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鬼畜眼鏡の小説を一日一話ペースで書いてますv
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 ※シルバーウィーク中、色々条件重なってあまり
作品アップが出来なかったので…オリジナルの方で
すみませんが、ストックから掲載させて頂きます。

 これは香坂自身の高校時代から頭の中にある
オリジナルの話なので…興味ない方はスルーして
やって下さい。
 一応、ファンタジーものです。
 ちょっとだけ出版社に持ち込んだ時よりも加筆
修正を施してあるので宜しくです(ペコリ)

 興味ある方のみ「つづきはこちら」をクリックして
読んでやって下さいませ。

 シャルスが一人旅を始めてから、二週間余りの時間が過ぎていった。
 …あれだけ悲壮な決意を固めて、南へ向かう旅に出たというのに…拍子抜けする
ぐらいに簡単に…帝国から40キロ程度離れた街、バラッドまで辿り着いてしまった。
 
(まさか…若返って容姿が変わってしまったことがこんな形でプラスになるなんてな…)
 
 どうやら自分たち盗賊団の追跡の手は相当に強かったらしく…あちこちで
検問をやっていて、道中の間…何度も其れにシャルスは引っ掛かり続けた。
 しかしその場にいる誰もが、彼をお尋ね者の一人である事を疑いもしなかった。
 何故なら…彼は開き直って、ある変装をしたからだった。
 ついさっきも、その検問を無事に超えて…少年は思いっきり遠い眼に
なっていく。

(恐らく…俺自身が帝国が探しているお尋ね者本人なんだろうけどさ…。
引っ掛からない為に変装した筈だけど、まったく疑われもしないって…
ある意味、切ないよな…。むしろ髪や肌の色が違おうとも、15~20歳
くらいまでの男だったら執拗に呼び止められていたしな…。
さっき見た、グッチにちょっと似ている男の人も…年代が引っ掛かって
いたから何度も引っ掛かっていたっぽいし…)

 シャルスはちょっと前に抜けた検問での出来事を回想していた。
 グレックリールと同じ明るいオレンジ色の髪をした少年が…兵士に捕まって
かなり酷い尋問を受けている姿を見て、少し怖くなったのだ。
 一瞬、その髪の色を見た時に…本人かと間違えてしまったが、グッチの
年齢は三十二歳なのに対して、その相手はせいぜい16、7と言った処だったし
こちらを見ても…「うわっ! 凄い美少女! 俺と一杯お茶しない?」と
少女と間違えていることからしても…シャルスはグレックリール本人では
ないと判断した。
 …何故なら、グッチ本人なら12~3歳の頃のシャルスと接してその
顔を知っている筈なのだ。
 だが、その青年は面影はあったが…年齢が根本的に違うし、こちらを
少女と信じて疑わず何度もナンパをして来た。
 
(グッチなら…俺をナンパする訳ないもんな。あれは良く似た別人だと
思った方が良い…。けど、それなら…どこにいるんだろう…。捕まって
いなければ良いんだけど…)
 
 今回の兵士達はこちらに対してナンパをする意味では少々しつこかったが…
どうにか無事に切り抜けて、賑わいを見えている街の門まで辿り着いたのだ。
 その街の門の下で…先程の出来事を思い出してつい少し泣きそうになりながら、
思わず彼は呟いていった。
 
「…まったく…一人ぐらい、俺がお尋ね者本人だって疑えよな…。確かに
追跡の目を交わす為にこんな格好をしているけどさ…。誰にもまったく疑われも
しないっていうのは…少しショックだよなぁ…」
 
 そう、12~3歳の頃の容姿に戻った彼は…どこから見ても「美少女」に
しか見えなかった。それを利用して、青と緑の三角が交互に折り重なった飾りが
襟元と袖に縫い付けられているヒラヒラとした上着と…短い黒のスパッツという
ボーイッシュな服装になっていた。
 このヒラヒラした上着が、スカートのように見えなくもないというのがミソである。
 それで高い声を出して話すように心がければ、『金髪の青年』を探している
兵士達がお尋ね者本人である事など疑う筈もない。
 おかげであれだけの決意を固めて、必ず生きて帰ると誓ったにも関わらず…
この予想外の結果のおかげで、彼はすんなりとここまで辿り着いてしまった訳である。
 しかし兵士達に変なチョッカイを何度も掛けられて面倒だったという点は
置いておいて…現在の彼には、大きな問題が他にも立ち塞がっていた。
 
