているので宜しくです。
微妙にヒヤっとする描写もあったりしますのでそれを
了承の上でお読み下さい。コミカル、ギャグ要素も有。
白と黒のサンタ 1 2
―意を決して自分の自室に足を踏み入れていくと…今朝、出かけに
確かに全部消した筈の電灯が煌々と灯っていて明るかった。
一歩歩く度に自分の身体が緊張で震えているのが判った。
何故、自分の住んでいる部屋の中を歩いているのにこんなに
気を張らなければいけないのだろうか。
(まったく…本当にMr.Rは毎回、ロクな事をしないよな…)
先程、唐突に電話掛けてきた相手に対して心の中でブツブツと
文句を言いながら克哉はリビングの方へと進んでいった。
その瞬間、芳醇なブランデーの香りが鼻腔を突いていき…
目の前に広がっている光景に呆然となった。
「……はっ?」
克哉はつい、マヌケな声を漏らしてしまう。
それぐらい、それは想像していた光景からかけ離れていた
ものであったからだ。
まず、部屋の様相が今朝の時点と大きく変えられていた。
リビングの中心には巨大なクリスマスツリーが飾られ、ドライアイスに
水を入れて発生するような白い煙が部屋中を覆っていた。
そして何色もの明かりがスポットライトのように煙に当てられて
クリスマスツリーの周りにオーロラのような幻惑的な光が生まれていた。
ツリー自体も太陽と月、靴下やステッキ、小さなヒイラギの飾りに
白いフワフワの綿、色のついた銀紙が張られた玉や星飾りなど
実に豪奢なくらいに下げられて…眩いばかりのイルミネーションで
飾り付けされていた。
―自分の部屋がクリスマステイストに知らない間にクリスマステイストに
内装を変えられてしまっているのを見て克哉はアッケに取られていく。
「な、何だこれはー! 一体オレが今朝家を出た後に何があったんだー!!」
思わず叫んだ瞬間、不意に背後から肩を叩かれた。
振り返ると其処には…克哉と同じダーク系の色で纏められたスーツに
赤いネクタイをしているもう一人の自分の姿が其処にあった。
久しぶりに見る相手の顔は相変わらず嫌味なぐらいに自信に
満ち溢れていた。
「…まったくうるさい奴だな。せっかく一人で寂しくクリスマスを過ごすお前の
為に準備をして待ってやったのに…その言い草は何だ…?」
「へっ…? あ、『俺』? な、何でお前が部屋にいるんだよ!」
「…たった今言ったばかりだぞ。寂しいクリスマスを過ごすお前の為に
こんなに豪華な飾りをしつらえて待っていてやったのに…帰って来るのは
遅いわ、喜ぶ前に叫びだすわ…まったく張り合いがない奴だな…」
「は…へっ? こ、これ…お前がわざわざ用意したのか…?」
「ああ、あの男に全部用意をさせたがな…。とりあえず綺麗に飾りつけたのは
俺の手柄だ。少しは感謝しろよ…?」
物凄く偉そうな態度であったが…もう一人の自分がわざわざこうして
自分の為に準備をして待っていてくれた事に…じんわりと嬉しさがこみ上げてくる。
(相変わらず偉そうな態度なのがちょっとムカっとするけど…それでも、誰とも
会えないで一人で過ごす虚しいクリスマスよりも…ずっと良いかも…)
さっきまでその侘しさを感じ捲くりの状態だったからこそ…例えどれだけ
傲岸不遜な態度でも、もう一人の自分の顔が見えて良かったと口には出さず
こっそりと思っていった。
「う、うん…感謝するよ。けど、凄い光景だよな…。この白い煙はもしかして
ドライアイス? 何かステージとか結婚式の披露宴以外でこんなに大量に
出ているのを初めて見たよ…」
「いや、Mr.Rが…あの男が手を翳したらその煙が発生して一時間ぐらいは
そのまま変わらずにいるんだが。…一体何だろうな、それは…」
「はっ…?」
いきなりそんな奇怪な事実を聞かされて克哉は再び目を剥いていく。
何というか確かにあの謎多き男性ならそれくらいの事は朝飯前で
やってのけるのかも知れないが…手を翳しただけで煙を発生させて
それが変わらずに存在し続けるというのはますます穏やかな話ではない。
(わ、話題変えた方が良いかも…。あの人の事はまともに考えたら
こちらが負けになる気がするし…)
そうして苦笑しながら周囲を見回していくと…不意にもう一人の自分に
見つめられているのに気づいた。
「あっ…」
たったそれだけの事で顔が火照ってしまっている自分が何か
おかしかった。
だが、何かそれ以上のリアクションをされる前に唐突に触れられるだけの
キスを相手に落とされてしまう。
久しぶりに触れる柔らかい唇の感触に、言葉を失いかける。
啄ばむように優しく何度も落とされるキスなどこの相手から初めて
された為に…甘い感情がジワリと湧き上がって、抵抗することも
出来なくなってしまう。
「な、何…?」
「今夜は…クリスマスの前夜だな…」
「そ、そうだね…」
ねっとりと何とも形容しがたい空気が二人の間に流れていく。
初めて流れる甘いムードだった。
克哉の心臓はドキドキと早鐘を刻んでいき、放っておいたら破裂して
しまいそうな感じだ。
「…クリスマスはどんな風に過ごすかお前に希望はあるか…?」
「そ、そんな事…急に言われたって、思いつかないよ…?」
心なしかいつもよりも相手の声音さえも優しいので、余計に強く突っぱねる
ことが出来ないで腕の中に閉じ込められてしまう。
頬と鼻先にもキスを落とされて、思わずうっとりと仕掛けてしまう。
(ううっ…! オレ、何…こいつ相手にドキドキしているんだよ!)
