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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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 今日は諸事情により、一話完結の話を投下です。
 メガミドのラブい(鬼畜チック?)な連載ものは明日から開始予定っす。
 こっそりと先日の飲み会で出会った自分と同じ県在住の…本日が誕生日な
お嬢様に捧げます。誕生日プレゼントという事で…。
 良かったら受け取ってやって下さいませv

 『貴方の傍に…』 御堂×克哉SS

 御堂に告白し、結ばれた翌日。
 大きなサイズのベッドで、昨晩告白した相手の腕の中に納まりながら…佐伯克哉は
目覚めていった。
 窓からは眩いばかりの朝日が差し込んでくる。
 爽やかな早朝のワンシーンだ。
 だが…目を開けた瞬間に御堂孝典の寝顔が飛び込んできた瞬間、克哉は顔を
真っ赤にしながら飛び起きそうになってしまった。

「う…っ…!」

 一瞬、ここはどこかと疑ってしまった。
 寝起きで落ち着いていた心拍数が一気に上昇していく。

 ドキドキドキドキ…。

 自分の胸が早鐘を打っていくのが判る。
 相手の腕の中で身じろぎすると、その整った顔立ちが自分の眼前に存在していた。

(昨日の事…夢じゃなかったんだ…)

 昨晩の記憶を思い出して、また羞恥で憤死しそうだ。
 十日ほど御堂に会えないだけで切なくなって、相手の心が見えない事が苦しくて
苦しくて仕方なくて、玉砕覚悟でした告白。
 それをまさか御堂が受け入れてくれるなど、克哉にとっては予想外すぎて。
 信じられない想いで…眠る相手の頬にそっと指先を滑らせていった。

(暖かい…夢ではない…。本当に…現実、なんだな…)

 けれど紛れもなく其処に、触れられる距離で…無防備な姿を晒しながら御堂は
そこにいてくれていた。
 それを確認するように、静かに指先で辿っていく。
 頬から、顎に掛けて…そして鼻筋から、唇へと…昨日の出来事が本当にあった事
なのかを確かめるように克哉は御堂に触れていった。

(好きだとか、愛しているとかは…相変わらず言ってくれていないけれど、好きでもないなら
もう抱かないで下さい…とオレが言ったのに対して、あんな風に抱いてくれたという事は…
両想いだったと、判断しても良いんだよな…)

 昨晩、途中で懇願したくなるくらいに激しく…何度も御堂に貫かれた。
 濡れたシャツを羽織った状態での強引な行為であったが、途中で衣類が気にならなく
なるくらいにこちらも高められていって。
 終わりの方など、何も考えられなくなっていた。
 ただ御堂の熱さと、その激しさに翻弄されて…応えるのが精一杯になっていた。
 あれは幸せすぎて、本当に起こった事なのか疑いたくなるような一時であった。

「御堂、さん…」

 静かに、名を呼んでいく。
 されど相手は目覚めない。
 だが、こちらがこうしていても起きないくらいに…彼はぐっすりとこの瞬間、深い眠りに
落ちてしまっている。
 それは警戒している人間相手ならば、決して見せない光景だ。
 窓から差し込む微かな光が、御堂の髪と顔の一部を微かに照らし出していく。
 その光景を目の当たりにして、また小さく鼓動が跳ねていった。

―あぁ、オレ…本当にこの人を好きになってしまったんだな…。

 半ば自嘲気味に、同時に自分でも信じられない想いでいっぱいになりながら…
克哉は相手の髪をそっと梳いていった。
 端正な寝顔を眺めながら、くすぐったい気持ちが溢れてくる。
 こんな他愛ない事で、こんなに幸福な気持ちになれる自分が信じられなかった。

(もっと触れていたいな…)

 こうして、こんな風に安らかな寝顔を浮かべている彼を見るのは初めての経験で。
 ドキドキしながら、奇妙な高揚を覚えていく。
 そうして相手の頬や生え際を静かに撫ぜていくと…急に相手の唇に、視線が
釘付けになってしまった。

