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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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  以前に書いた残雪を、改めて構成し直して再アップ
したお話。太一×克哉の悲恋です。
 1話と2話は以前にアップしたものの焼き直しですが…
3話目以降からは一からの書き直しになります。
 書き掛けで止まっている話の方は(不定期連載)の方に
あります。

 残雪(改) 
                  10

―自分の息子が愛情のカケラもなく一方的に陵辱されている光景に
父親は耐えられなかった

 夢、という形で息子に起こった事を疑似体験している最中…二人が
決別する場面を見て、男は耐えられなさそうに何度も歯軋りと
爪が手のひらに食い込むぐらいに激しく拳を握っている。
 そのせいで夢は一旦途切れて、男の目は虚ろに開いていく。

『…やはり、ご子息が犯されている場面の全てを見るのは精神的に
辛そうですね。やはり…此処はある程度、端折った方が良さそうですね…』

「あ、たり前だ…息子のこんな場面を見たいと思う親がいる訳、が…
ねえだろうが…!」

 弱々しい口調ながらも、激しい憤怒を顔に浮かべて男は
訴えていく。
 それを聞いて…Mr.Rは考え込んでいた。

『…ですが、この場面は佳境なのです。此処を見なければ救いの道に繋がる
もっとも重要な場面を見落とすことになります。…真実というのは知るのは
得てして辛いものです。…汚かったり辛い現実を直視する勇気がなければ…
痛みを必ず伴うものです…。貴方のその苦しみは、真相を知る為には
欠かせないもの…。別のカケラに差し替えることは可能ですが…それで
本当に宜しいですか…?』

 口調こそ相手を叱咤激励して励ましているように見えるが…ぼんやりした
視界の中で、太一の父ははっきりと見た。
 黒衣の男の口元に、こちらを嘲るような笑みが浮かんでいたことを。
 その表情を見た瞬間…男は腸が煮えくり返るような怒りが湧き上がって
くるのを感じていった。

「…チクショウ、見届けてやろうじゃねえか…! 太一が、俺の息子が
この後に救われるのを知っている…! なら、こんなクソみたいな場面でも
しっかりと見てやるさ…!」

『…判りました。なら、続きをお見せしましょう…。けれど、貴方の負担を少し
和らげる為に必要な場所だけにしておきますね…』

 男がにっこりと微笑んでいるのを見て、今の表情が挑発であった事に
ハっと気づいた。
 だが…その事で反論しようとしても、すでに脳裏に白いモヤが掛かった
ようになって…まともに舌も回らなくなっていく。

―男のいう通り、真実を知る事は時に激しい痛みを伴うことになる

 全てのものから背を背けて逃げれば確かに楽だろう。
 だが、そうやって逃げている限り、知りたいことは決して得られない。
 単純だがそれは真理でもあった。

(…太一、お前に起こった事を…俺は、見届けてやる…。お前がドブネズミのような
目をして腐っていた時に…何にもしてやれなかった分、せめてお前がどんな道を
辿ったのか…理解したいんだ…)

 それは親のエゴとも、愛情とも言い換えられる想い。
 その熱い気持ちを胸に抱いていきながら…太一の父親である喫茶店のマスターは
再び男の紡ぐ夢の中に堕ちていったのだった―

                      * 

 もうじき夜が明けようとする深夜の時間帯。
 苦痛なだけの行為を続けられている内に…窓の外は白く染まり始めていた。
 突き刺すような寒さと、行為によって望んでもいない熱が身体の奥に
生まれていくのを感じていた。
 太一は余裕なく何度目の絶頂になるか判らなくなりながら…一方的に
上り詰められていく。
 服を着ながら、ただ顔を見ることも甘い口付けを交わすこともなく…
好き放題に犯されるだけのセックス。
 ただ、相手の欲望と鬱憤を発散するだけの行為に嫌悪しながら…
今夜もいつものように一方的に蹂躙されていく。
 
「はっ…あっ…! くっ…!」

 激しく喘ぎながら、太一は上り詰めていった。
 それとほぼ同時に…相手の熱い精を身体の奥に感じて、嫌悪を
覚えていった。
 
(克哉さんと、同じ顔をしているのに…どうして、こんなに違うんだ…)

 そう感じていきながら、相手の精を受け止めて…ガクリ、と膝をついて
その場に崩れていった。
 これが最後の行為になるのだと…すでに判っていた。
 自分達の間にやはり何もなく、愛情のカケラも存在しないのだと改めて
思い知らされて…虚しいものが心の中に広がっていく。

「克哉、さん…」

 それでも太一が呼び続けるのは…もう一人の克哉の方だった。
 決して今、自分を背後から抱いている男の方を彼が求めることはない。

「…お前はそれでも、あいつの方ばかり…求めるんだな…」

「っ…?」

 だが、その瞬間…眼鏡の口から漏れたのは…いつもと響きが
異なる一言だった。
 この男から、こんなに悲しそうな声を聞いた事なんてなかった。
 その事に違和感を覚えた瞬間…顎を強い力で掴まれて、強引に
後ろを向かされていく。
 アッと思った時にはすでに遅かった。
 相手から深く舌を差し入れられて…今度は口腔が犯されていく。
 
(てめえと、キスなんてしたくねぇよ…!)

