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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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 とりあえず先日、コミケの申し込み用紙を買い忘れて
いたの発覚して下北沢にあるコミケットサービス本店まで
買いに走り、6日に大体の記入は終わりました。
 郵便局には母に行って貰って支払いして貰って、控えをこっちに
ちゃんと渡してね! と念を押したので…とりあえずそれさえ来れば
7日夜には投函出来る状態まで持っていきました。
 …いや、本当に焦った焦った(汗)

 んで今回、コミケのカットをちょっと新しい描き方で試してみた。
 いつもだと…カットを貼りつける短冊の部分を少し濃い目に何枚かコピー
→そっちに鉛筆書きをして一番良いのを選ぶ→其れをスキャナーで取り込む
→修正作業と文字入れ、そしてトーン加工をする→打ち出し→貼りつける

 という流れでカット作っておりますが。今回は鉛筆書きの部分を
『直接ペンで一発描きで作って見る』とやってみました。
 んで出来たカットがこちら。



 …こんな感じっす。
 線は多少パソコンで修正したけど、結構綺麗な感じに仕上がった。
 単純な構図のものなら、一発描きという手段も私の場合あるのだと
今回新発見しました。
 ちなみに、今回それを試したキッカケは高校時代に凄く絵の上手い先輩がいて
その人に「ボールペンとかそういうので一発描きをして描くっていうのも絵の練習に
結構役立つよ」と教えて貰って以来、香坂はペンで落書きするというのが多かったから。
 それで当たりをつけないで一発で絵を描くっていうの十数年前から結構やってて
今の職場に昼休みに一日一枚は試しにやっていて、「鉛筆書きしたのをペン入れ
したのよりも線がそっちのがでこぼこしていなくて綺麗だよな」と思うように
なってきたから。

 …と言っても本当の意味で絵が綺麗で上手い人に叶うレベルじゃないって
自覚はありますけどね。
 けど、兄貴いわく「素人にしてはそこそこ描けるレベル」ぐらいには
達して来たと思う。
 ただこの方法だとカットを描くのがせいぜいだからもうちょい大きな絵を作成する
場合は…ちゃんとトレース台とか使った方が良いな、と思うけど。

 まあ、後は四回連続でコミケ落ちているんで…コミケットに対しての
要望って部分に「四回連続で落ちているのでそろそろ友人の処に委託って
形じゃなく自分のサークルで参加したいです!」と今回はきっちり書いた。
 もうお願いだからちゃんと受かってくれ! と願いを込めて今夜投函します。

 書類不備がないか念入りに念入りに確認してやる!
 今年こそ受かってくれよ!(切実!)

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※この話は記憶を一部欠落した状態で生活している設定の
ノマと、真実を隠している眼鏡と閉ざされた空間で生きると
いう内容のものです。
 一部ダークな展開や描写を含むのでご了承下さいませ。

忘却の彼方に             

 覚醒した直後、現実と夢の狭間を克哉の意識は行き交っていた。
 相手の慈しみの込められた眼差しに困惑しながら見つめ合って
いくと不意に…ジワリ、と黒い染みのように何かの映像が
脳裏に一瞬だけ浮かんでいった

―それは誰かの強烈な憎しみが込められた眼差しだった

 涙を溢れさせながら、こちらを決して許さないと訴えかけるような
眼差しに…一瞬、克哉は身体が強張る気がした。

(…まただ。一体、アレは誰なんだ…?)

 先程の夢の中で見た刃物を持った黒い影の人物と…その憎悪に
燃えている瞳の持ち主が判らない。
 それがモヤモヤして、苦しくて…つい、縋るような目を向けてしまう。

「…どうしたんだ。怖い夢でも見たのか…?」

「えっ…ぁ…どうして、それを…?」

「…今のお前の顔が、まさにそんな感じだからだ」

「うっ…そう、なんだ…」

 図星を一発で突かれていって、克哉は困惑していく。
 何か妙に恥ずかしくなって相手から目を逸らしていくと後頭部に
そっと手を宛がわれて、不意にグイっと引き寄せられた。

「っ…!」

 克哉は相手のその行動に、ギョッと目を見開いていく。
 だが…そうしている内に相手の唇が目元に降り注いで来て…
更にびっくりしていった。
 一体どうすれば良いのか判らない。
 そのまま石のように硬直していると…まるで羽に包まれるみたいに
フワリと相手に抱きしめられて…余計、混乱が強まっていった。

(…どうしよう、どんな反応をすれば良いのか判らない…!)

