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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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※7月25日からの新連載です。
今回は「恋人関係」について掘り下げた内容になっております。
眼鏡が意地悪で、ノマは不安定で弱々しい場面も途中出てくる
可能性が大です。
 他の相手にグラつく描写もこの話以降は出る事も
あるのでそれを承知の上で目を通して下さるよう、
お願い申し上げます。

 恋人の条件        

―扉が開かれて、其処に現れたのはMr.Rだった

 就業時間中の資料室、何故こんな時間帯に…同じ職場の片桐や
本多ではなく、彼が現れたのか…克哉には信じられなくて、達して
いきながら疑問を感じていく。

(こんな処、本多や片桐さんに見られていたら余計言い訳がつかなかった
けど…どうして、この人が此処に…?)

 快楽によって思考が霞んでいくのを感じていきながら、己の掌に
熱い精を解放していく。
 べったりと汚れた己の手を見ると、思いっきり自己嫌悪に陥っていくが
そんな克哉に構う事なく…黒衣の男は歌うように言葉を紡いでいった。

―ふふ、今の貴方はまさに…知恵の実に興味を持って手を伸ばして
しまったアダムとイブのようですね…

「えっ…其れは、どういう意味…ですか…?」

 知恵の実とか、聖書の中に存在している『楽園追放』のエピソードの
事だろうか。
 神に決して食べていけないと言われた知恵の実を、イブは蛇にそそのかされて
食べてしまい…そして伴侶であるアダムにも食べるように薦めていく。
 その結果二人は知恵を身に付けたが…その事によって神の怒りを買い
二人は楽園を追われ、外の世界で生きる事によってあらゆる苦しみと
苦痛を受けて生きる事になったという話だ。
 有名なエピソードだから、社会人になれば大抵の人間は頭の片隅には
入っている話だろう。
 しかし何故、開口一番にこの男性にこんな事を言われたのか克哉は
混乱している間に、気づけば…Rは間近に立って、悠然と微笑んでいた。

―ただ役割を果たしていただけに過ぎないペルソナが…こうして本来
生きるべきであるあの人を押しのけて、こうして生きているだけでも
信じられないのに…まさか、あの方に恋までしてしまうとはね…。
本当に、貴方の事は予想がつかない結果ばかりを起こしますね…

「ペル、ソナ…?」

 其れは心理用語で、人格とも仮面とも訳される言葉だ。
 何故、この人は自分の事をそう呼ぶのか…ぼやけた頭では上手く
思考がまとまってくれない。
 そうしている間に…目の前の男性の長い金髪が鮮やかに揺れて…
克哉は強引に顎を掴まれてしまう。
 目の前に、男の愉快そうな眼差しが瞬きながら存在していた。

―貴方は、もう一人の御自分を…眼鏡を掛けた貴方の半身を
愛していますね…?

「っ…!」

 訳の判らない事ばかり言っていたと思ったら、いきなり核心を突いて
来たので克哉は咄嗟に言葉を失っていく。
 だが、彼の眼が大きく見開かれて明らかに狼狽している様子を見せた事で
Rは確信していったようだった。

―ふふ、隠しても私には判りますよ…手に取るようにね…。貴方が今は
あの方に強く惹かれて…そして快楽以上のものを求めるようになった事は…

「どう、して…」

 自覚をしたのは、克哉だって今朝の事だったのに…何故、こんなにも
早くこの男性にその事を知られてしまったのだろうか?
 克哉は心底疑問に思っていったが、相手に真摯な眼差しで見つめられて
いく度に頭の芯がグラグラしていく。
 そうしている内に、いきなり…さっき達して、柔らかくなってしまった己の
ペニスをいきなり男に掴まれて、克哉はギョッとなっていった。

「な、何をするんですか…! 離して、下さい…!」

―ふふふ…今の貴方は凄く魅惑的ですよ…。匂い立つような色香を放って…
私の目から見ても色っぽく見えます。なら…この薬を与えればさらに
多くの男を惑わすようになるでしょうね…?

「えっ…? 薬って、それは一体…?」

 いきなり克哉の眼前に白いカプセルが一つ、現れていった。
 其れをこちらに見せつけるように翳していくと…グイ、とこちらの口内に
押し込めていった。
 突然の事に事態を把握出来ず、克哉は咄嗟にそれを飲みこんでしまった。

「しまった…!」

 慌てて、吐きだそうとしたが…Rに更に力を込めて顎を握られて
いってしまうと…それどころではなくなっていく。

―その薬は貴方が本来持っている魅力を更に高めて…潜在的に貴方に惹かれて
いる男性の本心を表に出させる効力があります。それによって…多くの男性が
貴方を求めてくるでしょう…? 今から二週間程度、そうですね…15日と
設定しておきましょうか。その期間…貴方がどんな誘惑にも負けずに、
あの方以外の男性に身を任せて抱かせずに、貞操を守る事が出来ましたら…
その時に、もう一人の御自分に会わせて…告白する機会を授けて
差し上げましょう…。此れは、貴方に私から与える試練です…。
無事に越えられるかどうか…影からそっと見守らせてもらいますね…

「なっ…何を言っているんですか! いきなり、そんな試練なんて
与えられても…どうしたら、良いんですか…!」

 訳が判らない事ばかり言っていたと思ったら、いきなり得体の知れない
薬を強引に飲まされて、試練など与えられたって気持ちがついて
いく筈がない。
 克哉はただ混乱して、わめく事しか出来なかったが…そうしている内に
意識がボウっとなって…唐突に途切れていった。
 何も考えられず、白いモヤの中に落とされていくような感覚だった。

―そして目が覚めると、其処には克哉しかおらず…全身の衣類は乱されて、
掌にはべったりと精液がついているような…情けない姿で資料室の床に
一人、倒れていた

「今のは…夢、だったのか…? それとも、現実だったのか…どっち
なんだろう…?」

 そして、目覚めてから克哉はポツリと床に倒れた状態のままで
呟いていった。
 だが、其れは決して夢うつつの事ではなかったと…克哉はその日の
内に思い知らされる事となったのだった―


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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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