 心の中で強い反発を覚えていきながら、身体に力がまったく入らない
状態なので…早く終われと念じていきながらそれを受け止めていく。
 だが、何かがいつもと違った。
 男はたまにこちらにキスしてくることがあったがそれはいつもこちらを
屈服させるだけのものだった。
 だが…初めて、何かそれ以外のものを感じさせる口付けをされて
太一は…軽く混乱していく。

(いつもと、何か…違う…?)

 優しさのようなものを感じて、混乱しかけていくと…。

「さよなら…太一…」

「っ…!」

 一瞬だけ、憎い筈の男の表情に…愛しい人と同じ儚い微笑を見て、
太一は言葉を失っていったのだった―

                        
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※これは3月10日の御堂さんの日関連の連載です。
 御克の甘々なので、ご了承下さいませ~(ふかぶか~)

 高ぶった克哉の下肢から全ての衣類を引き抜いていくと…
ペニスも、後蕾もすっかり…ヒクついて淫らに揺れていた。
  御堂の視線が、己の浅ましい場所にしっかりと向けられて
いるのに気づくと、克哉は顔を真っ赤にしながら…甘い涙を
瞳に湛えていく。

「御堂さん、見ないで下さい…っ!」

 この三ヶ月で、嫌っていう程抱かれている。
 克哉の全身で御堂に見られていない場所も触れられていない箇所も
最早どこにも存在していない。
 それなのに、セックスの度に血管が焼き切れそうな程に恥ずかしくて
仕方なかった。

「…君のここは、こんなにも浅ましく私を求めているのにか…っ」

「言わ、ないで…っ」

 顔をそっぽ向けながら、必死に羞恥で首を横に振っていく
克哉の姿は御堂にとっては壮絶に可愛らしく映った。
 もうすでに散々抱いている。
 週末の度に必ず身体を重ねているのに…未だに飽きる気配がないのは
こういう時の克哉の反応が、変わらずウブなものだからだろう。
 彼の反応を見て、御堂の雄が激しく揺さぶられていく。
 彼の先走りが絡まった指を容赦なく突き入れて、やや性急に其処を弄っていく。
 まだ硬さが残っている其処を、傷つけない程度の強弱をつけていきながら
己を受け入れさせる為の準備をさせていく。

「克、哉…」

 熱っぽい口調で、愛しい相手の名前を呟く。
 その一瞬だけ、普段怜悧で滅多に感情を移さない御堂の紫紺の瞳が
激しい情欲に煌いていく。
 肉食獣のような、鋭い眼差し。
 その視線に…中まで深く犯されてしまいそうだった。

「あっ…はぁ…ふっ…ぁ…」

 熱に浮かされたように、克哉が甘い声で啼き続ける。
 御堂の視線を感じる度に、背筋がゾクゾクと粟立つようだった。
 お互いに相手が欲しくなって、荒い呼吸を繰り返していく。
 御堂の指が脆弱な場所を幾度も攻め立て、克哉を強引な手管で
自分の腕の下で花開かせていく。
 彼の指が蠢くたびに、克哉の身体は跳ねて…更に朱を帯びていく。
 その姿はまるで花が色づいていくようだった。

「綺麗、だな…こういう、時の君の肌は…」

「そ、んな…事、ないです…!」

 言われる賛辞の言葉も、快楽と羞恥を高めるだけに他ならない。
 そうして、指がようやく引き抜かれていくと…いきり立っている性器を
アヌスに宛がわれて、大きく足を開かされていった。

「抱くぞ…」

「は、い…」

 そんな短いやり取りだけを交わし、強引に克哉の中に押し入っていった。
 いつだって、恋人関係になってからは…御堂のペニスは本気で
熱くて、受け入れている箇所が火傷してしまいそうだった。
 ビクビクビク、と相手のモノが自分の体内で…大きく痙攣を
しているのを感じていく。
 最奥まで入られて、克哉の心拍数は更に激しく跳ね上がっていく。
 そんな中で、また…深く唇を塞がれていった。

「克哉、もっと…君を…」

「はい、オレも…貴方、を…」

 お互いにいつの間にか、恋に狂ってしまっていた。
 こんな風に熱に浮かされながら、こんなにも強く誰かを求めたことなど
今までの人生になかった。
 両者とも相手の身体をきつく掻き抱いていく。
 もう、声が漏れてしまうとか…ベランダの太陽光が差し込んでいるとか、
そんな事などどうでも良くなって来ていた。
 いや、多少は気にする気持ちも強い羞恥も存在している。
 けれどそれ以上に、この人が欲しくて仕方ない。
 克哉は掠れた声で、必死になって大好きな人に伝えていく。

