鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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※とりあえず前半部分だけです(><)
最初書いていたのはダラダラと長くなってすっぱり切って、自然な流れに
なるように修正しました。
眼鏡×御堂ものなので苦手な方は気をつけて下さいませ(ペコリ)
―佐伯克哉と結ばれて晴れて恋人同士となり、一緒に新会社を起こして
公私共に掛け替えのないパートナーとなってから最初のクリスマスが訪れ
ようとしていた。
だが、その日…御堂孝則は極めて不機嫌そうな表情を浮かべながら
アクワイヤ・アソシエーションの玄関を一人、出て行っていた。
―本日はクリスマスイブ。恋人がいる身なら、本来なら
ウキウキしながら過ごしている記念日の一つである
紆余曲折を得て、克哉と恋人同士になった。
普段は新しい会社を更に発展させようと二人で必死になって働いている
おかげで月に何度か、恋人としての時間が持てれば良い方だった。
…対等でありたいという願いを抱いて、彼の傍にいるのだ。
その点で不満を覚えた事はない。
だが、恋人同士ならクリスマスぐらい…一緒に過ごすべきでは
ないのだろうか?
12月24日、イブの日…いつもは言われなくても夜八時くらいまでは
必ず残って仕事をこなしている男が…18時を回る頃にはさっさと退社
してしまっていた。
(あの男は…本当に、何を考えているのかまったくわからない…!
好き勝手に抱きまくる癖に、滅多に好きとか愛してるとか言わないし…
こちらを振り回すだけ振り回して、説明がなかったり…そんな事
ばかりじゃないか…!)
相手が一足先に退社したぐらいで、こんなに憤っている自分の器は
もしかしたら狭いのかも知れない。
だが、どこかで克哉が誘ってくれるだろうという期待を持っていただけに
御堂の落胆はかなり深かった。
一言でも、何か用事があってとかそういう説明があったのならば…
こんな気持ちにならなかった。
だが、今夜…クリスマスの日でさえも、あの男は何も言ってくれなくて。
恋人同士になってから最初の聖夜であるだけに、御堂は少しイライラ
ムカムカしていた。
「ったく…あの男は! せっかく私が今夜は奮発して、とっておきの
ワインを購入して備えていたというのに…!」
自分の車に乗ろうと駐車場へ向かう途中、つい大声で叫んで
しまっていた。その瞬間に鳴り響く着信音。
それを聞いて、思わずぎょっとなっていった。
…御堂は着信音を聞いた時点で、すぐ誰から掛かって来たのかを
判りやすくする為にグループごとに音楽を変えていた。
そして今…流れているメロディは、克哉専用に設定してあるものだった。
「…佐伯から、電話が…?」
ぎょっとなって、御堂は慌てて携帯のディスプレイを眺めていく。
そこには間違いなく…『佐伯克哉』からの電話番号と名前が
表示されていた。
「あいつからか…?」
と思うと、慌てて電話を取ってしまっている自分がいた。
「もしもし! 克哉か?今、どこにいるんだ?」
自分の車の前で思わず電話に向かって問いかけていく。
そこからは克哉の低く掠れた声音が確かに聞こえて来ていた。
『こんばんは御堂…しかし、今夜のあんたは随分と不躾なものだな。
いきなり…挨拶よりも先にどこにいるかを聞くなんて、無粋なんじゃ
ないのか…?』
「悪かったな…だが、今夜は私に何も言わないで黙って君が
帰ったりとかするのが悪いんだろうが…。今夜が何の日か、
一応…君は判っているだろう」
自分がまさか、こんなに女々しい事を口にする日が来るだなんて
予想もしていなかった。
かつてMGNで出世街道の軌道に乗っていた頃の御堂には
付き合っている相手がいるからと言って記念日の類もクリスマスも年内行事も
あまり関係ないに等しかった。
仕事が忙しくて脂が乗っている男なんてものは大抵そんなものなのだが
特に相手の誕生日とクリスマスの日は比重率が高くて、会う時間を
捻出しないと、拗ねられたり喚かれたりして面倒くさいことも多くて
辟易していたぐらいなのだ。
咎めるような口調になってしまっている自分に、御堂は歯噛みを
したくなった。
『あぁ今夜はクリスマスイブだな…恋人たちにとっては疎かに
出来ない行事の日だが…それが何か?』
「…そうか、ちゃんと君は判っていたのか…」
相手の言葉を聞いて、心が少しヒリリと痛んだ気がした。
『あぁ、判っている。だからあんたと掛け替えのない一時を過ごそうと
一足先に出向いて待っているんだが…』
「…何だと?」
相手の予想外の言葉に、御堂は軽く瞠目していった。
だが…同時に凄く嬉しくもあった。
彼が本日、早くに帰った理由…それは聖夜である事も
自分の事をすっかり頭から抜け落ちていたからではなく…
それに相応しい場所を確保する為だったのなら、溜飲が下がる
思いがしていった。
『あんたが来てくれるのを待っている…今から場所を伝えるから
其処まで来てくれ。…目印は…』
そうして男は、御堂が予想もしていなかった場所を口頭で
指定していった。
ホテルや、レストランとか…夜景が綺麗なスポットというのなら
理解出来るが、聖夜に其処を選んで来るとは思ってもみなかった。
聞き終わった後、御堂はポツリと呟いていった。
「…君のいる場所は理解した。だが…今夜、其処を選んだ理由は
一体何なのかだけ聞いても良いか…?」
『…孝典、夜は短いんだ。あまり益のない会話でダラダラと
過ごしていたらあっという間に今夜は終わってしまうぞ…?』
「…判った。とりあえず君の指示に従って現地の方へと向かおう。
だが、後で必ず君の考えなりを私に伝えて貰うからな…」
少しだけ硬い声音でそう相手に伝えていくと、相手が電話の向こうで
喉の奥で笑っているような気がした。
それがまた少々腹立たしかった。
『あぁ…あんたがここに到着してくれるのを首を長くして待っているぜ。
それではまた後でな…孝典』
そう呼び捨てにしながら自分の名を呟くと同時に…相手からの通話は
プツっと切れていった。
(お前は…言いたい事だけ言って、あっという間に切るのか…本気で
身勝手な男なものだな…!)
