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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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※この話は記憶を一部欠落した状態で生活している設定の
ノマと、真実を隠している眼鏡と閉ざされた空間で生きると
いう内容のものです。
 一部ダークな展開や描写を含むのでご了承下さいませ。

忘却の彼方に             

 覚醒した直後、現実と夢の狭間を克哉の意識は行き交っていた。
 相手の慈しみの込められた眼差しに困惑しながら見つめ合って
いくと不意に…ジワリ、と黒い染みのように何かの映像が
脳裏に一瞬だけ浮かんでいった

―それは誰かの強烈な憎しみが込められた眼差しだった

 涙を溢れさせながら、こちらを決して許さないと訴えかけるような
眼差しに…一瞬、克哉は身体が強張る気がした。

(…まただ。一体、アレは誰なんだ…?)

 先程の夢の中で見た刃物を持った黒い影の人物と…その憎悪に
燃えている瞳の持ち主が判らない。
 それがモヤモヤして、苦しくて…つい、縋るような目を向けてしまう。

「…どうしたんだ。怖い夢でも見たのか…?」

「えっ…ぁ…どうして、それを…?」

「…今のお前の顔が、まさにそんな感じだからだ」

「うっ…そう、なんだ…」

 図星を一発で突かれていって、克哉は困惑していく。
 何か妙に恥ずかしくなって相手から目を逸らしていくと後頭部に
そっと手を宛がわれて、不意にグイっと引き寄せられた。

「っ…!」

 克哉は相手のその行動に、ギョッと目を見開いていく。
 だが…そうしている内に相手の唇が目元に降り注いで来て…
更にびっくりしていった。
 一体どうすれば良いのか判らない。
 そのまま石のように硬直していると…まるで羽に包まれるみたいに
フワリと相手に抱きしめられて…余計、混乱が強まっていった。

(…どうしよう、どんな反応をすれば良いのか判らない…!)

 相手の胸の中にいて、ガチガチに強張っているのが判るが…けれど、
このまま腕を引っ込めて固まったままでいて良いのか、それとも自分からも
抱きしめ返した方が良いのか判らず…パニックになりかけていく。
 しかも自分達はお互い裸で…そういえば、さっきセックスをしていた事実も
思い出して…耳まで真っ赤になりながら火照っていた。
 正直最中は、何が何だか判らなかったし…ただ、相手から与えられる感覚に
翻弄されるしかなかった。
 相手の指先を、中に捻じ込まれたペニスの感覚を唐突に思い出して
更に全身が赤く染まっていく。

「…どうした。? どうやら赤くなっているみたいだが…?」

「い、いや…さっきの事…思い出してしまって…その…」

「ほほう、俺に抱かれたのがそんなに良かったのなら…もう一回、
抱いてやっても構わないぞ? そんな反応を見たら俺もお前を
愉しませてやっても良いと思えるからな…」

「わわわわわっ! え、遠慮しておくよ!あんな事…一晩の内に何回も
立て続けてにやられたら、神経が持たないから!」

 そういって全力で否定していくが…こちらの反応が余程愉快だったのか
相手は喉を鳴らしながら笑っていく。
 それが克哉には何となく悔しくて、ついにムクれた顔をしていくと…
唇にフワリ、とキスを落とされていった。
 其れはまるで、恋人を慈しむようなキスで。
 …するとまるで魔法のように、克哉の機嫌は回復していった。
 そのまま何度も何度も、啄むように口づけられていくと…克哉もまた、
落ち着いていき…そして、静かに疑問をぶつけていった。

「…ねえ、教えて貰えるかな…? 此処は一体…何処なんだ…?」

「…そうだな、さしずめ…お前の為のシェルターだ。この世界全てがな…?」

「えっ…? シェルター…? それにこの世界ってどういう意味なんだよ!」

「言った通りだ。空を見ただろう…? 現実の空があんな風に不思議なオーロラ
みたいに寒くもないのになっていると思うか? 此処には俺とお前の二人だけしか
存在しない。一応生活に必要なものは存在しているし、この家で生きていくのに
不自由を感じる事はないだろう。此処は、お前がこの場所を必要としなくなる
その日まで存在し続けるシェルターのようなものだ。其れがお前の問いに対しての
現時点で教えられる範囲での回答だ」

「何だよ、それ…余計、に訳が判らない…」

「単純な話だ。此処ではお前は働かなくて良いし、他の人間関係も一切
気にしなくて良い。ただ、時間の流れに身を任せて俺と一緒に過ごせば良い。
一人になりたければ別の部屋で過ごすなり…外に出て軽い散歩でも
していれば良い。ようするに時が来るまで勝手に過ごしていろという事だ」

「そん、な…」

 聞けば聞くだけ、克哉は訳が判らなくなっていく。
 それは一応、回答ではあったが…根本的な事が抜け落ちている。
 どうして、シェルターと呼ばれるこの世界に自分がいるのか。
 何故、こんな世界が存在していて…其処に閉じ込められているのか、
その過程と原因が一切答えられていないのだ・。
 克哉は混乱を隠しきれず、何を言えば良いのか判らないでいると相手が
こちらをギュっと抱きしめていく。
 その腕に包み込まれると、不意に眠気が襲って来てまともに
考えられなくなっていく。
 克哉の許容範囲をオーバーしている事が立て続けに起こっていたからだろう。

―だから今は、何も考えないで寝る事にした

 そして…克哉は再び、フテ寝に近い感じで意識を落としていく。
 彼らの奇妙な共同生活は、そうしてスタートしていったのだった
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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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