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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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 ―お互いを許しあっている内に随分と長い時間が、気づけば
過ぎてしまっていた。
 泉になっている地点から離れた頃には…何時間も過ぎてしまって
いたので打って変わって二人は慎重に進み続けていた。
 幾つもの分岐点を過ぎて、ようやく到達したのは…水路の出口。
 地下水と海水が混ざり合い、ぶつかり合う地点だった。
 時折…遥か下降の部分で押し寄せる波と、流れる水がぶつかりあって
派手な水飛沫を上げて細かい水の粒子が舞い散っていくような地点に
差し掛かっていった。
 岩壁にも、幾つか穴が穿たれていて…ようやく懐中電灯の明かりなしでも
周囲の状況が判るぐらいに明るくなっていった。
 日の傾き具合から見ても、すでに夕暮れ近くを迎えていた。

「…何か、この周辺。迷路みたいだよね…一体どこに正解の
ルートがあるのか、もう判らないや…」

「そうだな…まあ、ここが水の出口ではあるみたいだから…俺達が
出れる場所も、この周辺にある可能性が高いと思うがな…」

 二人はほとほと困り果てたように、溜息を突きまくっていた。
 その顔は…随分と長い時間を彷徨っているのに、未だにこの洞窟を
出れないでいるせいであった。
 海側のルートを選択したのは紛れもなく克哉自身であったが…ここが
そんなに入り組んだ場所である事をまったく聞いていなかったので正直、
相当に参っている風であった。

(随分と参っているみたいだな…コイツも…)

 逆に眼鏡の方の困惑した態度は、全て演技だった。
 実際は…彼の方は、先にMr.Rに遭遇した時に両方のルートの出口の
目印になる特徴をすでに聞き及んでいたのだ。
 だが、わざと真っ直ぐに行かなかったのは…日が暮れるまではこの天然の
迷路の中に身を置いた方が安全だと判断したからだ。
 あの時計の仕掛けを解かなければ追っ手もここに入って来れないし…
残ることを選択したMr.Rも易々と捕まるようなヘマは犯さないだろう。
 そう考えるとある程度暗くなるまでは…ここに身を置いた方が逃亡するのに
適しているだろう。
 その判断が大きな過ちであった事に、彼自身はまだ気づいていなかったが…。

「…はあ、このままだと…懐中電灯の電池も切れちゃう…よな…」

「…そうだな。安全の為に…ここで休んでいくか? まだ追っ手がウロウロ
しているだろうし…外に出るなら、日が暮れて視界が効かなくなってからの
方が無難だと思うぞ…」

「えっ…でも、電池は…」

「心配するな、換えぐらいは用意してある。それに満タンの電池なら一日ぐらい
点けっぱなしにしたって簡単に切れるもんじゃないぞ? 今の電池は驚くぐらい
長持ちするように作られているからな…」

「そっか、そうだよな…。じゃあ、ここで休んでいこうかな…」

 正直、克哉の方が重いリュックを背負って進んでいたので…ヘバっていた。
 食料や水、それと毛布や最小限の着替えなどを入れたリュックを持っての
移動はこのクソ暑い時期にはかなりの体力を消耗する。
 本来ならこの地から…一刻も早く逃げ出さないといけないのだろうが、
心身ともにすでに消耗しきっているので、克哉はその提案に乗る事にした。
 地面にリュックを下ろして、大きく伸びをしていく。
 肩に、化学繊維の肩掛けの部分が長時間食い込んでいたせいでかなり
ヒリヒリと痛む思いがした。

「何か、ここ…海風が吹き込んで来て、爽やかな感じだよな。あ…でも、
風穴の向こうは、そのまま海に真っ逆さまって感じで怖いかも。
…あんまり近くに寄らない方が無難そうだな…」