思いっきり受話器を強く握り締めながら、御堂は少し引きつったような
表情を浮かべて心の中で訴えていった。
一体自分はどれだけあの男の気まぐれや突発的な行動に
振り回されなくてはいけないのだろうか。
そんな事を考えつつも、御堂は一旦思考を切り替えて自分の車へと
乗り込み…指定された場所へと向かっていった。
「…どうして、今夜にそんな所を…」
相手の意図が判らず、疑問げに呟いていきながら…御堂はまっすぐに
克哉から指示された内容を忠実に守っていく。
「…まあ良い。とりあえず向かおうとしよう。直接会ってあいつの考えなり
行動なりを理解しなければならないだろうしな…」
そういって車を発進させて、御堂は一人…目的地へと向かっていく。
そこで果たしてどんな事が起こるのか、まったく予想もせずに…。
そして御堂はある意味、一生忘れられない出来事を体験する事と
なっていったのだった―
最初書いていたのはダラダラと長くなってすっぱり切って、自然な流れに
なるように修正しました。
眼鏡×御堂ものなので苦手な方は気をつけて下さいませ(ペコリ)
―佐伯克哉と結ばれて晴れて恋人同士となり、一緒に新会社を起こして
公私共に掛け替えのないパートナーとなってから最初のクリスマスが訪れ
ようとしていた。
だが、その日…御堂孝則は極めて不機嫌そうな表情を浮かべながら
アクワイヤ・アソシエーションの玄関を一人、出て行っていた。
―本日はクリスマスイブ。恋人がいる身なら、本来なら
ウキウキしながら過ごしている記念日の一つである
紆余曲折を得て、克哉と恋人同士になった。
普段は新しい会社を更に発展させようと二人で必死になって働いている
おかげで月に何度か、恋人としての時間が持てれば良い方だった。
…対等でありたいという願いを抱いて、彼の傍にいるのだ。
その点で不満を覚えた事はない。
だが、恋人同士ならクリスマスぐらい…一緒に過ごすべきでは
ないのだろうか?
12月24日、イブの日…いつもは言われなくても夜八時くらいまでは
必ず残って仕事をこなしている男が…18時を回る頃にはさっさと退社
してしまっていた。
(あの男は…本当に、何を考えているのかまったくわからない…!
好き勝手に抱きまくる癖に、滅多に好きとか愛してるとか言わないし…
こちらを振り回すだけ振り回して、説明がなかったり…そんな事
ばかりじゃないか…!)