―欲しくて、仕方ありません…

 その一言が囁かれた瞬間、御堂の理性などもう一欠けらも
残っていなかった。
 相手を壊さんばかりの勢いで激しく突き上げ、抽送を繰り返していく。
 お互いのリズムを合わせながら、グチャグチャとお互いの粘膜が
絡み合う音と、克哉の断続的な喘ぎ混じりの声が室内に響いていった。

「あっ…ぁ…はぁ…ん、んんっ…」

 それでもいじらしく、声を殺そうと努めている姿が…また可愛かった。
 けれどそんな枷も、いっそ粉々に砕いてやりたくて…御堂は激しく
腰を使い続けていく。
 こんな真似、自分でも正気の沙汰ではないという自覚はあった。
 けれど、もう止めてやる事など出来ない。
 だから…自分の指をそっと克哉の口元に宛がっていく。

「…声を出したくないなら、噛めば良い…」

「っ…!」

 一瞬、克哉の瞳が大きく揺れた。
 だが…彼もこれ以上は声を殺す自信がなかったのだろう。
 躊躇いがちにその瞳が揺れたと同時に、言われた通りにその指を
噛んでいく。
 途端に克哉のあえかな声は、くぐもったものに変わっていった。
 同時に、御堂の腰使いも強烈になって…最早、止めることなど
困難になっていた。

「出来るだけ、声を殺しながら…私を、感じろ…克哉…」

 熱っぽい口調でそう告げながら、頂点を目指すように…早く
忙しく克哉の内部を掻き回していった。
 その瞬間、克哉は…快楽の涙を浮かべていきながら、愛しい人の
指先をねっとりと甘く舐めながら、コクンと頷いていき…。

「ぁ…ぅ―!!」

 声にならない悲鳴を挙げていきながら、御堂とほぼ同時に昇り詰めて
いったのだった―


 

 
 ※これは3月10日の御堂さんの日の企画作品です。
 御克の甘々なので覚悟しておいて下さい(ペコリ)

 自分の肌に御堂の掌が這わされている間、克哉は必死になって
声を殺していった。
 相手の指先がこちらの胸の突起をつまみ、こねくり回しながら
甘い快感を与えてくる。
 けれど僅かに開かれているガラス戸が、声を出したらこのマンションの
他の住人に聞かれてしまうかも知れないという羞恥心が…いつものように
感じたままに声を出すことを阻んでしまっていた。

(御堂さん、意地悪…意地悪だー!)

 心の中でそんな言葉ばかりがグルグルと巡りながら、必死になって
瞼をぎゅっと閉じてその感覚に耐えていく。
 御堂はすっかりシャツを完全に捲り上げて、胸の周辺に執拗な愛撫を
与えながら…胸板全体を唇で啄ばんでいた。
 昨夜に引き続いて、胸の周辺に…所有の証が幾つも刻み込まれるのを
感じて、その度にビクビクと肩を震わせていく。

「ぁ…ぅ…」

 片手で口元を覆っても、それでも強い刺激を与えられれば微かな
喘ぎの声は漏れてしまう。
 異常な緊張感に晒されてしまっているせいだろう。
 ズボン生地の下では異常なぐらいに硬く己の欲望が息づいている。
 早く其処に触れられたいという率直な欲求と、その部位に強烈な
刺激を与えられたら果たして自分は声を抑えられるだろうかという
期待と不安の両方の気持ちが、克哉の中で渦巻いていた。

「ほう、結構頑張るじゃないか…? それなら、ここはどうだ…?」

「っ…!むっ…くっ…」

 御堂の手が、生地の上からギュっと強めに性器を握り込んでいく。
 とっさに唇を噛んでその衝撃に耐えていったが…早くも彼の掌で
浅ましく自分の欲望が息づいているのが判った。
 
(生地の上からだと、少しもどかしい…)

 すでに散々抱かれて、直接御堂の整った指先で触れられる鋭い快楽を
知ってしまっているせいか、ねだるように勝手に腰が蠢き始めていく。
 けれど、声を出したくはないが身体は勝手に快楽を求め始めている。
 その事実に、己の浅ましさに…克哉は耳まで真っ赤に火照らせていく。

「…どうした? 物凄く顔が赤いぞ…? 克哉…?」

「貴方、が…こんな風に、触れるから、じゃないですか…」

 克哉は泣きそうな表情を浮かべながら、言葉も絶え絶えに告げていく。
 けれど御堂は愛しい相手のその表情に、背筋がゾクゾクする程…自分の
嗜虐心が満たされていくのを感じていた。
 克哉は可愛い。だからいつも笑っていて欲しいという慈しむ気持ちも
あれば…同時に、自分の腕の中で喘がせてどこまでも啼かせたいという
凶暴な欲求を感じてしまう時がある。