 相手の胸の中にいて、ガチガチに強張っているのが判るが…けれど、
このまま腕を引っ込めて固まったままでいて良いのか、それとも自分からも
抱きしめ返した方が良いのか判らず…パニックになりかけていく。
 しかも自分達はお互い裸で…そういえば、さっきセックスをしていた事実も
思い出して…耳まで真っ赤になりながら火照っていた。
 正直最中は、何が何だか判らなかったし…ただ、相手から与えられる感覚に
翻弄されるしかなかった。
 相手の指先を、中に捻じ込まれたペニスの感覚を唐突に思い出して
更に全身が赤く染まっていく。

「…どうした。? どうやら赤くなっているみたいだが…?」

「い、いや…さっきの事…思い出してしまって…その…」

「ほほう、俺に抱かれたのがそんなに良かったのなら…もう一回、
抱いてやっても構わないぞ? そんな反応を見たら俺もお前を
愉しませてやっても良いと思えるからな…」

「わわわわわっ! え、遠慮しておくよ!あんな事…一晩の内に何回も
立て続けてにやられたら、神経が持たないから!」

 そういって全力で否定していくが…こちらの反応が余程愉快だったのか
相手は喉を鳴らしながら笑っていく。
 それが克哉には何となく悔しくて、ついにムクれた顔をしていくと…
唇にフワリ、とキスを落とされていった。
 其れはまるで、恋人を慈しむようなキスで。
 …するとまるで魔法のように、克哉の機嫌は回復していった。
 そのまま何度も何度も、啄むように口づけられていくと…克哉もまた、
落ち着いていき…そして、静かに疑問をぶつけていった。

「…ねえ、教えて貰えるかな…? 此処は一体…何処なんだ…?」

「…そうだな、さしずめ…お前の為のシェルターだ。この世界全てがな…?」

「えっ…? シェルター…? それにこの世界ってどういう意味なんだよ!」

「言った通りだ。空を見ただろう…? 現実の空があんな風に不思議なオーロラ
みたいに寒くもないのになっていると思うか? 此処には俺とお前の二人だけしか
存在しない。一応生活に必要なものは存在しているし、この家で生きていくのに
不自由を感じる事はないだろう。此処は、お前がこの場所を必要としなくなる
その日まで存在し続けるシェルターのようなものだ。其れがお前の問いに対しての
現時点で教えられる範囲での回答だ」

「何だよ、それ…余計、に訳が判らない…」

「単純な話だ。此処ではお前は働かなくて良いし、他の人間関係も一切
気にしなくて良い。ただ、時間の流れに身を任せて俺と一緒に過ごせば良い。
一人になりたければ別の部屋で過ごすなり…外に出て軽い散歩でも
していれば良い。ようするに時が来るまで勝手に過ごしていろという事だ」

「そん、な…」

 聞けば聞くだけ、克哉は訳が判らなくなっていく。
 それは一応、回答ではあったが…根本的な事が抜け落ちている。
 どうして、シェルターと呼ばれるこの世界に自分がいるのか。
 何故、こんな世界が存在していて…其処に閉じ込められているのか、
その過程と原因が一切答えられていないのだ・。
 克哉は混乱を隠しきれず、何を言えば良いのか判らないでいると相手が
こちらをギュっと抱きしめていく。
 その腕に包み込まれると、不意に眠気が襲って来てまともに
考えられなくなっていく。
 克哉の許容範囲をオーバーしている事が立て続けに起こっていたからだろう。

―だから今は、何も考えないで寝る事にした

 そして…克哉は再び、フテ寝に近い感じで意識を落としていく。
 彼らの奇妙な共同生活は、そうしてスタートしていったのだった
 そろそろ夏コミの申し込み締め切りなので
ボチボチ準備せな(遅いよ)アカンと思って申し込み用紙を
探したら…うん、出て来ませんでした。

 大体、コミケに参加するようになって十年余り。
 コミケに行ったり参加してきた時は申込用紙を買うのが
確か習慣になっている筈。
 けど、いっくら探しても出て来ない…。

 もしかして私、12月29日に行った時に買いそびれていたのか…?

