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※この作品は『メッセージ』を共通項目としたCPランダムの
オムニバス作品集です。
暫くの期間、出てくるCPはネタによって異なります。
通常のように一つのCPに焦点を当てて掲載する話ではなく
1話完結から2~3話で纏めて、鬼畜眼鏡ゲーム本編に出てくる一通りの
CPを消化するまで続きます。
期間中、それらを踏まえた上で作品をご覧になって下さい。
この形での連載期間はタイトルの部分に扱うCPも同時に
表記する形になります。興味ない方はスルーなさって下さい。
―ねえねえ克哉さん、今日が何の日だったか覚えてる?
一日の活動を無事に終えて、現在自分たちが拠点としているマンションに
戻ると同時に、太一はそう克哉に聞いてきた。
三年間のアメリカでの活動を経て、今年に入ってMGNの新商品のタイアップ曲を
手がける為に日本に戻って来て。
紆余曲折を経て、太一の祖父とも一応和解し…安定した生活をようやく得られた
ばかりの頃だったから、その質問には克哉は言葉をつい失ってしまった。
「えっ…? 今日に、何かあったっけ…?」
「ええっ! 覚えていないの! 克哉さんってば酷い! 今日、俺達の記念日じゃん!」
「………っ?」
克哉は突然の質問に、言葉を失ってしまい…たった今、点けられたばかりの
蛍光灯の光の下で、自分の恋人の顔をマジマジと見つめてしまっていた。
(今日って確か…11月の終わりだったよな。その日に何かイベントとか行事とか
あったっけ…少なくとも、『今日』には何もなかった筈だけど…?)
突然、太一から投げかけられた疑問は、克哉を軽く思考の海へと叩き落とす形となった。
カレンダー上の記念日や、行事の関係はパッと見…思いつかない。
これが10月の終わりなら「ハロウィン」という答えが出来た訳だが、11月では
まったく心当たりがない。
(…どうしよう、思い浮かばない!)
そして1~2分間、克哉は脳味噌をフル回転させて考えて抜いた。
だが真剣に考えれば考えるだけ思考の迷路に入り込んで抜け出せなくなって
しまうような気がした。
そんな彼の反応に、最初はワクワクした様子で待っていた太一も時間が
過ぎれば過ぎるだけ落胆の色が濃くなっていく。
元々、人の顔色を伺う部分があった克哉はその表情の変化を見て…太一に
対して心底、申し訳ない心境になった。
(ああああ…! 太一ゴメン! 何かオレってば重要なことを忘れてしまって
いるみたい…!)
心の中で恋人に対して盛大に謝罪していく。
だが、それでもピンと来る回答が思い浮かばなかったので克哉は本気で
途方に暮れていった。
一つ、思い当たるものがあったが…克哉はその日のことは決して忘れない。
(まだ、その日になっていないのに…今日の時点で言える訳ない。一日でもズレるのは嫌だし…。
やはりオレの答えは「今日は記念日じゃない…だよ、太一…!)
同時に、だからこそそれは今日ではないと確信を持って言えるから…克哉は
口を閉ざすしかなかった。
「…ねえ、克哉さん。…本当に思い出せない訳…?」
「ご、ごめん…! とっさにそう聞かれても何も思い浮かばなかった…。
あの、今日に何があったのかな…?」
克哉は太一を刺激しないように恐る恐る問い尋ねていった。
だが、答えられないということが太一にとっては余程ショックだったらしい。
大げさに泣くような真似をして、畳みかけるように言葉を並べ始めていった。
「か、克哉さんってば実は凄い薄情だったんだね…! 俺はこの記念すべき日
のことをこの四年間、一日だって忘れたことがなかったのに…! 克哉さんに
とってはたったそれっぽっちで忘れてしまえる日だったなんて…!」
「え、ええっ…! け、けどゴメン…。それは今日じゃなかった気がするんだけど…!」
相手の剣幕に、克哉は一つだけ心当たりを思い出していく。
だが、携帯でとっさに確認していったがやはりまだ…その日ではなかった。
それに至るまで、一時間近くあるのを見て…克哉は迂闊なことは言えないと思った。
「じゃあ、それはいつな訳…?」
「その、それは間違いなく…明日の方だったと思う。だから今日は記念日じゃない。
それがオレの回答なんだけど…違うかな?」
克哉は、しっかりとした声でそう答えていく。
最初それを聞いた時…太一は軽く目を瞠っていったが…次の瞬間、小刻みに
身体を震わせていき…次の瞬間、意地の悪い笑みを浮かべていった。
「えっ、太一…?」
その顔を見て、克哉が茫然となっていくと…克哉は唐突に、強い力で
太一の腕の中に抱き込まれていったのだった―
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当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)
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