「そうだな…君は、私に少し触れられるだけでこんなにも乱れて
しまうぐらいに…淫らな身体をしているからな…」

「そ、んな…事、はっ…! んんっ…!」

 克哉が反論している間に、御堂の手はスルリとフロント部分を寛げさせて
彼の欲望に直接触れ始めていった。
 痛いぐらいに張り詰めているペニスの先端を、早くも滲み始めている
先走りを塗りこめるようにしてくじき始めていく。
 ヌチャ、という微量な水音を響かせながら弄っていってやると…更に
克哉の顔は紅潮して、呼吸を乱していく。

「…ぁ、はっ…やっ、御堂、さん…やっ…」

「何が嫌、何だ?こんなに…君のモノは私の手の中で悦んでいると
いうのに…?」

 クスクスクス、と愉快そうに微笑みながら御堂は相手がもっと
感じるように…徐々に扱き上げる手の動きを早めていく。
 その度に克哉の先端から溢れる先走りの量は更に増えていって、
グチャグチャ…という淫靡な音が部屋中に響いていった。

「やっ…音が、凄く…大きく、聞こえて…!」

 実際の音量は、他の部屋にいるのならそれは微かで小さなものに
過ぎないのかも知れない。
 しかし身体に火が点いてしまっている状態では、憤死してしまいそうなぐらいに
その音は恥ずかしくて仕方なかった。
 喘ぎを殺していても、その水音を他の住人が聞きつけてしまうかも知れない。
 そんな不安が、うっすらと克哉の瞳に涙を浮かべさせていって…
忙しく胸元を上下させていく。

「これぐらいの音なら、大丈夫だ…。ただ、君がこれから先…大きな声を
出してしまったら…判らないがな…?」

「っ…言わ、ない…で…」

 ククっと喉の奥で笑いを噛み殺しながら、耳元で吐息を吹き込むように
そんな挑発的な言葉を呟いていく。
 そのままカリっと耳朶に歯を立てていくと、ビクリと克哉の全身が
大きく跳ねていったので…満足そうな表情を浮かべていく。

「君は本当に…愛、らしいな…」

 心からそう思いながら、早く一つになりたい欲求を強烈に抱きながら
御堂は…性急な動作で、克哉のズボンを脱がし始めていった―



 

 ※これは3月10日の御堂さんの日の参加作品です。
 御堂×克哉で甘いバカップルものなので、ご了承の上で
お読みください。終わり次第、他の連載物に手をつけます…(汗)
 時期ものなので、一応これを今は優先させて貰います~。

  朝食を食べ終わると、克哉は片付けと洗濯物を干しに…
御堂はリビングで、ゆったりと本日の新聞に目を通しながら
過ごしていた。
  リビングから繋がる、ベランダの向こうには快晴の空が広がっている。
  まだ3月の初旬のせいか…気温は若干低めだが、ポカポカと
暖かい日光が注いでいるおかげであまり寒くは感じられない。
 そんな中で、恋人がかいがいしく交換したばかりのシーツ等を
干している姿を何気なく眺めていく。

(…たまにはこういう一時も良いものだな…)

 パラリ、とまた新聞のページを捲っていきながら必要な情報を拾っていく。
 自分の為に甲斐甲斐しく動いてくれる克哉を眺めながら、こういう穏やかな
時間を紡ぐのは悪くなかった。
 付き合い始めの頃は、一緒にいる時間は殆ど抱き合って過ごしていたが…
時を重ねるごとに、それ以外の時間も混ざり始めていく。
 克哉は鼻歌を歌いながら、ベランダで洗濯物を干している。
 それは所帯じみた光景であったが、幸福な日常の一幕とも取れる場面だ。
 パラ、パラ…と新聞を捲っている合間、御堂はとても幸せそうな
表情で恋人のそんな光景を見守っていく。
 ふと、こちらの視線に気づいたのだろうか。
 克哉が御堂の方を振り返っていくと、瞬く間に恥ずかしそうに頬を染めていく。
 それから、少ししてモジモジしたような動作になっていくが…それでも
洗濯物を干す作業を続けていった。

(恐らく私に見られていると気づいて、照れているんだな…まったく、克哉は
そういう所が可愛くて仕方ないな…)

 ククっと喉の奥で笑いながら、今度は新聞ではなく…ただ克哉だけを真っ直ぐに
見つめていった。
 視線を向けられていることに気づいているのだろう。時折、チラチラとこちらの
様子を伺っていたが…それを何度も振り払いながら、指先を震わせて大きな
シーツのシワを伸ばして、丁寧に干し続けた。
 彼が泊まった場合、キングサイズのベッド用のシーツの交換は必須だ。
 一応、最初の頃は週末明けに纏めてマンションの洗濯サービスを利用していたが…
それを不経済ですから、と言って彼が干すようになったのはつい最近の事だ。
 高校生のカップルのように、無我夢中にセックスを一日中し続けるのも良いが、
こういう平穏な日常の一時を共に過ごすようになるのも悪くなかった。
 どうにか彼が全ての洗濯物を干し終えて、リビングに足を踏み入れていくと
その表情はどこか拗ねたものになっていた。