 なんつーかその日、実は開始した直後からどうも軽く熱が出ていたらしく
ボーとしてまともに頭が働いていなかったんですよ。
 …だから買い物頼まれても二つと言われたものを一つと聞き間違えて
企業スペースに二回行かなきゃいけなくなったり等、色んなボケを
かましまくっていたんですが…。
 毎回買っている筈の申込用紙を買い忘れる、はある意味最大の
ポカというかボケやな。
 …買っていると思い込んでいたから出て来なくてマジで焦った。

 …ただ一応、関東圏内に住んでいるからコミケットサービスの本拠地に
アクセス出来なくはないので…ちょっと本日、会社帰りに下北沢まで
旅立って来ます。
 一応、本拠地は以前にも一回ヤボ用で行った事がありますし場所の
見当は大体掴んでいるので。
(念の為、地図はプリントアウトして持っていきますが)

 二年ぐらい前に行った時に、妙に燃えている雰囲気のドンブリ料理を
扱っている店とかあったけど、まだ残っているかなぁ。
 …とりあえず夕食、其処で食べるのを楽しみにしておこう。
 …しかし冬コミの日、どれだけ私はダメな子だったんだろうと…今更ながらに
頭を抱えています。あああああ~!
 
現在連載中のお話のログ

※この話は記憶を一部欠落した状態で生活している設定の
ノマと、真実を隠している眼鏡と閉ざされた空間で生きると
いう内容のものです。
 一部ダークな展開や描写を含むのでご了承下さいませ。

忘却の彼方に           

―克哉が眠りに落ちていた頃、眼鏡を掛けた方の佐伯克哉は
複雑な想いを抱きながら、その寝顔を見つめていた

(あの男が言った通り、確かに忘れているみたいだな…)

 ベッドの上。
 行為の後に克哉はすぐに意識を手放していったが、眼鏡の方は
眠る事が出来ず…ただ、相手を見守りながら様々な考えを
巡らせていった。
 この場所に連れて来たのは、彼の意思だったから。
 本当なら知った事じゃないという気持ちもあった。
 けれど…毎日のように泣き暮らして、そして…抜けがらのようになり
何の感情も示さなくなった克哉を放っておく事が出来なかった。
 自殺するにも、それなりのエネルギーがいる。
 何の感情も示さなくなった克哉は、その為の行動すら起こす事が
出来なくなっていた。
 だから、彼は…此処に招いたのかも知れない。

「…覚えていて、心を殺す記憶なら…忘れて、やり直した方が
ずっと良いからな…」

 それが、最終的に彼が出した結論だった。
 しかも幸いにも其れを実行する為の手段が、彼には
存在していた。
 現実から何もかも切り離して、特別な空間を生み出して其処で二人きりで
過ごす事。
 そんな事は実際に、普通の人間であるなら不可能な事だ。
 
―だが、自分はMr.Rという男を知っていた

 呼び掛けても、応えてくれる保証はなかった。
 けれどもう一人の自分の閉ざされた心に阻まれながら…内側から
彼は強く訴え続けていた。

―お前を愉しませる為のゲーム盤を用意しよう

 そう切り出した時、男は…自分の前に現れた。
 そして、Rは…この世界を、用意して自分達二人を閉じ込めた。
 克哉が記憶を取り戻す日が来るまで、決してどちらも出る事が
許されない…完璧に閉ざされた世界を。

(お前が自然に思い出す日が来るまで…ここで二人で生きるしか
道は存在しないぞ…)

 ここは外の世界とは、大きく異なった時間が流れていると言った。
 そんなのは空想や漫画の中の世界でしか有り得ないと言ったが、
この場所での一年は、現実では二週間足らずにしかならないように
設定しておいたと事前に聞かされていた。