「おい、危ないから…近づくな。流石にそんな処から落ちられたら
俺だって…お前を助け切れないぞ」

「判ってる、ってば…」

 そういいながら、眼鏡はそっと克哉を引き寄せていった。
 克哉の方もまた、特に抵抗せずに…もう一人の自分の腕の中に
大人しく収まっていった。
 そのまま、髪と米神の部位に優しくキスを落とされて…片目を瞑って
それを享受していく。

「お前は、判ってないだろ…?」

「判っているってば…。子供じゃ、ないんだから…」

 そのまま拗ねたような顔をしていくと…相手から啄ばむようなキスを
落とされてくすぐったそうに笑っていく。
 甘ったるい、戯れの時間。
 だが…それは、すぐに壊される形となっていった。 
 
 パァァァァン!!

 同時に盛大に響き渡る銃声。
 耳をつんざくような鋭い音が洞窟内に反響していった。
 たった今、放たれた銃弾がすぐ二人の傍を掠めて、岩壁にめり込んで
銃痕を刻み込んでいく。
 瞬く間に、空気が変わっていく。
 それに備えるように…眼鏡は素早く、愛銃を構えて…たった今、銃弾が
向かってきた方角に向き直っていく。
 二人はそれを目撃して、肝が冷える想いがした。

(どうして…ここに…!)

 二人同時に、そう思った。
 その驚愕が顔に出ると同時に…その人物はどこまでも暗く嗤って(わらって)いく。
 最後に直接顔を合わせた時よりも、なお深い闇を宿した眼差しを浮かべながら…
薄汚れた迷彩服を纏いながら、五十嵐太一は其処に立っていた。
 肩口までの長いオレンジ色の髪が、風が吹きぬけていく度に大きく靡いていって…
それが妙に艶かしい印象を与えていく。
 最後に顔を合わせてから、とうに三ヶ月近くが経過している。
 それだけの期間、離れていただけで…更に太一は荒んでしまっていた事が
見ただけで判ってしまった。
 たった今、放たれたばかりの銃口から煙が微かに漏れている。
 その場の空気は…瞬く間に硬直していった。

 暫くは三者とも、無言だった。
 当然だ。太一も眼鏡も…相手に向かって銃を突きつけている訳なのだから。
 迂闊な行動や言動は、無駄に相手を刺激することになりかねない。
 結果的に、慎重に成らざるを得なかったのだ。

(…まさか、こんな処で太一に遭遇する…なん、て…!)

 その困惑ゆえに、克哉はぎゅっと…もう一人の自分のYシャツの袖を
強く握り締めて縋ってしまった。
 そうすると、其れに応えるように…眼鏡もまた、克哉の身体をしっかりと
強く抱き締めていった。
 
―他愛無いやり取り。だが、其処に紛れもなく答えが存在していた。

「何で…! 何でなんだよっ! 克哉さん…!」

 ついに堪え切れなくなって、太一は叫ぶように言葉を紡いでいった。
 顔をクシャクシャにしながら、今にも泣きそうな様子だった。

「俺は…ずっと貴方が帰って来てくれる日を待っていたのに! 全てを…片付ければ
きっと克哉さんは俺の下に戻って来てくれるって…! 俺はそう信じて
待っていたのに…!よくも、裏切ったな…!」

「太、一…」

 そうして克哉を睨んでいく太一の眼差しには本気の殺意と憎悪が同時に
存在していた。
 恐らく、彼には判ってしまったのだ。
 今、克哉の心の中にいるのは…誰なのか。
 本気で焦がれて、愛しい相手が…他の誰かの下で立ち直って、楽しそうに
笑っている現実が…青年を深く打ちのめしていた。

「そう、だね…。これは太一から見たら、立派な裏切りだな…」

「人が散々、克哉さんの命を脅かした奴を探すのに必死だった時も…
あんたはそいつを咥え込んでいたんだろ! 平気な顔して! 俺の気持ちを
踏みにじって! 本当、あんたはどうしようもない淫乱だよな!」