「…ずっと、オレのことなんて見ていなくたって良いじゃないですか…。そんなに
面白いんですか…?」

「あぁ、面白い。私の視線を感じて、照れている君の姿は可愛かったぞ」

「…もう、今日…御堂さんは何回、オレのことを可愛いって言っているんですか!
そんな風に言われるの、本当に恥ずかしいですから止めてくれませんか…?」

「…それは無理だな。私は率直な感想を述べているだけだからな…克哉…」

「うわっ!?」

 ゆっくりと克哉がこちらの方に歩み寄ってきている最中、身体を起こせば
彼の方に手が届く圏内まで来た途端に、御堂は…彼の腕を強引に掴んで
自分の腰掛けているソファの上へと引き寄せていった。
 ドスン、と大きく音を立てて彼の身体が革のソファの上に沈んでいく。

「せっかくの休日だ。一仕事終わったのなら…私の傍で過ごすと良い…」

「あ、は…はい…んっ…」

 御堂が間髪を入れずに、克哉の目元に小さくキスを落としていくと…狼狽したように
瞳を何度も瞬かせながら、頷いて見せた。
 それから相手の頬から、耳の後ろの周辺に指先を這わせてツウっとなぞりあげて
いくと…目をキュっと伏せて、何かを堪えているような表情になっていく。
 その一挙一足がともかく愛らしく感じられて仕方ない。

(本当に…初心な反応ばかりするな…。見ているとどんどん、からかいたくなって
仕方なくなってくる…)

 本人に自覚はないだろうが、彼の反応の一つ一つが御堂の嗜虐心を時に刺激して
ひどく意地悪したい心境に陥ってしまう。
 同時に慈しんで、どこまでも可愛がりたい。
 少々矛盾した二つの思いがない交ぜになっていくのを感じながら…御堂はそっと
克哉の肩を抱いて、そっとソファの上で寄り添っていった。
 この体制だと、相手の顔は…近づけていかないとあまり見えない。
 けれど身体が硬くなっているのと…相手と触れ合っている箇所から、相手の脈動が
荒くなっているのに気づいて…ついほくそ笑みたくなった。

「…緊張しているのか?」

「えっ…その、そんな…事は…」

 克哉は慌てて、その言葉に否定していくが…トクトクトクと忙しくなって
いる鼓動が、彼の心情を如実にこちらに伝えてくれている。

「嘘だな。君の心臓は…こんなに荒く乱れているのに…」

「あっ…それ、は…んぁ…!」

 御堂がスルリと手を滑らせて、シャツの上から相手の胸の周辺をそっと
なぞり上げていく。
 たったそれだけの刺激でも、過敏に克哉は反応して身体を揺らしていたので…
つい悪戯心が湧いて、胸の突起を軽く摘みあげていく。

「…何だ、もう感じているのか…? ここをもっと弄ったら、君はもっと…
私の腕の中で甘く啼くんじゃないのか…?」

「やっ…まだ、昼間です、よ…御堂、さん…っ!」

「関係はないな。朝でも夜でも、こうして…休日に、二人で寄り添っているのなら
欲しいと思った時に求め合えば良いだけだ…。自分の欲望に正直になれ、と何度も
君に言っている事だろう…?」

 そう言いながら、御堂は背後から克哉を抱きとめているような体制になり…
執拗に胸の突起を、両手で弄り続けていく。
 首筋に、御堂の唇と舌先を感じる。
 時折強く吸い上げられて、鋭い痛みが走った箇所を…甘く舌先で舐め上げられながら
胸を弄られている内に、克哉の思考はまたボウっと霞がかっていく。

「んっ…正直に、なっていますけど…あっ…けど、まだ…こんなに明るい、のに…」

 窓から、明るい陽光が差し込んでいる事実に…余計に克哉は羞恥を
覚えていった。
 さっき御堂が言った通り、昼間に求め合った事など今までに何度もあった事だ。
 けれど…同じ昼間でも、ベッドの上でのセックスと…それ以外の場所でするのとでは
心情的に大きな違いが出てしまう。

「…もしかして君は、太陽の下で抱かれるのは抵抗があるのか…?」

「は、い…同じ明かりでも、電灯と…日の光では、大きな違いがあると思います…。
それに、ベランダの戸も…」

 そうして、克哉はチラリとさっき自分が出てきたベランダのガラス戸の方へと
視線を向けていく。
 その扉は、御堂の視線を意識してしまっていたおかげで…少し注意力が散漫に
なってしまって、少し隙間が開いてしまっていた。