心の中でそう突っ込みたくなったが、相手から与えられる感覚の全てが
心地良くてそれに浸っていたくなった。
「…なら、俺のやりたいように過ごして良いな…」
「う、うん…良いよ…」
少し迷ったが、多分この流れならセックスになだれ込まれると半ば読めて
いたので…小さく克哉は頷いていった。
抱かれることにまったく抵抗がない訳ではないが、この相手との行為は
半端ではない快楽が伴うことをすでに克哉は知っている。
だから覚悟して頷いていったが、次の瞬間…予想もしていなかった
展開になっていく。
「そうか…なら、お楽しみの前に一仕事をするぞ。お前も手伝え…」
「はぁ…?」
するといきなり甘く絡んでいた腕が解かれて、相手の身体も離れていく。
克哉がその流れに呆然となっていると…いきなり何かを投げつけられた。
「わっ!! わわわっ!」
克哉は慌てた声を出してそれを受け止めて…またびっくりする事になった。
投げつけられたのは白い服だった。
これは一体なんだろうと疑問に思っていると。
―なら、今夜は俺と一緒にプレゼントを配りに行くぞ…。たまには
サンタクロースの真似事も悪くないだろう…
そう少し離れた位置から告げてくる相手の手には…自分と対になる
デザインをした、黒い衣装が存在していたのだった―
克克ものです。ちょっとサンタクロースの逸話を
ネタに使っているので宜しくです。
微妙にヒヤっとする描写もあったりしますのでそれを
了承の上でお読み下さい。コミカル、ギャグ要素も有。
白と黒のサンタ 1 2
―意を決して自分の自室に足を踏み入れていくと…今朝、出かけに
確かに全部消した筈の電灯が煌々と灯っていて明るかった。
一歩歩く度に自分の身体が緊張で震えているのが判った。
何故、自分の住んでいる部屋の中を歩いているのにこんなに
気を張らなければいけないのだろうか。
(まったく…本当にMr.Rは毎回、ロクな事をしないよな…)
先程、唐突に電話掛けてきた相手に対して心の中でブツブツと
文句を言いながら克哉はリビングの方へと進んでいった。
その瞬間、芳醇なブランデーの香りが鼻腔を突いていき…
目の前に広がっている光景に呆然となった。
「……はっ?」
克哉はつい、マヌケな声を漏らしてしまう。
それぐらい、それは想像していた光景からかけ離れていた
ものであったからだ。
まず、部屋の様相が今朝の時点と大きく変えられていた。
リビングの中心には巨大なクリスマスツリーが飾られ、ドライアイスに
水を入れて発生するような白い煙が部屋中を覆っていた。
そして何色もの明かりがスポットライトのように煙に当てられて
クリスマスツリーの周りにオーロラのような幻惑的な光が生まれていた。
ツリー自体も太陽と月、靴下やステッキ、小さなヒイラギの飾りに
白いフワフワの綿、色のついた銀紙が張られた玉や星飾りなど
実に豪奢なくらいに下げられて…眩いばかりのイルミネーションで
飾り付けされていた。
―自分の部屋がクリスマステイストに知らない間にクリスマステイストに
内装を変えられてしまっているのを見て克哉はアッケに取られていく。
「な、何だこれはー! 一体オレが今朝家を出た後に何があったんだー!!」
思わず叫んだ瞬間、不意に背後から肩を叩かれた。
振り返ると其処には…克哉と同じダーク系の色で纏められたスーツに
赤いネクタイをしているもう一人の自分の姿が其処にあった。
久しぶりに見る相手の顔は相変わらず嫌味なぐらいに自信に
満ち溢れていた。
「…まったくうるさい奴だな。せっかく一人で寂しくクリスマスを過ごすお前の
為に準備をして待ってやったのに…その言い草は何だ…?」
「へっ…? あ、『俺』? な、何でお前が部屋にいるんだよ!」
「…たった今言ったばかりだぞ。寂しいクリスマスを過ごすお前の為に
こんなに豪華な飾りをしつらえて待っていてやったのに…帰って来るのは
遅いわ、喜ぶ前に叫びだすわ…まったく張り合いがない奴だな…」
「は…へっ? こ、これ…お前がわざわざ用意したのか…?」
「ああ、あの男に全部用意をさせたがな…。とりあえず綺麗に飾りつけたのは
俺の手柄だ。少しは感謝しろよ…?」
物凄く偉そうな態度であったが…もう一人の自分がわざわざこうして
自分の為に準備をして待っていてくれた事に…じんわりと嬉しさがこみ上げてくる。
(相変わらず偉そうな態度なのがちょっとムカっとするけど…それでも、誰とも
会えないで一人で過ごす虚しいクリスマスよりも…ずっと良いかも…)
さっきまでその侘しさを感じ捲くりの状態だったからこそ…例えどれだけ