「…お前が思い出す日が来るまで…何年掛かっても、俺が
付き合ってやるよ…。それが、アイツとの約束だからな…」

 そうして、その相手の顔を想い浮かべていった。
 …そう、自分がこんな真似をしているのはあの男の最後の
願いを叶える為だ。
 悲痛に訴えてくるその声に、眼鏡は無視する事が出来なかった。
 あの冷たい雨が降りしきる中に響いた、彼の心からの願いを…
聞かなかった振りなど決して出来なかったのだから。

「…我ながら、大変な貧乏くじを引いてしまったものだな…」

 そう苦笑しながら呟いていく。
 そしてぼんやりとした時間を過ごしながら眠っている克哉の髪を
そっと幾度も梳いていってやった。
 克哉を抱いたのは、現時点では愛情からではない。
 …もう一つの意図が存在しているからだ。
 克哉を立ち直させる為には、相手が嫌がろうと何をしようとも
定期的に身体を重ねなければならない。
 其れは必然の行為であるからこそ、なし崩しの形で強引に
抱いていった。

(全く、あの男も…厄介な条件をつけたものだな…)

 その条件に、相当な悪意めいたものを覚えていく。
 だが、「克哉が目覚めたら問答無用で抱く」事もこの世界を
与える為の条件の一つに入っている。
 これからどうなるか判らない。
 そう一抹の不安を覚えていきながらもう一度相手の髪を撫ぜていくと…
その瞬間に、ゆっくりと腕の中の克哉は目覚めていったのだった―
 以前に書いた、うちの母親との「今日からあんたの誕生日までに
1キロ痩せるにつき、一万円あげる」という賭けの結果報告です。

 結論言えば、スタート時 103・6キロ。
 一カ月後まで順調に一時は99キロ台行ったけれど、
11月末に職場環境激変。
 ストレス過多になって、過食復活。一時リバウンド。
 けど、どうにか101~2以上は越さないように維持しつつ…
半月掛けて、過食状態脱出。

 しかし正月、仕事行かず5日休んだら一時105まで行き…
ひぃぃぃぃぃ!という状態になり若干食べる量を減らしてせっせと
身体を動かし、お風呂には最低40分浸かるようにしたり全身を
自分でマッサージして、努力は続けていた。

…んで、2月1日の朝の時点での体重…99・8。
 出来れば5キロは行きたかったけれど、何て言うか自分はストレス過剰になると
物凄い量を食べてしまって気を抜くと5キロ10キロすぐに太る体質なので
…とんでもなくストレスが溜まる環境に再び戻った時、普段よりも太る幅が
下げられた事と…一応、二次目標である3キロは落とせたので
これで良かったなと。
(何せ自分は昔、沖縄旅行行った時に三泊四日で7キロ太って帰って来たという
ぐらい非常に太りやすい体質している)

 それに何か確かにお金貰えるのは嬉しいけど、それはあくまで臨時収入の
範囲にしたいし。
 それに今回の件はあくまで親としてもダイエットを本格的にするキッカケに
なって欲しいというのが趣旨なんだしね。…どうせやるなら夏にして欲しかった
という本音はありますが…太りがちな冬に、何だかんだ言いつつもどうにか
体重落とせた事は、多少の自信には繋がったと思う。
 …とりあえず、今朝の時点で100キロ台は切ったので出来ればここから
少しずつで良いから落としていきたいと思います。
 では、結果報告でした(ペコリ)
 
 ※この話は記憶を一部欠落した状態で生活している設定の
ノマと、真実を隠している眼鏡と閉ざされた空間で生きると
いう内容のものです。
 一部ダークな展開や描写を含むのでご了承下さいませ。

忘却の彼方に         

 激しく抱かれた後、泥のように一時…克哉の意識は深く眠りに
ついていった。
 それから数時間後…緩やかに現実に浮上してきた際に
様々な断片を垣間見ていった。

 一人の男が立っている。
 だが影で黒く覆われてしまって…顔も、体型もはっきりしない。
 その男の片手には血に濡れたナイフが握られていて、生々しく
血が滴っている。
 そしてその傍らには…最初は何かの黒い塊というか、物体が
横たわっている。
 どちらの人物も、顔も見えない。
 けれど…それはまるで、ナイフで殺害した場面を再現している
模型とも、抽象めいたオブジェのようにすら見えた。

―この光景は何を指しているんだろう…?