「あぁ、君の声は案外大きいからな…。一応、この部屋は防音設備がしっかり
しているが…少し隙間が開いていたら、どうなるか判らないな…」

「はい、その通りです…だから、その…せめてカーテンを引かせて…ガラス戸を
閉めさせて下さい…! それからなら、良いですから…!」

 克哉はジタバタと御堂の腕の中でもがいていきながら、必死に訴えていく。
 …しかし、耳まで赤くしてそう訴えている克哉は本気で可愛くて。
 相手の願いを聞き遂げてやりたい気持ちと共に、この状況を利用して
追い詰めて苛めてやりたい衝動も湧き上がっていく。
 しかし少し考えた後、御堂が出した結論は…。

「…却下だな。その方が色々と安全かも知れないが…そんな事を
している間に、こちらの興は削がれてしまいそうだ。…だから克哉、
出来るだけ声を押さえて良い子にしているんだぞ…?」

「えぇっ…?」

 御堂の思ってもいなかった返答に驚愕の声を漏らした瞬間、克哉は
目を大きく剥いていった。
 グリ、と臀部の周辺に熱い塊が押し当てられているのを感じて…体温が
一気に上昇していくのを感じていった。

「こ、これ…もう、御堂さん…こんなに…!」

「あぁ、そうだ。また君が欲しくなって反応している。…判るだろう…?」

「あっ、はっ…ん。判り、ます…」

 克哉は恥ずかしそうに俯きながら、頷いて見せた。
 それと同時に、ジタバタと暴れていたのが収まり…克哉が大人しく
御堂の腕の中に納まり始めていく。
 その事実に、男は満足そうに微笑みながら…。
 
「良い子だ…」

 そう呟きながら、ゆっくりと克哉のシャツのボタンを外し始めていった―

 

 ※これは3月10日の御堂さんの日にちなんだ作品です。
 御堂×克哉で甘くてイチャラブものです。
 付き合い始めて三ヶ月ぐらいの時期(丁度三月ぐらい)を
目安に書いております。ご了承下され。
 あれ…? 三話で終わりそうになくて、4~5話ぐらいの
長さになりそうな予感が…(ガタガタ)

 御堂がダイニングルームに足を向けると、食卓の
上にはホカホカと湯気を立てているトーストと目玉焼きが
二人分、綺麗に置かれていた。
 克哉はキッチンスペースの方で目まぐるしく動き回りながら
残りの食器類とコーヒーの準備をしている。
 
(愛しい恋人が私の為の朝食を用意してくれている光景というのも
なかなか良いものだな…)
 
 相手がチョコマカと自分の為に心を砕いてくれている場面というのも
気持ちが暖かくなった。
 心情的に、自分も手伝おうかという思いも湧いて来たがとりあえず
先に席に座って、相手が来るのを待っていく。
 皿の上に乗せられた目玉焼きの焼き加減は上々だ。
 
(随分と上達したものだな…最初に彼が作ってくれたものは
二個とも散々だったからな…)

 ふと、その形良く仕上げられた目玉焼きを見ていると付き合って
三週間ぐらいが経過した頃の出来事を思い出す。
 週末の朝に、いつものように克哉がこの部屋で目覚めた時…
彼の方から申し出て、朝食を作ってくれたことがあった。
 しかしキッチンにどんな調理用具や調味料があるのが説明する為に
自分が傍にいたら、どうやら緊張してしまい…結果、作った目玉焼きは
どちらも黄身の部分が破れてしまって、見た目が良くなかった。
 本人は綺麗に仕上げられたなかったことを物凄く気にしていたが…
ちょっと焼きすぎの部分があるぐらいで味にそんなに支障はなかったので
御堂はあまり気にしなかった。
 けれど、その時の凄くしょげた表情を思い出し…そんな他愛無い出来事の
一つすらも懐かしく思えてしまった。

「御堂さん、お待たせしました…。暖かいコーヒーの準備が出来ましたので
一緒に朝食を食べましょう」

 ふと、彼の方を振り返っていくと…軽く頬を赤く染めながら微笑んでいる
克哉の姿があった。
 何となく新婚っぽいやりとりだな、と感じた。
 彼とはこんな風に何度も朝を迎えている。
 けれど…今朝は、格別に克哉が可愛くて仕方なかった。
 思わず鼻の下が伸びそうになるのを必死に堪えて、いつもの余裕ありげな
微笑を浮かべていきながら頷いていく。

「そうだな…君が作ってくれた朝食を頂かせて貰おうか…」

「はい、是非。貴方に食べて貰いたくて作りましたから…」

 そうして瞳を細めながら、柔らかく微笑む克哉が可愛くて仕方なかった。
 しかしここで抱きしめたりなんてしたら、再び狼にならないでいられる
自信がまったくなかった。

(せめて朝食を食べ終わるまで耐えるんだ…私の理性…)

 肩をフルフルと震わせながら、御堂は必死に自分の理性と戦っていく。
 そうして、ようやく食卓に向き合いながら座って…食事を開始していった。
 ただ匂いを感じているだけでも、可愛い彼が作ってくれた朝食は…
食欲をそそるとても美味しそうな匂いを漂わせていた。

