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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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※この話はバレンタインにちなんだ克克話です。
 あまり深いテーマ性もなくイチャついているだけの
ゆる~いお話です。それを了承の上でお読み下さいませ~。
 克克が書きたかったんです!

 チョコレート・キッス 
  


 あっ、と克哉が思った時にはすでに遅かった。
 肩を掴まれて強引に引き寄せられていくと、自分の眼前に
もう一人の自分の端正な顔立ちが存在していた。 
 その瞬間、ドクンと大きく鼓動が高鳴っていうのを自覚していく。

「な、何…?」

「…ようやく素直になったお前に、なにか褒美をやろうか…? 
何が良い…?」

「えっ…褒美って…?」

 予想もしていなかった展開に、克哉が目を見開いていくと相手は
愉快そうに喉の奥で笑っていく。
 その様子に一瞬、ムっとなった…相手がこちらに対して何か与えて
くれようとしている事を考えて、言葉を飲み込んでいく。
 息を飲んで肩を竦めていくと…眼鏡が、自分の瞳を覗き込んで
いるのが判った。
 お互いの吐息が掛かりそうなぐらいに間近に…もう一人の自分の
アイスブルーの瞳が存在している。

(こいつの目…綺麗だな…)

 自分と同じ顔の造作をしている筈なのに、まるでその双眸が宝石の
ように感じられてしまって、克哉の意識は釘付けになっていく。
 心臓が早鐘を打って、顔が火照り始めていった。
 どんな言葉を言えば良いのか、判らない。
 頬を撫ぜられて…愛撫するように指を上から下へと滑らされていくと
たったそれだけの刺激で、ビクっと身体が震えてしまっていた。

「…ほう? お前の要望は何もないのか…?」

「そ、そんな事…急に言われたって、思いつかないよ…。一体、
どんなことを願えば良いのか…判らない…」

「…率直に自分の欲望を言えば良いだろう? 俺にグチャグチャになるまで
奥まで突き上げられて犯されたいとか、刺激的な夜が欲しいとかな…?」

「っ…! 馬鹿、そういう事しかお前は言えないのかよ!」

「…何を今更…お前が俺に望んでいるのは、まさにそういう事じゃ
ないのか…?」

「うっ…!」

 相手の言葉に、とっさに否定出来なかった自分が情けなかった。
 確かにこの男に何度も好き放題にされて来た。
 克哉の脳裏には確かに相手が与えてくれた猛烈な快楽が焼きついて
しまっている。
 だからこうして…肩を抱かれているだけで血液が沸騰するように
熱くなっているのが判った。
 けど、相手の言い方では…本当に自分達には肉体関係とか、快楽とか
そういうものしか存在していないような感じがして寂しくなった。

(…まあ、こいつにそんな甘ったるいものを求めたって無駄だというのは
判っているけどな…)
 
 半ば、諦めている。
 けれど…心のどこかではそれ以外のものが存在していると
期待したかった。
 克哉は、何かを訴えるように…真摯な瞳で相手を見つめていった。
 目は口程に物を言うという言葉がある。
 上手く言い表せないこちらの想いが…少しでも伝わってくれればと
望みながら…。

「…何だその目は。言いたいことがあるなら…ちゃんと口で言え。
言わなければ決してこちらに伝わらないぞ…?」

「……。なら、言っても良いのか…? オレが望んでいるものを
本当に…与えてくれるのか…?」

「嗚呼、出来る範囲で叶えてやろう…」

「なら、キスが欲しい。セックスじゃなくて…お前から、脳髄が蕩けるような
そんな情熱的なキスが、今…欲しい」

「…ほう、キスだけで足りるのか…?」

「うん、まず…セックスよりも前に、そっちが欲しい。良く考えたら
お前に何度か抱かれているけど、キスされた事は殆どなかったから…」

 そう克哉が望んだのは大晦日の記憶があったからだった。
 あの日に初めて、もう一人の自分とキスをした。
 そうしたら気持ちがホワっと暖かくなって幸せな気持ちが満ちたから。
 何度も抱かれているけれど、キスもなくただ貫かれている時は強烈な
快感はあったけれど…心ではどこかで拒絶していた。
 けど、あのキスをした瞬間に…自分の中にあった壁がゆっくりと溶けて
いくのを感じたから…。
 だから克哉はそれを希望していった。
 
(キスをしたからって…こいつの心が判る訳ではないけれど…。大晦日の
夜に感じたあの気持ちを…思い出したいんだ…)

 それが結局、克哉にバレンタインチョコを用意させるという酔狂にも
取られかねない行為に繋がっているのだから。
 だから…キスを強請るように相手の袖をギュっと握って…瞳を
閉じて唇を軽く突き出していく。

「……そのまま、目を閉じていろ…」

 暫くしてから、相手のそう押し殺した声が聞こえていった。
 その十数秒の間、克哉は本当に指先を震えさせていきながら…
相手の唇を待っていった。
 カサコソ、という何かが擦れ合う音が聞こえた。

(何だろう…この音は…?)

 相手が何かをしていることは判ったが、目を閉じているので確認が
出来ない。

「わっ…!」

 だが、とっさに目を開こうとした瞬間…相手の手のひらで目元を
覆われて阻まれてしまった。

「…目を閉じていろと言っただろうが…。俺が良いと許可を出すまで
決して開けるな。判ったな…」

「う、うん…」

 そうしてこちらが頷くと、相手の手のひらが離れていった。
 その次の瞬間…克哉は相手の腕の中に強く抱きしめられて…
深く深く、唇を重ねられて。
 相手の情熱と、甘やかなものを一緒に贈られていったのだった―
 

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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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