「あっ…」

 口端に自分の指が軽く触れただけで、酷く意識してしまう。
 昨晩、どれだけこの薄く整った唇と深く唇を重ね合ったのか…その生々しい
記憶を思い出して、またカァーと火照ってしまいそうだ。

(だめ、だ…凄く、キス…したい…)

 寝込みの相手の唇を奪うなど、ちょっとズルいのではないのだろうか?
 そういう理性が少し働いたが、ふと自分の中に芽生えた強烈な誘惑に抗えそうに
なかった。

「そっと触れる程度なら…大丈夫、だよな…?」

 恐る恐る顔を寄せながら、自分の唇を相手のそれに寄せていく。
 相手を起こさないように慎重に、たどたどしいキスを落とした瞬間…
ふいに強い力で克哉は抱き寄せられていった。

「っ…!?」

 一瞬、何が起こったのか状況が把握出来なかった。
 だが…克哉が困惑している間に、ギュウギュウ…と強い力で御堂の
腕の中に抱き締められて、その胸の中に閉じ込められていく。
 頭は見事にパニック状態になってて、すでにまともに働いていない。

「…まったく、君は意外に…いたずら好きなみたいだな…。さっきからずっと
髪や頬を撫ぜられたり色々されている内に、目が冴えてしまったな…」

「えっ…あの、すみません…! 御堂さん…」

「いや、良い。悪い気分には正直…ならなかったからな。だが、まさか寝込みを
襲われて唇を奪われるとまでは予想はしていなかったがな…?」

 意地悪く瞳を細めながら、男は楽しげに口角を上げていく。
 その顔で見つめられた克哉の心境は、まさに蛇に睨まれた蛙…といった処だろうか。
 困惑したような表情を浮かべながら、苦笑していった。

「す、すみません…昨晩の記憶を、思い出してしまったら…どうしても、御堂さんに…
キスをしたく、なって…」

「何を謝る必要がある? 私達はもう…恋人関係なんじゃないのか? 君が告白して…
私はちゃんと、それを受け入れた。昨晩はそういうつもりで君を抱いたつもりだがな…?」

「えぇ?」

 御堂からの思ってもいない発言に、素っ頓狂な声を挙げてしまう。
 だが男の表情は変わらない。
 自信に満ち溢れた、真っ直ぐな眼差しだった。
 その紫紺の瞳に魅了されながら…克哉も目を逸らさずに真摯に見つめ返していく。

「恋人、関係って…あ、の…」

「克哉…君はもう、私のものだ。違うのか…?」

 そう言われながら、グイと身体を引き寄せられて…首筋に赤い痕を刻まれていく。
 この身体に、昨日だって数え切れないくらいに刻まれた所有の証。
 それを更に、一つ一つ…確実に増やされていく。

「…いえ、違いません。オレは…もう、貴方のものです。身も…心も、全て…」

 いつの間にかこの人を好きになって強く惹かれていた。
 気づいたら、自分の中は御堂の事だけでいっぱいになってしまっていた。
 相手の心が見えなくて、辛くて仕方なくて。
 欲しいという気持ちとこれ以上期待したくないという葛藤で苦しくなってしまうぐらいに
すでに自分の心はこの人の事で埋められてしまっている。
 だから、噛み締めていくように…克哉は告げていく。

「そうか。なら…恋人にするキスなら、これくらいはしたらどうかな…?」

 愉しげに微笑みながら、強引に唇を重ねられる。
 熱い舌先が容赦なく入り込んで…克哉の口腔を容赦なく犯し始めていった。
 尖らせた舌が縦横無尽にこちらの歯列や、舌を舐っていき…息が苦しくなるくらいに
貪られていく。

「ん、んっ…ふっ…ぅ…!」

 こんなキスを、好きで堪らない人にされたら…正気でなどいられない。
 あっという間に身体の奥にスイッチが入って、腰が淫らに蠢き始める。

(ダメ、だ…このままじゃ、また…この人が欲しくなってしまう…!)