「頂くぞ、克哉…」

「はい、どうぞ召し上がって下さい」

 満たされたような笑みを浮かべながら、彼がそう告げてくると…御堂も
フッと瞳を眇めて、ナイフとフォークを手に取っていった。
 そうして手馴れた動作で、半熟の状態で焼かれた目玉焼きに
クレイジーソルトを振りかけて、綺麗にナイフで切り分けてトーストの
上に乗せていく。
 パンは齧ると、パリっと小気味良く音を立てていた。
 良い焼き加減で仕上げられていた証だ。
 そうして何度か咀嚼していって、率直な感想を漏らしていく。

「うむ、今朝の朝食はかなり良い出来だ。見栄えも味も上々だな…」

「…本当ですか? …ありがとうございます。御堂さんに気に入って
貰えたなら、作った甲斐がありました」

 こちらが味見をしている間、少し不安そうに曇っていた顔がパっと輝いて
元通りの笑顔を浮かべていく。
 そんな表情の一つ一つが、眩暈を覚えるぐらいに可愛らしい。

―あぁ、どうして君は表情や何気ない仕草とかがこんなに愛らしいのだろうか…!

 心の中でそんな事を叫びながらも、言葉や顔にはあまり出さないで
御堂はそのまま…心の篭った朝食を食べ進めていく。
 その間、至福に浸りながら…彼は、恋人が愛情を込めて作ってくれた品々を
全部綺麗に平らげていったのだった―
(注) これは3月10日の御堂さんの日企画に参加して
書いた作品です。しかも一日分(一話)じゃ終わらないので
2~3回に分けて掲載します。ご了承下され(ふかぶか~)
  とりあえずこれを十日分の掲載分に載せておきますね~

 ―君と恋人同士になって、私は随分と変わったな…

 克哉と正式に交際するようになってから三か月程度が
経過した、ある週末の朝…隣で眠る恋人の姿を眺めながら
しみじみと御堂は呟いていった。
 昨晩も例に漏れず愛し合ったので…二人とも、キングサイズの
ベッドの上で裸のままであった。
 無防備な寝顔を晒しながら自分の傍らで眠っている恋人を
心から愛しそうに見つめながら、御堂はそっと髪を梳いていってやる。

(このまま、起こすか否か…)

 窓の外は薄らと明るくなり始めて、そろそろ夜が明けようとしている。
 このまま暫くチョッカイを掛け続けていればきっと気配に敏感な
彼は目を覚ます事だろう。そうなれば…。

(…もう少し、寝かせておこう…。ここ最近は忙しくて私も克哉も
睡眠不足気味だったしな…)

 きっと、こうして触れ続けて…彼が目覚めていけば、自然と
求めあう流れになってしまうだろう。
 裸の彼がこうしてすぐ傍に眠っていると、また良からぬ欲望が
ムクムクと目覚めてしまいそうだが、今朝は辛うじて労りの心が
勝って、もう少しそっとしておいてやろうという気持ちになった。

「…私も随分と甘くなったものだな…」

 ごく自然にそんな言葉と、無自覚な微笑みが零れていく。
 彼を起こさないようにそっと、静かに自分の胸の方へと引き寄せて
いきながら改めて布団を掛け直し、そっとまどろみに落ちていく。

―もう少しだけこのままで…

 そう考えながら、相手の体温を感じ取ってそのまま瞼を閉じていく。
 可愛くて仕方ない恋人を腕の中に抱き込んでいった。
 相手の髪や肌の感触も、その匂いも全てが心地よかった。
 そうして御堂は、静かに…再び眠りに就いていった。

                     *

 それからどれくらいの時間が過ぎたのだろう。
 いつの間にか、傍らにあった克哉の温もりはなくなっていた。 
 その事に気づいた途端に、頭上から声が聞こえて来た。

「御堂さん…おはようございます。朝食を今、貴方の分も作った
んですけれど…起きれますか?」
 
「あぁ、大丈夫だ…」

 とりあえず起きてすぐの状態でも、相手の言っている言葉の内容は
理解出来たので頷いていくが、その瞳は寝起きだったせいか少しだけ
トロンとしたものになっていた。
 御堂のこんな隙のある姿は、滅多に見られないだけに克哉は
少しだけ嬉しそうな表情を浮かべながら、告げていく。

「…そんなに急がなくても大丈夫ですよ。まだ目玉焼きもトーストも
作ったばかりで熱いぐらいですから…。良かったら、洗面所で
顔を洗ってからダイニングの方に来て下さい…」

「うむ、判った。そうさせて貰うことにしよう…」

「…待ってます、ね…」

 そう呟きながら、克哉は御堂の頬に小さく触れていく。
 その指先の感触が心地よくて…こちらがそっと目を眇めていくと…
年下の恋人もまた満たされたような表情を浮かべていく。
 他愛無い、けれど…優しい一時。
 