「うるさい! 黙れ!」

 その罵りの言葉に先に反応したのは、眼鏡の方だった。
 彼もまた、本気の怒りを込めながら太一を睨みつけていく。
 一食触発の空気が、その場を支配していった。


「…自分の事を棚に上げるのはいい加減にして貰おうか…!
そもそもコイツがお前の親父に命を狙われることになったのも、ようするに
お前が間違ったことをし続けたからだ。
 コイツの命を脅かすようになった原因はお前の方が作ったのに…一方的に
相手ばかりを責めるのは卑怯なんじゃないのか!?」
 
「それをお前が言うのかよ! あんたが俺の下から、克哉さんを連れ出したりなんて
しなければ、こんな事には…!」
 
「それを本気で言っているのかっ!」
 
本気の怒りを込めながら、眼鏡が恫喝していく。
ビリビリビリとその振動で、克哉は痺れてしまいそうだった。
だが、太一はまったく怯んだ様子は見せない。
むしろ一層、強く相手に憎悪の眼差しを向けて…睨みつけていく。
 
「はっ…! あんただって、俺にこの人を返すって約束していた癖に…人の物に
手を出していけしゃあしゃあとしやがって…! この人はもうとっくの昔に…俺の
物なのに、良いツラの皮をしているじゃないか…!」
 
「本当に、お前は…そう思っている、のか…?」
 
 自信たっぷりに、眼鏡は微笑んで見せた。
 知らぬ間に、岩壁の穴から覗く空は…赤く色づき始めて、夕暮れの景色を
匂わせていく。
 水平線に、微かに暮れなずむ太陽の朱が滲み始めて…時折、鮮烈に輝きを
放ち始めていった。
 眼鏡は…腕の中の克哉を、片手で拳銃をしっかりと握りながらも…
両腕で抱き締めていく。
 それはまるで、克哉は…自分のものだと言いたげの態度だったので、
余計に頭に血が昇る思いであった。
 
「なら、聞いてみろよ…。コイツに、な。今…佐伯克哉は、誰のものなのか…?
その口から、はっきりと…聞いて、みろよ…」
 
「聞くまでもないだろ…! 克哉さん。貴方は…」
 
―数日前、オレはすでにはっきりと言った筈だよ。オレは…いつ、太一のものに
なったのかなって…
 
 冷や水を打たれるような、克哉の抑揚のない声がその場に反響していく。
 それは、感情を必死に押し殺しているような声。
 けれど同時に…冷酷なものでもあった。
 
「な、んで…!」
 
 あれだけ、愛したのに。
 こんなにも求めて、所有の痕を刻み続けていたのに。
 この人が持っていた全てを奪って、俺以外のものを全て失くさせたのに…。
 どうして、この人の全てを俺のものに出来ないのだろう…!
 
「何でなんだよぉ! 俺は、こんなに…克哉さんを愛しているのに! 貴方しか
見ていないのに…どうして、他の奴なんて愛するんだよ! 
他の奴のものになるんだよぉ! 他の奴に平気で抱かれるんだよっ!」
 
「甘ったれた事を抜かすな! お前は…こいつから、会社も、家族も、友人も
全てを奪って監禁した癖に…お前は、何も捨てなかった。
自分が持っているものを何一つ捨てないで、コイツの全てを欲したんだ。
お前が何も犠牲を払っていないのに…どうして人、一人の人生を求める権利が
あるっていうんだ…!」
 
「…っ!」
 
 それは、今まで気づかなかった視点であった。
 だが、太一は失くしている。とても大事だったものを。
 克哉を愛して、裏切られてしまったが故に…すでに失ってしまっていた。
 
「…何も犠牲を払ってない、って勝手に決め付けるなよ…! 俺は、あんたの為に
自分にとって一番大切なものを打ち砕かれているんだ…! その代価に、
あんたの人生を欲して何が悪い!? それぐらいの償いをしてもらわなきゃ、
割が合う訳がないだろ…!」
 
