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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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 ※これは3月10日の御堂さんの日にちなんだ作品です。
 御堂×克哉で甘くてイチャラブものです。
 付き合い始めて三ヶ月ぐらいの時期(丁度三月ぐらい)を
目安に書いております。ご了承下され。
 あれ…? 三話で終わりそうになくて、4~5話ぐらいの
長さになりそうな予感が…(ガタガタ)

 御堂がダイニングルームに足を向けると、食卓の
上にはホカホカと湯気を立てているトーストと目玉焼きが
二人分、綺麗に置かれていた。
 克哉はキッチンスペースの方で目まぐるしく動き回りながら
残りの食器類とコーヒーの準備をしている。
 
(愛しい恋人が私の為の朝食を用意してくれている光景というのも
なかなか良いものだな…)
 
 相手がチョコマカと自分の為に心を砕いてくれている場面というのも
気持ちが暖かくなった。
 心情的に、自分も手伝おうかという思いも湧いて来たがとりあえず
先に席に座って、相手が来るのを待っていく。
 皿の上に乗せられた目玉焼きの焼き加減は上々だ。
 
(随分と上達したものだな…最初に彼が作ってくれたものは
二個とも散々だったからな…)

 ふと、その形良く仕上げられた目玉焼きを見ていると付き合って
三週間ぐらいが経過した頃の出来事を思い出す。
 週末の朝に、いつものように克哉がこの部屋で目覚めた時…
彼の方から申し出て、朝食を作ってくれたことがあった。
 しかしキッチンにどんな調理用具や調味料があるのが説明する為に
自分が傍にいたら、どうやら緊張してしまい…結果、作った目玉焼きは
どちらも黄身の部分が破れてしまって、見た目が良くなかった。
 本人は綺麗に仕上げられたなかったことを物凄く気にしていたが…
ちょっと焼きすぎの部分があるぐらいで味にそんなに支障はなかったので
御堂はあまり気にしなかった。
 けれど、その時の凄くしょげた表情を思い出し…そんな他愛無い出来事の
一つすらも懐かしく思えてしまった。

「御堂さん、お待たせしました…。暖かいコーヒーの準備が出来ましたので
一緒に朝食を食べましょう」

 ふと、彼の方を振り返っていくと…軽く頬を赤く染めながら微笑んでいる
克哉の姿があった。
 何となく新婚っぽいやりとりだな、と感じた。
 彼とはこんな風に何度も朝を迎えている。
 けれど…今朝は、格別に克哉が可愛くて仕方なかった。
 思わず鼻の下が伸びそうになるのを必死に堪えて、いつもの余裕ありげな
微笑を浮かべていきながら頷いていく。

「そうだな…君が作ってくれた朝食を頂かせて貰おうか…」

「はい、是非。貴方に食べて貰いたくて作りましたから…」

 そうして瞳を細めながら、柔らかく微笑む克哉が可愛くて仕方なかった。
 しかしここで抱きしめたりなんてしたら、再び狼にならないでいられる
自信がまったくなかった。

(せめて朝食を食べ終わるまで耐えるんだ…私の理性…)

 肩をフルフルと震わせながら、御堂は必死に自分の理性と戦っていく。
 そうして、ようやく食卓に向き合いながら座って…食事を開始していった。
 ただ匂いを感じているだけでも、可愛い彼が作ってくれた朝食は…
食欲をそそるとても美味しそうな匂いを漂わせていた。

「頂くぞ、克哉…」

「はい、どうぞ召し上がって下さい」

 満たされたような笑みを浮かべながら、彼がそう告げてくると…御堂も
フッと瞳を眇めて、ナイフとフォークを手に取っていった。
 そうして手馴れた動作で、半熟の状態で焼かれた目玉焼きに
クレイジーソルトを振りかけて、綺麗にナイフで切り分けてトーストの
上に乗せていく。
 パンは齧ると、パリっと小気味良く音を立てていた。
 良い焼き加減で仕上げられていた証だ。
 そうして何度か咀嚼していって、率直な感想を漏らしていく。

「うむ、今朝の朝食はかなり良い出来だ。見栄えも味も上々だな…」

「…本当ですか? …ありがとうございます。御堂さんに気に入って
貰えたなら、作った甲斐がありました」

 こちらが味見をしている間、少し不安そうに曇っていた顔がパっと輝いて
元通りの笑顔を浮かべていく。
 そんな表情の一つ一つが、眩暈を覚えるぐらいに可愛らしい。

―あぁ、どうして君は表情や何気ない仕草とかがこんなに愛らしいのだろうか…!

 心の中でそんな事を叫びながらも、言葉や顔にはあまり出さないで
御堂はそのまま…心の篭った朝食を食べ進めていく。
 その間、至福に浸りながら…彼は、恋人が愛情を込めて作ってくれた品々を
全部綺麗に平らげていったのだった―
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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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