相手が一足先に退社したぐらいで、こんなに憤っている自分の器は
もしかしたら狭いのかも知れない。
だが、どこかで克哉が誘ってくれるだろうという期待を持っていただけに
御堂の落胆はかなり深かった。
一言でも、何か用事があってとかそういう説明があったのならば…
こんな気持ちにならなかった。
だが、今夜…クリスマスの日でさえも、あの男は何も言ってくれなくて。
恋人同士になってから最初の聖夜であるだけに、御堂は少しイライラ
ムカムカしていた。
「ったく…あの男は! せっかく私が今夜は奮発して、とっておきの
ワインを購入して備えていたというのに…!」
自分の車に乗ろうと駐車場へ向かう途中、つい大声で叫んで
しまっていた。その瞬間に鳴り響く着信音。
それを聞いて、思わずぎょっとなっていった。
…御堂は着信音を聞いた時点で、すぐ誰から掛かって来たのかを
判りやすくする為にグループごとに音楽を変えていた。
そして今…流れているメロディは、克哉専用に設定してあるものだった。
「…佐伯から、電話が…?」
ぎょっとなって、御堂は慌てて携帯のディスプレイを眺めていく。
そこには間違いなく…『佐伯克哉』からの電話番号と名前が
表示されていた。
「あいつからか…?」
と思うと、慌てて電話を取ってしまっている自分がいた。
「もしもし! 克哉か?今、どこにいるんだ?」
自分の車の前で思わず電話に向かって問いかけていく。
そこからは克哉の低く掠れた声音が確かに聞こえて来ていた。
『こんばんは御堂…しかし、今夜のあんたは随分と不躾なものだな。
いきなり…挨拶よりも先にどこにいるかを聞くなんて、無粋なんじゃ
ないのか…?』
「悪かったな…だが、今夜は私に何も言わないで黙って君が
帰ったりとかするのが悪いんだろうが…。今夜が何の日か、
一応…君は判っているだろう」
自分がまさか、こんなに女々しい事を口にする日が来るだなんて
予想もしていなかった。
かつてMGNで出世街道の軌道に乗っていた頃の御堂には
付き合っている相手がいるからと言って記念日の類もクリスマスも年内行事も
あまり関係ないに等しかった。
仕事が忙しくて脂が乗っている男なんてものは大抵そんなものなのだが
特に相手の誕生日とクリスマスの日は比重率が高くて、会う時間を
捻出しないと、拗ねられたり喚かれたりして面倒くさいことも多くて
辟易していたぐらいなのだ。
咎めるような口調になってしまっている自分に、御堂は歯噛みを
したくなった。
『あぁ今夜はクリスマスイブだな…恋人たちにとっては疎かに
出来ない行事の日だが…それが何か?』
「…そうか、ちゃんと君は判っていたのか…」
相手の言葉を聞いて、心が少しヒリリと痛んだ気がした。
『あぁ、判っている。だからあんたと掛け替えのない一時を過ごそうと
一足先に出向いて待っているんだが…』
「…何だと?」
相手の予想外の言葉に、御堂は軽く瞠目していった。
だが…同時に凄く嬉しくもあった。
彼が本日、早くに帰った理由…それは聖夜である事も
自分の事をすっかり頭から抜け落ちていたからではなく…
それに相応しい場所を確保する為だったのなら、溜飲が下がる
思いがしていった。
『あんたが来てくれるのを待っている…今から場所を伝えるから
其処まで来てくれ。…目印は…』
そうして男は、御堂が予想もしていなかった場所を口頭で
指定していった。
ホテルや、レストランとか…夜景が綺麗なスポットというのなら
理解出来るが、聖夜に其処を選んで来るとは思ってもみなかった。
聞き終わった後、御堂はポツリと呟いていった。
「…君のいる場所は理解した。だが…今夜、其処を選んだ理由は
一体何なのかだけ聞いても良いか…?」
『…孝典、夜は短いんだ。あまり益のない会話でダラダラと
過ごしていたらあっという間に今夜は終わってしまうぞ…?』
「…判った。とりあえず君の指示に従って現地の方へと向かおう。
だが、後で必ず君の考えなりを私に伝えて貰うからな…」
少しだけ硬い声音でそう相手に伝えていくと、相手が電話の向こうで
喉の奥で笑っているような気がした。
それがまた少々腹立たしかった。
『あぁ…あんたがここに到着してくれるのを首を長くして待っているぜ。
それではまた後でな…孝典』
そう呼び捨てにしながら自分の名を呟くと同時に…相手からの通話は
プツっと切れていった。
(お前は…言いたい事だけ言って、あっという間に切るのか…本気で
身勝手な男なものだな…!)
思いっきり受話器を強く握り締めながら、御堂は少し引きつったような
表情を浮かべて心の中で訴えていった。
一体自分はどれだけあの男の気まぐれや突発的な行動に
振り回されなくてはいけないのだろうか。
そんな事を考えつつも、御堂は一旦思考を切り替えて自分の車へと
乗り込み…指定された場所へと向かっていった。
「…どうして、今夜にそんな所を…」
相手の意図が判らず、疑問げに呟いていきながら…御堂はまっすぐに
克哉から指示された内容を忠実に守っていく。
「…まあ良い。とりあえず向かおうとしよう。直接会ってあいつの考えなり
行動なりを理解しなければならないだろうしな…」
そういって車を発進させて、御堂は一人…目的地へと向かっていく。
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そして御堂はある意味、一生忘れられない出来事を体験する事と
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HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
鬼畜眼鏡にハマり込みました。
当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)
当ブログサイトへのリンク方法
URL=http://yukio0201.blog.shinobi.jp/
リンクは同ジャンルの方はフリーです。気軽に切り貼りどうぞ。
…一言報告して貰えると凄く嬉しいです。
当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)
当ブログサイトへのリンク方法
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…一言報告して貰えると凄く嬉しいです。
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