 これは自分が見た記憶なのか、それともこのナイフを握っている
男性こそが実は自分自身なのか、はっきりしなかった。
 黒いオブジェは、悲しそうに笑っていた。
 はっきりと何を言っているかは聞きとる事が出来ない。
 けれど…其れは胸の中に溜まっている全てを吐き出す為に
マシンガンのように言葉を発射しているようにも見えた。
 その中に冷たい雨がゆっくりと降り注いでいく。
 まるで何かの映画のワンシーンのように。
 誰かの流している涙の代わりであるかのように…最初は緩やかに、
そして徐々に強くなり、視界をぼやけさせていった。

(此処に立っている二人は一体…誰と、誰なんだろう…?)

 これが誰かの殺害現場を指しているのか、まだ判らない。
 陰惨なものに違いないとしても…見知らぬ人間同士のものなのか、
被害者と加害者のどちらか、もしくは両方が自分の知っている人物の
ものなのかによって克哉が受け取る衝撃は段違いのものになる。
 顔が判らない状態だから、どこか冷静にこの情景を眺めていられる。

(どうして、思い出せないんだろう…?)

 知っている人物であるなら、涙を流すべきなのに。
 まるで黒いインクか何かに塗りつぶされてしまっているかのように…
被害者も加害者も、顔が見えない。

「教えてくれよ…これは一体、誰が殺された場面なんだよ…?」

 いや、殺されていると断定出来ない。
 もしくは刺されただけで、まだ被害者は息がある状態かも知れないし…
大急ぎで病院に搬送されれば、間に合う可能性だってあるのだから。
 その僅かな可能性に縋りたい気持ちはあった。
 例えそれが見知らぬ誰かのものであったとしても、人が死ぬという事は
とても悲しく…強い喪失感の伴う悲劇であるのだから。
 とっさに、倒れている人物がまだ生きている可能性があるかも知れないと
思って、克哉は駆け寄ろうとした。
 しかしその二人と、今…自分が立っている場所の真ん中に、透明な
壁が存在して…近づく事を阻んでいく。
 克哉を拒むように、もしくは其れはもう過去の出来ごとなのだから
今の彼には介入出来ないと訴えかけるように見えない透明な壁は
静かに存在して、否が応にも克哉を傍観者の立場に追いやっていった。

―ドンドンドン!

 克哉はその見えない壁を必死に叩いていく。
 真相を知る為に。
 その二人が誰なのか、答えを得る為に。
 しかし拳が痛くなるぐらいに力を込めて叩き続けても…防弾ガラスか
何かのようにその透明な壁は強固で。
 ひび割れ一つせずに、無常にもこちらと向こう側を隔てていった。

「ねえ、教えてくれよ…。この場面は一体なんなんだ…!
どうしてオレは、こんなのを見せつけられないといけないんだよ…!」

 そして泣き叫びながら訴えかけると、克哉の心に大きな声で
先程の人物の声が響いていった。

『今は忘れろ、全てを…。それが、今のお前には必要な事なのだから…!』

 その言葉に、克哉は硬直していき…壁を叩く手を止めていった。
 瞬間、フワリと意識が浮上していくのを感じる。
 それはまるで深海から緩やかに慈しみを持って引き上げられているような
感覚だった。
 そして間もなく、頬に優しい指先の感覚を感じていった。

「起きたか…?」

「えっ…?」

 目覚めた克哉の傍らには、先程の眼鏡を掛けた男性が存在して…
こちらの顔を覗きこんでいた。
 その瞳が思いがけず優しいものだったので克哉は言葉を失いながら…
茫然と、暫く相手の顔を見つめ続けていったのだった―
 
 
 