「…さて、路銀もそろそろ尽きて来たし…マジでどうしようか…。あの山小屋に
置いてあった幾ばくかの金も使い切ったし…焼け落ちたアジトに、俺の七つ道具の
殆どは置かれたままになっているし…真っ当な手段で稼ぐ手立てが
マジでないんだよな…」
 
 自分が目覚めた、例の山小屋には…運が良い事に若干の
金銭が残されていた。
 それをどうにか切り詰めて、この二週間の旅路を乗り切ったが…現在の彼には
本日の昼食を購入する程度の手持ちすら残されていなかった。 
 こういう時、盗賊という職業は困ったものである。一流と言われる腕前の
持ち主でもギルドを介さない限りは勝手に仕事する訳にはいかない。
 
(それに…ギルドがこの街にあったとしても…この近辺のは使った事ないしな。
帝国の方から通達があったとしたら…もしかしたら、名乗ったら
引き渡されるかも知れない…)
 
 一応、シーフギルドと言っても大陸ごとによって…轄者が異なっている。
 どの程度まで大陸を挟んだギルド同士が繋がっているかを知らない現状では、
本名を名乗ってギルドから仕事を回して貰うのは厳しいだろう。
 そうなると…自分に残された稼ぐ為の手段は、スリか盗みかどちらか
しかなくなってしまう訳で…。
 
「あ~あ…こういう時ばかりは…自分が盗賊である事を心底呪うぜ…。まあ
俺の器用さなら何日かやれば大抵の仕事はこなせるようになるけど…
今はそんな悠長なことは言ってられないしな…」
 
 今の彼に追手が掛からない状況だと言っても、帝国が血眼になって
探している魔女の縁の品は…自分が間違いなく持っているのである。
 自分の首にペンダントという形でぶら下がっている物。大地の光石と
呼ばれる宝石。
 この大陸を牛耳る帝国の影の支配者、強大な魔力を持つ魔女が大切にしている…
大地の女神の零した涙から生まれたという伝説が残っている石。
 シャルスは、この石の為に…仲間たちは殺され、自分は追われる身と
なった事を自覚している。
 絶対にこれだけは帝国の手になど渡してやるものかと思う。
 だから一刻も早く、自分はこれを持ってこの大陸を出なければならない。
 そう思っていると…非合法だと判っている手段で稼ぐしかなかった。
 
(…しょうがないな。スリで…今は稼ぐしかないな…)
 
 気が進まないが、それしかなかった。
 ドーン盗賊団は義賊を名乗っているだけに、悪辣な手段で稼いでいる
商人や貴族以外からは盗まないのを信条にしている。
 だが、綺麗事だけでは決してこの世の中を生きてはいけない。
 だから盗賊団では…複雑な鍵やトラップを解く腕前とは別に、スリ等の
盗みの技術も教えられていた。
 シャルスは一度財布を盗んだら、一割程度だけもらって…それから相手に
こっそりと返していくという方法を取っていた。
 同じ人間に二度接触することになるからバレる確率は二倍以上になる。
 だが…シャルスのスリに関しての腕前は一流であり、よっぽどの事が
なければ捕まる心配はない。
 幸いにもこのバラッドの街は、街道に面している為にそこそこの賑わいがある。
 人通りがこれだけ多ければ、何度かそれを繰り返せば…夕方までには
暫く旅を続けられる程度の稼ぎは得られるだろう。
 
(背に腹は代えられない…やるしか、ないか…)
 
 そうして覚悟して、彼は…久し振りにスリという行為を開始していく。
 幾ら気乗りがしなくても…まずは先立つものがなければ、これ以上の旅は
続けられない。それに苦いものを感じつつも…彼は、路銀稼ぎに精を出す事に
決めていった。

―それが思ってもいなかった出会いを齎す結果となる事を
この時の彼は予想してもいなかったのだった―
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プロフィール
HN:
香坂
性別:
女性
職業:
派遣社員
趣味:
小説書く事。マッサージ。ゲームを遊ぶ事
自己紹介:
 鬼畜眼鏡にハマり込みました。
 当面は、一日一話ぐらいのペースで
小説を書いていく予定。
 とりあえず読んでくれる人がいるのを
励みに頑張っていきますので宜しくです。
一応2月1日生まれのみずがめ座のB型。相性の判断辺りにでもどうぞv(待てぃ)

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 …一言報告して貰えると凄く嬉しいです。
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