「そうやってお前は、被害者面をして…こいつに罪悪感を植え付け続けて…
これから先もずっとこいつの人生を当たり前のように要求して、縛り続けるというのか?
 それが…お前にとって、本当に…『愛している』という事なのか…!」
 
眼鏡の追撃は、止まらない。
それは太一が敢えて見ないようにしてきた、良心に属する言葉ばかりだった。
彼自身だって、それがどこかで歪で間違っていることをどこかで気づいていた。
だが、彼は不安だったのだ。突然…別人のように豹変してしまった克哉と対面し、
犯されてしまった日からずっと…。
 佐伯克哉という人は、優しくて人畜無害な…自分が守ってあげなきゃいけない
ような弱い人だと思っていた。
 その人が、突然…別人のように冷たく、傲慢で強い男になって…逆に自分が
犯されて良いようにされてしまった日から、太一の男としてのプライドは
ズタズタだった。
 長らく自分が培ってきたもの、価値観。そういうものをたった一日で全て崩されて…
見たくない感情で自分の感情は、ドロドロになって一杯に満たされてしまった。
 
「それくらいの事をして…何が悪い! 俺は、そうだよ…! 特に眼鏡を
掛けたあんたに犯された日から、自信も何もかもがボロボロになった! 
特に音楽を紡ごうとする度に…あんたに対する憎しみで、音楽が汚れ続けたよ!
綺麗なメロディも歌詞も…何も紡げなくなった!俺の中にあった嫌なものが、
何かを生み出そうとする度に溢れて…止まらなくなって!
それで音楽に対しての自信も失ったよ! 俺が憧れ続けていたミリオンレイの
ような綺麗な旋律は…もう俺には二度と作り出せないって絶望してなっ! 
それでもお前を許せというのかよ!自分にとって一番大切なものを、
壊されて…ダメにされて! それ、でも…!」
 
「そ、んな…」
 
 その言葉を聞いたその時、克哉は…目を見開いて肩を大きく震わせていった。
 それが、太一が…音楽をやらなくなった一番の、理由だったのだと…
その真実を知った時、克哉はあの日…安易に銀縁眼鏡を掛けるような真似をした、
自分を大きく責めた。
 だが、眼鏡ははっきりと告げていく。
 
「甘えるのは、いい加減にしたらどうだ? それで…お前は、自分のした事の
全てが免除されるとでも思っているのか?あんな…他人の会社のデーターを
平気で盗み出すようなサイトを運営してしらばっくれて。
コイツから、被害者面して責め続けて…全てを奪った上に、自殺寸前にまで
追い詰めて。お前が音楽を紡げなくなったのも、お前が…自分の心と
向き合わなくなったからだろ?

俺は創作など手がけた試しは学生時代の課題程度しかないから、上手く言えんがな…。
作品というのは、その人間の心の在り方や本心が…嘘偽りなく現れる。
だから己の心を向き合える人間だけにしか、本当に感動させる力が
あるものは生み出せない。
 そんな事を誰かが言っていたという記憶はある…。
お前が、音楽を紡げなくなったのは…所詮、お前にとって音楽がその程度で
しかなかったという証であり。その罪をまた、こいつに押し付けているだけに
過ぎないんじゃないのか…? 本当に失くせないものなら、何が何でもしがみついて…
苦しくても、人は手放さないものだろうが…!」
 
 そう強く訴えていきながら、眼鏡はしっかりと克哉を抱き締めていく。
 その言葉に重みが宿っているのは、彼にとって…今は失えないものが
出来たからだ。
 それがもう一人の自分である、という事実は正直苦笑したくなるが…
苦しくても、何でも彼は…克哉を手放せなかった。

 いつか、こうして太一と敵対することになっても。
 その背後にいるヤクザも一緒に敵に回す事になって自分の命が
危険に晒されても。
 本気で求めているものなら、どうして手放せるというのだろう…!
 覚悟して、本気でそれを手放すまいと決めている者と…自分の弱さに
向き合えず、その心を闇に落としてしまった者。
 その両者が向き合って…弱さに負けてしまったものが、勝てる筈がない。
 だから…どうしようもない憎しみが、胸の中に生まれていく。
嫉妬という強い感情を伴って…!
 