 コメントにて報告して下さった方、ありがとうございます。
 確認してみた処、トップページのリンク及び今まで作品の冒頭に
掲載していたものの全てがリンク飛べない状態になっておりました。

 現在、10話のリンクはトップページのものと11~30話までは
修正作業をさせて頂きました。
 残り31~50話及び、全体の確認にはまたもう少し時間が
掛かりそうなので途中経過を報告させて頂きます。

 言い出しにくかったでしょうに、報告をして下さって
本当にありがとうございました。
 対応が終わるまで少々、時間を下さいませ。
 ではでは!!
  とりあえず、実は香坂はひぐらしのなく頃にのEP5辺りから
兄貴と一緒に「07th Expansion」さんの作品を追いかけてきて
楽しんで来たファンなんですが、うみねこのEP8を見て以来、
ちょっとガックリしてしまったのでその叫びをここに
書かせて下さい。

 ちょっと辛口評価&愚痴に近いものなので興味ない方は
スル―推奨。
 多少、作品全体のネタバレ要素も含んでおります。
 目を通して良いという方だけ「続きはこちら」をクリックして
下さいませ~。
現在連載中のお話のログ

※この話は記憶を一部欠落した状態で生活している設定の
ノマと、真実を隠している眼鏡と閉ざされた空間で生きると
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忘却の彼方に      


 訳も判らない内に、誰だか判らない男に一方的に抱かれて
行為が終わった後、克哉は混乱していた。
 お互いの荒い息遣いが、耳に入ってくる。
 身体の奥には相手が注ぎ込んだ熱が生々しく残っているからこそ
余計に恥ずかしくて仕方なかった。
 ベッドの上で寄りそうように抱きあい、お互いの顔を覗きこむような
体制になりながら…克哉は、さっきからずっと感じ続けている疑問を
もう一度相手にぶつけていった。

「何で、こんな事を…?」

「俺がお前を抱きたいと思って、お前がそれを心底嫌がって拒まなかった
からだろう? 終わった後で何をウジウジ悩んでいるんだ?」

「うっ…それは、確かにそうだけど…」

 克哉は一層、困惑した顔を浮かべていく。
 相手の指摘はある意味、事実だからだ。
 確かに…自分は心底嫌がって抵抗しなかった。
 何処かで流されて行為に応じてしまった一面もあるのを自覚して…
耳まで赤く染めていった。
 先程までの自分の乱れ方を思い出してしまって、死にたくなる
ぐらいの羞恥がすぐに襲ってきた。
 相手のに腕枕をされる格好で、行為の余韻に浸っていきながら…
まともにまだ働かない頭をどうにか動かして、考えを巡らせていった。

(此処は本当に…何処、何だろう…? 何で、色んな事が
思い出せなくなってしまっているんだろう…?)

 随分昔の事だ、と判る出来ごとは思い出せる。
 けれどここに来る直前の記憶らしきものが一切思い出せないと
いうのは充分異常事態と言えた。
 今の克哉は少しでも現状を把握する為の情報が欲しかった。
 其れには今…こちらを一方的に抱いたこの男に縋るしか手立てがないと
考え、もう一度質問をぶつけていく。

「…ねえ、お願いだから教えてくれよ。此処は一体…何処なんだ…?」

「………」

 克哉が真剣になって尋ねていくと、今までと違って相手の表情も少し
真面目なものに変わって来た。
 訴えかけるように真摯に眼鏡を掛けた相手の瞳を覗きこんでいくと…
少し譲歩してくれたのか、溜息を吐きながらポツリと答えていってくれた。

「…此処は、お前にとってのシェルターだ。それ以上でも、それ以下でもない。
その為に存在している場所だ…とりあえずこれだけは答えてやろう…」

「この場所が、シェルター…?」

「ああ、そうだ。此処はお前の為に存在している。今の時点で俺がお前に
答えてやれる事は此処までだ。後は追々…自分で掴んでいくんだな」

「ちょっと待てよ…! それだけじゃ何も判らないだろう! ならどうしてオレは
シェルターに何か入っていなきゃいけないんだ? その過程というのが
全く見えないのに納得しろなんて無茶過ぎるだろ!」