「あぁ…だが、克哉…少し待ってくれ…」

「えっ…?」

 ふいに愛しさが胸の奥から湧き出て来て…御堂は唐突に、離れて
踵を返そうとしていた相手の腕をしっかりと掴んでいった。
 そのまま強引に引き寄せて、ベッドの方へと引き寄せていく。
 やや身体を大きく捩るような体制で相手を腰かけさせると…
御堂は強引に、自分の方へと引き寄せて唇を塞いでいく。

「っ…ぅ…!?」

 突然のことに、克哉は目を見開いて驚いていく。
 だが…彼が硬直して、軽くパニックになっている間に…御堂の
舌先は性急に入り込んできて、容赦なく歯列や、こちらに舌先を
甘く絡め取っていく。

「ふっ…ぅ…ぁ…」

 甘い声を漏らしていきながら、克哉はとっさに相手の剥き出しの
肩を掴んで、その甘美な快感に耐えていく。
 御堂の熱い舌がこちらの口腔を弄り、脆弱な場所を探り当てて
いく度に…その全身は小刻みに揺れて、ビクビクと震えていく。
 そんな仕草すら可愛らしくて、たっぷりと舌先を吸い上げていって
やると…Yシャツで覆われた相手の背中を、ゆっくりと背骨のラインを
辿るようになぞりあげていき…。

「んんー!」

 このままでは朝食を食べるよりも先に、こちらが食べられてしまうと
危機感を抱いた克哉は、必死になって御堂を振り払っていく。

「み、御堂さん…止めて下さい!」

 どうにか、脱出成功した頃には克哉の顔は真っ赤に染まってて
肩も荒く上下を繰り返していた。
 今の唐突なキスに、思いっきり狼狽しているようだ。
 そんな表情でさえも、御堂の心を大きく煽って止まなかったのだが。

「どうしてだ…? 私はただ、君が可愛くて仕方なくてキスをした
だけだぞ…?」

 相手のそんな反応が可愛くて、愉快で仕方なくて…意地の悪い
表情を浮かべていきながら御堂はクスクスと笑っていく。
 恋人の余裕たっぷりの態度に、克哉は少し悔しかったのだろう。
 ジト、と相手の方を見つめていくと…溜息交じりに呟いた。

「…御堂さんは、本当に意地悪です…。いつだって、そんな風に…」

「そんな風に、何だ?」

 至近距離で、相手の頬をソロリと撫ぜ上げていきながら問いかけて
いくと…更に頬を紅潮とさせながら、克哉が俯いていく。
 顔を伏せても、耳まで赤く染まっているのでその反応までは
隠しようがない。
 今の克哉は照れて羞恥を覚えていることが一目瞭然だった。

「…オレを、からかって…」

「それは仕方ないだろう。君が可愛い反応をするから…いけないんだろう…?」

 そうしている内に、もっと相手に触れて戯れたい衝動に駆られて、
狼のような表情を浮かべながら顔を再び寄せていく。
 克哉は一瞬、それに呑まれて硬直していったが…すぐに正気に戻って
慌ててその腕の中から飛び出していった。
 
「み、御堂さん! 朝食が冷めてしまいます! せっかく暖かいのを
用意したんですから…一度、起きてダイニングに来て下さい!
 このままだと、絶対にいつものパターンになってしまいますから…!」

 克哉は大きく声を上ずらせながら、大慌ての様子で捲し立てていく。
 こちらのチョッカイに大きく動揺しているのが一目瞭然だった。
 その反応に、御堂が喉の奥でククっと笑いを噛み殺していくと…それで
一層、居たたまれない気持ちになったのだろう。
 ム~と小さく唸りながら、相手を軽く睨んでいった。

「あぁ、判った。それなら君の愛情がたっぷりと籠った朝食を
戴きに向かうとしようか…」

「もう! そんな言い回しをわざわざしないで下さい…!聞いている
こっちが恥ずかしくなりますから…!」

 羞恥のあまりに御堂の一挙一足、一言一句に過剰に反応してしまう。
 自分でもみっともないぐらいに動揺しているのを自覚してしまって
克哉はつい、大声になってしまっていた。

「事実だろう?」

「そ、そうなんですけど…! じゃ、じゃあ…コーヒーとかも
今から準備をしておきますからすぐに来て下さいね! じゃあ…!」

 そういって、慌てて別の口実を作って脱兎の勢いで克哉は
キッチンの方へと消えていった。
 恋人の姿が自分の寝室から消えると、御堂はつい…口元を
綻ばせてしまっていた。

「まったく…本当に君は可愛くて仕方ないな…」

 そんな事を呟きながら、御堂は笑みながら一旦身体を起こしていく。
 そうして…クローゼットに向かい、下着と室内用のシャツとYシャツに
袖を通していくと…ゆっくりとダイニングの方へと向かっていった―
 
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香坂
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職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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