傲岸不遜な態度でも、もう一人の自分の顔が見えて良かったと口には出さず
こっそりと思っていった。
「う、うん…感謝するよ。けど、凄い光景だよな…。この白い煙はもしかして
ドライアイス? 何かステージとか結婚式の披露宴以外でこんなに大量に
出ているのを初めて見たよ…」
「いや、Mr.Rが…あの男が手を翳したらその煙が発生して一時間ぐらいは
そのまま変わらずにいるんだが。…一体何だろうな、それは…」
「はっ…?」
いきなりそんな奇怪な事実を聞かされて克哉は再び目を剥いていく。
何というか確かにあの謎多き男性ならそれくらいの事は朝飯前で
やってのけるのかも知れないが…手を翳しただけで煙を発生させて
それが変わらずに存在し続けるというのはますます穏やかな話ではない。
(わ、話題変えた方が良いかも…。あの人の事はまともに考えたら
こちらが負けになる気がするし…)
そうして苦笑しながら周囲を見回していくと…不意にもう一人の自分に
見つめられているのに気づいた。
「あっ…」
たったそれだけの事で顔が火照ってしまっている自分が何か
おかしかった。
だが、何かそれ以上のリアクションをされる前に唐突に触れられるだけの
キスを相手に落とされてしまう。
久しぶりに触れる柔らかい唇の感触に、言葉を失いかける。
啄ばむように優しく何度も落とされるキスなどこの相手から初めて
された為に…甘い感情がジワリと湧き上がって、抵抗することも
出来なくなってしまう。
「な、何…?」
「今夜は…クリスマスの前夜だな…」
「そ、そうだね…」
ねっとりと何とも形容しがたい空気が二人の間に流れていく。
初めて流れる甘いムードだった。
克哉の心臓はドキドキと早鐘を刻んでいき、放っておいたら破裂して
しまいそうな感じだ。
「…クリスマスはどんな風に過ごすかお前に希望はあるか…?」
「そ、そんな事…急に言われたって、思いつかないよ…?」
心なしかいつもよりも相手の声音さえも優しいので、余計に強く突っぱねる
ことが出来ないで腕の中に閉じ込められてしまう。
頬と鼻先にもキスを落とされて、思わずうっとりと仕掛けてしまう。
(ううっ…! オレ、何…こいつ相手にドキドキしているんだよ!)
心の中でそう突っ込みたくなったが、相手から与えられる感覚の全てが
心地良くてそれに浸っていたくなった。
「…なら、俺のやりたいように過ごして良いな…」
「う、うん…良いよ…」
少し迷ったが、多分この流れならセックスになだれ込まれると半ば読めて
いたので…小さく克哉は頷いていった。
抱かれることにまったく抵抗がない訳ではないが、この相手との行為は
半端ではない快楽が伴うことをすでに克哉は知っている。
だから覚悟して頷いていったが、次の瞬間…予想もしていなかった
展開になっていく。
「そうか…なら、お楽しみの前に一仕事をするぞ。お前も手伝え…」
「はぁ…?」
するといきなり甘く絡んでいた腕が解かれて、相手の身体も離れていく。
克哉がその流れに呆然となっていると…いきなり何かを投げつけられた。
「わっ!! わわわっ!」
克哉は慌てた声を出してそれを受け止めて…またびっくりする事になった。
投げつけられたのは白い服だった。
これは一体なんだろうと疑問に思っていると。
―なら、今夜は俺と一緒にプレゼントを配りに行くぞ…。たまには
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デザインをした、黒い衣装が存在していたのだった―
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香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
鬼畜眼鏡にハマり込みました。
当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)
当ブログサイトへのリンク方法
URL=http://yukio0201.blog.shinobi.jp/
リンクは同ジャンルの方はフリーです。気軽に切り貼りどうぞ。
…一言報告して貰えると凄く嬉しいです。
当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)
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…一言報告して貰えると凄く嬉しいです。
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