 そう、この場所が克哉にとってのシェルターというのなら…どうして自分が
そんな場所を利用するに至ったかの理由が、今の克哉には全く判らないのだ。
 だから食って掛かろうとした瞬間、相手に射抜くような鋭い眼差しで
睨まれていった。
 その瞳の鋭さに、克哉は一瞬言葉を失っていく。
 そして…こちらに言い聞かせるように凄味の聞いた声音でしっかりと
告げていった。

「…過程など、今は思い出すな。忘れるというのは一種の心を
守る為の反応でもある。…ようするに、今はお前は此処に来るに至るまでの
過程を思い出すべきじゃないって事だ。いずれ、時期が来ればお前も
自然と思い出すだろう…。それまで、此処で俺と一緒に過ごすんだ…良いな」

「えっ…あっ…」

 相手の瞳の奥に、真剣なものが宿っているのに気づいてしまった。
 その途端、克哉は口ごもるしか出来なくなる。
 素直に頷く事も、拒絶する事もどちらも出来なくなっていく。
 
(何で、こいつはこんな目をしているんだよ…!)

 克哉が突っぱねる事が出来ないのは、その瞳があまりに真っすぐ
だったせいだ。
 こちらを案じてくれているのが、伝わってくるような視線だったからこそ…
強引に突っぱねる事が出来ない。
 納得したくない気持ちと、拒めない気持ちが同時に湧き上がってくる。

「…時期がくれば、オレは思い出す事が出来るのかな…?」

「ああ、そうだ。いずれ思い出す。だから今は無理に思い出す事はない。
忘却は…救いだからだ。心を守る為に忘れている事を…まだ始まったばかりの
段階で無理に思い出す事はない。要はそういう事だ…」

「心を守る為に、忘れている事…?」

 その一言に、ヒヤリと何か冷たいものを感じていった。
 彼の言った事が事実なら…自分は一体、何を忘れているのだろうと
恐怖めいたものすら感じていった。
 だがそんな克哉の髪を、相手はまるで慈しみを込めるように
そっと梳いていく。
 不覚にもその動作だけで大きく安堵を覚えている自分が
確かに存在して…余計、克哉の中で混乱が強まっていく。

「…今は忘れていると良い…。いずれ思い出し、しんどい想いをするのは
目に見えているんだ…。忘れているが故に覚える事が出来る安息に
今は身を委ねているんだ…」

「う、うん…」

 本当は身を委ねていたくなかった。
 一刻も早く真実を知りたいと急きたてる心が確かにあった。
 けれど相手の指先があまりに優しかったから。
 其処から…こちらを案じてくれている気持ちが流れ込んでくるようだった
からこそ…克哉は仕方なく今は頷いていく。

(納得なんてしたくないけど…今は、きっとこの人は答えてくれない…。
なら、少し待とう…。この人の言う時期という奴がくるまで…)

 そう、自分の中で今は妥協する為にそう言い聞かせて…克哉はそっと
目を閉じていく。
 瞼を伏せた瞬間、一気に行為後の疲れが襲い掛かってくるようだった。

―そうして、なし崩しの状況のまま…克哉の奇妙な生活はこうして幕を
開けていったのだった―


 今回の連載は、「記憶喪失」がテーマです。
 同時に、あるカップリングを好きな人にとってはもしかしたら
受け入れがたい内容になる可能性があります。
 CPについてはもう少し連載が進んだ頃に自然と明かされる
形になりますが、その時点で嫌だと思ったら素直に
切り上げて下さいますようお願い申しあげます。

 今後の展開に「死」の要素も大きく絡んできますので
ご了承下さい。
 同時に、記憶喪失というのは人の再生にも大きく関わっているんじゃ
ないかって考えが私の中にあります。
 本当に辛い時、人が記憶を失うのは…心を守るためであるし、
受け入れられる時期が来るまで忘れるのは、クッションの作用が
あるんじゃないかと。
 少し重いテーマになります。
 それでも良いという方だけどうぞお付き合い下さいませ(ペコリ)
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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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 …一言報告して貰えると凄く嬉しいです。
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