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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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※御克ルート前提の、鬼畜眼鏡R内で判明した澤村や
ノーマル克哉の大学時代の過去が絡む話です。
 RのED後から一年後の春…という設定の話なので
ご了承くださいませ。

 桜の回想       


 ―車に乗って帰宅する途中、克哉は先日あった出来事を
思い出していた

 恋人関係になってから、頻繁に乗るようになった御堂の車の中。
 運転に集中している御堂は、無言のまま…ただ、前方だけを
見据えていく。
 張り詰めた緊張感を感じさせる車内の空気で、先日起こったことが
それだけ御堂に怒りを与えてしまったことを克哉に伝えていく。

(御堂さん…怒っているな。無理もないな…よりにもよって自分のマンションの
入口で…目の前で、オレが他の人間にキスされているのを見たのは…
御堂さんにとって、二回目なんだからな…)

 一度目の相手は、本城だった。
 そして…二週間前、悔しいことに二度目が起こった。
 その相手こそ…先程、思い出した少年の成長した人物に違いなかった。
 忘れもしない二週間前、御堂は駐車場に車を置いてくると言って…
マンションの前に克哉を下ろしていった。
 御堂の車が目の前から消えたその時、見覚えのない男に声を掛けられた。
 赤いフレームの眼鏡に、上質なスーツに身を包んだ気障ったらしい雰囲気を
纏う…克哉と年齢が変わらないぐらいの男性だった。

「克哉君、久しぶりだね」

 その男は、初対面の筈なのにまるで既知であるかのように馴れ馴れしい口調で
声を掛けてきた。
 びっくりしたのは克哉の方だ。
 一体この男は誰なのか、まったく思いいたらなかった。
 精一杯の疑問符を頭の中に浮かべながら振り返って声がした方を向き直って
いくがやっぱり誰なのか判らない。
 
「……?」

 ニコニコと笑みを浮かべながら男は一気に距離を詰めていく。
 だが、思い出せない。
 一体これがどこの誰で、いつ知り合った人間なのか克哉の記憶の中には
まったく存在していなかったのだ。

「ねえ、どうしたの? 僕だよ…君とかつて親友だった…ここまで言えば
思い出せるだろう? 何をそんなに驚いた顔を浮かべているんだい? 克哉君…?」

「あの…どうして、オレの名前を知っているんですか?」

「へっ?」

「…貴方はオレの事を、どこで知ったんでしょうか…? 申し訳ないんですが…
どうしても、思い出せなくて…」

 克哉は心底、申し訳なさそうな顔を浮かべて謝っていく。
 本当に、心当たりがなかったからだ。

「…何を、そんな冗談を…」

 ヒク、と口元をひきつらせながら…目の前で男性が信じられないという
顔を浮かべていく。
 だが、必死に頭の中を探っていっても…克哉の中にこの男性に繋がる
情報はまったく引き出せないままだった。

「御免なさい、本当に…オレは、貴方の事を思い出せません! せめて…
どこで会ったのか教えて貰えませんか?」

 克哉はこの時、自分の事を知ってそうな気配を感じさせている相手の事を
まったく思い出せない罪悪感の方が先走って…どうして、自分たちのマンションの
前に立っていたのか、車から降りた瞬間に声を掛けてきたのかまで
全然思い至っていなかった。

「ねえ、君…それを本気で言っているのかい?」

「はい…」

 神妙な態度で、克哉がそう答えていくと…いきなり顎を掴まれた。
 瞬間…目線だけでこちらを殺せるんじゃないか、というぐらいに鋭い
眼光に晒されていく。

「…っ!」

「…もう一度聞く。君は本当に…僕の事を思い出せないと、そんなとんでもない
世迷い事をいうつもりかい!」

 男は、明らかに激昂していた。
 その剣幕に押されて、克哉は言葉を失っていく。
 本気で、信じられないという顔を浮かべながら本気で男は憤っていた。
 瞬間、男は頭突きをする勢いでこちらに顔を寄せてきた。
 こちらの目を見て、真偽を確かめようとする…そんな態度だった。
 だが、勢いが余って…相手の唇とこちらの唇が、ほぼ同じぐらいの体格同士で
あったせいでぶつかってしまった。

―それは一瞬だけの事故のような口づけだった

 だが、運が悪いことに…その瞬間をよりにもよって克哉は御堂に見られて
しまったのだ。

「貴様っ! 其処で何をしているっ!」

 その場に御堂の怒号が響き渡っていく。

「た、孝典さん…」

 とんでもない場面を目撃されてしまって、克哉の顔が恐怖で引きつっていく。
 今のは事故だ、こちらはあんな事をされることなど望んでいなかった。
 なのに本城の時のように…その現場を、運悪く御堂に目撃されるなど
一体どんな悪夢なのだろうかと思った。

「…別に何をしていないですよ。ただ…彼が、かつて親友だった僕の事を知らないと
強情にも言い張るので・・・勢いあまって顔を近づけて目を見つめてやろうと思った
だけの話だから・・・」

「そ、そうです…今のは、事故で…」

「ほう? 事故ね・・・なら聞こう。克哉…この男は一体誰だ? その説明を
まずは君の口から聞かせて貰おうじゃないか…?」

 御堂は、こちらを射すくめるような瞳で睨みつけてきた。
 ここまで怒りを露わにしている御堂と対峙するのは相当に久しぶりで
見ているだけで背中に冷たい汗が伝っていくようだった。
 だが、米神がドクドクドクと荒く脈打つぐらいに緊張して震えていようと…
どうしても思い出せないものは、言い様がない。

「克哉、言え。この男は…君にとって一体なんだ!」

 克哉の回想の中で…御堂が鮮烈に吠えて問いかけてくる。
 だが…次の場面を思い出した時、克哉は胃がキュっとちぢんで痛むような
想いをしていった。
 言いたかった、自分の潔白を御堂に説明したかった。
 だが…その時点の克哉は。

「ごめんなさい…オレ、まったく思い出せない、んです…」

 と、泣きながら…愛しい人の前で懇願するように呟く事しか出来ず…
冷たい疑惑の瞳を、御堂から向けられるしかなかったのだった―

 
 
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無題
恋人関係んい
と、あるのですが、これは誤字でしょうか?
NONAME 2009/08/05(Wed)23:13:46 編集
誤字です
 反応かなり遅くなりましたが、それは私の間違いです。レスは遅くなりましたが、問題の箇所は指摘された当初に修正させて頂いております。
 ご指摘、ありがとうございました(ペコリ)
香坂@管理人 2009/09/10(Thu)22:20:03 編集
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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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