「黙れぇぇ! もうそれ以上…言うなっ!」
 
 もう、この男の言葉を聞いていたくなどなかった! 
 自分の中の弱さを、克哉がどうして自分を選んでくれなかったのか
その理由をまざまざと突きつけられてどうしようもない胸の痛みが
太一を苛んでいった。
 たった今、自分の配下達にも見切られて、愛しい人まで失って。
どうして…それで真実まで突きつけられなければならないのか。
それらが、せめて一つ一つ…順番に来たのならば、まだ太一とて
向き合えたかも知れない。立ち向かえたのかも知れない。
 けれど僅か数日の内に一気に押し寄せて来た事で、対処しきれなかった。
苦しくて苦しくて、どうにか逃れる為についに感情的な行動に出てしまっていた。
 
「もう、聞きたくない!! 黙っていろぉぉぉ!!」
 
 そうして、太一はついに引き金に力を込めた状態で…克哉達に向かって銃口を
しっかりと向けてしまっていた。
 人は、時に人を傷つけたり殺めたくなる衝動に駆られる瞬間がある。
 どれだけ善人の中にも、必ずそのような暗い一面は潜んでいる。それが真理だ。
 だが、実際にそれを実行に移すものと、寸前で踏みとどまる人間との
決定的な違いは何か。
 
 ―それは人との繋がりなのだ。
 
 大事な人間、恋人でも友人でも家族でも…大切に思っている属している
場所のどちらかがあれば、それらを失いたくない。
 壊したくないとストッパーが掛かって人は過ちを犯さずに済む。
 だが、太一はそれを失った直後だった。
 いや、実際は失っていないのだが…彼はまだ、冷静になりきれていなかった。
 全てを失ったという絶望に取りつかれた状態だった。
 だから制御がつかなかった。感情のままに行動し、ついに実行に出てしまった。
 
「…危ないっ!」
 
 眼鏡はいち早く、太一の尋常じゃない状況を察した。
 だから反射的に、腕の中にいた克哉を力任せに突き飛ばして安全な
位置へと追いやっていく。
 
(ちくしょう…間に合うかっ…!)
 
 そして、彼は反射的に手の中のベレッタM92を構えていく。
 互いに銃口を向け合い、真っ直ぐに相手だけを見据えていった。
 
「嫌だぁ! 二人共…止めてくれぇぇぇ!」
 
 自分にとっては、太一も…眼鏡も、本気で愛しい人間だった。
 確かに、自分は太一の所有物ではない。
 ずっとそれは否定し続けているが…胸の中に確かに、今も大切に想っている
気持ちを抱いている人間なのだ。
 同時に、眼鏡は今の克哉にとって欠かすことの出来ない存在なのだ。
 その二人がいがみ合い、殺しあう場面など見たくない…だから止めようと
その間に割り込もうと起き上がった瞬間。
 
パァァァァン! パァァァァン!
 
 二発の銃弾が、その場に同時に響き渡っていった。
 目の前で起こった出来事のせいで、時間が止まったかのような…
錯覚を受けていく。
鮮やかに、二人から…あの桜の日のように、鮮やかな血飛沫が舞い散る。
茜色の光が舞い込んでくる中、その鮮血が飛び散る様はあまりに…
残酷なまでに綺麗過ぎて、怖すぎて言葉を失っていく。
 
「嘘、だろ…! 嫌だぁぁぁ!」
 
 克哉は耐え切れずに絶叫していく。
 そう、その銃弾は…片方の胸を、確実に貫いていた。
 見る見る間にその相手の胸が…血で、汚れていく様を見て…。
 克哉は、反射的にその相手の元へと全力で駆け寄っていったのだった―
 
 

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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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 …一言報告して貰えると凄く嬉しいです。
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