 反応し始めていく自分の身体に羞恥を覚えて、必死になって御堂の腕の中で
もがき始めていった。
 だが…どれだけ暴れようとも、深いキスによって身体の力が入らなくなってしまっている
状態では逃れられる訳がなかった。

「…やっ、御堂さん…こんな、キス…されたら、オレ…!」

 どうにか、唇だけは引き剥がすのに成功して…うっすらと快楽の涙を目元に滲ませながら
反論していく。

「どうか…なれば良い。そうしたくて…私は仕掛けたつもりだからな…?」

「えっ…? 御堂、さん…なに、を…あっ…」

 そして、再び深く唇を重ねられていく。
 御堂の胸を満たすのは、焦がれるような熱い想いだった。
 自分達の関係のスタートは、最悪であったという自覚はあった。
 当初は弄るだけ弄って、懇願させて啼かせるのだけが目的で始めた関係であったのに
気づいたら自分の方も彼を求めるようになり…気づけば惹かれてしまっていた。

(…君はきっと知らないだろうな…昨日、君の心が私に向けられていた事を知った時…
どれだけ私が嬉しかったかを…)

 だが、あんな風に関係を始めた自分が愛される訳がないとどこかで諦めていた。
 しかし、克哉は確かに言った。
 いつの間にか自分を想うようになってしまっていたと…。
 それがどれだけ、御堂にとっては驚愕を齎し…同時に嬉しく思ったのか彼はきっと
知らないだろう。
 だから確認したかった。お互いの気持ちが同じである事を。
 明け方まで何度も求めていても、まだ足りなかった。
 時間が許す限り、彼を今は貪りたかった。せめて…この週末の間だけ、でも…。

「克哉、君が欲しい…」

 朝日が窓際から強烈に差し込む天井を背景に背負いながら…御堂が熱っぽく
囁いていく。

「…っ! だって、昨日…あれだけ、オレを抱いた、のに…」

「まだ、全然足りない…あんなものでは、な…?」

「そん、なっ…む、ぅ…!」

 問答無用とばかりに唇を強引に塞がれて、己の下肢の茂みに…御堂の熱くなった
塊が擦り付けられていく。
 相手のあからさまな欲望を感じて、血が沸騰しそうになった。

(もう、ダメだ…オレも、御堂さんが欲しくて…堪らなく、なってる…)

 朝っぱらから、何てふしだらなんだろう…とツッコミたくなったが、一度…点いた欲望の灯は
行くとこまで行かなければとても収まりそうになかった。
 だからギュウ…と御堂の首筋に両腕を回しながら、相手の背中にすがり付いて…克哉の
方も彼を求めているのだと、しっかりと伝えていく。

「良いか…?」

「はい、オレも…貴方が欲しいです、から…」

 消え入りそうな儚い声音で、そう囁いていくと御堂は猛々しい表情で笑っていく。
 精悍さを兼ね備えた…獰猛な牡の顔だ。
 それを見て、余計にこちらの情欲が煽られていった。

「良い子だ…」

 そう笑いながら、御堂は改めて克哉の身体を…ベッドシーツの上に組み敷いていった。
 瞬く間に始まる、灼熱の時間。
 愛しているという甘い睦言よりも、遥かに激しく…お互いの身体でもって、滾りそうな
強い想いをぶつかり合わせていった。

 ―もっと、もっと傍に。
  この世界で一番、オレは貴方の傍にいたい
  強く貴方をどこまでも感じたい

 深々と相手に貫かれながら、必死に縋り付いて…強くそう想っていく。

 ―愛している

 お互いに簡単に口に出せない不器用な人間同士の、愛情表現。
 願わくばどうか、どうか…いつまでも貴方の傍に…入られますように。
 そう願いながら、朝焼けの中…愛しい人の腕の中で克哉は躍っていったのだった―
 
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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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