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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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  ※4月1日からの新連載です。
それぞれ異なる結末を迎えた御堂と克哉が様々な
謎を孕んだまま出会う話です。
 彼らがどんな結末を辿った末に巡り合ったのかを
推測しながら読んでください。
 途中経過、結構ダークな展開も出て来ます。
 それらを了承の上でお読み下さいませ。

   GHOST      

 御堂を見つめながらRは軽やかに言葉を紡いでいく。

―この人が暫く失踪していたのは貴方もご存じでしょう?
そして現在、持ち合わせのお金もなければ…住むべき所もありません。
暫くの間でかまいませんので、この人の身元を引き受けて貰えないでしょうか…?

「…どうして私が、彼の面倒を見なければならないんだ…?」

 御堂はその申し出に面食らっていた。
 元々、佐伯克哉とはそこまで親しかった訳ではない。
 むしろ眼鏡を掛けて傲岸不遜だった頃の彼は嫌いな人種に入っていた程だ。
 一回だけ休日にばったり顔を合わせて行きつけのワインバーで食事をした事と
プロトファイバーの営業を担当している間に頻繁にやりとりした
ぐらいしか接点はない。
 言ってみれば仕事上の付き合い以外はほぼ皆無だった相手だ。
 その事に心底疑問を覚えな柄御堂が問いかけていくと、男はニッコリと
笑いながら答えていく。

―この人が貴方の元に身を寄せる事を心から望んだからですよ…

「なっ…! 本当か…佐伯君…?」

「は、はい…。そうです。厚かましい願いだというのは承知の上ですけど…
オレは、貴方の側に置いて欲しいんです…。ダメ、でしょうか…?」

(そんな小動物のような目で私を見ないでくれ…!)

 そう答えている克哉の瞳は、まるでこちらに必死になって縋っているようで…
御堂の心に深く突き刺さっていく。
 何と答えれば良いのか、御堂は迷った。
 相手の泣きそうな眼差しのせいで無碍に突っぱねる事に猛烈な
罪悪感を覚えていく。 
 するとRは愉快そうに笑いながら告げていった。

―ずっと貴方の元に身を寄せている訳ではありません…。暫くの間だけで
良いのです…。この人が安定するまで、一ヶ月程度…とまずは見て下されば
構いません。とりあえず住むところがなければ就職活動も何も出来ないし、
お金も稼ぐ事が出来ない。少しの間だけ…その拠点を提供して
下されば良いのですから…

「…そんな事を言われても、安易に頷ける訳がないだろう…」

 そうして御堂がためらいを見せた瞬間、とんでもない光景が飛び込んでくる。
 御堂が断ろうと考え始めた途端に、目の前の佐伯克哉の姿が透け始めていたのだ。
 まるで映画が何かに出てくる幽霊のように、光を透過してその姿が揺らぎ始めていく。
 まるで御堂が拒絶したら、目の前の相手の存在が掻き消えてしまうかの
ように思えて、御堂は猛烈に悩んでいった。

「…お願いします。暫くの間で構わないので…御堂さんの側に置いて下さい…!」

 まるで懇願するように彼が訴え掛けていく。
 それによって御堂の心は大きく揺らぎ始めていった。

「…判った、君がそこまで望むなら…暫くの間で良いなら私の自宅に来ると良い…」

 そう答えた瞬間、克哉の姿ははっきりしたものへと再び戻っていった。

「…あ、ありがとうございます…!」

 心から喜んでいると一目で判る笑顔で、克哉が答えていく。
 その瞬間、御堂の中に奇妙な感情が湧きあがっていった。

(どうして私は彼の笑顔を見て…こんなに心がざわめいているんだ…?)

 そう疑問を覚えた瞬間、黒衣の男は満足そうな顔を浮かべていた。

―話は成立したようですね。それでは暫くの間…この方の事を宜しく
お願い致します。そして、貴方が知りたがっている…キクチに所属していた
人間が何故失踪したか。約束の通り、ヒントだけは差し上げましょう…。
彼らは呼ばれて、その声に応えたからです。彼らを強く望んだ…
ただお一人の存在に身を捧げる為にね…

「なっ…それは一体、どういう意味だ…!」

 男の言葉は抽象的すぎて、御堂にはまったく意味が判らなかった。
 だが男はそれ以上の言葉を残すことなく…彼らから背を向けて
闇の中に溶けていくように姿を消していく。
 そしてその場には御堂と克哉の二人だけが残されていった。

―ごきげんよう

 そう最後に聞こえていきながら…御堂は克哉と、再び対峙していった―

 
 

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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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